事務局雑感


事務局雑感01(2008/ 9/12〜2010/11/26)       

2024/ 4/12   「大西ようこ テルミンコンサート」の願い
2024/ 3/22   教育相談の窓から
2024/ 3/ 8   2024年度 サークル会員募集!〜 教育会館サークル活動を楽しんでみませんか
2024/ 2/23   教育会館ふれあいコンサート〜2024年度の会員募集中です
2024/ 2/ 9   美しきシューベルト〜懐かしき日本の歌の世界〜
2024/ 1/26   美しき冬の富士山in逗子
2024/ 1/12   祝 教育会館60周年 〜平和と教育文化の発展を願い出発〜
2023/12/22   教育相談の窓から
2023/12/ 8   齋藤貞子先生からの遺贈寄付に感謝 〜齋藤貞子先生との思い出〜
2023/11/27   教育会館ふれあいコンサート 〜2024年度出演者決定〜
2023/11/10   期待が高まる「木凜々子ヴァイオリンリサイタル」
2023/10/27   木凜々子さんの師〜清水高師先生の思い出
2023/10/13   温かみのある三浦焼の魅力〜工房G第11回作品展(10月9日から16日)
2023/ 9/22   心待ちにしている第12回名画セミナ― 〜講師:人気キュレーター林綾野〜
2023/ 9/ 9   どうしたらいいのでしょうか〜二学期、担任がいない、代わりは校長・教頭
2023/ 8/25   夏の公益事業…科学工作教室を終えて〜 絶対やってみたくなる面白実験
2023/ 8/11   感性を育てる夏の公益事業 〜自由に作品を創造し楽しむ「おやこde アート」〜
2023/ 7/28   クロマチックハーモニカコンサート〜演奏家の熱演と鑑賞者の声援に感謝
2023/ 7/14   世界で唯一のテルミン博物館を訪ねて 〜手を触れずに演奏する楽器テルミン〜
2023/ 6/23   感性を育てる夏の公益事業〜ファミリーコンサート〜
2023/ 6/ 9   子どもの目が輝く夏の公益事業 〜見て知り作って喜びを体験する面白い理科〜
2023/ 5/26   三浦半島地区退職教職員の会〜 第28回文化展開催(6/15 〜19)
2023/ 5/12   学校現場の声を尊重し 公立小中教員の残業問題解決を
2023/ 4/28   人々を魅了する美しき富士山〜輝くダイヤモンド富士〜
2023/ 4/14   公益財団法人横須賀三浦教育会館を遺贈寄付先の一つにお願いいたします
2023/ 3/24   ゆるぎない信頼を寄せ続けるということの大切さ
2023/ 3/10   2023年度 サークル会員募集! 教育会館サークル活動を楽しんでみませんか
2023/ 2/24   深刻な教員不足…保護者の声 2 〜教員不足と多忙化の解消を切望〜
2023/ 2/10   深刻な教員不足…保護者の声 1 〜教員不足と多忙化の解消を切望〜
2023/ 1/27   教育会館サークル「童謡・愛唱歌を楽しむ会」 2023年3月11日終了いたします
2023/ 1/13   平和、教育・文化の発展を願って
2022/12/23   子どもに寄り添い、ゆとりある保育がしたい
2022/12/ 9   身近で生演奏の感動を!〜2023年度 ふれあいコンサート会員募集
2022/11/25   インタビュ―記事〜「心の病アスリートは」に学ぶ
2022/11/11   人と会い話す大切さとコロナ禍の学校
2022/10/28   第91回教育会館ふれあいコンサート〜念願かないバリトン加耒徹さん出演
2022/10/14   社会を明るくした二刀流の大谷選手
2022/ 9/23   名画セミナー「フェルメールの秘密を追う」 修復された<窓辺で手紙を読む女>
2022/ 9/ 9   「コロナ禍」のあれこれ…教育相談の窓から
2022/ 8/26   9月18日開催 コ永洋明ピアノ弾き語り〜華麗なるポール・モーリアの世界 その魅力
2022/ 8/12   コロナ禍の夏休み、健康第一に過ごしましょう!〜小中学生の視力低下に注意を〜
2022/ 7/22   8月11日 第10回開催〜子どもを魅了するサイエンスショー
2022/ 7/ 8   ショパン国際ピアノコンクール入賞〜 宮谷理香が奏でるピアノ演奏を聴きに来ませんか
2022/ 6/24   6月23日は『沖縄慰霊の日』
2022/ 6/10   自己流バードウォッチングを楽しむ〜待ち望むアオバトの飛来〜
2022/ 5/27   一日も早く平和な世界へ〜子どもらは犠牲になる
2022/ 5/13   心癒される絵「絵本のような音楽を」の原画展、5/13〜6/13
2022/ 4/22   葉山育ちコントラバス奏者、地代所悠さんの原点〜5月15日開催、地代所悠リサイタル〜
2022/ 4/ 8   新年度に向けて
2022/ 3/25   2022年度 サークル会員募集!教育会館サークル活動を楽しんでみませんか
2022/ 3/11   アンサンブルφ(ファイ) 〜室内楽の美を追求する極上のひととき〜
2022/ 2/25   教育相談の窓から
2022/ 2/11   あしなが育英会の募金活動にご協力を
2022/ 1/28   3月6日(日)開催、山下伶が奏でる魅惑の世界 〜クロマチックハーモニカコンサート〜
2022/ 1/14   平和、教育・文化の発展を願って
2021/12/24   コロナ禍の友は、コバルト色に輝くカワセミ
2021/12/10   名器ストラディバリウスによる超絶技巧が魅了〜コ永二男ヴァイオリンリサイタル
2021/11/26   「ボイストレーニング歌声広場」も再開〜再開は喜びであり健康生活の源〜
2021/11/12   教育会館サロンコンサート誕生のキッカケ〜12/12(日)、コ永洋明ピアノ弾き語りコンサート〜
2021/10/22   待ち望んだサークル活動の再開
2021/10/ 8   不思議な葉…ナンバンギセルの観察
2021/ 9/24   小学校(5・6年)の教科担任制について
2021/ 9/10   期待がふくらむ第10回名画セミナー〜 人気キュレーター林綾野さんによる名画への案内
2021/ 8/27   子どもの命を守るのが最優先…夏休み明けに注意
2021/ 8/13   コロナ禍の夏休み、健康第一に過ごしましょう〜小中学生の視力低下、肥満が増え〜
2021/ 7/23   緊急事態宣言下で始まった東京オリンピック、責任は誰が取るの?やめる勇気も大切では?
2021/ 7/ 9   なぜ教員は敬遠されるのか
2021/ 6/25   家族の介護を担う子ども ヤングケアラーとは
2021/ 6/11   遺児の学ぶ夢を支える一助に
2021/ 5/28   コロナ禍における文化施設の休業について 〜コ永洋明ピアノ弾き語り〜
2021/ 5/14   政府と現場・国民感覚のずれは・・・ 〜東京オリンピック・パラリンピック〜
2021/ 4/23   文部科学省の「#教師のバトン」について
2021/ 4/ 9   新年度に向けて
2021/ 3/26   教育相談の窓から
2021/ 3/11   自己流バードウォッチングを楽しむ〜春を告げるウグイス〜
2021/ 2/26   心の栄養補給をする美しい音楽〜礒絵里子ヴァイオリンリサイタル〜
2021/ 2/12   コロナ禍、心と体を癒す音楽と運動
2021/ 1/22   感動を呼ぶ「主題曲トゥ・ラブ・アゲイン」愛情物語
2021/ 1/08   あけましておめでとうございます〜本年もよろしくお願い致します
2020/12/25   政府の「ウソ」が社会を悪くする
2020/12/11   コロナ禍の教育会館サークル活動
2020/11/27   学術会議任命拒否問題
2020/11/13   新型コロナウイルス油断せず、しっかりした感染防止対策を!
2020/10/23   10月から公益事業を再開〜キュレーター林綾野さんによる名画セミナー
2020/10/ 9   日本の子ども、幸福度が最低水準〜ユニセフの38か国調査〜
2020/ 9/25   あなたが受け取ったメッセージは?
2020/ 9/11   教育会館ふれあいコンサート再開について
2020/ 8/28   コロナ禍の下、楽しい学校づくりは
2020/ 8/14   「教育会館ふれあいコンサート中止」と再開へ向けて
2020/ 7/24   学校再開 教職員の負担
2020/ 7/10   学校再開 子どもの学習と給食
2020/ 6/26   学校再開 子どもの現状
2020/ 6/12   巣ごもりの交流
2020/ 5/22  
芸術を守り心豊かな社会へ
2020/ 5/ 8   教育会館ふれあいコンサート再開を願う
2020/ 4/24  
子どもの昼食と運動不足が心配
2020/ 4/10   家にいます
2020/ 3/27  
2020年度 会員募集! 春です 気持ち新たにサークル活動を楽しんでみませんか
2020/ 3/13   新型コロナウイルス感染症のために〜まず、私たちがやるべきこと〜
2020/ 2/28  
教育相談の窓から
2020/ 2/14   第1回名曲セミナー 「宮谷理香レクチャーコンサート」を終えて
2020/ 1/24  
第1・2回名曲セミナー ピアノの詩人ショパンを楽しむ〜音楽をより楽しむ名曲セミナ−開設〜
2020/ 1/10   子どもたちが生きやすい環境づくりを
2019/12/27   共感される言動
2019/12/13   期待できない「教員の働き方改革法案」成立〜ますます教員と子どもが犠牲に〜
2019/11/30   大学共通テスト「国語・数学の記述式」も問題
2019/11/22   問題が多い「英語民間試験」見送り〜政府は現場の声を尊重すべきです〜
2019/11/ 8   2020年度 教育会館ふれあいコンサート会員募集〜実力と魅力あふれる出演者決定
2019/10/25   『ボイストレーニング歌声広場』一周年〜歌声で笑顔に〜
2019/10/11   気候危機は子どもたちの権利の危機だ〜グレタさん(16歳)の訴えに胸が痛む
2019/ 9/27   キュレーター林綾野さんによる名画セミナー(10月6日) 絵を見る楽しみを広げるために
2019/ 9/13   「室内楽の美を追求するアンサンブル(ファイ)φ」
2019/ 8/23   夏の公益事業「リニアモーターを作ろう!!」
2019/ 8/ 9   子どもへの虐待・体罰をなくすために〜昨年度の児童虐待最多〜
2019/ 7/26   夏休みは子どもと触れ合うチャンス
2019/ 7/12   切り絵の魅力と福島肇さん
2019/ 6/28   ネジバナ(ラン科)
2019/ 6/14   小学生が一番交通事故にあうのは6月〜安全な横断の仕方を教えましょう〜
2019/ 5/24   輝く若きバリトンの貴公子、加耒(かく)徹(とおる)さん〜第77回ふれあいコンサート〜
2019/ 5/10   子どもの忘れ物対策
2019/ 4/26   市民に親しまれるコンサート創造のために 〜第75回教育会館ふれあいコンサート〜
2019/ 4/12   第8回「3.11あの日を忘れない東日本大震災」のご報告
2019/ 3/22   子どもが、安心して安全に育つことのできる社会に
2019/ 3/ 8   2019年度会員募集! 春です 気持ち新たに〜サークル活動を楽しんでみませんか
2019/ 2/22   制度改正を避けた中教審答申…働き方改革
2019/ 2/ 8   教育相談を通じて思うこと
2019/ 1/25   第74回教育会館ふれあいコンサート(3月17日)
2019/ 1/11   世界平和と国民の幸せを願う〜天皇陛下の記者会見〜
2018/12/28   国民の願いが生かされる政治を
2018/12/14   学校における働き方改革について〜子どものためにも実現を〜
2018/11/23   市民が創造し楽しむ〜 教育会館音楽祭
2018/11/ 9   第7回教育会館名画セミナー 〜「フェルメールの世界」を学ぶ〜
2018/10/26   2019年度 教育会館ふれあいコンサート会員募集〜実力と魅力あふれる出演者決定〜
2018/10/12   クラリネットを始めてみませんか〜クラリネットの魅力〜
2018/ 9/28   フェルメールの魅力に迫る。〜10/27名画セミナー「フィルメール」開催〜
2018/ 9/14   2018年夏の公益事業〜 わかる喜びと学ぶ楽しさを体験〜
2018/ 8/24   夏休み明けに増える小中高生の自殺〜子どもの自殺を防ぐために〜
2018/ 8/10   10月から「ボイストレーニング歌声広場」を開設〜ボイストレーナー橋本陽子さん〜
2018/ 7/27   熱中症、夏休み短縮、子どもの命を守るために
2018/ 7/13   教師の願いと生きがい
2018/ 5/25   公益目的事業の意味するもの
2018/ 5/11   教員の長時間労働を生む給特法
2018/ 4/27   「政治・行政による教育介入」…魚は頭から腐る
           〜地区の教育委員会と学校が毅然と説明〜
2018/ 4/13   楽器の女王、フルートの魅力
2018/3/23   3.11東日本大震災、被災地へ思いを寄せ〜 三浦半島にいきづく「童謡・愛唱歌コンサート」
2018/ 3/ 9   保育士、教員の定数・賃金改善を!
2018/ 2/23   サークル活動・教室を楽しんでみませんか
2018/ 2/ 9   教育相談室から
2018/ 1/26   今こそ平和のために対話する社会を
2018/ 1/12   新年あけましておめでとうございます〜今年こそ、子どもの幸せと平和への道を〜
2017/12/22   親と子の自然かんさつ会〜観音崎公園で初冬の草花を探そう〜
2017/12/ 8   3.11あの日を忘れない〜東日本大震災の遺児に進学の道を!
2017/11/24   第6回 科学の鉄人によるサイエンスショー〜自分でわかるなるほど浮力!!
2017/11/10   三浦半島にいきづく「童謡・愛唱歌の歌碑」を訪ねて 〜歌碑などに刻まれた想いは〜
2017/10/27   藤原真理チェロコンサートを終えて〜藤原さんから学んだこと〜
2017/10/13   三浦半島の海や山、自然を楽しもう! 〜自然体験が子どもの心を育む〜
2017/ 9/22   工房Gを主宰する角野さんと仲間たち   〜よみがえる三浦焼き〜
2017/ 9/ 8   三浦半島の「童謡・愛唱歌の歌碑」を訪ねて
2017/ 8/25   夏、平和を願う 2017広島・長崎平和宣言…政府への要請
2017/ 8/11   夏休みの短縮を考える2
2017/ 7/28   夏休みの短縮を考える1
2017/ 7/14   楽しみな小学生の夏休み
2017/ 6/23   あきれるばかりの政府答弁
2017/ 6/ 9   ふれあいコンサートの座席とマナーについて
2017/ 5/26   教育会館ふれあいコンサート、市民の協力により発展
2017年度は会員増、エアコン改修による騒音改善
2017/ 5/12   子どもの声にもっと耳を傾けたい
2017/ 4/28   「教育勅語」問題と政治
2017/ 4/14   「森友学園」問題で最も驚いたこと
2017/ 3/24   地域社会から、原発避難いじめをなくすために…
2017/ 3/10   サークル活動・教室を楽しんでみませんか 〜2017年度 会員募集!
2017/ 2/24   教育相談室へのうれしい便り〜保護者・学校・病院・教育相談室の連携〜
2017/ 2/10   3.11東日本大震災…チャリティーコンサート「渡邊達徳ヴァイオリンリサイタル」
2017/ 1/27   子どもの未来のため、まず教職員増を! 教師の多くは、過労死ライン越えの勤務
2017/ 1/ 9   明けましておめでとうございます 本年もよろしくお願いいたします
2016/12/23   東京五輪…アスリートファーストという言葉に違和感
〜税金の使い方は、国民のために〜
2016/12/ 9   次年度教育会館ふれあいコンサート会員募集!〜ご希望の方はお早めに申し込みを〜
2016/11/25   原発避難先いじめ…手記を読んで
2016/11/11   頑張れ!小さき生命(いのち)たちよ!
〜新生児医療の現場から、問われる共生社会のあり方
2016/10/28   ラッセラー・ラッセラー・ラッセラッセラッセラー
2016/10/14   電通社員の自殺、労災認定…長時間の過重労働が原因
 〜人権が尊重される社会へ、勤務条件の改善を〜
2016/ 9/23   小学校の英語教科化は必要か?
2016/ 9/ 9   夏の公益事業「作文教室」〜心に残る小さな出来事を書こう〜
2016/ 8/26   磯遊びはおもしろい…葉山、芝崎海岸
2016/ 8/12   小中学校の道徳教育は教科にすべきか?
2016/ 7/22   夏休み、磯遊びを楽しもう!…気をつけたい生き物
2016/ 7/ 8   音楽の力はすばらしい!
2015/ 6/24   第5回教育会館名画セミナー 「浮世絵に見る江戸の食卓」の感想
2016/ 6/10   「子どもの自殺」を防ぐために
2016/ 5/27   横須賀・あなたの町の「おもしろ歴史散歩」
2016/ 5/13   ママも楽しい…佐野享子先生のリトピュアリトミック
2016/ 4/22   実行してほしい「子どもは宝」
2016/ 4/ 8   公益事業「3・11あの日を忘れない 東日本大震災」 〜「辻功 トンボ写真展」〜
2016/ 3/25   教育会館名画セミナー講師 林綾野さん
2016/ 3/11   国会は、国民の声を生かし誠実な討論を!
2016/ 2/26   「3.11あの日を忘れない 東日本大震災」〜 遺児育英資金寄附に協力をお願いします
2016/ 2/12   公益事業「親と子の教育相談室」〜じっくり聴きます。一緒に考えましょう
2016/ 1/22   2016年度 会員募集が始まりました!サークル活動・教室を楽しんでみませんか
2016/ 1/ 8   新年あけましておめでとうございます〜国際平和と子どもの幸せを〜
2015/12/25   2015年 雑感の雑感
2015/12/11   「教職員定数に係る緊急提言」を支持します〜学校現場の声を尊重するのが行政〜
2015/11/27   12月6日開催、平和を願う朗読音楽ライブ「ダイヤモンドより平和がほしい」後藤健二著
2015/11/13   第58回教育会館ふれあいコンサート(10月11日) 感想とお詫び
2015/10/23   ノーベル賞、大村智さんの言葉に感銘 〜人のためになることを〜
2015/10/ 9   教育会館ふれあいコンサート〜2016年度出演予定者が決定しました
2015/ 9/25   小学生の暴力行為が過去最高
2015/ 9/11   何よりも平和を願う地球市民
2015/ 8/28   書く意欲を育てる夏休み作文教室
2015/ 8/14   夏休み子どもリコーダー教室を終えて
2015/ 7/24   はっとさせられた言葉
2015/ 7/10   夏休み作文教室〜あなたも「作文名人」になろう!〜
2015/ 6/26   佐野享子先生のリトピュアリトミック教室
2015/ 6/12   18歳選挙権と民主主義
2015/ 5/22   横須賀・あなたの町の『おもしろ歴史散歩』bQ  郷土史家 山本詔一氏
2015/ 5/ 8   〜セザンヌの足跡を訪ねる旅〜 セザンヌの食卓…林綾野著を紹介
2015/ 4/24   平和を願う愛川欽也さんのメッセージ
2015/ 4/10   子どもの貧困対策基金、政府が新設
2015/ 3/27   10月11日、教育会館ふれあいコンサートスペシャル
「広い河の岸辺」日本語詞の八木倫明さん
2015/ 3/13   教育会館主催のサークル活動・教室を楽しんでみませんか
2015/ 2/27   市民が協力し楽しむ 第1回教育会館音楽祭
2015/ 2/13   公益事業「親と子の教育相談室」 じっくり聴きます。一緒に考えましょう。
2015/ 1/23   「3.11あの日を忘れない 東日本大震災」VS
子どもたちへ引き継ぐ貴重な自然「小網代の森」
2015/ 1/ 1   新年あけましておめでとうございます〜国際平和と子どもの幸せを〜
2014/12/26   祝 教育会館50周年記念スペシャル
2014/12/12   新聞記事を見ての雑感
2014/11/28   平和と民主主義、子どもの未来を守る総選挙
2014/11/14   財務省の「学級定員」を増やす考えに驚く 〜少人数学級導入は急務です〜
2014/10/24   教養セミナー ピアニスト岡崎ゆみ
2014/10/10   第3回名画セミナー「情熱の画家ゴッホ」の感想
2014/ 9/26   子どもの幸せと平和を願う
2014/ 9/12   教育会館50周年記念スペシャル(10月5日)
世界で活躍する 清水高師「ヴァイオリンリサイタル」
2014/ 8/22   眺望を生かす逗子披露山公園の整備を
2014/ 8/ 8   8月、子どもの幸せと平和を考える
2014/ 7/25   第3回名画セミナー(9月27日、情熱の画家ゴッホ)
人気キュレーター林綾野さんによる名画への案内
2014/ 7/11   教養セミナー 教育会館50周年スペシャル クラシックを聴くと良い子が育つ
2014/ 6/27   教育会館ふれあいコンサート 10周年記念
2014/ 6/13   子どもの相対的貧困率は上昇傾向に 〜2014年度版「子ども・若者白書」から〜
2014/ 5/23   未就学児のための二つのコンサート(6月29日)(8月2日)
2014/ 5/ 9   「想い出万華鏡」ミネハハ コンサート
2014/ 4/25   子どもの未来に平和と安全を願う
〜憲法第9条にノーベル平和賞を〜
2014/ 4/11   第3回「3.11あの日を忘れない東日本大震災」ご報告
2014/ 4/11   市民が楽しめる催し物を企画運営してみませんか
2014/ 3/28   教育会館主催のサークル・教室で気軽に楽しみながら学んでみませんか
2014/ 3/14   福島第一原発事故の今を考える
2014/ 2/28   第3回「3.11あの日を忘れない 東日本大震災」開催
〜福島を描いた「橋本栄個展」と遺児育英資金カンパ〜
2014/ 2/14   教育会館の歩みと共に『親と子の教育相談室』も約30年〜1985年に相談開始〜
2014/ 1/24   子どもに共感する教師の心
2014/ 1/10   あけましておめでとうございます  〜2014年は横須賀三浦教育会館50周年〜
2013/12/27   今年一番不安を感じた特定秘密保護法の成立
〜日本の社会は、どうなっていくのでしょうか?〜
2013/12/13   教育会館ふれあいコンサート50回記念スペシャル
2013/11/22   まともな社会が、信頼関係を築く
〜不正だらけの社会、何を信じてよいのか〜
2013/11/ 8   美しく響く馬頭琴の調べ、心をゆり動かす朗読
朗読音楽ライブ「スーホの白い馬」に期待
2013/10/25   輝くクラリネッティスト松本健司さんに聞く
2013/10/11   虐待・子育てを考える2
2013/ 9/27   子育て・虐待防止を考える
2013/ 9/13   演奏家とふれあい 生の音楽を楽しむマナー
2013/ 8/23   セミナー「ベルリンの現在(いま)」 ベルリン在住フリージャーナリスト中村真人氏
2013/ 8/ 9   8月、忘れてはいけないこと
2013/ 7/26   睡蓮の画家モネ 画家が愛した庭
2013/ 7/12   日本国憲法を読む
2013/ 6/28   「予約後のキャンセルは、会費をお支払いいただきます」にご理解ください
2013/ 6/14   公益財団法人になって…  〜公益目的事業比率66%〜
2013/ 5/24   初めてのフルートに挑戦
2013/ 5/10   東日本大震災遺児育英資金カンパの報告
2013/ 4/26   小学校の先生って、どれくらい忙しいんですか?
2013/ 4/12   サークル活動を楽しんでみませんか
2013/ 3/22   見えてこない父親の姿〜「子育て」で母親への支援を〜
2013/ 3/ 8   寄附のお願い
2013/ 2/22   東日本大震災遺児育英資金への寄付 ご協力をお願いします
2013/ 2/ 8   楽しく分かる指導とは…指導者から学ぶ
2013/ 1/25   みんなで考えたい、部活動の体罰 〜元巨人・桑田さん「体罰は不要」に感銘〜
2013/ 1/11   新年あけましておめでとうございます  平和と子どもの幸せを
2012/12/28   子どもを魅了したサイエンスショー
2012/12/14   「ふれあいコンサート」に対する理解と協力に感謝
2012/11/23   ご存じですか 岬陽小学校校門 江戸城の石垣の石
2012/11/ 9   通知表事前確認に驚きと安堵
2012/10/26   フルートの魅力とフルートサークル
2012/10/12   逗子、尾崎行雄記念碑に思う
2012/ 9/28   教員免許「修士レベル以上に」 中教審答申?
2012/ 9/14   神奈川フィルの危機を知り支援を
2012/ 8/24   さのきょうこ先生のリトミック教室 〜歌って踊って、親子で楽しくレッスン〜
2012/ 8/10   江戸城築城石と三浦半島
2012/ 7/27   歴史が結ぶ伊東の森と逗子の海
宇佐美「江戸城石丁場遺跡」と逗子「不如帰の碑」
2012/ 7/13   絵を見る楽しみ…そのきっかけは
2012/ 6/22   ホームページ担当者の悩み〜ブラウザによる見え方の違い〜
2012/ 6/ 8   「三浦半島地区退職教職員の会」創立20周年
2012/ 5/25   もう一つの天体ショー金星太陽面通過
2012/ 5/11   学ぶ喜びは生きる喜び
2012/ 4/27   教育会館主催のサークル・教室で楽しみながら学んでみませんか
2012/ 4/13   風評被害…福島の子ども
2012/ 3/23   「3.11あの日を忘れない」事業報告
2012/ 3/ 9   ピアノを楽しむ人生
2012/ 2/24   『親と子の教育相談室』 気楽にご利用ください〜グチのお相手いたします
2012/ 2/10   とうとうやって来た少女像
2012/ 1/27   3.11あの日を忘れない 東日本大震災
2012/ 1/13   地域住民の声を生かす公益事業に
2011/12/23   お地蔵さんカンパによる義援金のご報告
2011/12/ 9   楽しく歌いましょう 気分がすっきりします〜会には いつでも入会できます〜
2011/11/25   公益財団法人として一年 特色ある公益事業の創造
2011/11/11   想像力を育む 朗読音楽ライブ〜12月18日開催「クリスマス物語プレゼント」に期待〜
2011/10/28   三浦半島の活断層が危険 地震が迫る 〜10月24日、避難訓練(地震)実施〜
2011/10/14   工房Gの角野さんと仲間たち〜よみがえる三浦焼き〜
2011/ 9/23   魅力的な教養セミナー講師、中屋雅之氏
2011/ 9/ 9   坂本龍馬の愛した女 「お龍」
2011/ 8/26  福島の子どもたちの声に耳を傾けたい
2011/ 8/12   笑顔で子育てをする環境づくりのために 親子リトミックなどを検討中です
2011/ 7/22   夏休み 小学生は…
2011/ 7/ 8   元小学校教師からのメッセージ
2011/ 6/24   原発事故と子どもの未来
2011/ 6/10   横須賀出身の若きジャーナリストと音楽家を応援
2011/ 5/27   「石田泰尚ヴァイオリンコンサート」アンケートより〜運営にご理解と協力をいただき感謝いたします〜
2011/ 5/13   もりか絵本原画展えほんができるまで 「ちまちゃんとこくま」の魅力と作家もりかさん
2011/ 4/22   節電のために何ができるか・・・検討するよりまず実行
2011/ 4/ 8   美しきトランペットの響きを東日本被災地へ 今こそ「一人はみんなのために、みんなは一人のために」
2011/ 3/25 東日本大震災により亡くなられた方のご冥福と被害を受けた皆様に心よりお見舞い申し上げます
2011/ 3/11   横須賀市PTA協議会を紹介します。 〜今こそ、学校・保護者・地域の連携が大切です〜
2011/ 2/25   横須賀市私立幼稚園協会をご紹介します。-子どもたちの笑顔と明るい未来のために-
2011/ 2/11   ますます大切 保護者と教師の連携〜教育相談事例から〜
2011/ 1/28   絵画を見るのが楽しくなるセミナー  ギリシャ神話にまつわるヨーロッパの名画
2011/ 1/14   人間としての魅力の源泉
2010/12/24   2010年度 新たな公益事業を開催して
2010/12/10   公益財団法人認定は 新たなる出発






「大西ようこ テルミンコンサート」の願い

大西ようこ テルミンコンサート  テルミンは、1920年、ロシアの物理学者レフ・セルゲイヴィチ・テルミン博士によって発明された世界最古の電子楽器です。魅力の一つに、楽器に触れずに演奏するスタイルがあります。ガイドのない空中で音感を頼りに音を紡ぎ出すという演奏技術の習得が極めて困難なため、世界で一番最初に作られた電子楽器でありながら歴史の波に埋もれてしまっていた幻の楽器です。
 テルミンの音は、人の歌声に聴こえるような伸びやかで柔らかい音色です。音域は広く低音・高音も奏でることができます。
 教育会館のコンサートは、三浦半島市民のみなさんに生の音楽を身近で気軽に楽しんでいただくためのものです。聴いたみんなの心が癒され元気になってほしいと願っています。喜んでもらえるコンサートにするために必要な要因の一つは、聴衆を想像し曲目を何にするかです。大西さんには、できる限り多くの人が聴いたことのある名曲を要望し理解していただきました。
 大西さんからコンサートに望む思いもいただきました。
 音楽を聴くことは、心の中の想いと大事な思い出につながる最も良い方法のひとつです。自分の中の一番美しい部分、一番やさしい心、一番善なるもの、自分はこういう人間だったんじゃないか、世界はこんなにも美しいものだったではないか、そんなことを思い出してもらえるような、そんな触媒となれる様な世界を作りたいと願います。
  帰り道 一輪の花にも ありがとう を言いたくなる。
  そんな演奏会ができたら・・・と思います。
 4月21日、「大西ようこテルミンコンサート」を開催します。伴奏は徳永洋明さんです。徳永さんはピアニストで作曲家です。この日のために作曲をしていただいた新曲「「木漏れ日の春」」も披露します。春の思いが詰まった素晴らしい曲です。初めてのテルミンコンサートに期待が高まります。

2024/ 4/12







教育相談の窓から

教育相談の窓から  ここ教育文化研究所の教育相談には、いろいろな相談が寄せられます。多くは保護者の方で、母親が圧倒的に多いです。ここの相談室は、名前も住所も学校名もお聞きしないので、少しは気楽にお話ができるように感じています。
 たいていは1度か2度、電話や来室でお話を伺うと、それっきりになることが多いのですが、なかには何年も続けて何かあると連絡してくる方もいます。
 たまに、相談のその後を報告してくださる方がいるのですが、ある時、いじめによる不登校で転校を余儀なくされ、転校先でもなかなか登校できずに、悩んで親子で相談に来られた方がいました。
 話を聞く中で、いじめは100%いじめる側の問題なので、なぜ自分がいじめられるのかという風に考える必要は全くない。むしろ怒るのが当然で、それは完全に正当な怒りであることを話すと、涙をこぼして、その時のつらかった思いを話してくれました。
 ここでは、感情を抑えずに涙や笑いや震えや汗などの形でたくさん表出してもらうことが多いです。すると、混乱は鎮まって、本来の知性が働きだします。このケースでも、相談室でしたように、家に帰ってもお母さんとたくさん泣いたり笑ったりするうちに、二人ともどんどん元気になって、あっという間に登校できるようになったのです。
 昨今、「涙活」などという言葉で、泣くことの効用が知られるようになってきましたが、このケースもその好例かも知れません。
 後日お母さんから、一日も休まず、親友もできて、楽しく学校に通えていると喜びのご報告をいただきました。相談のその後を知る機会が少ないので、こうした知らせは本当にうれしいです。

2024/ 3/22







   2024年度 サークル会員募集!
教育会館サークル活動を楽しんでみませんか

 仲間と学び活動することは、楽しみであり日常生活を活性化させています。
 春です。気持ちを新たに教育会館のサークル活動に参加してみませんか。

1.「サタデースィング〜愛唱歌を楽しむ会〜」常時募集、第4土曜日13:00〜15:00、会費月1回500円、古敷谷博明さんの指導の下、和気あいあいとグループで歌を楽しみましょう。

2.「大人のリコーダーサークル」常時募集、月2回(第1・3水曜日)会費1,000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導により練習し、リコーダーの楽しさ豊かな表現力を味わいます。

3.「大人のフルートサークル」常時募集、月2回(第1・第3火曜日)会費3,800円。野上修一さんの指導により、Aは初めての方です。Bのアドバンスサークルは、吹いた経験のある方です。

4.「大人のピアノ教室」(第2・4火曜日9:30〜10:00)。
月2回(第2・第4火・木・金曜日)会費3,800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。

5.「大人のクラリネットサークル」常時募集、月2回(第2・4金曜日)会費3,800円(4月から4,000円)。芳野亜美さんの指導によりAは初めての方、Bは吹いた経験のある方です。クラリネットは音色が暖かく魅力的な楽器です。

6.「ボイストレーニング歌声広場」常時募集、月2回(第2・4木曜日)会費3,800円。シンガーソングライター・ボイストレーナーの橋本陽子さんの指導により、ボイストレーニングと歌を楽しんでいます。

7.「健康ヨガサークル」常時募集、毎週水曜日13:15〜14:45 会費は1回当り1,200円、月4回の場合4,800円。高橋祐美子さんの指導のもとヨガポーズと呼吸法で心身をリラックス&リフレッシュしています。

8.「初級太極拳・気功体操教室」月3回木曜日13:30〜15:00 、会費月2,000円。齋藤明夫さんの指導の下、太極拳で体力、免疫力を高め、心身ともに健康な体を作りましょう。

問合せ先(公財)横須賀三浦教育会館 046-824-0683






2024/ 3/ 8







教育会館ふれあいコンサート
    2024年度の会員募集中です

●公益財団に認可されたのが2010年で、さまざまな活動をされていますが 「ふれあいコンサート」はどのような趣旨でスタートしたのでしょうか?
 教育会館ふれあいコンサートは、三浦半島の市民のみなさんに生の音楽を身近で楽しんでいただくため、2004年度からスタートし20周年を迎えます。
 はじめてからなんとか3年ほど続けることができたとき、企画・運営の難しさを実感し鑑賞者が少なくならないうちに終了を考えました。しかし、何人かの市民から「楽しみにしているので、是非コンサートを続けてほしい」との励ましの声があり、演奏者や会員、関係者の協力により今日まで継続することができました。現在は、「ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏者とふれあい、家族や友だちとも気軽に生の音楽を楽しむ場となっています。

●年度ごとに4回の会員制ですが これらの企画のこれまでを振り返り・・
 演奏が終わった後、一抹の不安を覚えることもあり、演奏者と聴いた人の様子が気になります。会場が一体となり盛り上がり満足顔で帰る人を見送るときにはホッとします。アンケートの感想に、「身近で一流の音楽が市内で聴けるなんて幸せです。」などの感想が寄せられ、演奏者からは、「この会場は身近で熱心に聴き楽しんでくれるのでやりがいがある」との声を聞いたときには開催して良かったと思います。
昨年の11月に開催した「高木凛々子ヴァイオリンリサイタル」では、「初めてまじかで有名なストラディバリウスの音色を聴いて感動しました」と感想をいただき、木凜々子さんからは、スタッフやお客様があたたかく、素晴らしい音楽空間で幸せでしたとの話があり安堵しました。

●2024年度も魅力あふれる出演者ですね。まず 6月2日のコンサートは?
 2004年、教育会館ふれあいコンサート発足にあたり助言をいただいたのが逗子在住ヴァイオリニストの前沢均さんです。「前沢さんのコンサート」にゲストとして登場したのが加耒徹さんです。加耒さんによるバリトンの美声が逗子文化プラザホールいっぱいに響いたときには、思わず鳥肌が立ちました。
 その時の印象が鮮明に浮かび、感動を教育会館で市民と共有したいという思いにかられ、出演を依頼し、2019年に「加耒徹バリトンリサイタル」が実現しました。当日は会場が感動の空気に包まれ、実力派だけに圧倒的な声量と表現豊かな歌唱力に魅了されました。6月2日のコンサートが楽しみです。
(湘南ビーチFMにて2024.01.24放送の要旨)

2024/ 2/23




3月3日 コ永洋明ピアノ弾き語り

美しきシューベルト
     懐かしき日本の歌の世界

 音楽は、文字通り音を楽しむものです。ただ、どんなに立派な演奏を聴いても楽しめないことがあります。クラシックコンサートに誘われて行った時のことです。演奏者は優れていましたが、20分ほどして不覚にも居眠りに悩まされとうとう最後まで楽しむことができませんでした。しかし、アンコールの短い1曲だけは聴いたことのある曲で気持ちが和みました。
 教育会館のコンサートは、三浦半島市民のみなさんに生の音楽を身近で気軽に楽しんでいただくためのものです。あくまでも音楽的な見識の深い人だけではなく、一般市民が対象です。聴衆に喜んでもらえるコンサートにするために必要なことは、鑑賞するみんなが楽しめる内容にすることが大切と考え、必要に応じてタイトルや曲目などの希望を出すことがあります。
 久しぶりにシューベルトのセレナーデを聴いたとき、美しく優しく胸に響き心が豊かになりました。シューベルトの曲目は、アヴェ・マリア、子守歌、野ばら、菩提樹など聴いた曲が多くみんなで楽しめるのではないかと話し合い、ピアノのコ永洋明さんに依頼しました。タイトルは「美しきシューベルト」を希望、すぐに快諾の返事をいただきました。
 コ永さんからは、中田章の「早春賦」と中田喜直の「たんぽぽ」の曲を提案いただき、テーマを「美しきシューベルト 懐かしき日本の歌の世界」にすることになりました。中田喜直は日本を代表する作曲家です。「夏の思い出」「めだかのがっこう」「雪のふるまちを」など、世代を超えて親しまれる歌を数多く残しました。「早春賦」で知られる音楽家・中田章の息子です。
 美声が会場いっぱいに鳴り響き、感動に包まれた昨年の「コ永洋明ピアノ弾き語り」の情景が思い出されます。聴いた方からは、「すべて知っている曲ばかりで、トークも楽しくピアノもすてきで、桃子さんの歌声、姿、すべてに魅了されてしまいました。ブラボー!」の感想をいただきました。今回も、心身が癒され元気づけられるコンサートになることを期待しています。

2024/ 2/ 9




(印刷用はこちらです)

2024/ 1/26




(印刷用はこちらです)

2024/ 1/12






  教育相談の窓から

 「地球沸騰化」などといわれる気候変動が、世界各地で深刻な災害をもたらしています。12月とは思えないほどの温かさが続く日本列島も、いきなり大雪が降ったり、台風並みの風雨に見舞われたりと、目まぐるしく変わる天気に翻弄されています。気候変動については、何年も前からたくさんの研究者が警鐘を鳴らしていて、各国がそれに対して、本気で取り組まなかったことが今まさに起きているのでしょう。
 つまり、これは私たち人類が自分たちのためだけに続けてきた「地球への暴力」に対する「しっぺ返し」なのでしょう。「時すでに遅し」かもしれませんが、いまさらながらに始まったCO2削減の施策や、SDGsのとりくみなど、「やらないよりはまし」かも知れないけれど、「やらなければ滅びる」今の状況を、まず受け止めて、少しでも行動することが大事なのかもしれません。
 子どもの相談を受けていますが、子どもにとって良い環境を作れず、結果として起こっている問題に対して、環境改善の取り組みをすることは本当に難しいことです。それでも自分の生き方をまず見直して、前を向いて歩き始めた保護者の姿が子どもを変えていった事例がたくさんあります。
 学校に行かずゲームばかりしている息子に困り果てていると相談してきたお母さん。話を聞くうちに、子どものマイナスな部分ばかりに目がいって、否定ばかりしていることに気付きました。ゲームに夢中なら、そのゲームを一緒に楽しむ時間を1日1回でも持ってとの提案をしぶしぶやってみたら、しばらくして、子どもがかわいく見えてきて、すると子どもがとても明るくなって、色々なことを話してくれるようになった、一緒に遊んだだけでこんなに変わるなんてと報告してくれました。
 今起きている問題に一喜一憂するより、まず自分にできることを考え、一人ひとり「地球にやさしい暮らし方」を実践できれば、このすさまじい気候変動もいくらか食い止められるのではないか、そんな(淡い)期待を抱いています。

2023/12/22








(印刷用はこちらです)

2023/11/24













(印刷用はこちらです)

2023/11/24











(印刷用はこちらです)

2023/11/10









木凜々子さんの師

  清水高師先生の思い出

 2014年10月5日に「清水高師ヴァイオリンリサイタル」を開催しました。当時、横須賀出身の世界で活躍するヴァイオリニスト清水高師さんのコンサートをしてほしいと要請がありました。プロフィールには、「10歳でNHK毎日学生コンクールに優勝。N響と共演。国際コンクール優勝者を集めたコンクールにおいて最優秀グランプリ受賞」など、輝かしい経歴が書かれていました。
 これを見て、とても当会館にお出でいただける方ではないと思いながら調べてみました。現在は東京藝術大学教授でほとんど海外において演奏していることが分かりました。そこで、清水先生の状況を知るため東京藝術大学の学務課に電話で事情を話し、「ヴァイオリンの清水先生のお弟子さんのような方と話がしたいのですが、連絡が取れないでしょうか」とお願いしました。
 数日後の12月、清水先生本人から電話があったのにはびっくり、出演依頼したところ快諾をいただきました。その後、お礼のメールをしたところ、清水先生からは、日程の提案やいろいろな点での配慮と、「横須賀は私の大切な故郷です。お役に立てれば幸いです」という丁重な言葉をいただきました。
 6月に入りチラシ作成の資料をお願いしました。清水先生はヨーロッパに演奏旅行中でした。それでも外国から何度も連絡をいただき、「小中学生にもできるだけ一流の生の音楽を聴いてほしいと願っています。そのため、小品もお願いいたします」と要望したところ、予定曲をウイーンから送っていただきました。これを見て、多くの方に喜んでもらえると確信しました。
 鑑賞者からは、「私は最初のビィタリのシャコンヌで一撃でした。初めて聴いた曲だと思うのですが、最初の出だしで涙が出てきました。 なぜなのか説明はできません。…様々な病気を経験した友人は、モーツァルトを聴いて、病気から脱出したそうで涙が止まらなかったそうです」との感想も寄せられました。
 清水先生の豊かな人格にも触れ感銘を受けたこと、2014年10月5日「清水高師ヴァイオリンリサイタル」が、感動的な教育会館50周年記念スペシャルになったことを思い出します。改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

2023/10/27








    温かみのある三浦焼の魅力
工房G第11回作品展(10月9日から16日)

 工房Gを主宰するのは、三浦市の元中学校美術教師だった角野竹博さんです。現職のとき、体育祭での出場者紹介のアナウンスで「角ジイこと角野先生を先頭に入場です」と言ったときみんながわっと沸いたことがきっかけで角ジイが愛称となりました。工房の名前は、この教師時代を懐かしんで当時の角ジイの愛称を使い工房Gと名づけたそうです。
工房Gには、いろいろな人がやってきて自分の好きな作品を作ります。「メンバーが好きなことを選択してやる」のが方針です。それぞれが陶芸や彫刻など独自の作品作りにとり組み仲間の絆も自然と深まります。好きな焼き物や彫刻などに取り組む穏やかで温かい角野さんの人柄も関係するのでしょうか、メンバーはみんな温厚で製作中も会話あり笑顔ありです。
 角野さんが考案した三浦焼は、三浦市内で採った土をはじめ、うわぐすりには木やマグロの骨、ワカメ、ダイコンなども素材として使います。土とうわぐすりの素朴な風合いが織りなす色や仕上がり感が三浦焼の魅力です。作品の出来上がりは、色やつやが変わることもあり、窯から出す時が楽しみだそうです。仲間たちの作品も美しい色使いや独創的な形があり上達してきています。
 また、「増富焼き」は、山梨県北斗市にある瑞牆(みずがき)山の粘土やアカシアの木の灰を材料にし、青みがかった黄色が特徴です。山あいの温泉地で湯治客が多く、土産物や体験教室の開講など、地域資源として活用できたらと、三浦焼きの存在を知った地元事業者からのオファーをきっかけに、角野さんが完成させた作品で好評を得ています。
 工房G第11回作品展は10月9日から16日まで。時間は午前10時から午後6時(初日は午後1時から、最終日は3時まで)。会場には三浦焼や増富焼をはじめ、注いだ瞬間に味がまろやかになる「特性三浦焼」の出品。仲間が制作した個性豊かな陶芸や彫刻、賛助出品の木工も展示。コーヒーカップや茶わん、皿などチャリティー販売も実施し遺児育英資金として寄付します。入場無料。










「工房G 第10回作品展」 2022.10.17〜24実施

2023/10/13









2023/ 9/22






どうしたらいいのでしょうか
  二学期、担任がいない、代わりは校長・教頭




 かつて小学校に勤務していたとき、担任したことがあるAさんと以下のメールのやりとりをしました。
〇こんにちは!ちょっとショックで書かせてください。今日二学期でしたが、小4と小3の息子の担任がどちらもドクターストップで代わりました。次男に至っては今年度になってから2度目の担任交代です。代わりの先生は、長男のクラスが副校長、次男のクラスは校長でぎりぎりな感じです。教育現場の危機感を覚えます。どうしたらいいのでしょうか。
*Aさんの受けたショックは、よく分かります。親ならば誰もが同じ気持ちになると思います。元教員として学校の状況も理解できます。それでも、早期の改善を要望してはいかがでしょうか。先ず、親の動揺が子どもに影響を与えないよう対応してほしいと思います。子どもたちが逞しく乗り越えてほしいと願うばかりです。的確な助言ができず申し訳ありません。
〇先生、メッセージありがとうございます。そうですね。二人ともというのが衝撃で思わずメールしてしまいました。保護者会が開催されますが、私のように兄弟揃ってという人はいないのか、3年生も4年生も同じ時間に設定されていて、片方しか説明を聞きに行くことができません。先生たちも大変なのはわかるのですが、改善の要望を伝えてみようと思います。
 反面、子どもは案外「校長先生でラッキー」「いろんな先生が来てくれるからラッキー」って感じです。今後、歪みが出ないといいなと思います。パート先である保育現場も同様ですが、メンタルを崩される先生が本当に多いですね。
 Aさんの教育現場に危機感を感じる、メンタルを崩される先生が多いと思う心配には胸が痛みます。現在、教員不足や教員の長時間労働が社会問題となっています。この問題解決には、国の大幅な教育予算増が必要です。教育条件整備に責任ある国は、学校の実態を直視し、学校や保護者の声に耳を傾け、解決のため本気で取り組んでほしいものです。




2023/ 9/ 8





夏の公益事業…科学工作教室を終えて
      絶対やってみたくなる面白実験




夏の公益事業…科学工作教室を終えて〜絶対やってみたくなる面白実験  8月2日、科学工作教室を開催しました。子どもたちは、声が変わる変成器、万華鏡、踊るへびづくりなど、ナゼや驚き、面白実験に取り組みました。子どもたちが体験したり学んだりした感想を紹介します。

〇いろいろな工作ができたので楽しかったです。いろいろなことが知れたり面白いものを作ったり、家で作れるようなのもたくさんあったので、家でも作れたらいいなと思いました。家族に教えていっしょに作ったりすると楽しそうです。みんなでできるような実験をしてみたいです。(4年)
〇音のしんどうとかいろいろ勉強になりました。工作のこと好きになったし工作の技術がつきました。光や音をもっと勉強したくなりました。(5年)
〇去年と似たような感じだと思っていましたが、ちがうジャンルのものができて楽しかったです。光や音といった身近なものでも、気づいていないことがあるので、新たな発見のチャンスもたくさんあることが分かりました。(6年)
 理科の面白さは、自然を対象にして問題を見いだし、仲間と協力して解決を図ることで、自分の世界が広がったり、仲間とのつながりが一層増したり、自分自身の成長が感じられたりすることにあると言われています。そのため、理科は子どもにとって学ぶ喜びに満ちた教科と言えます。
 今回の科学工作教室を計画し指導していただいたのは、横須賀市立小学校理科研究会の先生です。理科研究会では、子どもが理科に興味関心を持つ授業を行うには、どのように計画し指導する必要があるかを研究しています。子どもにとって楽しく分かる授業の研究です。子どもが夢中になる授業とは、何よりも先生がねらいをはっきり持って教材を工夫することが大切です。
 「みんなでできるような実験をしてみたいです。光や音をもっと勉強したくなりました。新たな発見のチャンスもたくさんあることが分かりました」など、子どもの感想からも、体験した面白実験の喜びが伝わってきます。科学工作教室での体験が理科好きになるきっかけになることを願っています。



2023/ 8/25







感性を育てる夏の公益事業 〜自由に作品を創造し楽しむ「おやこde アート」〜


2023/ 8/11






クロマチックハーモニカコンサート
   演奏家の熱演と鑑賞者の声援に感謝


 7月16日、山下伶クロマチックハーモニカコンサートを開催しました。午前は家族みんなで楽しむファミリーコンサートです。当日は、クロマチックハーモニカで汽笛の音、伴奏のアオコ―ディオンで波の音を出しながら楽器の説明、手拍子の指導もあり、演奏に手拍子が入り会場が一体となりました。
 知人から以下のメールをいただきましたので紹介いたします。
〇孫が小学校で合奏したUnder the seaが演奏されたこともあり喜んでいました。息子は、二人の超絶技巧に感心してあのハーモニカに興味をもったようです。私も時折混じるジャズのアドリブ風なフレーズを楽しませてもらい大人向けの演奏も聴いてみたいと思いました。午後の部もよかったでしょうね。
〇あんな小さなハーモニカが4オクターブ音域をカバーして見事な曲を奏でるのにビックリしました。アコーディオンとの相性もとても良かったですね。チビたちはスイミングスクールのすぐ後だったので落ち着きがない様子でしたが、生の音を聞けて喜んでいました。
〇孫は初めての音楽会で、よい思い出になりました。帰りにハーモニカを買って帰りましたよ!「海」を聴いてたらウルウルしちゃいました。いい音ですよね〜。ピアソラのリベルタンゴとか、楽しい演奏会でした。クロマチックハーモニカは、初めてでした。指で半音の操作ができるんですね。びっくりしました。チャルダッシュとか、盛り上がりました。
 午後からは、第92回教育会館ふれあいコンサートを開催しました。テルミン奏者の大西ようこさんからは、「ハーモニカとアコーディオンの表現力とあのテクニック、素晴らしかったです。 PA(音響機器)も連れてくるというのは、山下さん気合入ってますね。本気になりたくなる空気というのが、あの演奏会にあるからでしょうね。それも、続けて来られた教育会館の今までの蓄積なんだろうと思います。すごい。」と、励ましのメールをいただきました。
 楽しいコンサートにしていただいた演奏家と鑑賞者に感謝いたします。









2023/ 7/28





世界で唯一のテルミン博物館を訪ねて
  〜手を触れずに演奏する楽器テルミン〜


世界で唯一のテルミン博物館を訪ねて〜手を触れずに演奏する楽器テルミン〜  6月24日、逗子市にあるテルミンミュージアムを訪ねました。そのきっかけは、昼食をとっていた店の柱にテルミンコンサートのチラシが貼ってあり目に入ったからです。チラシには、「世界最古の電子楽器テルミン」とあり演奏曲目も「真白き富士の根、アヴェ・マリア」など聴いた曲だったことから興味関心が膨らみました。
 今までテルミン楽器の名前すら知りませんでした。それも楽器に触れずに演奏するという考えたこともない不思議な楽器です。テルミンミュージアムを開いたのは、逗子市在住のテルミン奏者である大西ようこさんです。見学は予約が必要とのことで、電話予約をして見学が実現しました。
 ミュージアムには、テルミン博士自身が設計し、一般に流通したモデルとしては最古の「RCAテルミン」を収蔵。1929年から30年にかけて500台製造され、世界に139台(2023年7月現在)、日本では2台しか確認されていない貴重なモデルです。日本やオーストラリア、アメリカなど世界で作られたモデルやマトリョーシカ型の電池で動くものも展示されており、その空間は、まるで貴重な芸術の空気が漂っているような感じがしました。
 大西さんからは、テルミン楽器について熱心に説明をしていただきました。また、演奏の体験もしてみました。テルミンに対する知識が何もなかったからでしょうか。気軽にチャレンジできる楽器とも言われているようですが、ドレミの音階すらどうしたらだせるか分かりませんでした。テルミンの構造と特徴は、本体から2本のアンテナが伸びており、それぞれのアンテナに近づけた一方の手が音程、もう一方の手が音量を決めるそうです。
 大西さんは、国内外で演奏してきたほか、アニメ「ゲゲゲの鬼太郎」に登場する「人魂」の効果音を収録するなど映像作品にも参加。他の楽器とのコラボも行い新たな表現方法も開拓しています。大西さんによるテルミン演奏の感動を教育会館で市民の方と共有したいと思い帰ってきました。
手を触れずに演奏する楽器テルミン


2023/ 7/14








事務局雑感 感性を育てる夏の公益事業〜ファミリーコンサート〜


2023/ 6/23






子どもの目が輝く夏の公益事業
   〜見て知り作って喜びを体験する面白い理科〜


 夏休みが近づいてきました。子どもたちが生き生きと過ごす一助になればと願い夏の公益事業を開催します。今回は、面白い理科への関心を高めてもらおうと行ってきた「科学工作教室とサイエンスショー」を紹介します。

○科学工作教室「絶対やってみたくなる面白実験」
 2019年には、リニアモーターを作りました。最初に磁石16個と乾電池2個、アルミテープでレールを作り、中央へアルミテープを巻き付けたストローを置くと、ころころと転がりだします。「おー」「すごい、動いた」などの喜びの声があがりました。「先生、動きません」とSOSを出す子もいました。
 後半は、メラミンスポンジを使い車体を作って、リニアモーターカーとして走らせました。バランスよくシュッと進む子、左右にそれてすぐに止まってしまうなどいろいろでした。先生にアドバイスをもらい、テーブルの仲間と協力し進ませることができる子が増え「面白かった」の声も聞こえました。
○第11回科学の鉄人によるサイエンスショー
 2017年のサイエンスショーは、「自分で分かるなるほど浮力?」でした。先生の巧みな問いかけにスピード感ある実験、子どもたちは思考力をフル回転させながら食いついていきます。メモを取っている子、身を乗り出して手を挙げる子、「超すげえ」と声を上げる子、最後の「浮かんだヘリウム風船を沈めて見せる」実験では、思わず立ち上がり背伸びをしてのぞきこんでいました。
 「間違えてもいいんだよ。間違えるということは、よく覚えるということにつながっていくんだ」と子どもを励ます言葉も印象的で、実験が終了した後も参加者はなかなか帰りませんでした。先生の周りを取り囲み質問をする子、先生と参加者が一体化して、熱気あふれる楽しい時間を作り出していました。
 理科は、自然を対象に問題を見いだし、観察や実験により新たな知識を広げる面白さと喜びがあります。夏の公益事業は、今年も工作や実験による驚きや面白さが詰まっています。「科学工作教室・サイエンスショー」に参加したことがきっかけとなり、理科への関心を高め好きになってほしいと思います。




2023/ 6/ 9






三浦半島地区退職教職員の会
   第28回文化展開催(6/15 〜19)


 今年は、早くも「三浦半島地区退職教職員の会」創立31年になります。「三退教」の歴史を思うとき、歴代会長の顔が思い出されます。どの会長も人間性豊かで多くの教職員・保護者から慕われていました。機関誌「みうら」に掲載される現在の石井会長の文は、社会問題を分かりやすく指摘する魅力的なもので読むのが楽しみです。
 活動については、役員の方の献身的な努力と会員の協力により今日まで会員の親睦と地域文化の発展の実績を積んできています。
 その第一は、「三退教」文化展です。退職教職員の絵画、書、写真、パッチワーク、陶芸、木工、手編み、絵手紙など趣味で作成した作品が展示されます。第1回は1994年に「総合美術展」として横須賀はまゆう会館で開催、2006年の第12回から「総合美術展」を「文化展」に名称を変更して開催し今日に至っています。家族の出品も大歓迎です。
 作品の出来栄えが目的ではなく、気軽な発表の場となっており、年に一度の発表を楽しみにしている方もいます。鑑賞には会員や現職の教職員をはじめ市民の方も足を運んできます。会員にとっては交流の場ともなっており旧交を温めている姿も見かけます。
 私も2年前から写真展に参加しました。作品は、逗子の散歩道で出会った野鳥の写真です。デジカメを持って散歩がてら自己流バードウオッチングのときに撮ったものです。知識も技術も乏しいため撮った写真は不出来なものです。それでも、5月にやってくるアオバトなど披露山や大崎公園で出会った野鳥の報告になればという思いで参加しています。
 「三退教」の活動の拠点が横須賀三浦教育会館になっていることも誇りです。現在、6月15日から19日(初日13:00から最終日15:00まで)開催する文化展の準備が進められています。今年も多彩な作品が展示されるのを期待し、市民の方にも楽しんでいただければ幸いです。












2023/ 5/26






学校現場の声を尊重し
  公立小中教員の残業問題解決を


 文部科学省は4月28日、2022年度に実施した公立学校の勤務実態調査を公表しました。教諭の平日の1日あたりの勤務時間(在校時間)は、小中学校とも11時間前後で30分減少したとしています。しかし、依然として長時間労働の教員が多いとして、教員待遇のあり方について今夏にも中央教育審議会に諮問して議論を始める方針とのことです。
 この公表を聞いて、何十年も繰り返してきたように、また審議会で議論して予算は現状通りとなるのではないか、これでは残業問題の解決に期待が持てないと思った教職員も多いのではないでしょうか。「担任が決まらない」教員不足や残業問題の要因は、長年にわたり現場の声を無視してきた施策にあると思います。
 小学校の教諭が、残業代が支払われないのは違法だとして時間外勤務の賃金などの支払いを求めた裁判で、3月最高裁判所は上告を退け教諭の敗訴が確定しました。地方裁判所は、裁判の中で残業を労働時間として認めると判断したのは、○翌日の授業準備(1コマ5分)〇業者テストの採点(1回60分)○週案の作成(週30分)など、●教材研究●作文のペン入れ●保護者対応などは教員の自発的行為だから労働時間ではないというものです。この現場に合わない仕分けには驚くばかりです。授業準備1コマ5分には言葉がありません。
 「残業しないと業務が終わらない状況が常態化していたとはいえない」と判断して訴えは退けましたが、「多くの教員が一定の時間外勤務に従事せざるをえない状況で、法律が教育現場の実情に合っていないのではないかと思わざるをえない」と指摘し、法律や給与体系の見直しなどの必要性に言及しました。法律が現場実態に合ってないとの指摘には同感です。
 明石前市長は、「日本は予算を子どものために使っていない」と感じ、ヨーロッパ並みの水準まで上げることができると信じ、子ども予算を125億円から297億円と2倍以上に増やしたそうです。教員が明るく元気に活動できる学校にするためには、教職員増の予算化が必要です。国は学校の実態を直視し、学校や保護者の声に耳を傾け、解決のため本気で取り組んでほしいものです。



2023/ 5/12






人々を魅了する美しき富士山
     〜輝くダイヤモンド富士〜


真名瀬海岸画像  4月4日、ズーム仲間のAさんから逗子の沼間御霊社から撮ったダイヤモンド富士がラインに送られてきました。他の2人からは、「きれいですね!すごいタイミング、感動しますね。素晴らしい!よく撮れましたね。見事なダイやモンド富士ですね」と感嘆の声があがりました。天候次第でこれからも見るチャンスはあると日時・場所が記入された情報提供がありました。
 4月9日、Bさんから「葉山の森戸海岸に行ってきました。かなりたくさんの人が出ていました。ダイヤモンド富士はバッチリです」との報告に写真が添付されていました。10日にはCさんから「真名瀬から見てきました。美しかった。神秘的ですね。あかね色の発色も直に見るとまばゆいし、周りの雰囲気も何とも言えない」と、メールが入りました。「ダイヤモンド富士」とは、富士山頂に太陽が重なる瞬間、ダイヤモンドのように輝く現象です。
 富士山は、2013年6月に『富士山-信仰の対象と芸術の源泉』としてユネスコの世界遺産リストに登録されました。自然遺産ではなく、文化遺産として登録されています。太古から日本人にとって信仰対象であり、神が宿る山として敬われてきました。また、その美しい山の姿は和歌や浮世絵の題材にもなり、日本や西洋の芸術にも影響を与えてきたと記されています。
 富士山は、季節や天気によっても多様な美しさを見せてくれる雄大な山です。逗子の披露山や大崎公園、逗子海岸などを散歩するため、絶景を見る機会に恵まれます。特に、朝の澄み切った空と青い海に浮かぶ雪化粧した富士山は美しく、日没後の紅に染まるシルエットの富士山にも心を奪われます。
 今回は、逗子からのダイヤモンド富士を撮ることができず残念でした。しかし、ズーム仲間との交流から、富士山に対する関心がいっそう高まりました。いつかは、逗子海岸からの奇跡の絶景ダイヤモンド富士、披露山からは、月が富士山頂に重なる早朝の美しいパール富士を撮ってみたい思いにかられ、ますます逗子(三浦半島)大好き人間になっています。

披露山公園・日没後の逗子海岸・早朝の大崎公園から

2023/ 4/28






公益財団法人横須賀三浦教育会館を
遺贈寄付先の一つにお願いいたします


2022サイエンスショー画像  日頃、横須賀三浦教育会館に対しご理解と協力をいただき感謝申し上げます。 「遺贈寄付」についてご存じでしょうか。日本では災害などが発生した際、被災地に「寄付」をする人が増えてきました。寄付のうち「私の財産の一部を〇〇団体に遺贈する」などと遺言に書いて、死後にその遺志が実現されることを「遺贈寄付」といいます。
 寄付と遺贈寄付は何が違うのでしょうか。一般の寄付も遺贈寄付も、公益的な活動をする団体や事業に対して財産を無償で提供することは同じです。しかし、前者は「今」、後者は「将来、自分が死亡した時」という寄付をする時点が異なります。募金も義援金もクラウドファンディングも寄付ですが、大金持ちを除けば多額の寄付はなかなかできません。
 しかし、「今」多額の寄付はできなくても、自分が亡くなった時に残った財産の中から一部を遺贈寄付するのであれば、意外に大きな金額になることもあるでしょう。こうした点からも、遺贈寄付は新たな寄付の方法として注目を集めています。
 当会館は、横須賀市をはじめ三浦半島地区の教育および文化の発展に寄与することを目的に、2010年12月公益財団法人の認定を受け、次の公益事業を行っています。
1.青少年の健全育成活動、豊かな情操を育む機会の提供 (公益事業1)
 ファミリーコンサート、サイエンスショー、科学工作教室、教育相談等
2.地域の教育、文化及びスポーツ振興のための企画と運営 (公益事業2)
 教育会館ふれあいコンサート、教養セミナー、美術展、大人のピアノ教室、  大人のリコーダーサークル、大人のフルートサークル、大人のクラリネット
 サークル、 ボイストレーニング歌声広場、健康ヨガサークル・防災訓練等
3.地域の教育文化振興のための施設貸与と支援 (公益事業3)

 この事業に必要な資金は主に会員の会費および事業収入を当てていますが、教職員会員の減少および光熱費や物価の高騰などにより、会館運営が厳しい状況となっています。
 これを機に、遺贈寄付について考えていただき、公益財団法人横須賀三浦教育会館を遺贈寄付先にしてくださることをお願い致します。
 まずは、横須賀市民法律事務所の呉東正彦弁護士に相談してみてください。1回目の相談は無料です。

ウクライナ支援コンサート・横須賀市民法律事務所

2023/ 4/14





ゆるぎない信頼を寄せ続けるということの大切さ


 猛威をふるい続けた新型コロナウィルス感染症の波は、第8波の今、ようやく衰退の気配が見え始め、2類から5類への移行、イベント開催などの再開、マスク着用義務の見直しなど、社会生活も徐々に活気を取り戻し始めてきました。
 そんな中、開催されたWBCでの日本チームの優勝は、久しぶりに明るく、元気の出る話題でした。
 最年少三冠王、村神様等と、大きな期待を背負わされ、大会終盤まで不調に苦しめられた村上選手の、準決勝での逆転タイムリーは本当に感動的でした。なかなか思うように実力を発揮できなかった間、どんなにつらく、苦しい思いをしたことか、それでもスタメンとして使い続けた栗山監督のゆるぎない信頼に背中を押され、会心の一打を放った時、彼はその苦しみから解放され、どんなに嬉しかったことかと思います。
 ここ教文研に寄せられる相談で、保護者の方々は一様にわが子を心配し、苦しんでいますが、それは自分の子育てに対する不安によるところが大きいので、「心配は不信感の表れととられます。あなたは大丈夫だよと、絶対的な信頼を寄せていけるように、お子さんの良いところをたくさん見つけていきましょう」と声掛けすると、たいていの方は涙を流していろいろな話をしてくれます。不信感が信頼感に代わると、子どもは必ず問題を乗り越え、成長してくれます。
 子育てにおいても教育の場においても、相手をリスペクトし、ゆるぎない信頼を寄せ続けるということの大切さ、素晴らしさをたくさん学ばされた大会でした。


2023/ 3/24







2023/ 3/10





2023/ 2/24











2023/ 2/10









2023/ 1/27








平和、教育・文化の発展を願って


 当会館は、三浦半島における地域住民および教育関係者の教養を高め、生活と福祉の増進を図り、教育文化の振興発展に寄与することを目的に設立されました。この目的を達成するため、「児童又は青少年の健全な育成に関する事業」「地域の教育、文化及びスポーツの振興に関する事業」「教育及び文化活動を支援する施設貸与に関する事業」などを行っています。ホールや会議室は市民のみなさまに貸し出しています。
 2010年12月に公益財団法人となり12年が過ぎました。その間、市民参加による公益事業の充実を図ってきました。特に、幼児による「にこにこ親子クラブ」、青少年向けの「ファミリーコンサート」「サイエンスショー」大人の「フルートサークル」「クラリネットサークル」「ピアノ教室」などのサークル活動は、市民の自主的な運営により活発に行われ好評を得ています。また、教育会館ふれあいコンサートは、市民のみなさまに生の音楽を身近で楽しんでいただくため、2004年度からスタート致しました。現在、「ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏者とふれあい、家族や友だちとも気軽に楽しむ場となっています。
 当会館には三浦半島地区教職員組合・三浦半島地区学校管理職組合協議会(横須賀市立学校管理職組合)・横須賀市PTA協議会・横須賀市私立幼稚園協会の事務所が置かれ、三浦半島地区教育文化研究所も設置されています。それぞれの団体は、会館を拠点に子どもの幸せを求めて活動をすすめています。
 今後も平和と子どもの幸せを願い、市民の発想と行動力に期待した公益事業の充実をはかり、より親しまれる教育会館へと発展させたいと思います。
 新型コロナウイルスの感染は続いており、再度ご不便をおかけすることがあると思いますが、本年もどうぞよろしくお願い致します。


2023/ 1/13










子どもに寄り添い、ゆとりある保育がしたい


 静岡県の「さくら保育園」で発覚した虐待事件が報道されました。市の報告書には「園児を宙づりにした後、まっ暗な排せつ室に放置する」「カッターナイフを見せて脅す」など16件が示されていました。このようなひどい不適切な保育は、人間性の欠如として決して許されるものではありません。また、3人もの保育士が行っていたことも理解できません。
 不適切な保育は「さくら保育園」だけではなく、他の保育園でも行われ報道されることがあります。ほとんどの保育士は、子どもの命と安全を考え、懸命に取り組んでいますが、なぜ不適切な保育が発生するのでしょうか。
 保育現場では、保育士の人手不足のためゆとりがなく、どの園でも虐待が起きてもおかしくない危険性が内包されていると関係者が指摘しています。今、保育現場で最も必要なものは保育士の増員です。「子どもに寄り添いゆとりある保育がしたい」というのが保育士の声です。保護者は、子どもが明るく成長できる保育を願っています。
 国の配置基準では、認可保育所で保育士1人がみる園児数は、0歳児は3人まで、1、2歳児は6人、3歳児は20人、4、5歳児は30人です。この通り配置しても、保育士が保護者対応や体調を崩した子の世話などにかかりっきりになると、ほかの保育士が見る園児の人数が増えます。この配置基準は、70年以上も改善されていません。これでは実態に即した保育は無理です。OECD(経済協力開発機構)が調査した20か国で一番低い基準だったそうです。不適切な保育をなくすためには、保育士の労働環境の改善も急務です。
 教員の長時間労働による過労死も社会問題になりました。いまだに多忙化が解決されず、子どもと向き合う時間や教材研究の時間も十分に取れていないのが実情です。一方、2023年度から5年間で防衛費を現行計画の1.5倍以上となる43兆円とするとの報道があり驚きました。政府には、子どもの未来と幸せのため、教育費の大幅増額に本気で取り組んでほしいと思います。


2022/12/23








   身近で生演奏の感動を!
2023年度 ふれあいコンサート会員募集


 教育会館ふれあいコンサートは19年目となり、2024年度に20周年を迎えます。今日まで多くの市民の方に親しまれ愛されてきました。その大きな要因に演奏家の魅力があります。次年度の「教育会館ふれあいコンサート」を企画するにあたっては、どの演奏家に依頼するかが重要な課題となります。
 今までのアンケートの感想やコンサート後の鑑賞者の様子と声を思い浮かべつつ、年4回のコンサートをどの演奏家にお願いするのがいいのか、いろいろな人の意見もいただきながら検討しました。その結果、依頼する演奏者を決め、日程調整などに時間がかかりましたが、実力と魅力あふれる出演者の快諾を得ることができました。
 2023年度の第1回は、メゾソプラノの下園理恵さんとバリトンの加耒徹さんのデュオです。今を時めく期待されるお二人の美声がホールいっぱいに広がり聴く者を魅了するでしょう。
 第2回は、山下伶さんによるクロマチックハーモニカ魅惑の世界です。本年の3・4月に出演をいただき、鑑賞者の多くの方がクロマチックハーモニカの豊かな表現力に感銘を受けました。
 第3回は、NHK交響楽団クラリネット首席奏者松本健司さんと元NHK交響楽団ホルン首席奏者福川伸陽さんによるデュオです。お二人の名演奏は心地よく胸に響き、心洗われると思います。
 第4回は、期待の若きヴァイオリニスト木凜々子さんによる優雅な演奏です。ユーチューブで何回も聴きました。名器ストラディヴァリウスで描く高級感を感じる美しい音色も楽しみです。
 現在、「教育会館ふれあいコンサート」は、その名の通り身近で演奏家とふれあい、市民が気軽に生の音楽を楽しむ場になっています。是非、会員となって鑑賞していただければ幸いです。


2022/12/ 9












インタビュ―記事
  「心の病アスリートは」に学ぶ


 コロナ禍の生活は、子どもの心にも影響を与えています。学校や保護者は忙しく子どもに寄り添う言動に欠けてしまうことがあるのではないでしょうか。
 本来は、子どもが嫌なことがあった時など、話を十分に聞き見守ることが大切と理解していても、「がんばれ」「やればできる」など、励ましや説教のような言葉を発し自責にかられることがあります。
 そんな時、元サッカー五輪代表だった森崎浩司さんのインタビュー記事が朝日新聞(11月18日)に掲載されたのを読みました。アスリートとして心の病を体験した話は心に響き納得できるものでした。特に、監督だった森保一さん(現サッカー日本代表監督)との会話が印象的です。
〇病気を打ち明けると「浩司のやりたいようにやってくれたらいいから」「何かあれば、いつでも言って。24時間、扉は開いているから」と声をかけてくれ、何に苦しんでいるかをうまく説明できなかった時に、「精神科の主治医に会ってくれませんか」とお願いしたら、快く病院に足を運んでくれました。
〇「今日は顔色いいね」とか「いい感じで走れているね」とか前向きの言葉をずっとかけてくれました。チームの全体練習に参加できるようになったら、練習後に芝生に座って1、2時間話すこともありました。僕にとっては不安な気持ちがちょっと取り除かれる貴重な時間でした。…理解を示そうと寄り添ってくれたので、僕もすべてをさらけ出すことができました。
〇ある時、「いつもしんどいんです」と伝えたら「しんどいと思っている自分も好きになってみたらと」とポロッと言ってくれた。「そんな自分も好きと発することで、少しずつ気持ちが楽になっていきました。僕にとっては、今も大事な魔法のような言葉です。
 サッカーW杯カタール大会、歓喜の声が報道されています。監督は選手の能力を向上させ、チームを一つにまとめ、試合に勝つことを目的とするリーダーです。森保監督の一端を知り応援の気持ちがいっそう高まっています。



2022/11/25










人と会い話す大切さとコロナ禍の学校


 コロナ禍になり、人と会って話す機会が極端に少なくなりました。そこで、かつての同僚4人がズームで歓談をすることにしました。当初は、パソコンに顔が出て話すことに新鮮な感動を覚え、月1回の実施日が楽しみでした。しかし、何回かの実施後には物足りなさも感じるようになりました。
 ワクチンを打ちコロナ感染が少なくなり、久しぶりに会って話をすることにしました。顔を見ての話し合いは気持ちがよく伝わり、喜びや不安を共有することができとても楽しい会となりました。今まで、人と会うことも人を誘うことも躊躇し孤独感すら感じることもありました。人と会い話すことの大切さを再認識しました。
 毎朝の散歩仲間とのちょっとした会話、「おはようございます」「今日の富士山はきれいですね」「モズがさえずっていましたよ」「桜の花が少し咲きました」などが気分爽快にしてくれます。
 コロナ禍の生活は、子どもに影響を与えてきています。昨年度の「不登校」とされる小中学生の数が過去最多となったことが文部科学省より報告されています。その要因は、行事の縮小や黙って食べる給食など制限があり登校意欲が減退することです。小学校での暴力行為の増加も気になります。コロナ禍の生活でストレスを抱える子どもが増えたからのようです。
 この問題を解決するため、学校は懸命に努力しています。しかし、教員の長時間労働が社会問題となったのにもかかわらず、依然として解消されていません。そのため、教育にとって最も大切な子どもとふれあい信頼関係を築く時間も不十分です。子どもの成長に必要な学校行事などを創意工夫し取り組んでいますが、課題が山積しています。
 東京では、コロナ感染が「第8波に入りかけている」と医師会が述べています。神奈川県でも感染者が増えてきています。コロナ禍において子どもと教員が明るく生き生きと活動できる環境整備が急務です。


2022/11/11








2023年度 第91回教育会館ふれあいコンサート
   念願かないバリトン加耒徹さん出演


<第76回教育会館ふれあいコンサートより>  10月16日、教育会館ふれあいコンサート山田武彦プロデュース「歌とピアノで誘う世界一周の旅!」を開催しました。コロナ禍になって初めての声楽を入れてのコンサート、期待と一抹の不安を抱えながらの開催です。
 会員の方からは、「殺伐としたニュースばかりで心が沈みますが、こんなにすてきな音楽と踊りが世界中にあるのが、平和につながって欲しいです。最後のオペラも心に響きました」「歌があるとより素敵ですね」の感想をいただきほっとしました。
 声楽のコンサートでは、2020年9月開催予定の加耒徹バリトンコンサートを実現したいと考え、検討したときのことが思い出されます。
 新型コロナウイルス感染対策のため、入場者を半数以下としホワイエとホールを開けるなどしても、声楽の場合は飛沫問題があり納得して運営できる状況を見出せませんでした。そのため、快諾をいただいた加耒さんに9月開催予定のコンサートは中止とさせていただきたい旨を連絡しました。
 加耒さんからは、「最近は年末や来年の公演まで次々とキャンセルが決まっており、安心した音楽活動を行うのは随分先になるかと覚悟しております。そんな中でもモチベーションは失わずに、常にスキルアップはめざしていきたいと思っております。コンサート、残念ですが中止することを了解しました。また、コンサート運営が可能になった暁には是非とも再びあそこで歌わせていただけましたら嬉しいです。その時を楽しみに待ちたいと思います」と、直前のキャンセルにもかかわらず温かい言葉をいただきました。
 2023年度のふれあいコンサートを計画するにあたり、まず、加耒さんに出演をお願いしました。加耒さんからは日程を空けたとの連絡があり、第76回教育会館ふれあいコンサートにおけるバリトンの美声が当ホールに響きわたり魅了されたときの感動が蘇りました。
 2023年5月14日、下園理恵(メゾソプラノ)&加耒徹(バリトン)デュオ、お二人の美しい歌声の感動をみなさんと共有したいと思います。



2022/10/28










社会を明るくした二刀流の大谷選手


 大リーグのシーズン中は大谷選手の活躍を楽しみました。投げるシンカーは、直球の軌道から大きく曲がり落ちます。メジャー屈指の好打者アルトゥーベも苦笑し唖然とした姿が印象的でした。超変化のスライダーは、キレ鋭く空振りの連発です。これでは誰も打てないと驚きの声が上がりました。
 打撃では、打った瞬間にものすごい打撃音と共に大歓声が沸き、大谷選手は打球の方向を見てゆっくりとバットを置き走り始めます。打球は遠くまで飛び、みんなが喜びを感じる時です。特に、特大16号ホームランの打球速度はメジャー最速190キロ、飛距離は今季最長141メートルとなりました。
 ピッチャーが、全力で走ったり盗塁したりをするのをあまり見たことがありません。体力の消耗や怪我を防ぐためでしょうか。大谷選手は安打で出塁すると、続く打者の左翼線二塁打で快足を飛ばし華麗なスライディングで一気に勝ち越しのホームを踏み、ファンを沸かせました。全力で走る美しいカモシカのような走りも観る者を魅了します。
 シーズン終盤になり、自打球やデッドボールを受け、指に豆ができるなどのアクシデントがあり、投球回数が規定に達するかどうか心配されました。しかし、シーズン最終日に5回を投げMLB史上初となる投打ダブル規定到達の偉業を成し遂げました。私も最終日10月6日の早朝5時に起きテレビ観戦して見届けることができ安堵と喜びをかみしめました。
 大谷選手は、常に準備をしっかりし全力プレーで楽しんでいる姿を見せてくれました。野球を楽しんでいる笑顔を見て明るい気分にもなりました。「四球を選んだ際、バットを投げないどころか肘当てを折りたたんでバットボーイに手渡す。審判への対応も紳士的。チームメイトや相手選手を敬う」など、謙虚で誠実な人間性も愛されみんなを明るくしてくれました。
 「もっともっとうまくなりたい。よりアグレッシブに攻めることが大事だと思います」。この大谷選手の言葉に来季への期待が膨らみます。



2022/10/14










  名画セミナー「フェルメールの秘密を追う」
    修復された<窓辺で手紙を読む女>


ぼくはヨハネス・フェルメール  フェルメールは、1632年、オランダのデルフトに生まれ、画家として活躍しました。現存する作品は35点とも言われ、作品の素晴らしさと希少性の高さも相まって、世界的にも屈指の画家として注目を集めています。日本でも21世紀に入って人気が加速しました。私も、静かな空気に包まれた23.9p×20.5pの小さな作品「レースを編む女」に魅せられたことが思い出されます。
 当会館では、第1回「フェルメールからのメッセージ」第7回「フェルメールの世界」のタイトルで名画セミナーを開催してきました。
 第7回の名画セミナーでは、林綾野さんが、画像を見ながら作品を解説し、画家や名画への研究と熱い思いが参加者に伝わり好評を得ました。フェルメールの名画「牛乳を注ぐ女」に描かれた材料からは、絵の中の女性がその先に作ったと考えられる「お菓子」を蘇らせる話は印象に残るものでした。
 参加者からは、「美術展での絵画解説と違い画家の時代背景や生活に基づいてのお話は楽しい。林先生の画家への思い入れや、キュレーターとしての情熱が感じられて、あっという間の2時間でした」との声も寄せられ、毎年の名画セミナーを楽しみにしている人もいます。
 10月2日(日)、第11回教育会館名画セミナー「フェルメールの秘密を追う」を開催いたします。講師はキュレーターの林綾野さんです。林さんは美術館での展覧会の企画、美術書の企画・執筆を手がけています。新しい美術作品との出会いを提案するために画家の芸術性と合わせてその人柄や生活環境、食への趣向などを研究、紹介し注目を集めています。著作には「フェルメールの食卓」「ぼくはヨハネス・フェルメール」などがあります。
 今回は、修復され日本に来ているフェルメール<窓辺で手紙を読む女>のキューピッドをめぐるエピソードをはじめ、数奇な運命を辿ったフェルメールの作品の魅力に迫ります。この名画セミナーにより、絵についての理解をさらに深め、鑑賞する喜びの一助にしていただければ幸いです。



2022/ 9/23








 「コロナ禍」のあれこれ…教育相談の窓から


 体温を超える酷暑、記録にないほどの豪雨の度重なる襲来、発生の仕方や進路、勢力ともに迷走する大型台風、新型コロナウイルスの第七波感染拡大…等々、今年の夏休みは楽しさよりも危険や不安でいっぱいのイメージでした。
 夏休み明け、久しぶりに登校してきた子どもたちの様子はどうでしょうか?夏休みと言えば普段できない体験を…と学校ではよく言われますが、感動や楽しさにあふれた体験は難しかった子もいたのではないかと思います。
 「コロナ禍」にはいろいろなものがあると思いますが、人と人の関係性に大きな影響を及ぼしていることが多いように感じます。
 先日あるテレビ番組の中で、コロナ流行以降、離婚率が上がったという話がありました。リモートワークなどで、普段は家にいない家族も家にいる時間や機会が増えて、普段見えないものが見え、ぶつかり合ったり、不満につながったりすることが増えたのも一因ではないかというのです。
 教文研に寄せられる相談にも、リモートワークで父親がずっと家にいて、今まで知ろうともしなかった子どもの問題について、あれこれ口を出してくる、母親のやり方を責める、子どもが嫌がる干渉をするなどが増えました。
 モラルハラスメントではないかと思えるようなものもあり、ただでさえ、ワンオペと言われるような、母親が一人で抱え込まされていた子育てについて、今さらという形で割り込まれ、引っ掻き回されているという悩みです。
 父親のほうも多分、どうしていいかわからないけれども、放っておけないというジレンマがあると思いますので、これをきっかけによく話し合って、子育てに向き合えばいいと思うのですが、双方感情的になってしまい、話し合いどころか離婚に発展しかねないような状況のものもあり、両親そろっての来室相談も増えてきています。
 家族の在り方が問われる「コロナ禍」でもあり、これはこれで家族再生へのエポックメイキングになるのではと、ひそかな期待も感じるこの頃です。 。


2022/ 9/ 9










  9月18日開催 コ永洋明ピアノ弾き語り
  華麗なるポール・モーリアの世界 その魅力


 ポール・モーリアが好きで、現在もよく聴いているという知人のAさんに、「曲を聴いているときの気分、ポール・モーリアの魅力とは何ですか。その他、知っていることや思っているとなどを教えてください」と尋ねてみました。Aさんからは、「いざ考えてみると一つも答えが見つかりません」というメールと一緒に、次の文が添えられていました。
・大学生だったころ、なんとなく耳にしていた。
・年を重ねるごとに、若かった頃の自分と重ね合わせて聴くようになり、しみじみいいなと思えることが多くなった。
・曲が上品で疲れた心を癒してくれる。行ったことがないのにエーゲ海の風景などが頭に浮かび、疲れが取れる気がする。
・ずっと聞いていても心地よい。ただなんとなく好きなんだな〜くらいで。
 ポール・モーリア(1925年3月4日〜2006年11月3日)は、フランスの作曲家、編曲家、指揮者、ピアニスト、チェンバロ奏者。1970年代に大ヒット。特に日本ではNHKラジオ第一などでひんぱんに放送され、愛されたイージーリスニング界の有名な音楽家です。
 Aさんのポール・モーリアに対する言葉の思いこそ、愛され魅了してきたポール・モーリアの音楽だと思います。Aさんは「曲が上品で疲れた心を癒してくれる。行ったことがないのにエーゲ海の風景などが頭に浮かび、疲れが取れる気がする」と述べています。エーゲ海の青い海とそよ風を感じ、いつ聴いても心和み癒されるのがポール・モーリアの魅力です。
 9月18日、「コ永洋明ピアノ弾き語り」を開催いたします。曲目は、「恋は水色」「エーゲ海の真珠」など、お洒落で気品ある優しさに包まれたポール・モーリアのヒット曲です。ゲストの殿岡さんには、ファゴットでエルガーの「愛の挨拶」などを演奏していただきます。コ永さんのユーモアたっぷりのトークとお二人の演奏をお楽しみください。

2022/ 8/26








コロナ禍の夏休み、健康第一に過ごしましょう!
   〜小中学生の視力低下に注意を〜


 先日、小学生の母親から成長した子どもの写真と共に、「ふたりともメガネになってしまいました」とのメールが送られてきました。
 小中学生の視力の低下が文部科学省の調査でも明らかになっています。裸眼視力が1.0 未満小学生が約4割、中学生が6割に上がり、現在の小中学生は、勉強・読書・テレビ・ゲーム・パソコン・端末など近くで見る作業が多い生活をして目に負担をかけています。大切な目を守るため、家庭でも次の点に気をつけましょう。
〇本を読んだり端末を見たりするときは、30p以上離しましょう。また、30分ごとに休憩し、遠くを見て目を休めることも必要です。
〇正しい姿勢で勉強するようにしましょう。寝転んで本を読んだりテレビを見たりするのはやめましょう。
〇十分な睡眠も必要です。できる限り外での時間を確保し、寝る前にスマホやゲーム機の使用はひかえましょう。
 成長期の大切な子どもの目です。定期的に検査をして、気になることがあれば眼科医に相談することも大切です。
 猛暑とコロナ禍の夏休みです。暑さを避け、水分を取るなどの「熱中症予防」と、マスク、喚起などの基本的な「コロナ対策」を両立させましょう。交通事故にも気をつけてほしいと思います。小学生の交通事故のほとんどが「とび出し」が原因です。改めて、熱中症やコロナ感染、交通事故には十分に気をつけ、健康第一、元気に過ごしてほしいと思います。
 夏休みも後半に入ってきました。初めての経験や学びにより大きく成長した子もいると思います。また、いつのまにか規則正しい生活がくずれたり宿題が後回しになっていたりする子もいることでしょう。そろそろ学校生活を意識した生活が必要です。そのため、前半にやる計画がどこまでできているか見直してはいかがでしょうか。
 夏休みの過ごし方で9月以降の学校生活にも影響が出ます。大切なことの一つは、学校期間と同じように生活リズムを整えておくことです。



2022/ 8/12










   8月11日 第10回開催   
子どもを魅了するサイエンスショー


 当会館主催、科学の鉄人によるサイエンスショーは、第1回を2012年10月14日に開催し、本年度は第10回となります。サイエンスショーの目的は、科学の鉄人による科学実験を見て、楽しみながら科学技術をより身近に感じて興味関心を持ってもらうことです。
 「科学の鉄人」は、小学生や中学生を対象とするサイエンスショーです。そのショーの中で、いかに子どもを引きつけ科学の原理を理解させるかという技量を競いあいます。会場を訪れた子どもの審査員および大人の審査員の投票によってその年の「科学の鉄人」が選ばれます。講師の益田孝彦先生は、「科学の鉄人」に2007・2008・2011年度と三度も選出されています。
 当会館の第1回科学の鉄人によるサイエンスショーのテーマは、今回の第10回と同じテーマ「大気圧って大したやつ?」でした。今、子どもたちに科学の興味関心を喚起し魅了した第1回の様子が思い出されます。
 講師の益田孝彦先生は、「みなさんは海の底では物を押しつぶそうというすごい働きがあるのを知っていますか?カップ麺の容器も海の底では小さくつぶれてしまいます…」と、丁寧に共感を得ながら説明し実験を進めました。実験に失敗しても成功しても目を見張り驚きの声がわき、会場は先生と参加者が一体となった空気が流れます。先生の掛け声とともに10sのボウリングボールが持ち上がったときは、会場いっぱい驚きと喜びの歓声に包まれました。
 参加者からは、「最後は決めるぞ!の実験でボウリングの球が持ち上がったとき、すごいなと思いました。さかさコップもおもしろかった(子)」「楽しくワクワクする時間をありがとうございます。子どもの心にも母の私にも深く印象に残りました。研究する楽しさおもしろさ失敗も楽しいことが印象的です(母)、ふしぎでおもしろかった(子)」と、感想をいただきました。
 8月11日開催、第10回科学の鉄人によるサイエンスショーでも、見る人は、益田孝彦先生の科学実験に心ときめき魅了されると思います。











2022/ 7/22










   ショパン国際ピアノコンクール入賞
宮谷理香が奏でるピアノ演奏を聴きに来ませんか


 今までに経験したことがない猛暑が続きます。熱中症警戒アラートが発表され、気象庁は外出をなるべく控え、水分を取るなどして熱中症を防ぐよう呼びかけています。また、新たなコロナウイルスの感染拡大も報道されています。熱中症とコロナ感染に気をつけるため家にいることが多く、運動不足により体力が落ちたりストレスを抱えたりする人が増え、心と体の健康をどう維持していくかは切実な問題です。
 学校においても、コロナと熱中症対策をとりつつ教育活動を行っています。しかし、熱中症のリスクを考え、マスクをなるべく外すよう指導していますが、新型コロナウイルスへの感染を心配する声もあり、強制はできないとしてどのように対策を講じるかなど苦慮しています。子どもの登下校も心配です。専門家は、下校前に水分補給し、マスクをはずしてしゃべらないで下校することを推奨しています。
 このような日常の不安を少しでも解消し、前向きに生活したいものです。そんなとき、音楽は人の心を癒し元気を与えてくれます。
 7月17日、当会館において、ショパン国際ピアノコンクール入賞者の宮谷理香さんによる「ファミリーコンサート」と「サロンコンサート」を開催します。宮谷さんには、何回も当会館のコンサートに出演いただき好評を得てきました。演奏では、想いのこもった圧巻のピアノ演奏が聴く者を魅了しました。トークも貴重な体験をもとにユーモアを交え分かりやすく、面白かったとの感想が寄せられています。
 午前11時開催の「ファミリーコンサート」は、3歳以上の子どもと家族みんなで楽しむコンサートです。名曲を一流のピアニストが身近で演奏します。楽しい音楽クイズやリズムたたきにもチャレンジし体験してみましょう。
 午後2時開催の「サロンコンサート」は、聴いたことのあるピアノの名曲が多くあります。ピアノは、弾き手によって音色が変わります。第84回ふれあいコンサートの宮谷さんの演奏について、「生演奏で素敵なピアノの音色を聴かせていただき幸せを感じるひとときでした。明日からまた頑張っていかれそうです」と、感想をいただきました。宮谷さんの生演奏を身近で聴いてみませんか。


2022/ 7/ 8










6月23日は『沖縄慰霊の日』


 通信技術は日々進化し、私たちに、リアルタイムでさまざまな情報が届きます。そんな中、ロシアによるウクライナ侵攻の状況が、連日、映像をともなって報道されています。負傷した市民や兵士、ロケット弾による攻撃で廃墟と化した集合住宅や壊れた車、道路や橋梁まで破壊され、人々の生活が奪われた状況を見るにつけ心が痛みます。
 6月23日は『沖縄慰霊の日』です。
 1945年3月26日から始まった沖縄戦は、1945年5月末に第32軍の首里司令部が陥落し、日本軍は南部に撤退しましたが、6月下旬までに組織的戦力を失い、6月23日に牛島満司令官らが自決しました。この日を実質的な沖縄戦の終結日ととらえて『沖縄慰霊の日』に制定されました。戦没者の霊を慰め、平和を祈念する日として1991年に沖縄県内の公休日として定められ、この日は平和祈念公園で『沖縄全戦没者追悼式』が行われ、二度と悲惨な戦争を繰り返してはならないという沖縄の願いを全世界に発信しています。
 沖縄は太平洋戦争において、日本国内で唯一の地上戦が繰り広げられた場所で、この沖縄戦だけでも20万人以上の戦死者を出し、その半数に近い9万4000人余りが一般県民や子どもでした。ロシアによるウクライナ侵攻の映像に重ね合わせると、想像以上に悲惨なものだったに違いありません。  
『沖縄慰霊の日』は「戦争は絶対にさせないことを誓う日」
だと思います。
 戦争をさせない1000人委員会の呼びかけ人であり辺野古基金の共同代表だった菅原文太さんは、以下のように述べています。  
「政治の役割は2つあります。1つは国民を飢えさせないこと。もう1つはこれが最も大事です。絶対に戦争をしないこと。」「沖縄の風土も本土の風土も、海も山も空気も風も、すべて国家のものではありません。そこに住んでいる人たちのものです。」
 世界のリーダーは、この言葉を理解し、すぐに行動してほしいものです。

  







(沖縄平和祈念公園)


2022/ 6/24








自己流バードウォッチングを楽しむ
〜待ち望むアオバトの飛来〜


2021/ 8/ 2
 3年前の春のことです。逗子の披露山公園へ散歩に出かけるようになりました。行くたびに「ホーホケキョ」と美しくさえずる声を耳にしましたが、姿を見ることができません。なんとか写真に撮りたいと思い、手のひらに収まるデジカメを持って出かけました。さえずりに注意し探すと、姿を見る機会が多くなり、不出来ながら撮ることができるようになりました。
 その後、だんだんとコゲラ、ヤマガラ、モズ、ジョウビタキ、シジュウカラなど、かわいい野鳥の様子を観察したり写真に撮ったりして自己流バードウォッチングを楽しむようになりました。分からないことは、野鳥図鑑で調べたり、知っている人に教わったりして、新たに知ることも喜びとなりました。
 昨年の夏、朝の散歩で知り合ったAさんから、大崎公園(逗子)にきれいなアオバトが来るという話を聞きました。図鑑によれば、アオバトのオスは、頭から胸にかけて黄色みが強く、翼は一部が赤茶色をしています。おなかからしっぽの裏側は白く、くちばしや目の周りは青に縁取られています。メスは全体的にオリーブ色で統一された外見をしていることなどが分かりました。
 アオバトを実際に見たいと思い、7月下旬、大崎公園へ朝の5時過ぎに着くようにして観察を始め、数日後にはついにカラフルで美しいアオバトを目にすることができました。その美しい姿が忘れられません。その後、8月末まで、毎日のように出かけ、遠く離れた枝に止まるアオバトを8月2日、12日、24日の3回観察することができ、なんとか不出来な写真も撮ることがでました。
 今年の5月17日、「夜明けの大磯 アオバト飛来」という新聞記事で、4月26日の初飛来と報じられました。大磯町の照ケ崎海岸は、国内最大級の飛来地です。飛来のピークは7、8月とのことでした。5月24日、アオバトの鳴き声を大崎公園で聞いたAさんは、「たまにしか会えないからこそ、待って待って、会えた時は嬉しい」と語っています。 今年も、大崎公園でのアオバトとの出会いが楽しみです。


2022/ 6/10






一日も早く平和な世界へ
      子どもらは犠牲になる


 ロシアのウクライナ侵攻により、戦争は3か月を過ぎても終息する気配がみえません。それどころか、ますます激化し多くの子どもや国民が命を落としています。毎日、絶え間ない砲撃や爆撃により住居は破壊され、食料は不足し空腹を強いられ、インフラの被害を受け濁った水たまりから水を飲むなどの状況が報道されています。「生き地獄」とも語られています。
 また、長い間のシェルターに隠れての生活、「ロシア軍によってほとんどの建物が破壊され、すべてが奪われました。子どもたちが遊ぶような公園にも地雷が残っていて、散歩することもできません。美しい街だったのにロシア軍によって地球上から消し去られ自分の夢もすべて消えてしまいました」と話すウクライナ人もいます。
 ロシアのプーチン大統領は、ウクライナによる「ジェノサイド(民族大量虐殺)」から新ロシア派を守らなければならないため、戦争ではなく「特別軍事作戦」であり正義だと主張しています。この戦争を実行しているプーチン大統領を支持するロシア国民は圧倒的多数のようです。なぜでしょうか。
 日本の第2次世界大戦時を思い起こします。日本では、「アジアの解放」「大東亜共栄圏」実現のためであり正義の戦いであると言い、国民は戦争に協力させられました。戦争を批判する人は検挙され、「大本営発表」というウソの発表があり必勝を信じ込まされました。子どもたちは「欲しがりません勝つまでは」と我慢を強いられました。当時の日本国民と現在のロシア国民の状況が似ているように思われます。
 政治権力の間違いにより犠牲になるのは子どもであり国民です。「おねがいです。自由に遊べず、いつもあぶない目にあっているウクライナのかわいそうな子どものことを思ってください。平和と未来のことを考えてください。戦争をやめてください」、日本の小学生の訴えが胸に響きます。


2022/ 5/27








心癒される絵
「絵本のような音楽を」の原画展、5/13〜6/13


 現在、ロシアによるウクライナ侵攻が続き、子どもや市民が犠牲になっています。その悲惨な報道を目にするたびに胸を痛めています。
 そんなとき、シンガーソングライターの橋本陽子さんから音楽動画が届きました。当会館のHPにもアップした「新しい春へ」というタイトルの音楽動画です。早速、聴くことにしました。ピアノの澄んだ音と美しく温かい歌声、新しい春へ移る山や草原、花などの絵が流れ、心が洗われるようでした。
 音楽が人の心と体を癒す力になっているのは明らかです。その時の気持ちに合う、共感しやすい曲を聴くとストレスの緩和に役立ちます。気持ちが落ち込んでいる時には、ゆったりと穏やかな音楽が癒してくれます。同じように人の心を癒す絵があるのではないでしょうか。
 「新しい春」の原画は、橋本陽子さんの父親で日本画家の橋本栄さんが描きました。絵は、20代の頃よく山に登っていて山で絵を描きたいと思って始めたそうです。一緒に登山するときには、山でスケッチする姿を見かけました。山を愛し自然を愛する人です。かつて、安らぎや優しさを感じさせる絵を描いてみようと思うと述べています。橋本栄さんの体験や人柄が絵に表現され観る者の心をほっとさせ温かく包みこむようです。
 「絵本のような音楽を」は、橋本陽子さんが子どもも大人も楽しめる絵本のような音楽を表現ができたらと、そんな想いで始めたそうです。原画を作成した橋本栄さんは、「絵と音楽が融合することで、相互に響き合ってまた違った新しい世界が生まれますが、動画制作をやってみて、絵だけの表現 、音楽だけの表現とはまた違った魅力を発見することができました。一つ一つ作り上げてきた作品を多くの方に楽しんでいただけたら嬉しいです」と述べています。
 社会が不安なときこそ、文化芸術は、人の心を豊かにし生きる力を与えてくれる必要な栄養素です。人々の生きる糧とも言われます。橋本栄さんの音楽動画の原画を観て少しでも心を癒していただければ幸いです。


2022/ 5/13








 葉山育ちコントラバス奏者、地代所悠さんの原点
〜5月15日開催、地代所悠コントラバスリサイタル〜



 人の生き方には、何かしらの影響を受けた原点があるように思います。それは、親や友だちをはじめ出会った人や環境にあるかもしれません。今、注目を集めている地代所悠さんの原点はどこにあるのでしょうか。本人が取材に応じて述べている記事を紹介いたします。

"好き!"の根っこを育てた小学生時代
 ピアノも小学校3年から2年間ほど習ったことはあったが、音楽よりも映像への興味が先にあったという。現在では自身のYouTubeチャンネルに、ドラマ主題歌のコントラバスカバーから、コントラバス奏者の日常、映画の解説から筋トレ動画まで、大量の動画をアップしているが、彼の映像制作のキャリアは年季ものだ。
 コントラバスでドラマ主題歌をカバーしたり、コントラバス奏者の日常を収めた動画が見られる、地代所悠のYouTubeチャンネル。「ひとつの世界観を作り上げることが好きだったんでしょうね。映画は音楽との結びつきが強いですし、音楽への興味もその延長線上にあって、主題歌やサントラをひたすら聴いて耳コピしたりもしてました。あとは小学校の音楽の先生がすごく良い先生で。楽器が好きな子たちでアンサンブルチームを作らせてくれて、みんなの前で発表させてもらったのも、楽しくて強く印象に残ってます。結局、人前でパフォーマンスをするのは子どもの頃から好きだったんですね」
 現在の地代所悠を形成している要素が、既に小学生時代に彼のなかに根を下ろしていたことが、話を聞いているとよくわかる。
(取材&文・原典子 https://cocotame.jp/series/010968/ )

 5月15日(日)、「地代所悠コントラバスリサイタル」を開催します。コントラバスソロは初めてです。演奏曲は、名曲「サンサーンス白鳥」「ピアソラのリベルタンゴ」「日本歌曲メドレー」などです。コントラバスの魅力は、なんといっても美低音の響きではないでしょうか。SNSを駆使して自己表現を楽しむ地代所悠さんの演奏を堪能していただきたいと思います。

2022/ 4/22








新年度に向けて


 2022年度がスタートしました。新型コロナウイルスは、2020年1月に国内で初感染が確認され変異を繰り返しています。3年目に入った現在も感染が続いており克服できていません。私たちにできることは、検温、手洗い・手指消毒、室内の換気など基本的なことをしっかり行うことです。
 当会館は、これまでの経験を活かし、コロナ禍でも感染防止対策をしっかり行った上で、ふれあいコンサートや教養セミナーなど公益事業を地域における教育文化の発展のために開催していきます。 コンサート等においては参加者に以下のお願いをしております。
1.入館時はマスクの着用、検温、手指の消毒をお願い致します。
2.以下の場合は、ご来場をお控えください。
@ 発熱または風邪の症状がある場合や体調がすぐれない場合
A 同居家族や身近な知人の感染が疑われる場合
B 新型コロナウイルス感染症の陽性と判明した方との濃厚接触がある場合
C 過去14日間以内に感染が拡大している国・地域への渡航並びに当該国、地域の在住者との濃厚接触がある場合
3.備え付けの消毒液による手指の消毒にご協力ください。
4.館内では、水分補給以外は飲食禁止です。
5.鑑賞中も含め、常時マスクをご着用ください。咳エチケットにもご協力お願いします。おしゃべりはしないでください。
6.ホール内は、換気の機会を増やすため、冷暖房効果が十分ではない場合があります。ご自身で体温調整ができる服装でお越しください。
7.館内では、社会的距離(1m以上)の確保をお願いします。
※ 万が一感染の発生があった場合、保健所等の公的機関へ情報提供を行う。
 新型コロナウイルスの感染は続いておりますが、引き続き当会館事業へのご理解と協力をよろしくお願いいたします。

2022/ 4/ 8







2022年度 サークル会員募集!

教育会館サークル活動を楽しんでみませんか


 教育会館のサークル活動は、コロナ禍においても、安全対策をとりつつ活発に活動しています。仲間と学び活動することは、楽しみであり日常生活を活性化させています。現在、感染状況によっては休止したり再開したりしながら活動するサークルもあります。春です。気持ちを新たに教育会館のサークル活動・教室に参加してみませんか。
1.「童謡・愛唱歌を楽しむ会」募集若干名、月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師だった浦ア陽子さんの指導により毎回40名以上の会員が和気あいあい童謡や愛唱歌を楽しんでいます。
2.「大人のリコーダーサークル」2022年度会員募集中、月2回(第1と第3水曜日)会費1,000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導により練習し、リコーダーの楽しさ豊かな表現力を味わいます。
3.「大人のフルートサークル」2022年度会員募集中 月2回(第1・第3火曜日)会費3,800円。野上修一さんの指導により、Aは初めての方です。Bのアドバンスサークルは、吹いた経験のある方です。
4.「大人のピアノ教室」欠員1名募集(第2第4金曜日10:50〜11:20)、月2回(第2・第4火・木・金曜日)会費3,800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。
5.「健康ヨガサークル」常時募集、毎週水曜日13:15〜14:45 会費は1回当り1,200円、月4回の場合4,800円。高橋祐美子さんの指導のもとヨガポーズと呼吸法で心身をリラックス&リフレッシュしています。
6.「大人のクラリネットサークル」常時募集、月2回(第2・4金曜日)会費3,800円。芳野亜美さんの指導によりAは初めての方、Bは吹いた経験のある方です。クラリネットは音色が暖かく魅力的な楽器です。
7.「ボイストレーニング歌声広場」常時募集、月2回(第2・4木曜日)会費3,800円。シンガーソングライター・ボイストレーナーの橋本陽子さんの指導により、ボイストレーニングと歌を楽しんでいます。

2022/ 3/25









待望のピアノ三重奏曲を奏でるアンサンブルφ(ファイ)
   〜室内楽の美を追求する極上のひととき〜


 教育会館ふれあいコンサートは、2004年6月27日に第1回「早川邦宏・ファゴットリサイタル」を開催、2022年度はじめの第87回は、室内楽の美を追求する極上のひととき「愛を奏でるトリオ アンサンブルφ」です。
 2022年度は18周年となります。コンサート開催するにあたっては課題も多く、当初は何年できるか不安でした。しかし、現在は、「教育会館ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏者とふれあい、家族や知人ともふれあい、気軽に市民が生の音楽を楽しむ場となっています。
 今日まで続けてこられたのは、市民の方と演奏者などのご理解と協力によるものと感謝でいっぱいです。コンサートは、演奏者、鑑賞者、企画・運営する者が一体となってより素晴らしいものになると実感しています。
 コロナ禍において、作曲家でもある文化庁の都倉長官は、「文化芸術は人々の生きる糧。最大限のコロナ対策をして、細々とでも続けるべきだ。文化芸術がもし万万が一、『不要不急』と考えていたら、行政や政治はできない」と語ったそうです。この言葉は、地域において感染防止対策をとりながら文化活動を続けている当会館をも力づけるものでした。
 4月24日、第87回教育会館ふれあいコンサートを開催します。演奏するトリオはアンサンブルφです。魅力は、実力と人気を兼ね備えたソリスト宮谷理香(ピアノ)、礒絵里子(ヴァイオリン)、水谷川優子(チェロ)による音の饗宴です。それぞれの楽器が個性を発揮しつつひとつの音楽をめざし、最も美しく上質な演奏に挑戦するユニットに魅了されると思います。
 曲目は、チャイコフスキーの「偉大なる芸術家の思い出に」第1楽章、ラフマニノフの(悲しみの三重奏)、ベートーヴェンの「大公」などです。これらは、待望のピアノ三重奏曲の名曲です。アンサンブルφによる演奏は、心豊かにし希望を育んでくれると確信します。教育会館ふれあいコンサート2022年度の会員となり、感動を共有していただければ幸いです。

2022/ 3/11









教育相談の窓から


 コロナ騒ぎが始まってから間もなく3年になろうとしています。この間、学校も大変な状況で、まずコロナ対策の徹底が急務で、教育活動が制限される中、子どもたちの心身に様々な影響が出ているようです。
 相談件数は減少していますが、寄せられる相談の中でうかがえるのは、やはり自粛生活の影響からくるもの、保護者や教職員の負担の増大によるストレスの増加です。
 支援を必要とする子どもの相談が多く、感覚の鋭さから、今の状況を異常と感じ落ち着かなくなることが増えているようで、保護者や教師の戸惑いがさらに事態を悪くすることが多いようです。周囲の人たちがちょっと立ち止まって、子どもの不安や戸惑う気持ちを聞くことができれば状況は改善すると思われることも多々ありました。
 病院や療育相談の窓口も混乱があって、どこに相談していいかわからないというものもありました。社会全体を覆う不安が、家庭や子どもにも如実に表れていたように思います。
 学校はこういうときもよりどころで、期待も大きく、だからこそ不満も多く感じるようで、学校の対応に対する疑問や不満を訴えてくるケースもありました。教師に気持ちの余裕がないと、防衛的な対応をしてしまい、それがかえって保護者の不満をあおってしまうことも少なからずあったように思います。
 「そんなつもりではない」と言っても、そう受け止められてしまったのは事実なので、理解しあえるように話を聞くことができたらと思いますが、余裕がない中では難しいので、校内外の人的資源を活用し、まず、そうできる人に協力してもらうことは大切な手立てだと思います。
 保護者による不信は、少し落ち着いて話せるようになったら誤解を解き、子どもにとってどうするのが一番いいのか、できることを話し合うようにすると、時間はかかってもいい方向に向かうように思います。





2022/ 2/25









あしなが育英会の募金活動にご協力を


 当教育会館は、2011年3月11日に発生した東日本大震災で被災した児童生徒を支援するため、2011年度から2020年度まで遺児育英資金のカンパ活動を行ってきました。「桃・柿育英会 東日本大震災遺児育英資金」に送付したカンパ金は、総額で103万8,600円でした。ご協力いただいたみなさまに厚く感謝申し上げます。
 「桃・柿育英会 東日本大震災遺児育英資金」は、2020年7月30日、最後の寄付金を入金し、10年の活動を終え解散しました。当教育会館は、引き続き親を亡くした子どもたちを支援するため、「あしなが育英会」の理念・目的に賛同し、遺児育英資金を送るため、2021年度から新たな取り組みとして募金活動をスタートさせました。
 「あしなが育英会」について紹介いたします。
あしなが育英会は、病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、障がいなどで親が働けない家庭の子どもたちを、奨学金、教育支援、心のケアで支える民間非営利団体です。
理念・目的は、すべての子どもに 教育と成長の機会を届けること。
私たちがめざす世界、それはすべての子どもに教育と成長の機会が行き届き、誰もが平等に夢をかなえる機会を得られる、そんな世界です。
 教育には知識や技術などを教え授けるだけでなく、人間に内在する素質、能力を発展させ、人がよりよく生きることを促す力があります。すべての人が教育を通して生きがいを持ち、暖かい心で助け合い、さまざまな課題を解決しながらよりよい世界をめざします。
(ホームページより抜粋)
 2021年度は、新たな取り組みの初年度です。5月から募金箱を2階ホワイエのテーブルの上と3階の受付窓口に置きました。すでに1万円を超える募金が集まっていますが、この2月・3月を取り組み強化月間とし取り組みます。みなさまのご理解と協力をお願いいします。













2022/ 2/11







  3月6日(日)開催、山下伶が奏でる魅惑の世界
   〜クロマチックハーモニカコンサート〜


 2021年7月3日題名のない音楽会、山下伶さんが演奏するクロマチックハーモニカを聴き、その音色が強く印象に残りました。今までに聴いたハーモニカよりも表現が豊かで胸に響くものがありました。クロマチックハーモニカは、その名(Chromatic=半音階)のとおり、♯(シャープ)や♭(フラット)といった派生音を出すことができる表現力に富んだ楽器です。
 山下伶さんの演奏をユーチューブでも聴いてみました。ジャズやクラシック、ポップスなど音楽のジャンルを問わず演奏する姿に引き付けられました。
 ピアソラの名曲リベルタンゴの演奏は、力強く哀愁と情熱のこもったものでした。リベルタンゴは、リベルタ「自由」と「タンゴ」をつなげてピアソラが名付けた造語で、自由なタンゴという意味です。
 最も心を打たれたのは、イタリア映画「ひまわり」のテーマ曲です。クロマチックハーモニカによる哀愁を漂わせる曲が流れると、一面に咲き乱れるひまわり畑や主演のソフェアローレンの悲しい顔のシーンが浮かんできます。クロマチックハーニカ独特の演奏は、愛を割く戦争の悲劇と切なくも美しい響きに胸がいっぱいになりました。
 この感動を市民のみなさまと共有したいと思い、山下伶コンサート開催について知人に聞きました。Aさんが友だちに話したところ、開催してほしい参加したいという声が多くでたそうです。早速、依頼し快諾をいただきました。山下伶さんからは、「横須賀は大好きな街で、今回コンサートで伺えると知りとても嬉しいです!」とメールが届き元気づけられました。
 3月6日(日)、山下伶クロマチックハーモニカコンサートを開催します。演奏曲は、多くの人々に愛されてきた映画音楽の名曲「ムーンリバー・ひまわり」、ユーミンの「海を見ていた午後」、山口百恵さんが歌った「秋桜・横須賀ストリー」、美空ひばりさんの「川の流れのように」などです。山下伶さんの情感豊かなハーモニカの世界を堪能してほしいと思います。




2022/ 1/28







 平和、教育・文化の発展を願って


 当会館は、三浦半島における地域住民および教育関係者の教養を高め、生活と福祉の増進を図り、教育文化の振興発展に寄与することを目的に設立されました。この目的を達成するため、「児童又は青少年の健全な育成に関する事業」「地域の教育、文化及びスポーツの振興に関する事業」「教育及び文化活動を支援する施設貸与に関する事業」などを行っています。ホールや会議室は市民のみなさまに貸し出しています。
 2010年12月に公益財団法人となり11年が過ぎました。その間、市民参加による公益事業の充実を図ってきました。特に、幼児による「にこにこ親子クラブ」、青少年向けの「サイエンスショー」、大人の「フルートサークル」「ピアノ教室」「童謡・愛唱歌を楽しむ会」などのサークル活動は、市民の自主的な運営により活発に行われ好評を得ています。また、教育会館ふれあいコンサートは、市民のみなさまに生の音楽を身近で楽しんでいただくため、2004年度からスタート致しました。現在、「ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏者とふれあい、家族や友だちとも気軽に楽しむ場となっています。
 当会館には三浦半島地区教職員組合・三浦半島地区学校管理職組合協議会(横須賀市立学校管理職組合)・横須賀市PTA協議会・横須賀市私立幼稚園協会の事務所が置かれ、三浦半島地区教育文化研究所も設置されています。それぞれの団体は、会館を拠点に子どもの幸せを求めて活動をすすめています。
 今後も平和と子どもの幸せを願い、市民の発想と行動力に期待した公益事業の充実をはかり、より親しまれる教育会館へと発展させたいと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、再度ご不便をおかけすることがあると思われますが、本年もどうぞよろしくお願い致します。





  

2022/ 1/14









 コロナ禍の友は、コバルト色に輝くカワセミ


 この一年は、コロナ禍と年のせいか、ほとんど家にいました。友だちと会ったり美術館やコンサートに出かけたりすることもなくなり、今までの楽しみが奪われた気持ちにもなりました。それでも、家にばかりいると健康に良くないと思い、散歩に出かけるようにしました。
 今まで関心のなかった植物や野鳥など身近な自然に興味をもちはじめると、新鮮な気分になり喜びを感じるようになりました。関心がなければ、身近に美しい花や可愛い小鳥がいたとしても、見ているようで見ていないため、知ることや感じることができませんでした。コロナ禍において、改めて身近な自然の素晴らしさを実感しました。
 家から200歩ほど歩くと久木川(逗子)があります。小鳥がコバルト色に輝きながら川面を飛んで行くのを見かけました。カワセミです。当初は、たまにしか出会えませんでしたが、関心をもって観察するようになるとだんだんと巡り合う機会が多くなってきました。最近は、カワセミの習性が少し分かり、毎日のように会える友となっています。
 カワセミは、背中のブルーが美しく「翡翠」「水辺の宝石」などと例えられているそうです。朝、日の出のころデジカメを持って久木川に出かけ、少しすると「チィー、チィー」と鳴き声と共に、いつもの川面に垂れる枝に止まり色々と可愛い仕草をしてくれます。
 オスはクチバシが黒、メスは下クチバシが赤。素早く水面に飛び込んで小魚を口にくわえたところも写真に収めることができました。ただ、どうしても美しく飛んでいる姿を撮ることができません。カメラと技術不足からキャッチすることは無理かもしれません。それでもいつかはと思っています。すっかりカワセミに魅せられ虜になってしまいました。
 三浦半島には、身近に海や山など美しい自然があり魅力的です。散歩がてら足を止め、自然観察を楽しみたいと思います。
 




  

2021/12/24







 名器ストラディバリウスによる超絶技巧が魅了
    コ永二男ヴァイオリンリサイタル


 11月28日、10年ぶりに、日本を代表するヴァイオリニスト徳永二男さんによる教育会館ふれあいコンサートを開催しました。徳永さんは横須賀出身です。不入斗に住んで鶴久保小学校に通ったときのこと、ヴァイオリンによる超絶技巧について左手も右手も飛んだり跳ねたりする実演を交えて分かりやすく話してくれました。気さくに話す徳永さんの豊かな人柄に惹かれ、もう少しトークを多くしてほしかったという人もいます。
 愛用の楽器は名器ストラディバリウスです。1696年に作られたものだそうです。演奏に入ると圧倒的なオーラが感じられ、美しい音色が響いてきます。最後の演奏曲は、世界中の人から親しまれている「ツィゴイネルワイゼン」です。ヴァイオリンの超絶技巧がちりばめており、徳永さんの名演奏により聴く者を魅了しました。「すごい!すばらしい!今まで聞いたヴァイオリンで最高でした」という声が寄せられました。
 アンケートによる貴重な感想と意見をご紹介いたします。
〇とても素敵でした。心が揺さぶられ、心が洗われ、心に沁みる音色に酔いしれました。ピアニストも素晴らしい。また、この音色に出会いたいです。
〇ヴァイオリンの全ての音と技を目の前で見せていただき堪能させていただきました。白い手のしなやかな動きにも魅せられました。ピアノとピッタリの息のあった素晴らしい演奏会でした。
●毎回、一番残念なのはお客さんのマナーが悪いこと。理事長が注意をしてもおしゃべりがなくならない。演奏の途中でケータイを鳴らす。人の前を「失礼」「すいません」の一言もなく突っ切っていくなどです。
●おしゃべりやめない方がいますね。注意するのも大変ですね。
 コンサートのマナーとは、一言でいえば「人に迷惑をかけないで楽しむ」ことではないでしょうか。ご協力をお願いします。素晴らしいコンサートは、鑑賞者、演奏者、企画・運営者が一体となって創造するものと思います。




  

2021/12/10







   「ボイストレーニング歌声広場」も再開
     〜再開は喜びであり健康生活の源〜


 「ストレッチ、発声練習、後半は皆で歌うことがとても楽しく、月2回が待ち遠しく思っています。ストレス発散にもなっています」。この会員のように、 ボイストレーニング歌声広場の活動が生活する上で必要不可欠なものになっていた方も多くいます。ところが、昨年の3月から新型コロナウイルス感染拡大により、長い間、活動ができなくなっていました。
 最近になり、感染状況が好転してきたため、11月11日、感染対策をとりながら広いホールを使用して再開することにしました。その時の様子を指導者の橋本陽子さんが次のように述べています。
 会員の皆さんと顔を合わせてレッスンできることが当たり前では無くなってしまうことは、本当に予想もしなかったことでした。久しぶりにまた笑顔で集まれたこと、とても嬉しく思います。
 がまんの日々が続き、マスクでの生活に声を出すことが前より少なくなった、声が出にくくなったと言う方もいました。声はやはり出していないと出にくくなってしまうもので、また一緒に体を動かして、呼吸法を取り入れて、声が出やすくよく響くようにトレーニングをしていきたいと思います。
 再開の初日も、今までやってきた基本を大事にしながらトレーニングをしました。発声練習後の曲のレッスンでは、たくさんの歌声が合わさる楽しさを久しぶりに感じられ、ホールがよく響いていました。皆さんからも、しばらくぶりに再会ができた嬉しさや、久しぶりに大きな声が出せて楽しかったなど喜びの声が聞こえてきました。体がいきいきと元気に声がでてくるように、これからも楽しくレッスンしていきたいと思います。
 教育会館のサークル活動は、楽しみながら学び活動するサークルです。熱心な指導者のもと、会員のつながりを大切に、励まし合い、共通の趣味であるサークル活動の喜びを共有しています。現在、多くのサークルは募集中です。気持ちを新たに参加してみませんか。問い合わせ(046−824-0683)

ボイストレーニング歌声広場の写真








  

2021/11/26







   教育会館サロンコンサート誕生のキッカケ
〜12/12(日)、コ永洋明ピアノ弾き語りコンサート〜


 コロナ禍、音楽は人々の心を豊かにし生きる力を与えてくれる必要な栄養素と考え、感染防止対策を徹底し「教育会館ふれあいコンサート」を継続してきました。参加者からは、気分が晴れたという感想をいただきました。
 ただ、人数制限により今までの半数以下の定員となり、ほぼ会員のみの鑑賞になったため、一般の希望者を断ることが多くなり、会員以外も楽しめるコンサートができないか、考えてほしいとの声が寄せられました。
 コンサート開催には多くの費用がかかります。費用を捻出するためには、何よりも低演奏料と少なくとも80名程度の鑑賞者の参加が必要であり、協力していただける演奏者と鑑賞者が不可欠です。
 開催の趣旨をピアニストのコ永洋明さんに話し出演の快諾をいただきました。鑑賞者が望むコンサートにするため、開催を希望された方に協力いただき演奏曲を選んでもらい、コ永洋明さんに提示したところ、全ての曲を快く受け入れていただきました。結果、積極的に準備を進めることができました。
 名称は、身近で気軽に聴ける「サロンコンサート」にしました。サロンコンサートの魅力は、演奏者の指さばきや息遣い、表情など近くで見て感じることができることです。曲の合間には演奏者のトークも楽しめます。
 5月9日、「映画音楽はすばらしい!今こそ生演奏の感動を!」をテーマに「コ永洋明ピアノ弾き語りコンサート」を開催。曲は「太陽がいっぱい」など、世界の人々に親しまれてきた映画音楽の名曲です。コ永さんの名演奏により懐かしい映画のシーンが蘇り、会場が感動に包まれました。鑑賞者85人。
 12月12日、2回目の「コ永洋明ピアノ弾き語りコンサート」を開催します。癒しの曲をお願いしたところ、トロイメライ・ノクターン・日本の歌メドレーを選んでいただきました。ゲストの芳野さんからは、映画音楽の名曲ムーンリバーと黒いオルフェを演奏していただきます。いずれも胸に響く美しい曲であり心が癒されると思います。お二人の演奏とトークが楽しみです。
2021年5月9日開催「コ永洋明ピアノ弾き語りコンサート」より


2021/11/12







待ち望んだサークル活動の再開


 新型コロナウイルスは、昨年から全国的に猛威を振るい日常生活においても不安を感じる状況が続きました。そんな中、当会館の各サークルは、緊急事態宣言が発令されるなどにより中止を余儀なくされました。
 フルートサークルは、コロナ禍において、ときに中止しつつも、検温、手の消毒、広いホールを使用、換気の徹底、フルート用のマスク使用など、安全対策を行い、活動を楽しんできています。クラリネット、ピアノ、健康ヨガサークルも、それぞれ工夫し感染対策を取り、活発に活動してきました。
 しかし、残念ですが、大人のリコーダー教室は、安全対策を工夫し試みましたが再開したものの、活動の継続ができませんでした。「童謡・愛唱歌を楽しむ会」と「ボイストレーニング歌声広場」については、新型コロナ感染において問題となる声を出す活動であるため、熱心な会員と指導者の希望に応える安全対策が確認できず、昨年の3月から今日まで再開できずに活動を中止してきました。
 「童謡・愛唱歌を楽しむ会」の浦ア先生は、会員の期待に応えるべく、昨年の夏には、すでに歌用のマスクを会員分購入するなど、なんとか安全に早く再開できるようにと検討を重ねました。教育会館との協議の結果、感染対策のため1回の参加人数を減らしたグループ分けをし、活動時間の短縮をする、広いホールを使うこととし、11月より再開をすることにしました。浦ア先生が会員に再開の連絡をしたところ、歌えるようになったことを喜んでくださり電話口の声が弾んでいたそうです。
 「ボイストレーニング歌声広場」も、同じように声を出す活動のため中止をしていましたが、橋本先生は昨年9月よりオンラインレッスンを開催し、4、5名の会員が参加し、レッスンを楽しんだそうです。多くの会員は、11月から再開する活動を心待ちにしていると思います。
 教育会館のサークルは、楽しみながら学ぶ活動です。安全と健康を第一にして、会員のつながりを大切に、励まし合い、活動できる喜びを共有してほしいと思います。いよいよ待ち望んだサークル活動の再開です。




  

2021/10/22









不思議な葉…ナンバンギセルの観察


ナンバンギセル  逗子市にある披露山への登り道の土手にナンバンギセルが咲いているのを教えてもらいました。名前が煙管に似ていることからつけられたことを知り、子どものころ近所のおじいさんが煙管に刻みタバコの葉を入れ吸っている姿が思い出され、なつかしさが感じられました。最初に花を見たときは、長い首から顔を伸ばしている優しい馬のようにも見え親近感を覚えました。
 ナンバンギセルは、草地に生える一年草の寄生植物でススキ、ミョウガなどの根に寄生する植物です。咲いているナンバンギセルの近くに、可愛らしいもみ殻のようなツボミのナンバンギセルを見つけ観察(8月25日〜9月1日)することにしました。4つのつぼみは、よく見ると幼い子どもの兄弟が寄り添って笑っている顔にも見えます。早朝の散歩のときには、一日一日変化するナンバンギセルの様子をワクワクしながら観察するのが楽しみとなりました。
 当初、葉が見えないので、ナンバンギセルに葉があるのかないのか分かりませんでした。パソコンで調べてみると、「ススキの根元に薄紫色の花、ナンバンギセルを見つけました。ナンバンギセルには葉がありません。ススキの根に寄生して養分をもらっているのです」と記されていました。よく見ても葉らしきものが見当たらないので、「なるほど、葉はない」と思いました。しかし、他のナンバンギセルについての資料には、「葉は三角形の鱗片状です」という説明がされていました。
 茎もほとんど地上に出ていないので様子が分かりません。1週間ほど観察すると花が枯れてきたので、根本の土を除き観察することにしました。当初は見ても分かりませんでしたが、植物に詳しい友だちに教えてもらいやっと分かり確認しました。地際にある葉は赤褐色した三角形の鱗片状になっていました。葉のわきからは、15から18cmほど長い花柄が直立し頂に淡紫色の大型の花が筒状に開いていました。がくは赤褐色の船形で一方が深くさけていました。
 今まで植物に関心が薄かったためでしょうか。何よりもナンバンギセルの葉については、想像していた葉のイメージとは違い、新たなものを知り考えが広がったような気がします。わずか1週間ほどでしたが、植物観察の楽しみを体験することができました。




  

2021/10/ 8









小学校(5・6年)の教科担任制について


 教科担任制とは、1人の教員が特定の教科を受け持ち、複数のクラスを教える方法です。現在、小学校では1人の教員が1学級を担任してほぼ全教科を教えることが多く、学校によっては、音楽や家庭などで専科の教員がいてその教科を複数のクラスで教えています。
 文科省は、小学5、6年生の一部授業で、来年度から進める予定の「教科担任制」について、対象教科に外国語(英語)、理科、算数に加え、体育も含める案をまとめ、必要な費用を来年度予算の概算要求に盛り込む考えです。
 50年以上も前になりますが、逗子小学校に転任して5年生を担任したときには教科担任制が実施されていました。5クラスの担任が決められた後に、担任が相談して国語・算数・社会・理科の4教科を分担しました。音楽・図工・家庭科は専科が担当しました。そのため、Aさんは、全クラスの理科と担任クラスの 体育・道徳・学級指導を受け持ちました。
 この経験から、教科担任制であったプラス面を思い出すことができます。何よりも教材研究や教材の準備をする教科が減り、担当教科の準備ができたことです。時間的なゆとりも生まれ子どもと触れ合う時間がとれ、休み時間には運動場に出て遊び、子どもとの共感ができたことです。学年の職員室もあり、常に学年の教員が意見交換でき、生徒指導も補完し合うことができました。
 子どもも、授業を通してより多くの先生と接することになり、得意なことを伸ばし不得意なことを克服できてプラスになったようです。なによりもいろいろな先生から声を掛けられたことは楽しかったようです。
 当時は、現場の意見が教科書採択に直接反映されるなど尊重されてきました。しかし、政府がお金をかけない教育改革を進めてきた結果、教育内容や事務作業などが増え、教職員も削減され、学校に余裕とやりがいが失われてきました。教科担任制実施には教員増と現場実態を考慮することが必要です。文科省には、現場の声に耳を傾け条件整備に責任を果たしてほしいと思います。




  

2021/ 9/24









   期待がふくらむ第10回名画セミナー
人気キュレーター林綾野さんによる名画への案内


 芸術の秋です。コロナ禍ですが、美術館に足を運びたくなる季節になりました。美術館でゴッホやモネなどの名画を観て、この作品はどのような環境のもとに生まれてきたかを知っていればより深く鑑賞できたと思うことがあります。特に、二度と行くことがない美術館で出会った名画について、もう少し知識があればよかったと後悔することもありました。
 そこで、名画セミナーに関心を持つ方がいるのではないかと思い、市民の方に絵を見るきっかけや楽しみを広げる機会になればという目的で名画セミナーを開催することにしました。第1回「フェルメールからのメッセージ」は、2012年9月2日に開催し、2021年9月26日開催の「食で楽しむ広重の東海道五十三次」で第10回を迎えます。
 講師は人気キュレーターの林綾野さんです。林さんは美術館での展覧会の企画、美術書の企画・執筆を手がけています。新しい美術作品との出会いを提案するために画家の芸術性と合わせてその人柄や生活環境、食への趣向などを研究、紹介し注目を集めています。また、名画に秘められたメッセージを読み解き、人々に伝える「伝道師」になりたいとも言っています。
 名画セミナーでは、画像を見ながら作品を解説し、画家や名画への研究と熱い思いが参加者に伝わり好評を得てきました。特に、ゴッホの絵に描かれたタマネギから当時の彼が食べたものを考察し、フェルメールの名画「牛乳を注ぐ女」に描かれた材料からは、絵の中の女性がその先に作ったと考えられる「お菓子」を蘇らせる話などは新鮮で印象に残るものでした。
 参加者の感想からは、「美術展での絵画解説と違い画家の時代背景や生活に基づいてのお話は楽しい。林先生の画家への思い入れや、キュレーターとしての情熱が感じられて、あっという間の2時間でした」との声も寄せられ、毎年の名画セミナーを楽しみにしている人もいます。9月26日開催する第10回名画セミナー「食で楽しむ広重の東海道五十三次」に期待がふくらみます。






  





  

  

2021/ 9/10









子どもの命を守るのが最優先…夏休み明けに注意


 新型コロナ禍が深刻化する中、感染症の世界的権威が「東京五輪は人々を殺す」と断言した5月の記事が思い出されます。オタゴ大学のマイケル・ベイカー教授は、世界各国で変異株が猛威を振るい感染が極めて深刻化している状況を憂慮し、開催地の日本国民が最も大きな被害を受けると断罪しました。
 国内でも、東京五輪の開催について、専門家や医療従事者をはじめ多くの国民が延期や反対の意見を表明しました。しかし、政府・東京都は開催を強行しました。現在、新型コロナウイルスは爆発的に拡大し医療の崩壊状態となっています。政府の場当たり的な対応や矛盾した言動には、現場の医療従事者からは怒りの声が上がり、国民の不安も増大し不信を招いています。
 東京では、東京パラリンピックの学校観戦について、都の教育委員会で、出席した委員全員が感染の急拡大を理由に反対しました。これに対し、都の教育長は「現場から強い希望がある」などとして、実施を前提に準備を進める考えを示しています。五輪はスポーツの祭典、お祭りです。今は、災害級の危機と言っています。無観客なのに子どもの観戦はありえないと思います。
 東京に住む5年生を持つ親によると、学校から観戦の希望があるかどうかの問い合わせがありました。バスで行き、降りてから酷暑の中を30分ほど歩いて会場に着きます。当然、子どもは観戦したい、親は子どもの気持ちが分かりつつ安全を考え断念させたいという思いから話し合い悩みました。最終的には、緊急事態宣言下でもあり安全第一と考え観戦しないことにしたそうです。
 多くの感染者が不安に駆られ自宅療養をしています。自宅で命を落とす人や感染した妊婦が入院できずに自宅で出産し新生児死亡の記事には胸が痛みます。必要な医療が受けられていれば助かっているはずです。なぜ、今までに十分な検査をして感染源を遮断する当然の対策ができなかったのでしょうか。
 子どもの感染も急増しています。学校では夏休み明けの対策強化に追われていると思います。子どもと教職員の安全と健康を願うばかりです。





  

2021/ 8/27







コロナ禍の夏休み、健康第一に過ごしましょう
〜小中学生の視力低下、肥満が増え〜

 夏休み前には、早めに宿題をすませ夏休みを楽しもうと計画を立て心躍らせました。ところが、夏休みも半ばになると生活のリズムもくずれ計画倒れになってきます。最後になりあわてて読書感想文や自由研究など宿題に取り組み、友だちの助けを借りて何とか間に合わすという苦い経験が思い出されます。小中学生のみなさんは、いかがお過ごしでしょうか。
 小中学生の視力の低下が文部科学省の調査で明らかになりました。裸眼視力が1.0 未満小学生が約4割、中学生が6割に上がっています。肥満傾向の子どもも増え、コロナ禍の巣ごもり生活が一因と考えられるようです。また、現在の小中学生は、勉強・読書・テレビ・ゲーム・パソコン・端末など近くで見る作業が多い生活をして目に負担をかけています。大切な目を守るため、家庭でも次の点に気をつけてほしいと思います。
〇本を読んだり端末を見たりするときは、30cm以上離しましょう。また、30分ごとに休憩し、遠くを見て目を休めることも必要です。
〇正しい姿勢で勉強するようにしましょう。寝転んで本を読んだりテレビを見たりするのはやめましょう。
〇十分な睡眠も必要です。できる限り外での時間を確保し、寝る前にスマホやゲーム機の使用はひかえましょう。
 成長期の大切な子どもの目です。定期的に検査をして、気になることがあれば眼科医に相談することも大切です。
 夏休みも後半に入ってきました。いつのまにか規則正しい生活がくずれたり宿題が後回しになっていたりしませんか。そろそろ学校生活を意識した生活が必要です。そのため、前半にやる計画がどこまでできているか見直してはいかがでしょう。夏休みの過ごし方で9月以降の学校生活にも影響が出ます。
 コロナ禍の夏休みです。コロナ感染や熱中症、水難事故や交通事故には十分に気をつけ、健康第一、元気に過ごしてほしいと思います。





  

2021/ 8/13







緊急事態宣言下で始まった東京オリンピック、
    責任は誰が取るの?やめる勇気も大切では?

 学校現場では、行事等を実施するとき、担当者が職員会議にねらいや目標・方針・役割分担を盛り込んだ実施案を提案し、教職員全員で議論した上で決定します。実施案が決まると、その案に基づき、担当職員が中心となり、その行事を成功させるべく、全員が協力して取り組みます。行事も含め教育活動のすべての責任は校長になっています。
 7月6日、NHKネットニュースは、「新型コロナウイルスの感染が確認されたオリパラ選手村で働くスタッフ2人が複数のスタッフ同士で一緒に食事をしていたことが分かり、大会組織委員会は、感染防止に必要なルールをまとめた『プレーブック』(7月1日から適用開始)に違反するとして厳重注意した」ことを報じています。
 ここで言っている「プレーブック」は修学旅行などの「しおり」と一緒だと思います。ただ渡して「これを守るように」と言っても、中身は何も伝わりません。飛行機の中や選手村のオリエンテーションで徹底する必要があります。
 昨年3月、新型コロナウイルス感染拡大によりオリパラ東京大会の1年延期が決まりました。しかし、1年後の開催にあたって感染防止のための具体的な取り組みは示されず、ワクチン接種は遅れ、感染が増えれば緊急事態宣言を出すの繰り返しでした。この1年間、何に取り組んできたのか見えません。
 学校現場では、例えばインフルエンザが流行し出すと、校長の判断で学級閉鎖等を実施しますが、菅首相は参議院の決算委員会で「私は(オリパラの)主催者ではない」と述べました。もしものことがあった場合、誰が判断し責任を取るのでしょうか。最近の政府の対応を見ると不安が膨らむばかりです。
 パンデミック下において、専門家が「普通はない」と指摘し、国民の多くが中止や延期を求めてきた東京オリンピックの開催が強行されました。1977年「人の命は地球より重い」と言った福田首相の言動が思い出されます。国民の生命を守るためには、やめる勇気も大切ではないでしょうか。




  

2021/ 7/23







なぜ教員は敬遠されるのか

 6月25日の朝日新聞は、「教職敬遠され採用倍率最低」の見出しで、学生の間で教職を敬遠する動きが広がっていると報じています。文部科学省の調査では、今春採用された公立小学校教員の採用倍率の全国平均が2.6倍で、過去最低だった昨年度の2.7倍をさらに下回りました。
 教員が敬遠され希望者が減少してきたのはなぜでしょうか。一言でいうと教員の魅力が減少したからだと思います。教員の魅力は、子どもの人間形成に深く関わることができる楽しみです。日々、子どもと学びふれあい共感できる喜びです。私は、教員の最後に小学校4年生を担任しました。
・A君へ、立方体の展開図をみんなで考えたとき、A君はつぎつぎと新しい展開図を考えましたね。先生は「すごいなあ」と感心したりおどろいたりしました。A君は新しいことを考える力があるからだと思います。社会の学習発表やビーチバレー大会で活躍した姿も思い出します。
・Bさんへ、帰りにはCちゃんと笑顔であく手をしにきてくれました。いやなことがあったときでも心がやすらかになりました。大人になったら本を書く人になりたいそうですね。きっとなれると思いますよ。Bちゃんの書いた班日記を読んでは、いつも感心させられたからです。
 この子たちも、今は社会人となり活躍しています。ときに街で声をかけられ当時に戻り話すこともあります。「5月に海でお会いできて嬉しかったです。子育てを逗子の仲間と先生に温かく見守ってもらえる…とても幸せです。母は笑顔で頑張ります。笑顔の源をチャージしに、お会いしに行きますね」と、東京から手紙が届きました。不出来な教員でしたが、ほっとします。
 現在、教員の長時間労働が社会問題になっています。事務仕事や教える教育内容が増えても、政府が長年にわたり学校や保護者の声に耳を傾けず、教職員の定数改善などを行ってこなかったからです。これでは、分かる授業や楽しい学校づくりは無理です。教員が敬遠される要因ともなっています。今こそ、子どもと教員が明るく生き生きと活動できる環境整備が急務です。




  

2021/ 7/ 9







 家族の介護を担う子ども ヤングケアラーとは

 子どもの学ぶ機会を阻害する要因は多様です。最近、ヤングケアラーという言葉を目にします。ヤングケアラーとは、家族の介護やケア、身の回りの世話を担う18歳未満の子どものことです。誰のどんな介護やケアを担うのか、実態はさまざまのようです。まず、その実態を知る必要があると思います。
 国が初めて実施した実態調査では、ヤングケアラーは中学生17人に1人、高校生24人に1人です。世話の内容は食事の準備や洗濯などの家事、きょうだいの保育園への送迎、祖父母の介護や見守りなど多岐にわたります。世話にかけている時間は平日1日の平均で中学生が4時間、高校生が3.8時間でした。ただ、中には7時間以上と答えた生徒もいました。
 国がまとめた支援策では、ヤングケアラーは本人にその自覚がなかったり、家族の問題を知られたくないと思ったりしていることがあるため、ヤングケアラーをいち早く見つけ支援につなげることが重要と述べています。早期把握のため、教育関係者、医療・介護・福祉の関係者などを対象に、研修を実施しヤングケアラーへの理解を深めることが大切とも述べています。
 ヤングケアラーの6割以上が、誰かに相談した経験がないと答えました。このため対面だけでなく、SNSなどオンラインによる相談に取り組むということです。また、子どもたちの相談にのるスクールカウンセラーやソーシャルワーカーの配置を支援して、相談機能を強化し、福祉サービスのほか、民間の学習支援などにつなげることです。家事や育児の支援も必要です。
 問題は、子どもたちが家族の世話や介護をしていることではなく、それが過度な負担となって勉強に支障をきたしたり、子どもらしい生活が送れなかったりすることです。そのため、進学や就職をあきらめる人もいます。これでは子どもの学ぶ機会が保障されているとは言えません。
 この課題解決のためには、まず、ヤングケアラーの実態について知り、社会問題として具体的な支援を考えることではないでしょうか。




  

2021/ 6/25







 遺児の学ぶ夢を支える一助に

 長引くコロナ禍は、経済や雇用に大きな影響を与え、経済的理由により大学を中途退学しなければならない学生が増えています。このことは、未来ある本人にとってはとても悔しく残念なことであり、社会の損失になると思います。大学進学を断念する高校生もいます。
 アルバイトにより生活を支え、学生生活を送る青少年は多くいます。都内に住むAさんは、父親の仕事が新型コロナの影響で収入が大幅に減少、本人のアルバイトは飲食業であったためシフトに入れなくなって収入がなくなり、生活苦に追い込まれ大学を退学したと言います。弱い立場の人が職を失い、その影響で、家庭さえも安らぎの場とならず悩み苦しむ子どもも増えています。
 2011年3月11日14時46分東日本大震災が発生。当会館は、「3.11あの日を忘れない東日本大震災」を思い起こし、東日本大震災による遺児を経済支援するため、桃・柿育英会(東日本大震災遺児育英資金)への寄付を10年間行うことを決め、チャリティーコンサートや義援金箱を設置し、寄付を募ってきました。その結果、10年間で108万8,600円の寄付を送ることができました。ご協力をいただいたみなさまに厚く感謝とお礼を申し上げます。
 桃・柿育英会は、東日本大震災から10年にわたり被災地の遺児・孤児への支援を行ってきましたが、2020年をもって終了となりました。しかし、当会館としては、引き続き遺児の経済支援を行うことを検討し、1年を通じて募金活動を行い、集まったお金を「あしなが育英会」に寄付することとしました。
 あしなが育英会は、親を病気や事故などで亡くした子どもたちや、親が障がいなどで十分に働けない家庭の子どもを、奨学金、教育支援、心のケアで支える民間の非営利団体です。あしなが運動は、50年以上の歴史があります。
 当会館は、遺児を支えるあしなが運動に賛同し、遺児の支援の一助になれればと考え、チャリティーや募金活動を行います。引き続き、みなさまのご理解と協力をお願いいたします。




  

2021/ 6/11



  



 コロナ禍における文化施設の休業について
    〜コ永洋明ピアノ弾き語り〜

 東京都は緊急事態宣言延長に伴い、劇場や寄席、スポーツなどのイベント開催は「無観客」から収容人数50%を上限とすることなどを条件に緩和しました。一方、大規模な美術館や映画館などには休業要請をしています。感染対策をしてきた美術館や映画関係者などからは、劇場やスポーツイベントが緩和されたのに、なぜ休業要請かという疑問の声が上がっています。
 作曲家でもある文化庁の都倉長官は、朝日新聞の取材に応じて、「文化芸術は人々の生きる糧。最大限のコロナ対策をして、細々とでも続けるべきだ。文化芸術がもし万万が一、『不要不急』と考えていたら、行政や政治はできない」と語ったそうです。この言葉は、厳しい感染防止対策をとりながら文化活動を続けている施設や運営者を力づけるものです。
 5月9日、映画音楽はすばらしい?今こそ生演奏の感動を?をテーマに「コ永洋明ピアノ弾き語りコンサート」を開催しました。曲目は「太陽がいっぱい」「ひまわり」「禁じられた遊び」など、世界の人々に親しまれてきた映画音楽の名曲です。コ永さんの名演奏により懐かしい映画のシーンがよみがえります。ユーモアを交えた語りにも引き込まれました。ゲストの野上さんによる澄みきったフルートの音色も、会場いっぱいに心地よく響きました。
 鑑賞された方からは、「コロナ禍で気が滅入る毎日ですが、今日は楽しいひと時を過ごすことができました。それも、大好きな映画音楽に語りがつき、なおさら良かったです。フルート演奏はゆったりとして気持ちが安らぎました」「素晴らしいコンサートが楽しい語りで200%ブラボー!」という言葉までいただきました。このことは、当会館にとってもうれしいことです。
 社会が不安なときこそ、文化芸術は人の心を豊かにし生きる力を与えてくれる必要な栄養素です。当会館は、昨年度の経験を活かし、コロナ禍においても感染防止対策を行った上で、ふれあいコンサートや教養セミナーなどを開催し、地域における教育文化の発展に寄与したいと考えています。
コ永洋明ピアノ弾き語り




  



  

2021/ 5/28







 政府と現場・国民感覚のずれは・・・
〜東京オリンピック・パラリンピック〜

 これまで多くの経験をしているにもかかわらず、新型コロナに対する有効な手立てを打ち出せない政府に、多くの国民が疑問や不安を覚えています。前安倍首相は、長年にわたり、「国民の皆さんに丁寧に説明します」「政治において最も重要なことは結果を出すこと」と述べてきました。
「さくらの会」問題では、ウソの国会答弁を繰り返し、会計の領収書や明細書すら明らかにしませんでした。とても社会常識では考えられません。「女性の輝く社会の実現」と言いましたが、国会において女性議員の数は世界で最も少ないのが実態です。また、国会の開会中に自席からヤジを飛ばし、批判に耳を傾けない様子が報道されました。これは民主政治の危機です。民主政治には前提があります。「少数意見の尊重」と「ウソ」を言わないことです。
 政府の意向に反する者を排除してきた結果でしょうか。政府と現場・国民との感覚のずれが生じ、多くの現場でひずみが出て社会に支障をきたしています。 菅首相は、日本学術会議が推薦した6人の任命を拒否し、その理由を明らかにしていません。国民が理解と納得できる説明責任が必要です。
 東京オリンピック・パラリンピック組織委員会が大会期間中に看護師500人の確保を要請する文書を日本看護協会に送ったことに対し、医療現場から「患者を守ることに必死で五輪どころではない」と厳しい批判が寄せられています。菅首相は看護師の確保について、「現在、休まれている人がたくさんいると聞いている。可能だ」との見方を示しました。これには言葉がありません。
 4月に共同通信が実施した世論調査では、7割が中止か再延期を求めています。菅首相は、「東京オリンピックの開催はIOCが権限を持っている」と発言をしましたが、延期を決めたのは安倍前首相とバッハ会長です。
 コロナの感染拡大で、インドや多くの国でも深刻な状況にあり、国内では入院すらできずに亡くなる人もいます。こんなコロナ禍の中で、多くの国民が望まない東京オリンピック・パラリンピックを開催するのでしょうか。



  

2021/ 5/14







文部科学省の「#教師のバトン」について

 文部科学省が、教員の仕事の魅力を現場から発信してほしいと呼びかけた「#教師のバトン」は、SNS上で長時間労働や休憩がとれない忙しさ、部活動の負担など厳しい現状を伝える声が多く見られ「今の悲惨な労働環境のまま、次の世代につなげていいと本当にお思いですか?」とか「とてもじゃないが、若者にバトンは渡せない」などと、プロジェクトが呼びかけた発信とは逆の思いを訴える投稿が多く見られました。
 これに対し、文部科学省は、今年度、教師不足に関する実態を把握するための全国調査を実施します。調査では、教師の不足数や教師不足の要因、解消に向けた取組について実態を把握し、その対応について検討を進めていくと述べています。これには唖然とし言葉がありません。長年にわたり学校現場が「教師不足」を訴え定数増等を要望してきているからです。文部科学省の調査でも、多くの教員が過労死ラインで働いている実態が明らかになっています。
 「教員の働き方改革法案」の成立時に、2020年度から英語教育の早期化、プログラミング教育の導入、道徳教育の評価など、教員の負担はますます増大し、これでは教員と子どもが犠牲になるのは明らかだと指摘をしてきました。
 教職員は、新たに加わった新型コロナの感染防止の業務に戸惑いつつ、子どもと懸命に向き合っています。しかし、働く環境は厳しくますます深刻になっています。制度改正を避けた中央教育審議会の答申による働き方改革では、抜本的な改革にはならず、教員希望者も減少しています。
 教員の仕事を魅力あるものにするためには、第1に子どもと触れ合い共感できる、第2に教育的力量を高めることができる、第3に人としての生活ができる、これらができる条件整備が必要です。それにはお金がかかります。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で教育費が最も少ないのが日本です。
 政府には学校現場の現状を直視し、ただちに、教員が教育活動の魅力を実感できる抜本的な働き方改革を実行してほしいものです。



  

2021/ 4/23







新年度に向けて

 2021年度がスタートしましたが、新型コロナウイルスの感染は続いており、学校現場では、登校時の検温、手洗い・うがい、教室内の換気など細部にわたっての感染防止対策が取られています。
 この新型コロナウイルスに関わっては、昨年、1月に国内で初感染が確認され、2月にはクルーズ船対応の混乱、4月には第1回緊急事態宣言発令、今年に入って、1月8日から2回の再延期を経て3月21日まで第2回緊急事態宣言が発令されました。この宣言の解除後、変異株の脅威が増し、大阪など3府県では「まん延防止等重点措置」が取られています。
 これまで多くの経験をしているにもかかわらず、有効な手立てを打ち出せない政府の対応には疑問や不安を覚えます。しかし、現時点では私たちにできることをしっかり行うことが大切と考えます。
 当会館は、昨年度の経験を活かし、コロナ禍でも感染防止対策をしっかり行った上で、ふれあいコンサートや教養セミナーなどのイベントを公益法人として、地域における教育文化の発展のために開催していきます。
 コンサート等においては参加者に以下のお願いをしております。
1.入館時はマスクの着用、検温、手指の消毒をお願い致します。
2.以下の場合は、ご来場をお控えください。
@ 発熱または風邪の症状がある場合や体調がすぐれない場合
A 同居家族や身近な知人の感染が疑われる場合
B 新型コロナウイルス感染症の陽性と判明した方との濃厚接触がある場合
C 過去14日間以内に感染が拡大している国・地域への渡航並びに当該国、地域の在住者との濃厚接触がある場合
3.備え付けの消毒液による手指の消毒にご協力ください。
4.館内では、水分補給以外は飲食禁止です。
5.鑑賞中も含め、常時マスクをご着用ください。咳エチケットにもご協力お願いします。座席によってはマスクの他にフェイスシールドの着用をお願いします。おしゃべりはしないでください。
6.ホール内は、換気の機会を増やすため、冷暖房効果が十分ではない場合があります。ご自身で体温調整ができる服装でお越しください。
7.館内では、社会的距離(1m以上)の確保をお願いします。
 コロナ禍における教育会館事業へのご理解と協力をよろしくお願いします。


  

2021/ 4/ 9



  



教育相談の窓から


 今年度は、4月の初めから6月まで、新型コロナウイルス感染拡大により、学校は休校措置等がとられました。
 在校生は春休みからそのまま、新入生は入学式だけは行ったものの、その後家庭学習となり、分散登校など段階的な形で学校再開となったところで、ようやく本格的な学校生活が始まりました。
 学校再開時は感染も減りましたが、GoToトラベルや、GoTo イートなどの影響もあって人の交流が増え、緊急事態宣言を出しても、解除のたびに第2波、第3波とより大きな感染拡大となって、新型コロナウイルスの脅威は増大の一途をたどっているように見えます。
寄せられる相談も「コロナが心配」「いつまで、どれだけ我慢させれば(すれば)いいのだろうか」というものが増えました。
 学校はいわゆる「3密」は避けられない環境下で授業を行いますので、現場の感染対策は本当に大変だと思いますが、教職員や保護者の取り組みで、子どもたちの大きなクラスター発生は何とか防いでいるようです。
 未曾有のことなので、想定外のことも起きますし、保護者の心配をぶつけられることも多いと思います。現場は本当に大変なことと思いますが、正しい情報に基づいて、対策をとれば大丈夫ということも少しずつ分かってきているので、教職員も保護者も「『正しく恐れ』、やることをやっていれば大丈夫」という気持ちで、できる限り、子どもたちの学習権を保障するようにしていくことが大切だと思います。

  

2021/ 3/26







  

自己流バードウォッチングを楽しむ
   〜春を告げるウグイス〜

ウグイス 関心がなかったからでしょうか。野鳥というと、名前と姿が分かるのは、スズメ・ハト・ツバメなど数種類ほどでした。昨年の春のことです。逗子の披露山へ散歩に出かけるようになり、行くたびに「ホーホケキョ」と美しくさえずる声を耳にして気分が安らぎました。しかし、「声はすれども姿は見えず」の言葉の通りウグイスの姿を見ることができませんでした。
メジロ そのうちに、ウグイスはどんな姿をしているのか見たいという気持ちにかられるようになりました。散歩をしていた時のことです。友だちがウグイスの動画を撮ったので、初めてウグイスのさえずっている様子を見ました。想像していた姿や鮮やかな色ではなく、暗く茶色かがった緑色をしていました。かつて、体が緑色をしているメジロのことをウグイスと間違えていたことが思い出されます。
 自分でウグイスを写真に撮りたいと思い、手のひらに収まるデジカメをもって散歩に出かけ、「ホーホケキョ」のさえずりに注意し探していると、だんだんと姿を見る機会が多くなりピンボケですが写真を撮ることができるようになりました。早速、鳥に詳しいAさんにメールで写真を送り報告しました。
 すると、Aさんから、さえずりはオスであり、メスへの求愛のときに出される鳴き声であること、縄張り宣言の意味もあること、ホーは吸う息、ホケキョは吐く息、胸いっぱい膨らませてさえずることを教えていただきました。さらに、鳥を撮るときには目をねらい、三脚を使ったほうがよいこと、できれば鳥を撮るカメラに変えてはいかがでしょうと親切な助言をいただきました。
カワセミ 一年たった現在も、デジカメをもって近くの久木川と披露山に行き自己流のバードウォッチングを楽しんでいます。カワセミの美しさにも感動しました。Aさんに教わりながら、コゲラ・ヤマガラ・モズ・ジョウビタキ・シジュウカラなど、かわいい野鳥の様子を観察したり写真に撮ったりすることができるようになりました。野鳥からは、知らないことを知る喜びも教わりました。
 今年もウグイスのさえずりが聞こえる季節となり明るい気持ちになります。

  

2021/ 3/11









心の栄養補給をする美しい音楽
〜礒絵里子ヴァイオリンリサイタル〜

 コロナ禍において、当会館の公益事業も中止や延期を余儀なくされました。「童謡・愛唱歌を楽しむ会」「ボイストレーニング歌声広場」など、サークル活動も影響を受けています。会員から、「コンサートや美術館にも行けず、家にいると心の栄養が枯渇し気分がおかしくなります」という声も聞きます。
 第81回教育会館ふれあいコンサート「礒絵里子ヴァイオリンコンサート」は、十分な安全対策をとり2月14日に開催しました。
 曲目は、エルガーの愛の挨拶・クライスラーの美しきロスマリン・サラサーテのツィゴイネルワイゼンをはじめ多くの人に愛されてきたものばかりです。これら名曲を礒さんの優れたヴァイオリン演奏により聴く者が魅了されていきました。特に、ディニクのひばりでは、超絶技巧の演奏が発揮され、ひばりが元気に飛び回りさえずっている様子が浮かんできて圧巻でした。
 会員からは、「超有名な曲ばかり、ド素人の私にはうれしい限りでした。久しぶりに贅沢な時間を過ごせて幸せでした。生演奏にかなうものはないです。すべての楽曲に、礒さんの分かりやすく楽しい解説つき!これもすごく贅沢ですよね?」「とても感動しました。卓越した技術と聴いている私がこれだけわくわくしたり、切なくなったり、今までカラッカラッになっていた心にしみ渡りました」などの感想が寄せられ、心の栄養補給となったようです。
 礒さんからは、「緊急事態宣言中に万難を排して開催し、皆様が真剣に聴いてくださり、温かな拍手を頂戴して感激いたしました」とメールをいただきました。入場者には、多くの安全対策にご理解と協力をいただき感謝いたします。よくぞ、開催してくれたとのエールもいただき励みとなっています。
 第82回教育会館ふれあいコンサートは、3月14日、住谷美帆サクソフォンリサイタルを会員限定で開催いたします。今回は、10回目の東日本遺児育英資金チャリティーコンサートにもなっています。サクソフォンの美音を楽しんでいただき、カンパにも協力をいただきたくお願いいたします。
  

  


  


  

2021/ 2/26









コロナ禍、心と体を癒す音楽と運動

 新型コロナウイルス感染拡大で、家にいる時間が長くなっているため、日常的に運動不足により体力が落ちたり精神的な不安を抱えたりする人が増えています。「外に出られず、家族や友だちとも会って話すこともできず気がめいってしまいます」という声を聞きます。そのため、コロナ禍のなかで、心と体の健康をどう維持していくかは切実な問題です。
 運動は、不安やストレスを軽減し、メンタルヘルスを良好にする効果的な手段となります。ある総合病院に「一日3000歩以上歩きましょう」と掲示されていました。散歩やウォーキングなどによって気分がよくなり、ストレスが減り健康保持ができるからでしょうか。気持ちが晴れないときこそ運動が必要です。自分に合った運動を探し習慣としたいものです。
 昨年4月16日の夕方、病院の屋上に立つ赤いドレスの女性、イタリア・クレモナ在住の日本人ヴァイオリニスト横山令奈さんの演奏の様子が思い浮かびます。防護服やマスクを身につけたまま屋上を見上げる医療従事者たち、下には感染者が隔離されているテントが見え、夕日の下で演奏が始まると、医師らが窓から身を乗り出してヴァイオリンの美しい調べに聴き入りました。医療従事者たちは、どんなにか癒されたことでしょう。
 音楽が人の心と体を癒す力になっているのは明らかです。その時の気持ちに合う、共感しやすい曲を聴くとストレスの緩和に役立ちます。気持ちが落ち込んでいる時には、ゆったりと穏やかな音楽が癒してくれます。
 2月14日(日)、第81回教育会館ふれあいコンサート「礒絵里子ヴァイオリンリサイタル」を開催します。曲目は心を癒す名曲です。まず、エルガー作曲の「愛のあいさつ」は、やさしい気分になり癒される曲です。きっと、礒絵里子さんが奏でる美しいヴァイオリンの音色に引き込まれるでしょう。
 コロナ禍におけるコンサートです。安全第一とし、参加者の協力により音楽の力を信じ、意義あるコンサートになるよう努力したいと思います。

  

2021/ 2/12







感動を呼ぶ「主題曲トゥ・ラブ・アゲイン」愛情物語

 昨年10月14日、NHKのBSプレミアムで映画「愛情物語」を観ました。  内容は、タイロン・パワー主演、人気ピアニスト、エディ・デューチンの生涯を描く感動の伝記ドラマ。主題曲「トゥ・ラブ・アゲイン」はあまりにも有名。共演はキム・ノヴァク。音楽家を志しニューヨークにやって来たエディは、名家の令嬢マージョリーと出会い、彼女の後押しもあってピアニストとして成功をおさめる。ふたりは恋に落ち、結婚、幸福な日々を送るが…。甘美な演奏で人気を博したピアニスト、エディ・デューチンをタイロン・パワーが演じる感動の伝記ドラマ。ショパンの夜想曲をアレンジし、大ヒットとなった主題曲「トゥ・ラブ・アゲイン」はじめ、カーメン・キャバレロのピアノ演奏も魅力的。(NHKBSプレミアムより)
 何よりも印象的なのは、ラストシーンの父と子のピアノ連弾です。息子は迫り来る父親の死を悟り、悲しみを胸に懸命にピアノに向かいます。そうした子どもの健気さを包み込むように、最後の別れをピアノの演奏で伝える父親。子どもは悲しみのあまり演奏できなくなります。子どもを勇気づけるように父の手が動き出します。そして連弾のピアノが鳴り響く中で父親の手が止まり、その手はさっと手前に消えてしまい、息子だけの演奏になり幕となります。
 映画は、ストーリー性だけでなく音楽性も大切です。感動的な場面で流れる音楽、喜びの場面で流れる音楽、音楽は映像と一体化したものです。また、音楽を聴くだけで映画の世界が蘇ります。今でも愛情物語の主題曲「トゥ・ラブ・アゲイン」を聴くと、ラストシーンが鮮明に思い出され感動を覚えます。
 1月31日(日)開催予定だった「コ永洋明ピアノ弾き語り」コンサートは、映画音楽をピアノ生演奏で感動をみんなで共有したいと考え準備を進めてきましたが、緊急事態宣言が再発令され延期することにしました。このコンサートは、市民の方の期待も多く、今後も実現のため努力したいと思います。社会が不安なときこそ、音楽は人の心を豊かにし生きる力を与えてくれます。

  

2021/ 1/22







あけましておめでとうございます
  本年もよろしくお願い致します


 当会館は、三浦半島エリアにおける住民および教育関係者の教養を高め、生活と福祉の増進を図り、教育文化の振興発展に寄与することを目的に設立されました。この目的を達成するため、「児童又は青少年の健全な育成に関する事業」「地域の教育、文化及びスポーツの振興に関する事業」「教育及び文化活動を支援する施設貸与に関する事業」などを行っています。ホールや会議室は市民のみなさまに貸し出しています。
 2010年12月に公益財団法人となり10年が過ぎました。その間、市民参加による公益事業の充実を図ってきました。特に、幼児による「リトミック教室」や「にこにこ親子クラブ」、大人の「フルートサークル」「リコーダーサークル」「童謡・愛唱歌を楽しむ会」などのサークル活動は、幼児からお年寄りまで参加し、市民の自主的な運営により活発に行われ参加者も増え好評を得ています。また、教育会館ふれあいコンサートは、市民の方々に生の音楽を身近で楽しんでいただくため、2004年度からスタート致しました。現在、「ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏者とふれあい、家族や友だちとも気軽に楽しむ場となっています。
 当会館には三浦半島地区教職員組合・三浦半島地区校長教頭組合協議会(横須賀市立学校管理職組合)・横須賀市PTA協議会・横須賀市私立幼稚園協会の事務所が置かれ、三浦半島地区教育文化研究所も設置されています。それぞれの団体は、会館を拠点に子どもの幸せを求めて活動し成果をあげています。
 今後も平和と子どもの幸せを願い、市民の発想と行動力に期待した公益事業の充実をはかり、より親しまれる教育会館へと発展させたいと思います。
 昨年からの新型コロナウイルスの感染拡大によりご不便をおかけすることが多々あろうかと思いますが、本年もどうぞよろしくお願い致します。
  

2021/ 1/ 8







 政府の「ウソ」が社会を悪くする


 今年は、政治家の暴言と「ウソ」にうんざりしました。特に、アメリカのトランプ大統領は、自分が任命した高官でも、意見が違うと怒りをあらわに罵倒し解任するニュースには驚きました。また、新型コロナ対策チームの第一人者であり国民から信頼を得ているファウチ博士に対し、「人々はファウチ博士などの愚か者に飽き飽きしている」と非難したそうです。大統領として、あまりにも品位のない無責任な言動にはあぜんとしました。
 国会討論をテレビで見ていて、政府の不正を隠す「ウソ」答弁と感じ何度もスイッチを切ったことがあります。「記録はすでに破棄した」「領収書や明細書を受けとっていない」など、社会常識では考えられない答弁にはあきれました。「森友学園、加計学園」問題では、事実確認に必要な公文書を短期間で廃棄し改ざんしました。安倍前首相は、疑惑を否定しましたが裏付けを示さなかったため、今だ国民の不信は払拭されていません。
 安倍前首相側の後援会が開いた「桜を見る会の前夜祭」を巡り、安倍氏側がホテルに支払った費用の一部を補填(ほてん)していたことが報道されました。安倍前首相は、国会で何度も「補填は一切ない」と説明してきました。国会は、国の最高議決機関です。政府には説明責任があり、一国の首相が国会で「ウソ」答弁を繰り返したとなれば責任重大です。
 今、新型コロナ感染拡大により社会が危機に直面しています。政府の対策は、専門家や医療現場の意見に耳を傾けているとは思えず、後手後手となり混乱を招いています。菅首相は、国民に自粛を呼びかけ自分は忘年会、危機感が伝わらないのは当然です。一方、ドイツのメルケル首相は、科学者の提言に基づき、厳しい措置が必要と考え、危機感を示しながら国民に訴えました。その必死に呼びかける姿と演説は共感を呼んでいます。
 政府の「ウソ」を正すのは国会であり、主権者の国民が政治に関心を示し、声を上げる必要があります。政府の「ウソ」は国民を犠牲にします。
  

2020/12/25







    コロナ禍の教育会館サークル活動

フェースシールド使用(フルートサークル)
フェースシールド使用(フルートサークル)
 新型コロナウイルス感染は、全国的にもますます拡大し日常生活においても不安を感じるようになっています。現在、当会館の各サークルは、安全第一に感染対策をとりつつ活動を行っています。しかし、「童謡・愛唱歌を楽しむ会」「ボイストレーニング歌声広場」は、熱心な会員と指導者の希望に応える安全対策が確認できず延期となっています。
 「ボイストレーニング歌声広場」は、オンラインレッスンを行っています。指導者の橋本陽子先生から次の報告がありました。
 11月のオンラインレッスンは、1週目5名、3週目4名の方が参加されました。今月は秋の曲を取り入れてレッスンをいたしました。オンラインの場合、画面に一人ひとりのお姿がよく見えるので、体の使い方や発声練習でもそれぞれにアドバイスをしたり、質問をお聞きしてお答えしたりしています。みなさんとても温かく優しいメンバーの方々で、オンラインならではの何か困ったことが出たときは、みんなで解決しています。また、新しい一体感を感じています。来月はクリスマスソングを歌います。みなさんいつもレッスンを楽しみにしていて、私も毎回とっても楽しくレッスンをしております。
 大人のリコーダーサークルでは、10名から15名の会員が検温し手の消毒をしてから入館します。会場は広いホールを使用、換気に注意し休憩時間を30分に1回とります。使用する机と椅子は、アルコールティッシュで拭くなど安全対策を行いつつ活動を楽しんでいます。クラリネット、フルート、ピアノ、健康ヨガサークルも、それぞれ工夫し感染対策を取り活発に活動しています。
 教育会館のサークル活動は、楽しみながら学び活動するサークルです。コロナ禍においても、会員はつながりを大切に、励まし合い、サークル活動の喜びを共有し前向きに生き生きと取り組んでいます。

2020/12/11







    学術会議任命拒否問題

 日本学術会議の新会員候補の任命拒否問題が注目を集めています。
 日本学術会議とは、1949年に発足した科学者の組織で、学者の国会ともいわれています。科学研究が政治に利用され戦争に協力させられた反省から、首相の所轄の下、政府から独立して職務を行う「特別の機関」と位置づけられています。そのため、この会議のメンバーについては、首相が任命する形になっていますが、歴代政権は学術会議からの推薦候補をそのまま追認してきました。
 ところが今回、学術会議から推薦された105名のうちの6名が任命を拒否されました。この6名は、政府が進めていた「安全保障関連法」に反対していたことも明らかになっています。
 国会で首相は判断基準について、当初は「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から」と説明。その後は「若手が少ない」「出身や大学に偏りがある」と答弁を繰り返しました。しかし、若手や会員が少ない大学所属の候補が拒否されていたり、「旧7帝大出身者が多い」とも答弁していましたが、拒否された半数が私大の出身者であったりしたことから、拒否理由の説明が破綻していました。拒否の理由を迫られると「人事に関することなので説明は控えたい」と答弁し、なぜ推薦候補を拒否したのか、直接の理由を明らかにしませんでした。
 10月27日付、神奈川新聞の「思想家内田樹さんに聞く」という特集記事の中で、内田さんは、「学者たちの抵抗は日本社会が『イエスマン以外には居場所がない』ものになってゆく流れに対するぎりぎりの防衛線です。」「国が衰微しても政権が安定すればよいというのは一つの選択です。『それでいい』という国民が過半ならば、仕方がない。でもそんな日本にはいかなる意味でも未来がないことは覚悟しておいた方がいいと思います。」と結んでいます。
 学術会議任命拒否は、強権的な政権の本質を示す根本的な問題であり、全ての国民が関心を示すべき民主主義の問題ではないでしょうか。

2020/11/27







   新型コロナウイルス、
油断せず、しっかりした感染防止対策を!

 現在、新型コロナウイルス感染が再び拡大してきています。秋から冬にかけて感染の増加が予想されていましたが、その通りになってきています。
 当会館では、現在、以下の条件で貸し出しを許可しています。
1.会館に入ったら、必ず手のアルコール消毒(アルコールは各階に設置)。
※ 発熱など体調に不安を感じる方は、入館をお控えください。
2.「正しい手洗い」「咳エチケット」「正しいマスクの着用」
3.三密(「密閉」「密集」「密接」)を避けてください。
4.会議室・ホール使用の場合、必ず換気扇のスイッチを入れる。
また、定期的な換気(原則1時間に1回)を実施してください。
5.会議を行う場合の人数の目安を以下のようにします。
 @2階ホール…15〜60名 A5階中会議室…8〜15名
 B5階小会議室・和室…8名以内
6.活動を行う場合の人数の目安を以下のようにします。
 @2階ホール…10〜30名 A5階中会議室…5〜10名
 B5階小会議室・和室…5名以内
7.利用代表者は、参加者名簿を作成し保管してください。
 今後の状況により条件を見直さざるを得ない場合が生じるかもしれません。
 また、サークルの「童謡・愛唱歌を楽しむ会」については、10月にコロナ対策を講じた上で再開できるか数人で検証し、11月から正式に再開する予定でした。しかし、11月に入って感染が拡大してきたことを踏まえ、歌声活動は当面延期しました。関係者の皆様のご理解・協力をよろしくお願い致します。
 新型コロナウイルス発生当初に比べ、様々なことが分かってきてはいます。しかし、いつ終息するのか見通しは立っておりません。このような状況下、国や県及び関係団体からの情報を踏まえ、感染防止のための最善の方法をとっていきたいと思います。新型コロナウイルスは厄介なウイルスですが、当面このウイルスと付き合っていく必要があります。皆さん、決して油断せず、しっかり対策をとっていきましょう!

2020/11/13







10月から公益事業を再開
キュレーター林綾野さんによる名画セミナー

 今年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い当会館主催の公益事業を中止、延期してきました。しかし、新型コロナウイルス感染防止を第一としながら、10月からは、推進することにしました。早速10月11日に「第9回教育会館名画セミナー」を開催しました。
 開催にあたっては、ガイドラインにある3密を避けるため検討し、具体的には、1.換気のためホールとホワイエの扉を開けておくこと。2.ホール内の換気装置ロスナイの稼働、休憩時間にはホール内に設置したサーキュレーターの稼働。3.参加人数は、通常の半分とし椅子の間隔をあけました。
感染防止対策には、入場者の理解と協力が必要です。入場時には、検温と手の消毒をお願いしたり、ホール・ホワイエでの会話を遠慮いただいたり、並ぶときには1m以上の間隔をあけたりなど多くの協力をお願いしました。
 セミナーは、林先生の画家に寄り添う語りにより、ゴッホとゴーギャンという二人の画家の関係を見つめ、その人生と作品の魅力に迫るものでした。
〇ゴッホ、ゴーギャン二人の生活、手紙、苦しい現実の中でもまっすぐに描かれた絵の数々の紹介はとてもすばらしく実際に本物の絵を見たい?と思いました。ゴーギャンの「肘掛け椅子のひまわり」は二人の絆が、思いがこめられて感動しました。林さんのトークは、とても魅力的です。
〇今日参加させていただいて、コロナ感染防止対策が徹底されていることをすぐに感じました。お陰様で安心して参加することができました。(参加者感想)
 ゴッホは、浮世絵を愛し日本にあこがれ続けた画家です。ゴーギャンも浮世絵に傾倒していたそうです。そんな二人の画家には多くのファンがいます。林先生もファンになったように熱を込めて語り、聴く者に響いたようです。熱心に学習する方の顔が充実しているように見えました。参加者には、感染防止対策にも多くのご協力をいただきました。感謝申し上げます。
  


2020/10/23







日本の子ども、幸福度が最低水準
 〜ユニセフの38か国調査〜

 日本の子どもの幸福度が、国際的に最低レベルというタイトルが目に入りたいへん驚きました。
 国際児童基金(ユニセフ)は、9月3日先進国の子どもの幸福度をランキングにした報告書を発表しました。それによると、1位がオランダ、2位がデンマーク、3位がノルウェー、上位はヨーロッパの国がおさめ、日本は20位となっています。
 日本は、子どもの肥満の割合や死亡率から算出した「身体的健康度」は1位で、経済的にも比較的に恵まれています。しかし、先進・新興国38か国に住む子どもの幸福度で、生活満足度の低さ、自殺率の高さから「精神的な幸福度」が最低レベルの結果となっています。
 中学生のA君は、よくサッカーをします。しかし、近くの公園には「ボール遊び禁止」の看板があり、ボール遊びができる公園は少ないと言います。いじめで転校した子もいて、いじめも幸福度が低いからではと指摘しています。これからは、多くの規則を見直しみんなが好きなことをして遊べるようにすることが大事だと述べたそうです。
 日本の子どもの幸福度が最低レベルならば、日本の教員の仕事の満足度はどうでしょうか。
 国際協力開発機構(OECD)は、3月23日、国際教員指導環境調査を発表しました。中学校教員の仕事に対する満足度について調査に参加した48か国中、日本は最下位であると明らかにしました。日本が最下位となった要因は、「現在の学校での仕事を楽しんでいる」という回答した教員の割合が最下位だったことからも分かります。
 子どもの幸福度と教員の満足度も一体かもしれません。調査からも幸福度が低い要因が明らかになっています。政府や行政は、子ども・教職員など、現場の声を受け止め改善を図ってほしいと思います。


2020/10/ 9







あなたが受け取ったメッセージは?

 プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手が、全米オープン女子シングルス決勝で、9月12日(日本時間13日)、対戦相手のザレンカ(ベラルーシ)を1−6、6−3、6−3の逆転で下し、2年ぶり2度目の優勝を果たしました。
 大坂選手は、この大会の前哨戦であるウエスタン・アンド・サザン・オープンに出場していました。準決勝まで勝ち進みましたが、米中西部ウィスコンシン州で8月23日夕(現地時間)黒人男性が背後から白人警官に銃撃された事件に抗議し、準決勝を棄権すると表明しました。彼女は自身のツイッターで「私はアスリートである前に黒人女性だ。テニスよりも重要なことがあると感じている」と棄権理由を説明し、「警官による継続的な黒人へのジェノサイド(大量虐殺)には本当に胃が痛くなる」と強い表現で事件を非難しました。これを受け、同大会は27日の試合延期を決定しました。大坂選手は試合に復帰し、準決勝を勝ち進んだ時点で、太腿の状態が良くないことから決勝を棄権しました。
 このような経過をたどり、大坂選手は本戦である全米オープンに臨みました。8月31日の1回戦から9月12日の決勝までの7回の試合に、人種差別への抗議のため、警官の暴行などで死亡した黒人の名前を記したマスクを着用して出場しました。
 ネット上では「スポーツに政治問題を持ち込むな」といった声もあったが、「選手である前に、1人の黒人女性だ」との思いは揺るがなかった。大会直前には、米誌タイムに「選手は(社会的な)発言をしてスポンサーを失うことを恐れている。しかし、何が正しく、何が重要なことなのか話さなければならない時がくる」と発言。優勝後に天を見上げ、再びコートに立ち上がった大坂。続くインタビューでマスクに込めた思いを聞かれると、曇りのない表情で返した。「さて、あなたが受け取ったメッセージは何でしたか?」。
 と、東京新聞Web版は報じています。
 みなさんは、大坂選手の行動から、どんなメッセージを受け取りましたか。


2020/ 9/25







教育会館ふれあいコンサート再開について

 日頃から、会員をはじめ関係者の皆様には、教育会館ふれあいコンサートについてご理解と協力をいただき感謝申し上げます。この機会に、教育会館ふれあいコンサート開催について、今日までの経過をご報告申し上げます。
 3月、新型コロナウイルス感染が拡大し、4月と6月の教育会館ふれあいコンサートが開催できず中止いたしました。そのとき、会員の方から次の温かい励ましのメールをいただきました。
 ふれあいコンサートは、演奏者の方々との距離が近くて(心情的にも、物理的にも)、毎回、心にしみる素晴らしい演奏会です。再開が、本当に待ち遠しいです。勿論、コロナ終息後の事となると、出演者の方々のスケジュール調整からやり直しでは、大変なご苦労が待っているでしょうが、気長に待ちますので、よろしくお願いいたします。
 新型コロナウイルス感染防止を第一としながら、こんな時だからこそ、生演奏の感動を市民の方と共有したいと思い、出演者や音楽事務所の方などの協力をいただきながら検討を重ねてきました。
 その結果、別紙のように改正し、2020年度教育会館ふれあいコンサートの計画を立てることができました。山田武彦プロデュース歌とピアノで誘う世界一周の旅、今をときめく加耒徹(バリトン)&下園理恵(メゾソプラノ)については、声楽による飛沫の問題があり、たいへん残念ですが割愛いたしました。新たな出演者も実力と魅力あふれる演奏者です。ご期待ください。なお、感染防止のため一般募集は行わず、参加人数を少なくするため会員限定で広報しております。
 教育会館ふれあいコンサートは、今日まで、演奏者、鑑賞者、企画・運営する者が一体となって創り上げてきました。再開にあたり、皆さまのいっそうのご理解と協力をお願いいたします。


2020/ 9/11









コロナ禍の下、楽しい学校づくりは

 かつて、二学期の初日にこんな話をしたことがあります。
 いよいよ二学期が始まりました。今年の夏は、猛暑の言葉の通り、ものすごく暑い日が続きました。みんな明るく元気そうですね。先生もみんなの元気な顔を見ていると疲れが飛んでいくようです。
 朝、玄関前で5年生の子に「夏休みはいかがでしたか」とたずねると、「青森に行って親戚の人と遊んで、うんと楽しかった。青森は涼しかったです」と笑顔で話してくれました。みんなも、プールや海、山に出かけたりふだん会えない人と会ったりして、楽しい思い出をたくさんつくったことでしょう。
 二学期は、運動会や修学旅行など、楽しい行事がたくさんあります。みんなで協力し、全力を尽くしてすばらしい行事にしましょう。
 コロナ禍の下、子どもたちの生活は一変してしまいました。報道によれば、「コロナのせいでキャンプや泊りがけの旅行に行けなかった。退屈だから早く夏休みが終わってくれてよかった」という子もいます。疲れてきている子や精神的に不安定な子が増えているようです。
 夏休みが終わり学校再開、横須賀市の小学校の先生に学校の現状を聞きました。先生は、「学校が楽しくない。特に、行事ができないからです」と言い、「子どもたちは学校が楽しいと言ってくれています。家にいるよりは、学校生活にいろいろ制限があっても、友だちと話したり遊んだりできるのが楽しいのかもしれません」と話してくれました。
 校内の消毒作業、子どもへのソーシャルディスタンスの指導、子どもの心の不安と向き合うなど、コロナ対策で負担が大きくなり、学習の遅れも取り戻すべく懸命に努力している先生の緊張した様子も伝わってきます。ただ、先生にも子どもと喜びを共有し、学校は楽しいと言えるようになってほしいと思います。
 先生の話しや友だちの意見に目を輝かせ、ときに笑いがおきる教室。友だちと触れ合い笑顔で思い切り走り回る校庭。コロナ禍の下、子どもや先生がいきいきと活動できる学校を創造するにはどうすべきでしょうか。

2020/ 8/28









「教育会館ふれあいコンサート中止」と再開へ向けて

 新型コロナウイルスは、依然として私たちの生活を脅かし、日常生活に不安を与えています。こんな時だからこそ、市民生活を前に進めるためにも音楽の 素晴らしさを市民と共有したいと思い、9月開催予定の、加耒徹さんのコンサートは、是非、実現したいと考え、感染防止ための検討を重ねてきました。
 特に、三密問題を解決するため、新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインに基づき、@密閉空間については、会場ホールの窓や扉を開けエアコン空気の流れを調節する。A密集場所については、ホール入場者を通常の半分以下にする。B密接場面については、椅子と椅子との距離をとり、鑑賞者にはマスク着用と館内での会話を遠慮いただくことにしました。これで、クラッシックコンサートは、鑑賞者が自席で静かに鑑賞するため、開催できると考えました。
 しかし、入場者を半数以下とし、ホワイエとホールを開けるなどしても、声楽の場合は、飛沫問題があり、その対応が不明確なため、納得して運営できる状況を見出せませんでした。そのため、快諾をいただいた加耒さんはじめ出演者の方には、 たいへん申し訳ありませんでしたが、9月13日開催予定のコンサートは中止とさせていただく旨を連絡しました。
 加耒さんからは、「最近は年末や来年の公演まで次々とキャンセルが決まっており、安心した音楽活動を行うのは随分先になるかと覚悟しております。そんな中でもモチベーションは失わずに、常にスキルアップはめざしていきたいと思っております。コンサート、残念ですが中止することを了解しました。また、コンサート運営が可能になった暁には是非とも再びあそこで歌わせていただけましたら嬉しいです。その時を楽しみに待ちたいと思います」と、温かい言葉をいただきました。加耒さんの美声が当ホールに響きわたった感動が蘇ります。
 音楽は、人の心を豊かにし、希望を与えてくれます。今、教育会館ふれあいコンサート再開に向けて準備を進めているところです。安全第一に再開し、生演奏の感動を皆さんと共有したいと思います。

2020/ 8/14







学校再開 教職員の負担

新型コロナウイルスの影響で、学校再開後の学校現場は多忙を極めています。横須賀市A小学校教師の勤務をご紹介します。
 朝、子どもたちが登校したら、玄関での検温確認、入室時の手指消毒や教室で静かに座って待たせる等の指導を行います。下校後は、使用した場所の消毒作業を行います(机・椅子・トイレのドアノブ等)。
 授業中は、マスクかフェイスシールドを着用するため、とても暑く、配布物は、接触感染のリスクがあるので担任が手渡します。特活は、ほぼできていない状況です。委員会・クラブも活動内容を考えるとかなり厳しく、学級の係活動もできないものが多くあります。
 新しい生活様式に合わせながら、見合わせていたことを一気にではなく少しずつ通常に戻していくように考えながらやっています。そのため、月行事、年間行事も探りながら様子を見ながら入れていて、先の見通しがなかなか持てません。
 給食の片づけでは、子どもに任せることができないことが増えました。牛乳やストローを最終的にまとめて洗う仕事は担任が行います。パンの食べ残しの片づけ等は調理員が担ってくれることになり、子どもにやらせられないことは、担任と調理員が行います。
 休み時間は、3学年ずつ校庭の使用場所を割り当てて使用しています。校庭も図書館も、付き添って安全に利用できるように見守るため、教員の負担が増えました。休み時間に、ちょっとした印刷や採点などに時間を利用できず負担が大きくなりました。
 教職員は、新たに加わった感染防止の業務に戸惑いつつ、子どもと懸命に向き合っています。教育環境が改善されない現状では、社会問題となっている教職員の過労死ラインを越える長時間労働がさらに深刻になり、教職員の健康と子どものストレスが危惧されます。

2020/ 7/24











学校再開 子どもの学習と給食

 学校は、新型コロナウイルス感染防止に注意しながら教育活動に励んでいます。横須賀市A小学校の学習と給食の一端をご紹介いたします。
学習について
 今のところ、教材・道具の共用が必要な学習は後回しにするなどしています。理科の実験は教師実験にしたり、映像で見せたりしています。家庭科は調理実習が当面できないため、ミシンの共用も避けカリキュラムを入れ替えています。音楽の歌はハミングにし、楽器の共用は避け、リコーダーも当面は使用せずに授業を行なっています。
 国語では、当たり前のようにしていた音読も、内容を掴ませるなら黙読に変更、発音や読みの確認のために読ませるなら小声で読ませたり、一斉音読ではなく順番に個別に読ませたりしています。
 教科書や文房具の忘れ物があっても、友達同士の貸し借り、担任からの貸し出しは原則不可です。道具を共用する場面や多少の接触も考えられるので、体育の前後には必ず手を洗います。授業時間の途中でも水分補給の時なども手を洗う時間を設けています。
給食について(やり方については学校によって違う)
 机はグループにせず全員前向きの机のまま食べます。必要のないおしゃべりはしません。マスクをしていただきますと言ってから食べ始めます。7月3日まではワンプレートの給食で、担任が配食しました。現在は、当番がお盆で持って行った給食を、席に座っている子がお皿をとります。
 食べ終わったらすぐにマスクをつけ、自分の食器は自分で片付け、時間が来たらごちそうさまをみんなで言います。今までは楽しそうにおしゃべりする声が聞こえてきましたが、今は黙って黙々と食べる時間です。おいしいね、との感想も聞こえてきますが、基本、静かです。
 学校は本来、子どもたちが安心して楽しく遊び学ぶ場です。一日も早くのびのびと生活できる教育環境になることを願うばかりです。


2020/ 7/10











学校再開 子どもの現状

 新型コロナウイルスは、子どもたちの学校生活をも一変させてしまいました。横須賀市のA小学校も、6月4日から分散登校が始まりました。その様子をご紹介いたします。先ずは登校です。同じ方向から登下校する子が一人もいないような状況を避け、兄弟が同じ日に登校できるようにするために、登校する日を地域で二つに分け、交互に登校しています。ちょうどクラスの人数もほぼ半数に分けることができました。
 毎朝子どもたちが校舎に入る前に、玄関先で検温してきたかどうかを教職員が口頭で確認します。検温を忘れた子は、その場で検温し、発熱がないことを確認してから校舎に入ります。校舎に入るにも、靴箱の辺りが密にならないように、自分のクラスの子が靴を履き替えていないかどうかを確認し、クラスの子が履き替えているところだったら、その子が上履きを履き終え靴箱から離れるのを入り口で待ってから靴箱に向かいます。
 教室に入るときは必ず入り口で手をアルコール消毒します。中休みは接触や密になる状況が想定されるため、子どもたちが自由に遊ぶ時間は設けませんが、運動不足解消とリフレッシュのため、授業時間の中に外遊びができる時間を学年ごとに割り振り、その時間はクラス全員で外に出て、接触や密にならないように気をつけて遊びます。遊びで使用する道具を共用するので、外に出る前に手洗いをします。教室に手洗い場の蛇口は三つありますが、密を避けるために真ん中の蛇口は使用せず、間隔を開けて順番を待ちます。
 マスクは、屋外で密にならない状況であれば、外して遊んだり、運動したりしてよいことにしています。その他、登下校時も外してよいことになっています。分散登校中は体育や級外の先生の授業は行わず、特別教室も使用していません。6月19日で分散登校が終了し、22日からクラスの全員が登校して揃うのとともに、給食が始まります。
 学習中は机の間隔を空けて着席します。友達の机や持ち物には触れないように気をつけて過ごします。分散登校中は市松模様のような配置で着席。発言することはできますが、友達と至近距離で教えあったり、相談したりすることはしないそうです。
 専門家の中には、子どもへの制約が行き過ぎで検証すべきとの声もあります。しかし、子どもの健康を守るため、懸命に努力している学校の現実が見えます。

2020/ 6/26











巣ごもりの交流

夏のおくりもの 画像  巣ごもりをすることになり、人との触れ合いがどんなに貴重であるかを改めて感じています。今はメール交換が交流の場ともなっています。先日、かつての同僚だった橋本栄さんからメールをいただきました。その一端をご紹介いたします。
〇緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ十分気を付けなければならない状況は変わりませんね。私はマイペースで絵を描いていますが、50号の作品が終わり、今は30号の作品にとりかかったところです。
 この自宅待機の時期に、娘が自分の『夏のおくりもの』という曲に私の作品を背景にした動画を作り、ブログにアップしました。私は動画を作っていたことは全然知らなかったのですが、見てみたら作品をうまく使って曲の雰囲気を引き立てているなと思いました。(親バカですね…)アドレスを張っておきますので、時間のある時にでも見てください。  https://youtu.be/or4fMCN90pg しばらくは不自由な生活ですがお元気で。
●『夏のおくりもの』の動画を拝見させていただきました。背景の作品と歌がぴったりマッチしていて、見ながら心に染み入りました。親子で音楽と絵の素晴らしいコラボレーション、うらやましい限りです。
 夏の真っ黄色なひまわり、ゴッホが描いた明るい南仏アルルをも想像でき、真っ青な空と真っ白い雲は、かつて登った夏山の雄大な景色を想い気分が癒されました。印象が強かった蝉取りしている子どもと山の絵からは、子どもの頃の懐かしい思い出が浮かび、優しい歌声と共に心地よかったです。私のような年寄りには「夏の思い出」です。陽子さんの前向きな取り組みには感心させられます。
 当方、6月末まで休館のため巣ごもりです。朝の散歩で久しぶりにコジュケイを見かけました。まだ不安な日が続きますね。お互い気をつけましょう。
*陽子さんは、橋本栄さんのお嬢さんです。シンガーソングライターとして活躍、当会館のサークルでボイストレーニングの指導もしていただいています。橋本栄さんは、画家として、絵の指導者として活動しています。親子で尊重し合い、芸術家の道を真っすぐ進んでいる姿に、芸術の魅力と豊かさを感じます。

2020/ 6/12











芸術を守り心豊かな社会へ

 当会館のボイストレーニングサークル会員からは、「音楽や自然の音にも繊細になり、感性豊かになった気がします。ストレッチ、発声練習、後半は皆で歌うことがとても楽しく、月2回が待ち遠しく思っています。ストレス発散にもなっています」という声、市民がそれぞれ好きなサークル活動に参加し楽しんでいます。その日常が新型コロナウイルスの感染拡大により休館となり一変しました。早く皆と一緒に活動したいとの声が聞こえてきます。
病院の屋上に立つ赤いドレスの女性、イタリア・クレモナ在住の日本人ヴァイオリニスト横山令奈さん 4月16日の夕方、病院の屋上に立つ赤いドレスの女性、イタリア・クレモナ在住の日本人ヴァイオリニスト横山令奈さんです。防護服やマスクを身につけたまま屋上を見上げる医療従事者たち、下には感染者が隔離されているテントが見え、夕日の下で演奏が始まると、医師らが窓から身を乗り出してバイオリンの美しい調べに聴き入りました。その様子がユーチューブなどを通して流れ、世界中に感動が広がっています。横山さんは、医療従事者への感謝と患者たちが再び音楽を楽しめる日が来るよう祈りを込めたと言います。
 4月8日のテレビ東京では、ドイツ在住の日本人フリーランスがオンライン申請後わずか2日で緊急支援金60万円が振り込まれたこと、そのスピードに驚いたことが紹介されました。ドイツの担当相は、「創造的な勇気が危機の克服に役立つ。芸術家は絶対に不可欠だ」と支援の理由を述べたそうです。
 一方、日本では、公演の中止などで収入に影響が出て、生活苦に陥っているフリーランスの支援はどうなっているのでしょうか。神奈川フィルも、公演が中止になり経営が厳しくなっています。「解散」の文字も頭をよぎるようです。それでも、寄付を募るなどして難局を乗り切ろうと前を向いています。
 社会が不安なときこそ、芸術や文化は人の心を豊かにし生きる力を与えます。感動を共有することにより人々のつながりが深まり、希望に満ちた明るい社会を創造する基となります。政府は芸術・文化の持つ意義を尊重し、芸術家などフリーランスの生活と活動を支えてほしいと思います。

2020/ 5/22











教育会館ふれあいコンサート再開を願う

 新型コロナウイルスの感染拡大により、4月開催の教育会館ふれあいコンサートを延期することにしました。現在の社会状況からは、いつ開催できるか見通しが立ちません。今日まで、魅力あるコンサートにするため努力されてきた出演者や音楽事務所の方、ふれあいコンサートを楽しみに支援をいただいている会員をはじめ関係者のみなさんを想い残念でなりません。
 コンサートを開催するには、たいへん多くの方の協力と時間が必要になります。まず、1〜2年前から出演者を決めるため、開催してきたコンサートやアンケートを基に検討を行います。次に、音楽事務所などに出演依頼を行い日程や出演条件を調整し確認します。当日のテーマや曲目などを決めるため何回もの連絡調整を行います。出演者は感動を共有するため準備します。
 出演者の決定後は広報活動です。ポスターやチラシを作成し行政機関などに配布、新聞などに掲載していただくための依頼をします。会員の方には事前に会員券を郵送します。当日は開催準備です。ピアノ調律、プログラムとチラシの差し込み、椅子の配置や照明の調整など会場の整備、演奏者の控室準備など、ボランティアのスタッフは、コンサートに支障のないよう気を配ります。
 アンケートの感想では、「演奏する方と聴く人の距離が近くて驚きました。とても楽しかったです」「こんな身近で一流の音楽が市内で聴けるなんて幸せです。」など感想が寄せられました。演奏者からは、「この会場は身近で熱心に聴き楽しんでくれるのでやりがいがある」との声をいただいています。
 教育会館ふれあいコンサートは、2004年6月に第1回を開催、2020年度で16年目(第80回)に入ります。今日まで、演奏者、鑑賞者、企画・運営する者が一体となって創り上げ感動を共有してきました。人々の顔に笑顔をもたらし、みんなの心をつなぐ音楽の力は素晴らしいと思います。今は、新型コロナウイルの感染が終息することを祈り、再開できる日を願うばかりです。

















2020/ 5/ 8











子どもの昼食と運動不足が心配

   知人から休校により孫を心配するメールをいただきました。
「逗子の実家の近くに娘が住んでいて、5年生と保育園児の孫がいます。保育園はお休みではないのですが、小学校はまた休校。両親は仕事がありますので、家に一人で留守番、昼もカップ麺を食べていると思うと不憫で、鎌倉の家に連れて来てしまいました」
 新型コロナウイルスによる休校によって、学校給食がなくなり、子どもの昼食が悩みの種になっている家庭も多いのではないでしょうか。家庭によっては子どもが昼食を取れないことを心配する声もあり、中には、給食が成長期の子どもにとって大切な栄養源になっている子もいます。子どもの健康のためにも、休校中でも希望者に給食を再開してほしいという要望もあります。
 自分で食事を作りたい小学生は約9割と意欲的です。ところが、自分で料理を作りきったことがある小学生は、小学6年生でも約6割と、意欲を生かしきれていない調査結果があります。子どもが昼食を自分で作れるようになれば、今後の生活で大切な生きる力をつけることになります。休校中は、一緒に昼ご飯を作り、掃除、洗濯などに取り組む機会にできればと思います。
 知人の新しいメールから、がんばっている孫との様子が想像できます。
「週に3〜4日は、孫が来ています。料理を楽しんでやってくれるので、お味噌汁の作り方を教えたり、自分でおにぎりと卵焼きを作って、近所の誰もいない小さな公園へミニピクニックに行ったりしました。自粛の必要性はもちろん分かっていますが、子どもたちはかわいそうですね」
 新型コロナウイルスの感染予防のため、「不要不急の外出を避ける」という非日常的な生活が日常になってきました。外で友だちと元気に遊んでいる子どもたちも家で過ごす時間が多くなり、運動の機会が減っています。運動不足は健康を損ないます。子どもが運動を続けるためには、遊びを通して楽しく体を動かすことが必要です。工夫して体を動かす機会を増やしましょう。

2020/ 4/24











家にいます  









 次のメールを知人に送り返事をいただきました。
   新型コロナウイルスの感染が拡大し、東京もニューヨークのようになるのではと脅威を覚えています。また、テレビを見ては、政府のちぐはぐな対応に不安を感じています。3月当初は、友だちとレストランで食事を楽しもうなどと考えていました。最近は、「君のやるべきことは、家にいることだ」の意味を実感し家にいます。よそに出かけず、コンサートにも行けないで家にいるのも堪えます。大変な日常生活になりましたね。しかし、今が大切な時です。お互い、自分と社会のため家にいて頑張りましょう。

〇ふれあいコンサートも中止になってしまったし、桜が咲く良い季節になったというのに、皆に会えないなんて。近況、お察しします!先週は母の誕生日だったのですが、東京から出て行くのは気が引けるので、今は仕方ないと諦めました。どうぞご自愛ください。私もがんばります!
〇医者、科学者などの専門家は皆もっと早く強い対策を講じないと手遅れになると言っているのに、政府の対応があいまいでおそいように思います。私は、ケーナグループや絵の会もすべて中止にし、自宅で散歩をしたりしながら過ごしています。早く終息してこれまでの生活に戻りたいですね。
〇本当に毎日の通勤は正直恐怖を感じます。会社も時差通勤で早く帰るようにしているので皆が吊革につかまれる程度ですが、何かあった場合間違いなく濃厚接触状態です。最近日本の政治、行政のレベルの低さに呆れます。本当にニューヨークの様になってからああすれば良かったでは遅すぎます。

 サッカー日本代表の吉田麻也さんが、危機的状況のイタリアから「是非、協力してみんなでこの危機を乗り越えましょう。ステイホーム!」と呼びかけています。ウイルス専門家の宮沢孝幸准教授は、「誰もが感染しているという前提に立ち、行動パターンを変える必要がある」と述べています。お二人の警鐘からも、今、私たちがとるべき行動は、人との接触をさけ家にいることです。

2020/ 4/10











2020年度 会員募集! 春です 気持ち新たに
  サークル活動を楽しんでみませんか

 教育会館主催のサークル活動で、楽しみながら仲間と学ぶ市民の方がふえています。春です。気持ちを新たに教育会館のサークル活動・教室に参加してみませんか。現在、新型コロナウイルスにより、開催日が確定していないサークルがあります。開催できる状況になりましたら、申込みいただいた会員の方にご連絡いたします。まずは、希望のサークルにお申し込みください。
 (申し込み先:046−824−0683)
1.童謡・愛唱歌を楽しむ会 現在満席
 月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師だった浦ア陽子さんの指導により毎回40名以上の会員が和気あいあい童謡や愛唱歌を楽しんでいます。
2.大人のリコーダーサークル 2020年度会員募集
 月2回(第1と第3水曜日)会費1000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導によりリコーダーの豊かな表現力を味わい楽しんでいます。
3.大人のフルートサークル 2020年度会員募集
 月2回(第1・第3火曜日)会費3000円。初めての方のクラスと吹いた経験のある方のクラスがあり、野上修一さんの指導により合奏なども楽しんでいます。
4.大人のピアノ教室 現在満席
 月2回(第2・第4火・木・金曜日)会費3800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。
5.健康ヨガサークル 常時募集
 月3回(第1・2・3水曜日)会費3000円。ヨガポーズと呼吸法で心身をリラックス&リフレッシュ。高橋祐美子さんの指導のもと楽しんでいます。
6.大人のクラリネットサークル 常時募集
 月2回(第2・4金曜日)会費3800円。初めての方のクラスと吹いた経験のある方のクラスがあり、芳野亜美さんの指導によりクラリネットの音色を楽しんでいます。
7.ボイストレーニング歌声広場 常時募集
 月2回(第1・3木曜日)会費3500円。シンガーソングライター・ボイストレーナーの橋本陽子さんの指導により、ボイストレーニングと歌を楽しんでいます。
8.切り絵サークル 常時募集
 月2回(第1・3金曜日)会費2000円。福島肇さんの指導により、色彩豊かなオリジナル作品に挑戦しています。

2020/ 3/27











新型コロナウイルス感染症のために
 〜まず、私たちがやるべきこと〜

 かつて、インフルエンザが全国的に猛威を振るい学級閉鎖が相次いだ時のことです。保健室前の掲示板をじっと見ている2年生の小学生がいました。そこには、インフルエンザ予防のための5つのポイントが書かれていました。そのときの教師と児童のやりとりです。
 教師「インフルエンザを予防するにはどうしたらいいの?」
 児童「手をあらう、うがいする、かんきをする」
 教師「ほかにもありますね。みんな教えてください」
 児童「えいよう、きゅうようをとることです」
 教師「栄養って何のことですか?」
 児童「あさ・ひる・よるで、えいようバランスのよいしょくじをとりましょ   うということです」
 教師「休養って何ですか?」
 児童「はやねをして、8〜10時間のすいみんをとることです」
 教師「よく分かったね。いま言ったことを守ってインフルエンザにかからないようにしましょう」
 インフルエンザ予防について、2年生にもどうすべきか理解できるようです。ただ、理解できても継続して実行することは難しいことです。実行できるようにすることこそ重要であり、そのためには周りの支援が必要です。
 現在、新型コロナウイルスによる感染症は、日本はもとより世界的にも拡大 の一途をたどっています。新たな感染症の場合、分からないことがたくさんあります。不安や恐怖を覚えるのもやむを得ないかもしれません。
 しかし、一人ひとりが、手洗いや咳エチケットなどの基本的な予防法を実践 すること、人ごみを避け、密閉空間で長い時間、集団で活動することを避けるなどの対策を取り、正しい情報に基づいて行動をとることが大切と考えます。

2020/ 3/13











教育相談の窓から

 ここのところ増えてきている相談の中にゲーム依存、スマホ依存の問題があります。それには、そこに費やす時間の多寡だけでなく、昼夜逆転、生活全体の崩れ、社会とのかかわりなどの問題がついてきます。
 スマホやパソコンを取り上げると暴れる、暴力を振るうなどの抵抗にあい、断念してしまうということがほとんどです。あまりに深刻な時は、医療機関を紹介したりしますが、実際にはそれらに対応できる医療機関が少なく、かかっても薬が出ただけ、一向に改善しないなどの不満に結びついてしまうことが多くあります。
 ゲーム依存、スマホ依存にかかるお子さんは特に問題があったわけでもなく、友だちとの関係やみんなが持っているからという理由で、欲しがり、与えられたことがきっかけという場合も少なくありません。それだけ、スマホやパソコンから与えられる情報やゲームの面白さが魅力的ということです。これは薬物依存にかかる人たちと何ら変わることはないように思います。
 こうした依存に陥らせない有効な手立ては、やはり正しい知識とそれに基づく行動がとれるようにすること、つまり予防対策が一番だと思います。中学生の保護者が担任に、依存に陥っている子について「先生から言ってください。親の言うことは聞かないんです」と訴えてきたなどという話も聞きましたが、与えているのは親だということをしっかりと考えてほしいと思います。
 子どもが欲しがった時に、依存の心配も含め、与える前によく話し合うこと、そしてルールを決めることが大切です。充電器は全員の物を家族の共有スペースに置き、就寝時間にはそこにセットして起床時までは手に取らない、基本料金は払うが、課金などの料金は自分で払う、パスワードを親に教え、親が見ることを拒まないなど、これらのルールを守らない時には解約し以後購入しないなど、購入する前に絶対にしておいてほしいことです。

2020/ 2/28











第1回名曲セミナー
「宮谷理香レクチャーコンサート」を終えて

第1回名曲セミナー 講師 宮谷理香さん 講師の宮谷さんが、ホールに入場し笑顔で話し始めます。ショパン国際ピアノコンクールは5年に1回開催、今年は10月に行われます。「私は1995年に参加しました。何歳だったか、うん、4歳だったかな?」などユーモアを交えた話に笑いが起き、会場は一気に明るく温かい雰囲気に包まれました。
 ショパンの貴重な写真や手の石膏を使い、その時代と人となりを説明していきます。パリで多くの人と交わり音楽を深め39歳で亡くなります。亡くなるとき、自分の心臓を取り出して故郷ポーランドに持って帰ってほしいとの遺言があり、遺体はパリの墓地に埋葬され、心臓だけはワルシャワの聖十字架教会の柱の中で今も静かに眠っています。心はいつも故郷ポーランドにあった人です。
 第一線で活躍する演奏家の話に惹き込まれていきました。作曲家ショパンは何をしようとしているのか、曲を聴くとショパンの人生が浮かび上がってくるのではないか、聴きながら自分への問いかけができるのがクラシック音楽の魅力ではないか。バラード・スケルツォ曲の一部を次々と弾き示しながら説明が続き理解が深まりました。ショパンへの想いのこもった圧巻のピアノ演奏は聴く者を魅了しました。
 第1回名曲セミナーの感想をご紹介いたします。
*「洋服や食べ物の好き嫌い、合う合わない」と同じように音楽もとらえてほしい。作曲家、演奏家、聴く人、それぞれに考えや表現したいこと、聴いたときに感じること、自由であり、素晴らしいものだと教えていただきました。心がスーッと晴々する演奏でした。
*演奏とショパンの人となりが良く分かりました。国際ショパンコンクールの内容も分かりました。最後の演奏は迫力があり、ピアノの鍵盤の様子が良く分かりました。演奏している指の動きを見ることができてよかった。話もユニークでおもしろかった。当時の者しか分からないことや気持ち、心情、心の動きが良く理解できました。
 参加者からは、「とても素晴らしいセミナーでした。次回は友だちを誘ってきます」と声をかけられ、初めての企画への手応えを感じ、気分が晴れるようでした。第2回(2月16日)開催、ショパン「ワルツ&ノクターン」が楽しみです。

2020/ 2/14











第1・2回名曲セミナー ピアノの詩人ショパンを楽しむ
     音楽をより楽しむ名曲セミナ−開設

ショパンの画像  音楽は生活を豊かにします。明るい曲を聴けば楽しく元気な気分になります。美しい曲を聴けば心が癒されます。音楽の楽しみを広げていただくため、トークと演奏による名曲セミナー(レクチャーコンサート)を開設します。演奏家による音楽の新鮮なトークと生演奏で音楽の魅力を感じていただければ幸いです。
 第1回・2回の名曲セミナーは、ショパンコンクール入賞者の「宮谷理香レクチャーコンサート」です。宮谷さんは"知性"と"美"に満ち溢れたピアニズムで渾身の演奏を展開、ピアノで夢と笑顔を繋ぐステージを届けています。華やかで親しみやすいトークコンサートや音楽による人生哲学を語るレクチャー、執筆から司会進行までこなすキャパシティが持ち味です。CD録音も評価が高く、企画力を活かした発信を続けています。
 ピアノを囲む皆が笑顔になる時間。音楽を通して出逢う皆が心で手を繋ぐ時間。そんな満たされた時を共有したいと願い、『弾き手よし、聴き手よし、社会よし』をクラシックコンサートというステージで実現したいと挑戦しています。二度ほど宮谷さんのレクチャーコンサートに参加しました。笑顔いっぱいのトークで会場の皆がなごみ名演奏に酔いしれました。宮谷さんの「鑑賞者一人ひとりの心に届くように演奏しています」という言葉が熱演と共に感動を覚え印象に残っています。
 名曲セミナーの内容は、世界の人々に愛されているピアノの詩人「ショパンを楽しむ」です。ショパンの作品を知る人に欠かせない人気のジャンル、ワルツ、ノクターン、バラード、スケルツォを中心にピアノの詩人と呼ばれたショパンの名旋律の魅力を宮谷さんによるピアノ演奏と共に紐解きます。
 レクチャーコンサートは、演奏者の体験談、苦労話、作曲家の裏話、こぼれ話、逸話などを聞けるからこそ面白いという面が通常の演奏会とは異なる点です。当教育会館の名曲セミナーは、トークが更に音楽を近づけ、今後の演奏会をより一層楽しんでいただけるようにしていきたいと企画をしています。市民の皆様のご参加をお待ちしております。

2020/ 1/24











子どもたちが生きやすい環境づくりを

 9月23日のニューヨークで開催された国連気候行動サミットで、スウェーデンから来た16歳の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんが、「すべてが間違っています。大絶滅を前にしているというのに、あなたたちはお金のことと、経済発展がいつまでも続くというおとぎ話ばかり。私はあなたたちを絶対に許さない。」と述べたことは記憶に新しいところです。
 日本では年末から年始にかけて、IR(統合型リゾート)関連事業をめぐって現職の国会議員が逮捕され、大きなニュースになっています。
 そもそもIRについては、2016年12月15日の衆議院本会議で「IR推進法(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)」が成立したことに端を発しています。このとき、地方経済が潤うことや依存症対策が議論され、子どもたちの教育に及ぼす影響がほとんど語られず、決まったように思います。
 IRで一獲千金を得た大人を見て、それにあこがれる子どもたちが増えるのではないか、社会問題になっている青少年のスマホゲーム依存症に対し何ら解決策を打ち出せない中、子どもたちにさらなる課題が降りかかってくるのではないか、これらの課題がそのまま教育現場の課題になるのではないか、そんな議論はほとんどなされなかったように記憶しています。
 この年末、元IR担当副大臣が、IR事業参入をめざす企業から賄賂を受け取った容疑で逮捕されました。国会議員は、この国のあり方や政治理念を国民に問い選挙で選ばれた国の指導者です。そういう人が逮捕されることはあってはならないことです。横浜を含めIR事業受け入れを表明している都市がいくつかありますが、立ち止まって考え直す必要があると思います。
 今、大切なことは目先の利益にとらわれず、自然破壊を食い止め、子どもたちが生きやすい環境づくりを前提に、国を超えて共存していく社会をめざして知恵を出し合うことではないでしょうか。

2020/ 1/10











共感される言動

 地球規模の「気候変動」をもたらし、自然環境や人の暮らしに、大きな被害をもたらすのが地球温暖化です。その被害の大きさから、気候変動ではなく「気候危機」という呼び方も使われ、温暖化対策は待ったなしです。日本でも今までにないような台風や集中豪雨などの災害が増大しています。
 COP25において、12月11日、国連の事務総長は、石炭への依存をやめるよう世界に呼びかけました。日本は、石炭火力発電の抑制策が打ち出せず、温暖化対策に後ろ向きと認定される「化石賞」という不名誉な賞が贈られました。
 世界では、若者をはじめ気候危機に対する行動が広がっています。9月20日の行動には世界で400万人以上が参加したそうです。日本でも、気候危機を訴え行動を求める「グローバル気候マーチ」で歩く若者が増えています。11月29日のマーチでは約2千人が参加しました。
 一方、世界のリーダーによる脅したり威嚇したりの品位のない言動には、世界の人々が不安と不快に駆られています。日本でも、「桜を見る会」などによる理不尽な政府の説明には、多くの国民が納得していません。ごまかしや隠ぺいが感じられ、おかしい強弁を繰り返すだけだからです。常識では考えられない誠意のないものです。
 共感される言動は、権力を振りかざすのではなく、真理と真実に基づく言動です。それに対し、不誠実な政治家による心に響かない言動は、道理に合わない自己保身が感じられ、社会悪の要因ともなり危惧します。
 ノーベル賞を受賞した吉野さんが開発したリチウムイオン電池は、次世代の電気自動車や再生可能エネルギーの蓄電池など、深刻さを増す地球温暖化の解決に役立つと期待され称賛されています。「そこに住んでいる人たちと良い信頼関係があること。これが武器よりも一番大切なことだと思うんですよね」と語り、アフガニスタンで活動された中村医師の言動は、本質と実践に基づく言動として共感され尊敬されています。

2019/12/27











期待できない「教員の働き方改革法案」成立
  〜ますます教員と子どもが犠牲に〜

 公立学校教員の働き方改革の一環で、勤務時間を年単位で調整する変形労働時間制の導入を柱とする「改正教職員給与特別措置法(給特法)」が12月4日、参院本会議で成立しました。2021年度から繁忙期に勤務時間を延ばし、延長分の勤務時間を夏休みなどに休日としてまとめ取りできるようにするものです。
 文部科学省によると、「小学校教員の約3割、中学校教員の6割が、月に80時間以上の時間外労働をしている」という調査結果が出ています。「月に80時間以上の残業」は、いわゆる「過労死ライン」です。多くの小中学校の教員が過労死ラインで日々働いている現状は非常に深刻です。学校現場からは、夏休み中も研修や部活動などに追われる教員が多く、長時間労働が常態化している現状を追認し、助長させるだけとの不安の声が上がっています。
 2020年度からは、英語教育の早期化(小3・4年)・教科化(小5・6年)、小学校へのプログラミング教育の導入、道徳はすでに教科化されており、評価をつけなければならないなど、教員の負担はますます増大します。これでは、教員と子どもが犠牲になるのは明らかです。現状でも過労死や自殺する教員が増え、心疾患で休職している教員は、全国で5000人を超えています。
 法政大学特任教授の尾木直樹さんは、「本気で手をうたなければダメです。学校がつぶれると思っています。大胆な労働時間の改善など、抜本的な対策に踏み切らないと、日本の子どもたちと教育は窒息しかねません」と述べています。同じように感じている教育関係者は多くいます。
 教員の働き方改革には、第一に教員を増やすことです。第二は業務の精選です。問題の給特法をはじめ教員の給与体系の見直しも必要です。これにはお金がかかります。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で教育費が最も少ないのが日本だそうです。政府は、教育費の大幅な増額を図り、教員が活き活きと活動でき、魅力ある学校を創造するための条件整備を図る責任があるのではないでしょうか。

2019/12/13











大学共通テスト「国語・数学の記述式」も問題

 2020年から実施される大学入試新共通テストでは、英語民間テストの活用と国語・数学への記述式問題導入が新たな特色でした。英語の民間テストの活用については、多くの問題点が指摘され、教育関係者や世論の批判を受け見送りとなりました。しかし、文科相は、国語・数学の記述式問題導入については予定通り実施すると明言しています。
 記述式の導入については、首相が設けた教育再生会議が2013年10月、新テストの導入にあたり知識偏重の1点刻みの選抜の脱却が必要だと指摘。文科省の中央教育審議会も2014年12月の答申で、記述式の導入を盛り込みました。その後の有識者会議も、「生徒の能動的な学習をより重視した授業への改善が進む」など指摘し、2017年7月に実施方針が決まったようです。
 現在、記述式問題導入については、教育関係者などから多くの問題点が指摘され、国会でも議論が紛糾しています。
 記述式問題は、受験生の手書きの答案用紙を人が読み、採点基準に従って採点することになります。まず、50万人もの記述式解答を短期間で採点ができるか問題です。採点には1万人が必要だそうです。大学教授で足りないところは大学生のアルバイトでと言っています。物理的な問題だけではなく、採点の考え方は人によって違うので不公平になり問題です。
 参院文教科学委員会でも参考人質疑が行われ、多くの問題点が指摘されました。記述式は、大量の答案を短期間に採点できるよう、さまざまな条件を付けて解答させることから、木村教授は「条件を与えないと書けなくなり、大学が求めている学力とは真逆だ」と批判、紅野教授も「記述式試験の長所を殺している」と述べたそうです。
 大学共通テストの記述式は欠陥が多すぎます。木村教授は、「多少の改善では解決しない」とも述べています。教育関係者から、必要ならば各大学の教育方針に基づき二次試験で行われるべきという意見が出ています。

2019/11/30











問題が多い「英語民間試験」見送り
〜政府は現場の声を尊重すべきです〜

 毎年約55万人が受験する大学入試センター試験に代わり、来年度から始まる大学入学共通テストで導入予定だった英語民間試験が延期されました。多くの問題点について改善策が講じられず土壇場で混乱回避を優先した形となりました。その結果、振り回されたのは準備してきた受験生や保護者、高校の教員など関係者です
 きっかけとなったのが文科相の「身の丈」発言で、受験生の住む地域や経済状況で格差が避けられないなど多くの問題点が浮き彫りになり、世論の批判と反発を招き、方針転換に追い込まれました。
 問題点については、早くから専門家をはじめ高校や大学の関係者から指摘されていました。全国高等学校長協会では9月、6点にわたり具体的に指摘し英語4技能検定の延期および制度の見直しを要望してきています。しかし、政府は耳を傾けず実施に固執しました。
 教員の「働き方改革」の一環と位置付ける教職員給与特別措置法(給特法)改正案が、15日、衆院文部科学委員会で可決。改正の理由について文科相は、「文科省の調査で教員の長時間勤務の実態が明らかになったため働き方を見直す」と答弁しました。内容は、忙しい時期に労働時間を延ばし、夏休みに休日をまとめ取りするというものです。
 政府は改革につながると強調しますが、これでは何年かかっても根本的な問題解決とはならず、長時間労働をいっそう深刻化させると思います。最も必要なのは教職員の定数増です。計画的な定数改善こそ解決への道です。これも毎年、教職員や保護者が要望してきましたが、軽視してきました。政府と文科省は、かけ声だけでなく学校現場の声に真摯に耳を傾け学校の実態を直視してほしいものです。

2019/11/22











2020年度 教育会館ふれあいコンサート会員募集
    実力と魅力あふれる出演者決定

教育会館ふれあいコンサート 11月24日開催 石田泰尚 「教育会館ふれあいコンサート」は、市民の方が、気軽に生の音楽を楽しむ場となっています。
 2019年度の第1回は、横須賀出身、NHK交響楽団クラリネット首席奏者の松本健司さんとNHK交響楽団ホルン首席奏者福川伸陽さんによるデュオ。第2回の加耒徹さんは、今をときめく期待される日本のバリトン歌手。第3回は、宮谷理香さん(ピアノ)、礒絵里子さん(ヴァイオリン)、水谷川優子さん(チェロ)によるアンサンブル。今日までに3回開催しました。毎回、会場は満席となりました。第4回は、11月24日に「石田泰尚ヴァイオリンリサイタル」を開催します。
 鑑賞された方からは、大変良かったとの評価と「魅力的な演奏を身近で聴くことができ嬉しい」という声をいただきました。以下、感想をご紹介いたします。
*日本の曲が奏せられ心にじーんときました。日本人なのでホルンとクラリネットのすばらしさがまた一段ときわだちました。(第1回)
*「貴種流離譚」も初めて聴いた曲でしたが、とても感動して泣けました。後半の迫力がすごかったです。最後の初恋もすばらしい?!(第2回)
*一流の演奏家による音楽をこんな身近に聴く機会を頂きありがとうございます。親しみやすい名曲とドヴォルザークの熱演に感動でした。(第3回)
 2020年度に出演いただく演奏家の方が決定しました。第1回は、山田武彦(ピアノ)橋本美香(ソプラノ)島田道生(テノール)。第2回は、萩原貴子(フルート)神代修(トランペット)コ永洋明(ピアノ)。第3回は、加来徹(バリトン)下園理恵(メゾソプラノ)水戸見弥子 (ピアノ)。第4回は、石田泰尚(ヴァイオリン)門脇大樹(チェロ)。 それぞれ実力と魅力をそなえています。横須賀出身の下園さんは、毎年、当会館においてコンサートを開催しています。
 なお、諸経費が増えたため、恐縮ですが、2020年度より料金を改定いたします。ご理解をいただき、会員となって鑑賞していただきますようお願いいたします。

2019/11/ 8











    『ボイストレーニング歌声広場』一周年
         〜歌声で笑顔に〜

 昨年10月、教育会館のサークル活動としてスタートした『ボイストレーニング歌声広場』は、開設から一年が経ちました。あたたかい雰囲気の中で、会員一人ひとりがとても熱心に取り組んでおり、毎回楽しくレッスンをしています。発声や曲の中では、より響く声や声の厚み、抑揚など声の変化を感じています。この一年で、一緒に声を合わせる仲間も増え、本当に嬉しく思っています。声の持つ力の素晴らしさも改めて会員の皆さまから教えていただきました。
今回サークル会員の声をご紹介いたします。『ボイストレーニング歌声広場』サークルに興味ある方は、お気軽に見学にいらしてください。
                           指導 橋本陽子
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
♪歌うときの呼吸法に興味がありました。先生に教わるようになって少しずつ呼吸に声が乗せられるようになりました。
♪音楽や自然の音にも繊細になり、感性豊かになった気がします。毎回聴かせていただける先生の魅力的なソロは心に沁み入り感動しています。
♪声の出せる体作り、発声法から歌い方まで楽しく指導してくれ、声とともに健康もアップした気分。
♪いつも優しくリラックスして基本に立ち返られるレッスンです。毎回気づきのあるレッスンです。
♪教えていただいた曲をお風呂で大きな声で歌っています、生活のリズムにボイストレーニングが生きつつあります。
♪先生のほんわかした雰囲気や休憩後に必ず1曲披露してくださることを楽しみにあっという間に一年が経ちました。
♪ストレッチ、発声練習、後半は皆で歌うことがとても楽しく、月2回が待ち遠しく思っています。ストレス発散にもなっています。


2019/10/25











気候危機は子どもたちの権利の危機だ
グレタさん(16歳)の訴えに胸が痛む

 地球温暖化が進むと、気温が上昇するだけでなく地球全体の気候が大きく変化します。既に世界各地では、そのさまざまな影響が現れ始めており、自然環境や人の暮らしにも重大な問題を引き起こしています。こうした問題は、温暖化への対策を十分に行なわない場合、さらに深刻化し、地球規模の深刻な被害をもたらす危険性が指摘されています。(出典:IPCC 第5次評価報告書)
 9月23日、地球温暖化の防止をめざす国連行動サミットがニューヨークで開催されました。そこでスウェーデンの環境活動家グレタ・トゥベリさんは、各国政府代表者に向け次のように訴えたそうです。
「あなたたちは私の夢を、子ども時代を空っぽな言葉で奪ってきた」 「苦しんでいる人たちがいる。死にゆく人たちがいる。生態系は破壊され、多くの種の絶滅が始まっている。そして、あなたたちはお金の話や、終わりなき経済成長のおとぎ話ばかり」
「子どもたちはあなたたちの裏切りに気づき始めている。もしあなたたちが私たちを見捨てるなら、私はこう言う。絶対に許さないと」
 この言葉は、政策を決めてきた世界の権力者への怒りの言葉であり、それを許してきた大人への不信から発せられたものと思います。サミット直前には、160か国以上で400万人を超す若者のデモがあったと報道されています。この行動を受け止め、パリ協定の離脱を表明している米国や石炭火力の新増設を計画している日本をはじめ、世界の首脳は自国の利益ばかりを考えずに、今こそ、地球温暖化防止のため全力を尽くすべきときです。
 グレタ・トゥベリさんの訴えを読み、子どもの未来を守るべき大人として感動と共に胸の痛む思いをした人も多いのではないでしょうか。「我々は気候非常事態との競争に負けつつあるが、勝つことはできる」、このグテーレス国連事務総長の訴えに期待し、全ての人が行動したいものです。暮らしの中で一人ひとりが行なう省エネの小さな工夫も、地球温暖化の防止に役立ちます。

2019/10/11











キュレーター林綾野さんによる名画セミナー(10月6日)
     絵を見る楽しみを広げるために

キュレーター林綾野さん  「絵を見ても楽しくないし、分からない」と思って、進んで美術館に行くことはありませんでした。 あるとき、絵の好きなAさんに誘われて秋田市の平野政吉美術館を見学しました。ここにはフランスで活躍したあの藤田嗣治の作品がたくさんありました。Aさんは、「この裸婦の乳白色は藤田嗣治の独特の白です。この乳白色の作り方は誰にも教えなかったようです…」など、分かりやすく教えてくれました。透き通るような肌の裸婦「眠れる女」を見ていると新鮮な感動を覚えました。
 Aさんの説明がきっかけとなり絵に関心を持つようになりました。絵が好きになるきっかけは人により違うと思います。しかし、画家の人生や何を感じて作品に表現したかを知ることにより鑑賞の楽しみがより深く広がることもあるのではないでしょうか。絵は、感じるままに自分の見方で自由に見て楽しみたいものです。
 教育会館名画セミナーは、年に一回、絵を見るきっかけや楽しみを広げる機会になればという目的で開催してきました。講師は人気キュレーター林綾野さんです。林さんが話す画家への研究と思いは分かりやすく伝わり好評です。
 参加者の感想では、「美術展での絵画解説と違い画家の時代背景や生活に基づいてのお話は楽しい。林先生の画家への思い入れや、キュレーターとしての情熱が感じられて、あっという間の2時間でした」「モネさんに何かすごく人間臭い親しみを感じました。絵の前に立ったときの感激が思い浮かびます。解りやすいお話にユーモアが混じり楽しい時間が持てました」「ゴッホのことはかなり知っているつもりでした。ゴッホを巡る旅にも行きました。でも知らないことがいっぱいありました。ますますゴッホが好きになりました」
 第8回教育会館名画セミナー(10月6日)は、横浜美術館で開催されている「オランジュリー美術館コレクションルノワールとパリに恋した12人画家たち」開催に合わせ、ルノワールその人生と絵の魅力をテーマに企画しました。モネとの友情、絵画への想い、どんなものを食べていたかまで、ルノワールの魅力に迫ります。この名画セミナーを一助とし、美術館に足を運び、絵を見る楽しみを広げていただければ幸いです。

2019/ 9/27











第77回教育会館ふれあいコンサート(9月29日開催)
  「室内楽の美を追求するアンサンブル(ファイ)φ」

 音楽は市民のもの、演奏家とふれあい、 家族や知人ともふれあい、市民が気軽に生の音楽を楽しむ場になってほしい。これは、教育会館ふれあいコンサートの願いです。今回、出演いただくアンサンブルφは、実力と魅力あふれるソリスト・室内楽奏者によるユニットです。宮谷理香さん(ピアノ)、礒絵里子さん(ヴァイオリン)、水谷川優子さん(チェロ)は、それぞれ国内外で人気を集め活躍中です。
 φ(ファイ)とは、美術や芸術、自然界などで最も美しいとされる"黄金比"を表す記号であり、音楽において、いつまでも美しく、上質な演奏に挑戦し続けるユニットでありたい、との願いが込められています。室内楽でありながらソリストの要素も強く、各奏者の個性が響き合い、美しく上質な音楽を創造していきます。きっと、心地よい新鮮な演奏が心を満たしてくれると思います。
 すでに、教育会館ふれあいコンサートで、水谷川優子チェロリサイタルと宮谷理香ピアノリサタルを開催し、「繊細さと共に力強さ、大胆さなどが織りなす素晴らしい演奏で感動した」などと好評を得ています。今回のコンサートでは、ピアノ三重奏をはじめ、それぞれのソロの楽曲も含め、演奏者たちが教育会館ふれあいコンサートのために検討を重ね、名曲を選びプログラムを作成しました。
 最初の曲は、エルガーが妻となるアリスとの婚約記念に贈ったといわれる「愛の挨拶」です。今も多くの人に愛され続けています。次に、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのソロコーナーです。それぞれの名曲に超絶技巧が発揮され、聴く者を魅了することでしょう。後半のメインは、ドヴォルザークのピアノ三重奏曲第4番「ドゥムキー」(抜粋)。美しい旋律が次々と繰り広げられ、メロディーメーカーとしてのドヴォルザークの楽才を最も効率良く享受することができる作品と言われます。ピアノとヴァイオリン、チェロの楽器が、それぞれ持ち前の名人芸を発揮しつつ、一つの音楽を目指す美しくすばらしい演奏をじっくりと鑑賞していただきたいと思います。
 念願がかない実現する第77回教育会館ふれあいコンサート(9月29日開催)、アンサンブルφによる室内楽の美を追求する極上のひとときにご期待ください。  。

2019/ 9/13











夏の公益事業「リニアモーターを作ろう!!」

 理科への関心を高めてもらおうと毎年夏休みに行っている科学工作教室。今年度は、磁石と乾電池を使い直線的なモーターであるリニアモーターを作りました。日常生活の中で毎日利用している電力と磁力。これを組み合わせることで力が生まれることを利用したものです。
 最初に磁石16個と乾電池2個、アルミテープなどを使いレールを作りました。そのレールの中央へアルミテープを巻き付けたストローを置くと、ころころと転がりだします。「おー。」「すごい、動いた。」などの喜びの声があがりました。「先生、動きません。」とSOSを出す児童も、すぐに一緒に回路や磁石の極を確かめて再チャレンジ。今度は動いて一安心。動いた方向について聞いてみると「前に進んだ。」「戻ってきた。」と違いがありました。「前に進ませたいけれど、どうしたらいいかな?」と投げかけると、「電池のつなぎ方を変えればいいと思う。」と答えてくれる子がいました。ストローが戻ってきた児童はレールにつなげた電池の+−を変え確かめてみると、みんな前進しました。フレミングの左手の法則に当てはめて、自分のレールに貼った磁石の極も確認し、前半終了。
 後半は、磁石と電池を更に増やして実験。メラミンスポンジを使い車体を作って、リニアモーターカーとして走らせました。バランスよくシュッと進む児童もいれば、右や左にそれてしまう、すぐに止まってしまうなどいろいろでした。先生にアドバイスをもらったり、テーブルの仲間と協力したりしながら、思うように進ませることができる子が増えました。
 参加児童が書いた感想には「身近なもので作ることができて面白かった。」「工夫することでストローや車が速く走るようになった。」「みんなで協力してできて楽しかった。」などなど満足できたようです。

2019/ 8/23











子どもへの虐待・体罰をなくすために
〜昨年度の児童虐待最多〜

 2019年1月、千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛さん(10歳)が自宅で死亡し、両親が起訴された事件では、心愛さんが実父による執拗な虐待を受けていたことが分かり大きな社会問題となりました。
 6月19日、国会では、親による体罰禁止を盛った改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が参院本会議において全会一致で可決、成立しました。子どもへの「しつけ」を名目にした虐待が後を絶たないことから、親は「児童のしつけに際して体罰を加えてはならない」とし、子どもを戒めることを認めた民法上の「懲戒権」も施行後2年をめどにあり方を検討することになりました。
 法律で子どもへの体罰を禁止しただけでは問題解決にならないのは明らかです。ただ、今回の法改正による児相の機能強化策では、子どもの一時保護をする職員と親への支援を行う職員を分離し迅速な保護につなげる。医師と保健師をそれぞれ各児相に1人以上配置する。学校や教育委員会、児童福祉施設の職員に守秘義務を課す。などはその効果に期待したいと思います。
 8月1日、厚生労働省は、全国の児童相談所が2018年度に対応した児童虐待件数は過去最多の15万9850件だったと発表しました。前年度から2万6072件増え、調査を始めた1990年度から28年連続で増えました。担当者は「児相と関係機関との連携強化のほか、痛ましい事件が続き、国民の虐待への意識が高まったことが影響した」と分析しているようです。
 体罰は、子どもに肉体的、精神的な苦痛を与えるだけでなく、心の傷として残り心の成長を阻害します。日本の社会は、いまだに体罰を容認する意識が根強いと言われます。子どもへの虐待・体罰をなくすためには、今、何よりも体罰を容認する社会から子どもの人権を尊重する社会へと変わることが強く求められているのではないでしょうか。
 子どもの人権が尊重される社会の実現は、憲法を生活に生かす国民の不断の努力が不可欠と言えます。

2019/ 8/ 9











夏休みは子どもと触れ合うチャンス

 子どもが小さいとき、「大きくなったらパパと結婚するんだ」と言っていた娘。毎日の仕事に追われ、自分の子どもとは遊ぶことの少なかった父親。せめてもと思い、小学校6年生までときどき一緒に風呂に入って親子で楽しく話しました。
 そんな娘が中学生になったとたん、風呂の戸を閉め「お父さんは入ってこないで」と強い口調で拒絶しました。友だちと話をしているときに、「え?まだお父さんとお風呂に入っているの?」と言われ、自分なりに状況を理解したようです。また、知人から「お父さん似ですね」と言われれば、家に帰ってくるなり「私はお父さんと似ていないよね」と、母親に同意を求め不機嫌な顔になりました。高校生になると、父親批判は一段と厳しくなりました。ときには、母親と連帯して攻撃をかけてきました。
 大学生・社会人となり、やっと娘と穏やかに話せるようになりました。しかし、それぞれ毎日の生活が忙しく、ゆっくり話したり一緒に行動したりすることはほとんどありませんでした。それでも親子です。ちょっとした会話にも、何か大切なつながりがある気がしました。
 保護者のみなさん、子どものときこそ触れ合いの大切な時期です。何もよそに出かけなくても、三浦半島には身近に海や山など豊かな自然があります。お忙しいとは思いますが、地域の自然を活用するなどして、子どもとの触れ合いを大切にしてほしいと思います。夏休みこそ、子どもと触れ合う絶好の機会です。これは、子育てが終わった父親の反省と願いです。
 夏休みに入りました。子どもたちには、交通事故や熱中症に気をつけ、友だちとおもいきり夏休みを楽しんでほしいと思います。

2019/ 7/26











切り絵の魅力と福島肇さん

 初めて福島さんに、「鴨居の夏祭り」の切り絵を見せていただいたときには、本当に驚きました。絵や写真とも違い、想像を超える美しさであり感動を覚えました。色彩が鮮やかで豊かなこと、細部まで表現されている山車、それを担いでいる一人ひとりの表情や動きから夏祭りの熱気まで伝わってきました。
 切り絵は、カッターと紙があれば子どもから高齢者まで、誰にでもできるとても面白いアートです。自分の切った黒い紙が形になり、思いのままに色を付け、世界に一つしかない作品が作れます。手先を細かく動かし集中力が必要なことからも、脳の活性化が期待され高齢者に人気が高まっています。また、アニメのキャラクターで切り絵を制作する若者もいるようです。
 横須賀市出身の福島さんは、2011年NHK教育テレビ趣味工房シリーズ「はじめての切り絵」を見て感動、その美しさに魅了され独学で制作をはじめました。作品は、フルカラーの風景、生き物など、シリーズものを手がけています。主な作品としてSOMETIME IN KAMAKURA CITY、鴨居須賀神社例大祭、マザーグースの世界、種田山頭火の世界などがあります。現在は、懐かしい地元の風景に取り組んでいます。
 当教育会館において福島さんの作品「世界のカエル展」を8月15日から31日まで開催します。カエル制作のきっかけは、最近は身近なところでカエルを見かけなくなり、カエルについて知らないことが多く、切り絵を作りながら調べてみようと思ったからだそうです。また、カエルの図鑑を見ているうちに形が面白く色もさまざまで興味をもったと言っています。
 子どものころカエルと遊んだ大人は、カエルに愛着をもっている人もいるのではないでしょうか。福島さんの作品は、形も色も独創的でカエルに対する愛情が感じられます。是非、皆様に鑑賞していただきたいと思います。

2019/ 7/12











ネジバナ(ラン科)

 ネジバナの花が咲きはじめました。これからの季節には、登校途中に、住宅の空地で見ることができます。日本全国では、日当たりのよい草地・芝生地・土手などで育ちます。ただ、ほとんどの子どもにとって教えてもらったことがないためか、関心が少ないためか、ネジバナを知っている子はまれです。
 ネジバナは、花のつき方からつけられた名前です。らせん状にねじれて花をつける様子からきたものです。別名モジズリとも言います。モジズリとは、ねじれた模様をとりつけた布のことを言います。草の高さは、10〜30pほどです。小さな花の色は、淡紅色(唇弁は白色)です。ごく淡い紅色や白色などもあります。ネジバナの花がねじれる向きは、左巻きも右巻きもあります。まったく巻かないのもあるようで不思議な花です。
 ネジバナの花を見ると、「この花はネジバナ、花がねじれるように咲いているからネジリバナとも言うんです。」と教えてくれた友とふるさとを思い出します。ネジバナは、らせん状にねじれて、小さな淡い紅色の花をつけさりげなくすっと立ち清清としています。地方によっては、ノコギリバナ・ナワバナ・センコウバナ・ヒダリマキとも言うそうです。ネジバナの様子が想像できる方言です。
 かつて、小学校4年生にネジバナの説明をしました。すると、図鑑を見ながら「かわいい、おもしろい、めずらしい、ふしぎ」という子どもらしい表現をしてくれました。らせん状に小さな花が咲きのぼっていく姿は、かわいいとも、おもしろいとも、めずらしいとも、ふしぎとも、言えると思います。子どもの感性は豊かですばらしいと思います。
 6月20日、当会館近くの道端で野草のミニ観察を行いました。よく見ると、小さい花のアカバナユウゲショウやネジバナが可憐に咲いていました。身近な草花に興味関心をもって観察することにより、自然を大切にしようとする気持ちが生まれるのではないでしょうか。

2019/ 6/28











小学生が一番交通事故にあうのは6月
〜安全な横断の仕方を教えましょう〜

 歩行者がどんなに交通ルールを守り注意しても、悲惨な交通事故が起きているのが現実です。特に、小学生が最も多く交通事故にあうのが6月であり、1年生です。自転車にも乗れるようになって、友だちの家などに出かけ交通事故にあってしまうこともあります。学校に慣れてきて友だちが増え、行動範囲も広がり親が安心してしまうのも要因となっています。
 そこで、子どもが交通事故にあわないようにするためには、家庭でも交通安全教育を十分に行うことが重要です。通学路や習い事の通路など、子どもの行動範囲を保護者が一緒に歩きながら危険な場所を教え、繰り返し交通ルールや安全な歩き方を具体的に教えることが大切です。
 子どもの交通事故は、「横断中」に多く起こっています。子どもが安全に道路を横断できるようにするために、次のことをしっかり教えましょう。
・横断歩道橋、横断歩道や信号があるときは、そこまで行って横断する。
・横断する前に、「必ず立ち止まる」「左右をよく見る」「車が止まっているのを確認する」、飛び出しは絶対にしない。
・信号が青でも、左右を見て、車が止まっていることを確認して横断する。
・横断中も、左右を見て確認しながら歩く。
自転車に乗れるようになった小学生は、自転車の運転中の事故にも注意する必要があります。道路交通法によれば、自転車は車道通行が原則です。ただ、子ども(13歳未満)が自転車に乗るときは、歩道を走ることができます。小学生が車道を走ると危険なため、必ずヘルメットを着用し、基本的には歩道を走るように教えましょう。歩道では、車道よりを徐行し歩行者優先です。
 朝、「遅刻しちゃうよ、早く学校に行きなさい!」などと急がせると、子どもが動揺して交通事故の原因となることがあります。余裕を持った時間に子どもを起床させ、時間にゆとりをもって笑顔で学校に送り出したいものです。

2019/ 6/14











輝く若きバリトンの貴公子、加耒(かく)徹(とおる)さん
   〜第77回教育会館ふれあいコンサート〜

加耒(かく)徹(とおる)さん  2004年、教育会館ふれあいコンサート発足にあたり助言をいただいたのが逗子在住のヴァイオリニスト前沢均さんです。前沢さんは、38年間第1ヴァイオリニストとしてNHK交響楽団に在籍し、現在は主宰するシュトス弦楽四重奏団など演奏の傍ら、アマチュア団体でも指揮指導を行っています。
 昨年、「前沢さんのコンサート」にゲストとして登場したのが加耒さんです。加耒さんの美声が逗子文化プラザホールいっぱいに響いたときには、思わず鳥肌が立ちました。その時の印象が鮮明に浮かび、感動を市民の方と共有したいという思いにかられ、関係者と相談し出演依頼をすることにしました。
 依頼にあたっては、鑑賞するみんなが楽しめる内容にすることが大切と考え、タイトルや曲目などの希望を出すことにしました。タイトルは「美しき日本の歌、世界の歌」とし、特に、誰もが聴いたことのある曲を多く、三浦半島に関係する曲も入れていただきたいとお願いしました。
 後日、加耒さんの担当者からは、「みんなに喜んでいただけるコンサートにいたします」という言葉と、希望曲の入ったプログラムが送られてきました。
 演奏も人となりです。演奏家の情報を得てコンサートを楽しむのも一つの方法です。1984年生まれの加耒さんは、東京芸術大学大学院を首席で卒業、第15回NEUE STIMMEN 2013国際コンクール、日本人男声として初のセミファイナル進出。7か国語を歌い分け、楽器はヴァイオリン、オーボエやサックスなども過去に経験を積んでいます。ヴァイオリンにより絶対音感が備わったそうです。趣味はサッカーで、声楽もある意味でアスリートであり身体を動かすことが必要と言います。ブログからも音楽に対する情熱と温かい人柄が伝わってきます。
 加耒さんの端正な顔立ち、透明感あふれる美声、優しい人柄に接し多くの方に感動のひとときを共有していただければ幸いです。 。

2019/ 5/24











子どもの忘れ物対策

 若葉の5月。新学期が始まり1か月が過ぎました。子どもたちは、新しい先生や友だちに慣れ、元気に校庭で遊ぶ姿も見られます。その学校生活において、子どもによっては学習や友だち関係などで課題も見えてきます。その一つに忘れ物問題があります。忘れ物をしないよういくら注意しても改善されず困っている保護者の方もいるのではないでしょうか。
 先日、知人のお母さんとメールで次のやりとりをしました。子どもは、小学校3年生になったA子さんです。A子さんの目あて「忘れ物を0にする」。
〇先週の火曜日は連絡帳を学校に忘れ。水曜日は水筒を学校に置き忘れ。金曜日は上履き、体操着、給食袋を学校に置き忘れ。今日は音読カード忘れ。連絡帳書き忘れ。ひどすぎる。
*毎日、目標が達成できず大変ですね。子どもと一緒に予防策を考えて実行することが大切かもね。持って帰るもの一覧表を作り、帰りに確認するように話し合ったらいかがでしょうか。A子さんの意識を大切に。
〇今日は宿題出し忘れ、自分でも忘れ物し過ぎだってショボンとしています。
*ショボンとしているのは、忘れ物はまずいと思っているからです。あまり責めないように。お母さんの気持ち分かります。時間をかけていろいろ試してください。きっと、A子さんは、だんだん直りますよ。
〇今日、A子と一緒に確認メモを作り、筆箱に入れました。
*一緒に作ったのはいいね。メモを見てできたらうんとほめて、できなくても今度できるようになると励ましてください。いつか忘れ物0になるよ。
 このメールのやりとりで、お母さんは冷静になって対策を考えるようになったようです。行き詰ったら一人で考えず相談することも大切です。忘れ物をする要因は、子どもによって様々です。忘れ物をしても、厳しく責めずに、子どもと一緒に予防策を考え実行してみましょう。当会館にも相談室があります。

2019/ 5/10











市民に親しまれるコンサート創造のために
〜第75回教育会館ふれあいコンサート〜

 昨年、松本健司さんが交響楽団をリードするクラリネットの音色と姿を想いつつ、福川伸陽さんのホルンの魅力を知り、松本さんに福川さんとのデュオができないかをお願いしました。多忙なお二人であり、クラリネットとホルンという編成は聞いたことがないので、断られるものと思っていました。何日かして快諾をいただいたときは驚きと喜びでいっぱいでした。
 4月21日に開催したNHK交響楽団の首席奏者が奏でる「クラリネット&ホルンデュオリサイタル」は、多くの方が演奏に魅了され期待どおりとなりました。次の感想からもコンサートの様子が分かります。
 クラリネット、ホルンのソロ演奏を聴くというのは初めてでしたが、お二人とも日本の第一線で活躍されている方だけに、素晴らしい演奏でした。やわらかく聴く人を包み込むような音色やクラリネットとホルンという珍しいハーモニー … 。特に、二部の「ライネッケの三重奏曲」は聴き応えがありました。ピアノの井澤さんも実力のある方だと思いました。
 また、半音高さが違うクラリネット2本で合奏する「2つのクラリネットのためのソナタ」は少し驚きました。半音高さが違うと、普通に考えると不協和音になるような気がしますが、素敵なハーモニーを奏でる演奏になっていたのは、とても興味深くも感じました。ゲスト演奏者の芳野さんとも息がぴったり合っていてすてきな演奏でした。
 市民の方が、気軽に生の音楽を楽しめる機会を提供できればと思い、2004年6月に始めた「教育会館ふれあいコンサート」も15年を経過します。当初は1、2年続けばと思い出発しましたが、現在は市民が演奏者とふれあい気軽に生の音楽を楽しむ場となっています。今後もいっそう親しまれるコンサートにするため、市民とともに創造していきたいと思います。












2019/ 4/26











第8回「3.11あの日を忘れない東日本大震災」のご報告
   〜遺児育英資金カンパ ¥188,000円〜

 当横須賀三浦教育会館は、「3.11あの日を忘れない東日本大震災」を思い起こし、東日本大震災による遺児の経済支援を行いました。2018年度も桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への寄付を行うため、10月に工房G作品展、3月にはチャリティーコンサート「山田武彦ピアノリサイタル」を開催しました。また、義援金箱を設置し、関係者・市民にカンパ協力をお願いしました。
 その結果、¥188,000円を桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」へ送ることができました。きびしい環境の中で不安にかられながら力強く生きようとする遺児の一助になれば幸いです。ご理解と協力をいただいたみなさまにお礼を申し上げます。
 東日本大震災は、2011年3月11日14時46分に発生。大津波が襲い東京電力福島第一原子力発電所事故が追い打ちをかけ大災害となりました。2019年3月11日には8年が経過しましたが、死者1万5897人、行方不明者は2533人、震災関連死3701人。故郷を離れて避難生活を続ける人はいまだ約5万2千人もいます。
 政府は帰還政策を打ち出し、避難生活者への支援を縮小してきました。しかし、避難者は体調を崩す人、生活が困窮し見通しが立たない人や経済的理由から進学を断念する子など、未だ様々な問題に直面し苦しんでいる人がたくさんいます。
 インフラなど復興がすすむものの、現在も廃炉作業は延々と続いています。炉心を冷やす注水や地下水の流入により、放射能で汚染された水が生じ続けています。その貯蔵タンクの数は増え1千基に迫っています。この汚染水をどのように処理をするのでしょうか。声を掛け助け合って生活してきた地域社会は、避難している人々が帰還して再生するのでしょうか。
 最近、メディアに取り上げられることが少なくなってきています。しかし、3.11東日本大震災については、決して忘れてはいけない現実問題といえます。


2019/ 4/12











子どもが、安心して安全に育つことのできる社会に

 千葉県で小4の女児が父親からの虐待で死亡したという事件が起き、学校、教育委員会、児童相談所の対応が問われています。今回の件でも発端は学校で行われた調査で、当該の女児が父親からの暴力を受けていることを記し、「先生どうにかできませんか?」と、結んだ解答には、悲痛な叫びが表れています。
 学校では、虐待を受けている子どもを発見できても、その後にとるべき対応に対する権限も能力も持っていません。なぜなら教育機関であって、警察でも福祉機関でもないからです。けれども、教職員は児童生徒にとって、一番身近で長く生活をともにする大人として、救済に加わらなければならないと思っています。
 今回の件でも、学校はそのためにすぐに対応し、被害女児は保護されていました。その後の教育委員会、児童相談所の対応には、正直、開いた口が塞がらない感はありますが、学校はやるべきことを最大限やっていたと思います。
 学校では子どもたちが「SOS」を出せることが何より大事なのです。その「SOS」をしっかりと受け止めて、しかるべき対応をとる、それが児童相談所や警察という、虐待に対して、学校にはない権限と能力を持った専門機関に通報し、協力していくということなのだと思います。
 全国の児童相談所は、パンク状態で、人的な確保もされず、保護機能も足りず、大変な状況になっていることも、今回の悲劇の大きな要因です。また、DVにおける母親支援策の不足、不備も大きな要因です。
 首相は、国会で今回の事件を受けて、「虐待の根絶」を明言しました。その言葉が「とりあえずその場を乗り切るためのおためごかし」に終わらないように、氷山の一角ともいうべきこの事件の社会的な背景をしっかりと解明し、必要な施策を余すところなく打ち出して、実行していってほしいと切に願います。
                        <教育相談室>


2019/ 3/22











2019年度 会員募集!  春です 気持ち新たに
   サークル活動を楽しんでみませんか

 教育会館主催のサークル活動で、楽しみながら仲間と学ぶ市民の方がふえています。昨年は、「クラリネット」「ボイストレーニング歌声広場」サークルを開設しました。春です。気持ちを新たに教育会館のサークル活動・教室に参加してみませんか。
1.童謡・愛唱歌を楽しむ会  現在満席
 月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師だった浦ア陽子さんの指導により毎回40名以上の会員が和気あいあい童謡や愛唱歌を楽しんでいます。
2.大人のリコーダーサークル  2019年度会員募集 初回は4月17日(水)
 月2回(第1と第3水曜日)会費1000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導により練習し、リコーダーの楽しさ豊かな表現力を味わいます。
3.大人のフルートサークル  2019年度会員募集  初回は5月7日(火)
 月2回(第1・第3火曜日)会費3000円。野上修一さんの指導により、Aは初めての方です。Bのアドバンスサークルは、吹いた経験のある方です。
4.大人のピアノ教室  欠員2名募集 第2・4火曜日と木曜日の各1名
 月2回(第2・第4火・木・金曜日)会費3800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。
5.健康ヨガサークル  常時募集
 月3回(第1・2・3水曜日)会費3000円。ヨガポーズと呼吸法で心身をリラックス&リフレッシュ。高橋祐美子さんの指導のもと楽しんでいます。
6.大人のクラリネットサークル 常時募集
 月2回(第2・4金曜日)会費3800円。芳野亜美さんの指導により、Aは初めての方です。Bは吹いた経験のある方です。クラリネットは音色が暖かく魅力的な楽器です。
7.ボイストレーニング歌声広場  欠員募集
 月2回(第1・3木曜日)会費3500円。シンガーソングライター・ボイストレーナーの橋本陽子さんの指導により、ボイストレーニングと歌を楽しんでいます。
2018年度教育会館音楽祭写真


2019/ 3/ 8











制度改正を避けた中教審答申…働き方改革

 1月25日、中央教育審議会が長時間労働の解消などに向けた対策を盛り込んだ答申をまとめました。その内容は、@教員、学校、地域がかかわる業務を整理し担うべき仕事の明確化。A「自発的な居残り」とされた時間外の授業準備や部活動などを勤務時間の管理対象に。B時間外勤務の上限を「月45時間、年360時間」と設定。C繁閑にあわせ年単位で労働時間を調整し、休日のまとめ取りをする「変形労働時間」の導入です。
 この中教審の答申では、教員・学校が活き活きとする教育環境に改善できる期待が持てません。根本的な解決を目指すならば、まず、やらなければならないのは正規の教員を増やす定数の制度改正です。以前から1時間の授業を行うためには1時間の準備と整理が必要と言われています。子どもと向き合い分かる授業を行うためには大幅な定数増が必要です。
 現在、小学校教員の場合、1日5から6時間(1時間の授業は45分)の授業を行っています。これでは、いくら業務の整理をしたとしても、授業の準備や整理、教材研究の時間が十分に取れないのは明らかです。子どもの話に耳を傾けたり遊んだりして共感する時間も取れません。大切な教員の本務に専念できる時間を確保するためには定数増が不可欠です。
 変形労働時間制は、普段の長時間労働を認め進めることです。このことは、働き改革とは言えないと思います。教員の長時間労働を生んでいる「残業代なし」の給特法こそ早急に検討すべき課題です。
 答申では、各自治体や学校などにはいろいろと改善策を求めています。一方、国に対して必要な制度改正を求めていないのはなぜでしょうか。定数増や給特法の改正など抜本的な条件整備にはお金がかかります。国の責任で教育環境の改善を図ってほしいと思います。


2019/ 2/22











教育相談を通じて思うこと

 最近は不登校の背景に心理的なものだけでなく、身体的な不調があることが多く、医療との連携が大切になっていることを感じます。その中に自律神経の失調という問題があります。これは検査では異常がないと言われることが多いのですが、めまい、立ち眩み、強い倦怠感、腹痛や頭痛など本人でないとわからない不調が続くので、家族だけでなく学校の先生たちや本人までもが「気持ちの問題」「なまけ」などと誤解されることが多いのです。
 症状に適した医療機関を受診して正しい病識が持てれば、対応の仕方も変わり、ストレスも減って体調も少しずつですが改善が早まったりするのですが、多くはそれができないまま本人も家族も追い詰められてしまうようです。こうした相談には、適した医療機関を紹介したり学習の遅れに対して、近隣の県立大学で看護を学ぶ学生を家庭講師などに紹介したりすることもあります。
 ここのところ、マスメディアで虐待の事件がよくとりあげられています。こちらの相談室にもDVの悩みなどで相談してくる方がいらっしゃいます。母親が父親の暴力を止められず悲劇が起こってしまう場合が多く、暴力によって夫婦関係がつながってしまっていることが多いので解決が困難になっています。子どもに、母親が父親に暴力を振るわれている姿や、物音、声などを見聞きさせてしまうのは、すさまじい虐待です。相談者にはそのことをしっかり理解してもらって、一刻も早くそこからの逃避をお勧めしています。
 相談には深刻なものも多いのですが、多くは日々の子育ての不安や、学校での様子に少し心配しすぎてしまっていることも多いのでゆっくりと耳を傾け、子育てへの自信、お子さんへの信頼を取り戻してもらうようにしています。
 子どものために自分はどうすればいいのか、何ができるのか、すがるような思いで相談される姿に、そして一生懸命話された後、自分で解決の糸口をつかんでいく姿に、感動すら覚える日々です。子育てはいつの日も手探りです。教育相談室は、様々な悩みや悲しみ苦しみの声に耳を傾けています。


2019/ 2/ 8











 第74回教育会館ふれあいコンサート(3月17日)
東日本大震災 遺児育英資金チャリティーコンサート
     ピアノの魔術師 山田武彦先生

 山田先生のピアノを初めて聴いたのは15年ほど前です。サックスの須川展也さんをはじめ一流の演奏家の伴奏者として出演されていました。普通の伴奏者と違い、個性的で心に響く豊かな演奏が強く印象に残りました。
 山田先生は、2017年10月には、1カ月に及ぶロングラン公演の浅草オペラ100周年を企画「ああ 夢の街 浅草!」で音楽監督を務め、全曲の編曲・演奏を行いました。鑑賞当日の曲目は、「恋はやさし野辺の花よ、テネシーワルツ、金色夜叉」など、歌と活弁士により誘うものであり、観客からの合いの手が入ったりおひねりが飛んだり、とても面白く観客が楽しみ盛り上がりました。
 山田先生は、東京芸術大学大学院にて作曲を学んだ後、1993年フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院ピアノ伴奏科に入学、同クラスの7種類の公開による卒業試験を、審査員の満場一致により首席で一等賞を得て卒業。帰国後は独奏の他に、ピアノ伴奏の名手として、的確でおおらかなアンサンブルの方法や、色彩豊かな音色によるピアノ奏法などが好評を得ています。
 現在は、楽器や声種、ジャンルの別などに捉われず様々な演奏家と共演しています。またオーソドックスな形態によるピアノソロ活動、自作曲・編曲による演奏・録音活動のほか、洗足学園音楽大学教授としてピアノ伴奏指導や、幅広い音楽の内容を扱う《広義の》ソルフェージュ教育を行っています。
 当会館は、東日本大震災遺児育英資金チャリティーコンサートを開催するため、ピアノの魔術師と言われる山田先生の演奏を市民の方に聴いていただきたいという思いから出演を依頼しました。チャリティーコンサートの趣旨も説明し、演奏曲も地域の「七里ケ浜の哀歌」「城ヶ島の雨」など希望を出しご理解と快諾をいただきました。3月17日(日)、遺児育英資金チャリティーコンサートにおいて山田先生の色彩豊かなピアノ演奏を堪能できるのが楽しみです。



2019/ 1/25











世界平和と国民の幸せを願う
 〜天皇陛下の記者会見〜

 12月20日、在位中最後となる天皇陛下の記者会見が行われました。その会見の様子を見た人たちから感銘を受けたとの声を聞きます。憲法を大切にして、象徴としての在り方を追求しつつ平和を訴え続け、誠実と真心をもって国民の苦しみに寄り添い励ますなど、平和と国民の幸せを願う行動を具体的に示してきたことが人々の心に響き伝わったからではないでしょうか。
 天皇陛下は、沖縄について、「沖縄は、先の大戦を含め実に長い苦難の歴史をたどってきました。…11回訪問を重ね、その歴史や文化を理解するように努めてきました。沖縄の人々が耐え続けた犠牲に心を寄せていく私どものおもいは、これからも変わることがありません」と述べました。政府の「沖縄に寄り添う」は、民意を無視した辺野古の強行など、沖縄を踏みにじるものです。
 憲法第99条には、「天皇又摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と記されています。天皇陛下は、努力を重ね憲法擁護の義務を果たし、国民から信頼と尊敬を集められたと思います。丁寧に説明する、沖縄に寄り添う、と言いながら国民の声を無視する大臣や国会議員、平気でうその答弁をし公文書改ざんを指示するキャリア官僚は、真の意味で国民の代表者・国民全体の奉仕者とは言えません。
 憲法を軽視し責任をとらない言葉だけの大臣や国会議員、地位を利用し私利私欲に走るキャリア官僚の言動が、社会に悪影響を与えています。一方、不正を正すため立ち上がった文部科学省の若手職員や森友問題で自殺した近畿事務局職員OBの勇気ある言動が注目されます。当会館は、関係する県・市の職員と接する機会があり、その真面目な仕事ぶりには信頼感を覚えます。
 憲法を擁護し社会の不正を正すのも国民の不断の努力です。改めて、社会に目を向け、世界平和と国民の幸せを願う天皇陛下の言動を国民へのメーセージとして受けとめ、教訓としたいと思います。


2019/ 1/11











国民の願いが生かされる政治を

 日本国憲法前文には、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、主権が国民にあることを宣言しています。また、国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者が行使し、その福利は国民が享受するとあります。
 すなわち、国政は、国民の厳粛な信託により国会(国会議員)が行います。厳粛とは、その場の様子が真剣な雰囲気であり、ごまかしやふまじめを許さないことです。信託とは、信用して任せることです。国会における政府の答弁を聞いている限り、不誠実でごまかしが明らかになっても責任をとらないという厳粛とは程遠いものとなっています。
 毎日新聞は12月15、16両日、全国世論調査を実施した外国人労働者の受け入れを拡大する改正入管法が先の臨時国会で成立したことについて「評価しない」が55%と半数を超え、「評価する」は30%にとどまった。また、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設問題で、政府が辺野古沿岸部に土砂を投入して埋め立てることに対して「反対」は56%で、「賛成」の27%を大きく上回ったと報道しています。毎日新聞以外の報道機関の世論調査でもほぼ同様の結果が出て、国民の声が反映されていません。
 森友学園問題では、文書改ざんが行われ政府のあきれるばかりの答弁が繰り返されました。改ざん発覚後、改ざんを苦にした担当の近畿理財局の職員が自殺しました。それでも、政治家は責任をとらず、今だ、問題解決に至っていません。防衛費最高5年27兆円、過去最高の水準になったとの報道にも驚きです。子どもの未来のため、防衛費より教育費にお金を使ってほしいものです。
 国民の声を活かすのが国会です。国会では多数決を強行するのではなく、多様な意見・国民の声なき声に耳を傾け建設的な討論を行い国民に寄り添った結論を導き出してほしいものです。国政は国民の厳粛な信託によるものです。国会の現状をつくっているのは国会議員を選んだ国民の責任とも言えます。


2018/12/28









学校における働き方改革について
〜子どものためにも実現を〜

 文部科学省は、教員勤務実態(平成28年度)の調査でも、見逃せない教師の勤務実態が明らかになり、このため、中央教育審議会の議論を踏まえながら「学校における働き方改革」に取り組むと述べています。
 しかし、学校現場の教職員や保護者は、長年に渡り教師の勤務実態を報告し、安心して教育活動ができる環境整備を要請してきました。それでも、教員の定数増をはじめ改善は進まず、ますます多忙化による長時間労働により健康を害する教師も多く、過労死が社会問題となりました。このことは、子どもの教育にも悪影響を及ぼしていることも指摘してきています。
 文部科学省が出した「働き方改革」の次の通知には納得できるものもあり、学校の管理職・教育委員会が、地域や保護者や教職員の共通理解のもと率先して取り組むならば前進する部分もあるのではないでしょか。
 〇基本的に学校以外が担うべき業務
  @登下校に関する対応 A放課後から夜間などにおける見回り、
  児童生徒が補導された時の対応。B学校徴収金の徴収・管理
  C地域ボランティアとの連絡調整
 〇学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務
  D調査・統計等への回答等 E児童生徒の休み時間 F校内清掃
  G部活動
 〇教師の業務だが、負担軽減が可能な業務
  H給食時の対応 I授業準備 J学習評価や成績処理
  K学校行事の準備や運営 L進路指導
  M支援が必要な児童生徒・家庭への連絡
 教師が健康を損なわず児童生徒に接する時間を確保し、日々の生活の質や教職人生を豊かにし、人間性が高められる環境づくりのためには、業務の質的転換は必要です。しかし、業務の質的転換だけでは根本的な働き方改革は困難です。今こそ、教職員の定数や給与などの制度改革が重要です。先進国の中で教育にお金をかけない日本、今度こそ、政府には、未来を担う子どもためにお金をかけてほしいものです。
 

2018/12/14






市民が創造し楽しむ
       教育会館音楽祭

○教育会館音楽祭とは
 目的は、コンクールではなく音楽祭という名前の通りサークル参加者のお祭りです。日頃のサークルにおける練習を披露し楽しむものです。他のサークルを知る機会と交流の場ともなります。市民のご来場も歓迎します。音楽祭の企画運営はサークルの協力により自主的創造的に行われます。
○音楽祭の誕生と期待
 2010年12月1日、横須賀三浦教育会館が全国の教育会館の中で初めて公益財団法人として認定されました。その公益事業の一環として市民が自主的に活動するサークル活動を始めました。主催は当会館、参加し自主的に活動するのは市民です。サークル活動の充実を図るため、それぞれ指導者がいます。
 2015年2月21日、初めて音楽関係のサークルが集い第1回音楽祭を開催しました。参加は、「童謡・愛唱歌を楽しむ会」「大人のリコーダーサークル」「大人のフルートサークル」「大人のピアノサークル」「パストラル・リコーダーサークル」です。普段の練習通りソロや合奏、合唱など演奏を楽しみ交流を図りました。他のサークルの演奏を見ることができ、指導者によるフルートとピアノのミニコンサートでは、優雅で澄んだ美しい演奏に魅了されました。
 2017年1月28日、第2回音楽祭を開催しました。音楽祭は市民にも自由に鑑賞していただき、次の感想をいただきました。
「初めての音楽祭でした。リコーダーも、フルートも、ピアノも感動しました。一生懸命さに心打たれました。…ピアノを弾く壮年の方、ご婦人の方の一生懸命な姿にやめていたピアノを少し思い出しました」
 音楽祭は2年度に一回開催してきました。第3回音楽祭は、2018年12月8日
に開催します。今回は「パッヘルベルのカノン」の合同合奏を新たに加えました。サークルを超えての合奏です。ますます市民の協力と感動が広がるものと期待されます。10月からは、「大人のクラリネットサークル」「ボイストレーニング歌声広場サークル」が誕生しました。次回の音楽祭への参加が楽しみです。
第1回音楽祭にてフルートサークル
第1回音楽祭にてフルートサークル

2018/11/23







第7回教育会館名画セミナー
  「フェルメールの世界」を学ぶ

 10月27日、教育会館名画セミナーを開催し、17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメールをテーマに画家の生い立ち、作品の見どころを学びました。講師は、フェルメールを研究し「フェルメールの食卓」など著書のある人気キュレーターの林綾野氏が務めました。当日の会場は満席となり、参加者は熱心に講師の話に耳を傾け学習していました。
 特に、美術大好きという小学校3年生からは、「フェルメールの人生や一日の生活、『牛乳をそそぐ女』がつくっている食べ物は、なんとかって教えてくれてありがとう」と、アンケートに感想をいただきました。裏には、「牛乳をそそぐ女」の絵がとても上手に鉛筆で描かれていました。
アンケートの中から次の感想を紹介します。
*初めての受講でとても面白い? 美術展での絵画解説と違い画家の時代背景や生活に基づいてのお話は楽しい。林先生の画家への思い入れや、キュレーターとしての調査の情熱が感じられて、あっという間の2時間でした。絵本やフェルメールの食卓も興味深く、身近な事ずっと聞いていたい名画案内でした。一緒に旅してみたいものです。
*今回で5回目になると思います。いつも楽しく聞いています。フェルメールのお話もその時代のことや子供が14人いたとか、有名な絵が描かれた裏で画家の生き方や生活が見えた気がします。絵を見るときに画家の背景を知っていると何倍も興味深く楽しんで見られます。特に「展」と結びつけて考えると更に身近に感じます。自分の知識では追いつかないところを林先生の楽しいお話で教えていただくと毎回来てよかったと思います。
名画セミナー フェルメール講演会
   林綾野氏は、専門的な美術の知識をもとに、フェルメールの名画に秘められたメッセージを読み解き、分かりやすく説明していきました。参加者からは、これまでと違う新たな視点を学習し、よりフェルメールについての関心が深まり、早く美術館を訪ねたいという声が聞かれました。

2018/11/ 9







2019年度 教育会館ふれあいコンサート会員募集
   〜実力と魅力あふれる出演者決定〜

 教育会館ふれあいコンサートは、早くも15年目を迎えています。今日まで多くの人に親しまれ愛されてきました。その大きな要因に演奏家の魅力と協力があります。そのため、次年度の「教育会館ふれあいコンサート」を企画するにあたっては、演奏家をどの人に頼むかが重要な課題となります。
 次年度に向け、4月から演奏家の検討に入りました。アンケートの感想やコンサート後の鑑賞者の様子と声を思い浮かべつつ、年4回のコンサートをどの演奏家にお願いするのがいいのか、いろいろな人の意見をいただきながら検討をしました。聴いたことのない演奏家のコンサートには行って鑑賞し確かめました。その結果、次の方にお願いすることに決めたのが7月です。それぞれ忙しく活躍しているため、日程調整に時間がかかりましたが、10月に入り全ての方から快諾を得ることができました。
 2019年度の第1回は、横須賀出身、NHK交響楽団クラリネット首席奏者の松本健司さんとNHK交響楽団ホルン首席奏者福川伸陽さんのデュオです。二人の吹くクラリネット&ホルンは、優しく温もりのある音色が響き聴く者を魅了します。第2回の加耒徹さんは、東京藝術大学大学院修士課程独唱科を首席で修了。修了時に大学院アカンサス賞を受賞。今を時めく期待される日本のバリトン歌手です。第3回は、実力と人気を兼ね備えたソリスト・室内楽奏者として活躍中の宮谷理香さん(ピアノ)、礒絵里子さん(ヴァイオリン)、水谷川優子さん(チェロ)の3名により、室内楽の世界を追求すべく結成されたユニットです。第4回の石田泰尚さんは、「繊細で優美な音楽をさらにきめ細やかに表して、浄化された深い詩情が香り立つ魅惑的な演奏」(音楽の友)など、高く評価されています。
 現在、「教育会館ふれあいコンサート」は、その名の通り身近で演奏家とふれあい、家族や知人ともふれあい、市民が気軽に生の音楽を楽しむ場になっています。2019年度に出演する演奏家の方々は、それぞれ実力と魅力をそなえています。是非、会員となって鑑賞していただきたくお願いいたします。
第68回ふれあいコンサート写真

2018/10/26









クラリネットを始めてみませんか
  〜クラリネットの魅力〜

 クラリネットは、木管楽器ならではの優しい温もりのある音色が魅力です。また、他の楽器に比べて音域が幅広く、表現の幅も広いので、クラシック、ポピュラー、ジャズ、吹奏楽など、沢山のジャンルで演奏されます。オーケストラではソロ的な役割を果たすこともあります。
 クラリネットはグラナディラという木でできた木管楽器です。起源はアラブ地方の民族楽器と言われ、中世以降のヨーロッパで「シャリュモー」と呼ばれたフランスの古楽器から進化したとされています。当時、高音を出せる小型のトランペット「クラリーノ」と音色が似ていることから、「クラリネット」と名付けられたと言われています。
 クラリネットは息をたくさん吸って吐く楽器です。指先も使い脳に刺激を与えます。そのため、マイペースで楽しみながら練習を続けることにより、美しく穏やかな音色に包まれ心身ともに健康になることでしょう。
 当会館では、10月から「大人のクラリネットサークル」を開設しました。初めてクラリネットを吹く方、ほんの少しだけ音を出したことがある方のコースと以前クラリネットをやっていた方が対象の二つのコ―スがあります。人数によりアンサンブルも楽しめます。この機会に始めてみませんか。
クラリネット演奏  指導は、横須賀出身の芳野亜美さんです。室内楽を中心に各地で演奏活動のほか、中・高校の吹奏楽部で指導を行っています。島村楽器音楽教室の講師もしています。芳野さんがクラリネットを始めたきっかけは、中学の吹奏楽部のときです。いろいろな楽器を体験したとき、すぐに音が出たのがクラリネットで音色がきれいだったので気に入ったからだそうです。
 まろやかで温かい低音、華やかで明るい高音を響かせ、クラリネットの優しい音色でメロディーを楽しんでみませんか。


2018/10/12









2018/ 9/28









2018年夏の公益事業

わかる喜びと学ぶ楽しさを体験

 子どもの学習では、分ったりできるようになったりする喜びを体験することによって学習意欲が向上します。また、自分で考え想像し創造することによって学ぶ楽しさを実感できます。当会館は、分かる喜びと学ぶ楽しさを体験してほしいと願い、2018年夏の公益事業として「算数教室」「子どもリコーダー教室」「図工教室」「作文教室」「科学工作教室」「おやこdeアート」を開催しました。
 小学校の算数は3年あたりからつまずき始め、4年生になると苦手意識が強くなり、「嫌い」「分からない」を連発する子がいます。理解しないまま5・6年生になり、あきらめてしまう子もいます。そうなると悪循環におちいります。そのため、5・6年生を対象に4年生程度の基礎学力をマスターすることが、残りの5・6年生をのりきり、中学につなげていくことに大きな効果があると考え、算数教室では「基礎力向上講座」を開催しました。
日時は7/30・31・8/1の3日間、1回が2時間半。算数が苦手なら苦しい時間になってしまうので、いろいろと対策を練りました。「少人数で見る、ベテラン教師が4人で対応」「つまずきはその場で分かるまで指導」「5問できたら見せにくる」「四則計算の反復練習」「あいまに算数ゲームを入れる、ダーツでかけ算、ジャマイカなど」、以上の方針を立て当日を迎えました。
 暑い中、2時間半を算数に取り組むことを理解して参加してきた子たちだったので皆すばらしい集中力でした。「休みながらでいいんだよ」と教師が声をかけるほど熱心でした。連日やってくる時間が早くなったAさん、4日目もあればいいといったBさん、先生、ジャマイカを買って親子でやっていますとCさんの母親、参加した子の成果は確実に上がり分かる喜びを体験しました。
 日常の学習では、自ら学ぶことに価値を見出せない子も多くいます。夏の公益事業は、子どもたちが学ぶ目的や内容を理解して参加しているため、積極的に学習し成果を上げる姿を見ることができました。

2018/ 9/14









夏休み明けに増える小中高生の自殺
 〜子どもの自殺を防ぐために〜

 日本全体の自殺者数が減ってきているのに、子どもが自ら命を絶つ悲劇が繰り返されています。内閣府調査によると、8月下旬から9月上旬にかけて多くなる傾向があります。長期の休み直後は、児童生徒の生活環境が変わりやすく、重圧や精神的な動揺が生じやすいことが要因の一つです。
 2016年の小中高生の自殺の原因(複数の場合あり)を警視庁の統計でみると、「学業不振」など学校問題が36.7%で最も多く、「親子関係の不和」など家庭問題が23.4%、「うつ病」など健康問題が19.7%と多岐にわたります。学校問題のうち、いじめが原因とされたのは1.9%でした。
 子どもの自殺について分析する東京都監察医務院の福永龍繁院長は、「10代の自殺は動機が分からないことが多い。実態が分からないことを出発点として、そこから対策を考えていくべきだ」と述べています。
 子どもの自殺を防ぐために、社会や一人ひとりは何ができるでしょうか。
 自殺を考えている子は、自殺のサインを出していると言われています。しかし、自殺のサインを発せられた時点では多くの人が深刻に受け止められないようです。「いつもと違う、何か変だ」と気づいたら、さりげなく声をかけるのが自殺予防の第一歩と言えます。
 サインに気づいたときは、親は子どもの苦しい気持ちに耳を傾け、励ますのではなく一緒に考え共感することです。一緒に考えてもうまくいかないときが多いと思います。そんなときには、専門家に相談することも解決への道です。友だちから「死にたい」と打ち明けられたときには、寄り添い信頼できる大人につなげることの大切さを子どもに教えておくことも必要です。
 日頃から学校・家庭、地域社会があたたかく子どもを見守りサインを見逃さないようにしたいものです。

2018/ 8/24









10月から「ボイストレーニング歌声広場」を開設
    〜ボイストレーナー橋本陽子さん〜

 橋本陽子さんは、東邦音楽大学でクラシックピアノを学び、在学中副科で声楽を専攻。大学時代からオリジナルの曲を作り始め、現在、シンガーソングライターとしてコンサート会場、ホテル、イベントなどで演奏活動中。聴く人を暖かく包み込む癒しと情熱のオリジナルな世界へ案内しています。他歌声喫茶のナビゲーターも務め、またボイストレーナー・ピアノ講師として、個人レッスンから団体のサークルなど多くの方を指導しています。
 橋本さんは、ボイストレーニングについて次のように述べています。
「音楽は人と人が繋がれる、たくさんの学びと宝物をくれるものだと感じています。レッスンを通してたくさんの方に出会う中で、歌が大好きな方が多くいらっしゃる、それと同時に、声にコンプレックスを感じていたり、声の出し方で悩んでいたりする方も多いことを感じています。私自身子どもの頃、声が低くハスキーで、人前で声を出すことが嫌だったことがありました。ですので、もっと自信を持って声を出したい、楽しく歌いたいという方の気持ちがとてもよく分かります。声は世界に一つしかないその人だけの楽器です。その楽器をよく響かせられるように、ボイストレーニングで声が出しやすい体作り、イメージを描いて歌うことを多くの方と楽しんでいきたいと思っています。」
 10月から橋本さんの指導により、当会館のサークルとして「ボイストレーニング歌声広場」を開設します。内容は、「声が出しやすくなるストレッチ」「歌のための呼吸法」「発声練習」「懐かしいお馴染みの曲を課題に歌唱指導」などです。ときには、橋本さんの優しい歌声や美しいピアノを聴いて音楽の素晴らしさを感じ楽しんでいただく時間を設けます。
 橋本さん指導の「ボイストレーニング歌声広場」への参加をお待ちしています。きっと、歌が楽しく歌えるようになり心身共により元気になります。




















2018/ 8/10







熱中症、夏休み短縮、子どもの命を守るために
   〜熱中症で小学校1年生が死亡〜

 猛暑が全国的に続き、愛知県で7月17日に小学校1年生が熱射病で死亡しました。その後も多くの児童生徒が熱中症の症状を訴えて病院に運ばれています。  厳しい暑さから子どもたちを守るためには、どうすればよいのでしょうか。地球の温暖化などにより今までより厳しい状況を再認識し、子どもの熱中症を防ぐため、保護者や学校などは適切に対応しなければならないと思います。
 そのため、学校は、改めて熱中症に対する知識を学び全教職員の共通理解が必要ではないでしょうか。「熱中症とは何か」「熱中症はどのようにして起こるか」「熱中症になったときには、どんな症状があるか」「どういうときに熱中症を疑うか」「熱中症を疑ったときには何をすべきか」「熱中症を防ぐための注意事項などについて」、これらは環境省の資料としても掲示されています。環境省の熱中症予防サイトも参考になります。
 死亡した小学校1年生は、校外学習の道すがら「疲れた」と口にしたようです。「疲れた」は熱中症のサインと指摘する小児科医もいます。「体が熱い」「動きが鈍い」など、子どもの様子が普段と違う場合は熱中症のサインと思い、周りの大人が見逃さないようにし、対応を誤らないようにしたいものです。
 文科省の調査では、公立小中学校のエアコン設置率(2017年4月)は全国平均で41.7%となっています。まだ過半数の学校はエアコンなしです。死亡した1年生の学校にもエアコンはなく、校外活動から教室に戻っても体を冷やすことができなかったようです。
 一方、公立の小中学校で夏休みを短縮する動きが全国的に広がってきています。昨年の吉田町「夏休み16日」が話題となりました。相模原市は来年から1週間短縮する方針を決めました。猛暑の登下校や熱いプールサイドでの子どもと教師の様子を想像し疑問がわいてきます。夏休み短縮は、まず、子どもの命を守る観点から検討し、学校や保護者の声を聞いて決めてほしいものです。



2018/ 7/27







教師の願いと生きがい

 教師は、日常の教育活動により子どもの成長にかかわり、自分をも高めることができるやりがいのある仕事です。しかし、残念なことに、希望あふれる新任教師が理想と多忙な現実のギャップから1年もたたないうちに辞めるのを耳にすることがあります。何とか教師の喜びを体験し危機を乗り越えてほしいものです。定年まで勤めた多くの教師も何度かは辞めたいと思い悩んだことがあると思います。
 この3月、横須賀市の中学校を最後に、37年間の教員生活に終止符を打ち、定年退職した教師が教師生活を振り返り、「子どもたち、卒業生から、多くの「元気」をもらえたからこそ、最後まで続けることができたとつくづく思っています」と述べています。
 退任式では、相田みつをさんの「自分の番、いのちのバトン」を朗読し、子どもたちへメッセージを贈りました。
自分の番、いのちのバトン
父と母で二人 父と母の両親で四人 そのまた両親で八人
こうしてかぞえてゆくと 十代前で 千二十四人 二十代前では ――?
なんと百万人を越すんです
過去無量の いのちのバトンを受けついで いま ここに 自分の番を生きている
それがあなたのいのちです それがわたしのいのちです
 この詩に出てくる数字について、ネット上では、「重複もあり、おかしい」といった指摘もありますが、多くの人たちからいのちのバトンを引き継いで今を生きていることは確かです。自分の先祖の一人でも欠けていたら、今の自分は存在しません。今、自分の番を生きている子どもたちへ、過去からいのちのバトンが引き継がれ今の自分が存在していること、だからこそ自分の命を大切にし、たくましく未来を切り拓いていってほしいという願いを伝えたかったと言っています。
 子どもの未来に期待し幸せを願うことが、子どもに寄り添って教育活動をしてきた教師の願いであり生きがいではないでしょうか。子どもに共感し行動した教師こそが定年後にも教師生活の充実感をより強く覚えるのではないでしょうか。



2018/ 7/13







公益目的事業の意味するもの

 公益法人は、公益目的事業を行うことを主たる目的としなければならない。この判定は、公益目的事業比率が50%以上かどうかによります。
 そのため、公益法人は毎年度ごとに公益認定基準を満たしていることが求められ、合議制機関による報告徴収及び立入検査の実施等があります。実績報告において公益目的事業比率が50%を下回る状態が継続し、是正が見込まれない場合は、公益認定が取り消されてしまいます。したがって、公益法人は公益目的事業比率50%を維持することが最も重要といえます。
 立ち入り検査は3年に一度あり、当会館の立ち入り検査は、県の公益法人グループ2名の職員により、2017年8月29日の10時から17時まで行われました。1公益法人として備え置くべき書類、2会計帳簿、3法人運営上の各種書類 4定款等、各種法人規則等 5実施している事業に関する書類等の用意が事前に求められ、当日は、職員の質問に対し書類等を示し説明をしました。
 その結果は、「規定に基づく報告徴収の必要は認められない」というものでした。ただ、公平性・透明性を確保する観点から契約事務や内部規定の作成や新たに規定を作成し、規定に従った運用を図るべきとの適切な指摘があり、理事会・評議員会で報告し改善を図ってきています。
 当会館は、2010年12月から公益財団法人となり7年が過ぎました。その間、市民参加による公益事業の充実を図ってきた結果、2017年度の決算では、公益目的事業費率が71.9%となりました。ホールや会議室は、幼児による「リトミック教室」や大人の「教育会館ふれあいコンサート」「童謡・愛唱歌を楽しむ会」「ヨガ教室」などが活発に行われ、乳児から高齢者まで広く市民に利用されています。今後も、市民参加によりさらなる発展を図りたいと思います。



2018/ 5/25







教員の長時間労働を生む給特法

 公立学校の教員の給与について規定する給特法は1972年に施行され、教員に時間外勤務をさせられるのは修学旅行や災害時など4項目の場合だけとなり、教員は自発性や創造性が求められる特殊な仕事だとして、基本給の4%を「教職調整額」として給与に上乗せして支払い、時間外勤務手当は支給しないと明記されました。この給特法の4%は、当時の調査で平均残業時間が月8時間だったのが基になったものです。
 文部科学省が2016年度に公立校の教員を対象に実施した教員勤務実態調査では、過労死ライン(週80時間以上の時間外労働)を超える教員が、小学校で3割、中学校で6割ということが明らかになっています。小学校は本年度から中学校は来年度から、道徳が教科となり教員による評価が行われます。忙しい教員にとってますます負担になるのは明らかだと思います。教員が過労死した場合、公務災害の認定を求める遺族にとっては、時間外勤務のほとんどを自主的な労働とみなす給特法が大きな壁となっているのが現実です。
 国や自治体は、定数増など十分な条件整備をする前に次々と仕事を押し付けてきます。残業代が生じないからでしょうか。給特法を廃止すると、国と地方自治体が負担する残業代は年間1兆円に上ると文科省は試算しています。給特法の問題点は、規定により第1に教員の時間外労働を把握する必要がない。第2は、残業代が支払われないため国や自治体にとって財政面の心配が少ない。残業代が支払われれば長時間労働を少なくする力にもなります。
 教員の長時間労働は、労働時間を記録する労務管理の基礎さえ整備されないまま時間外労働が増大してきました。中央教育審議会は「学校における働き方特別部会」で議論をしています。是非、勤務時間の上限規制や教職調整額の増額で済ませるのではなく、年次計画を立ててでも、給特法の改正や定数増などにより抜本的な改善を図ってほしいものです。子どもの未来と幸せのために。



2018/ 5/11







「政治・行政による教育介入」…魚は頭から腐る
   〜地区の教育委員会と学校が毅然と説明〜

〇東京都足立区の中学校が、3月に行った性教育の授業に一人の都議が問題視して議会で質問し、東京都教育委員会が足立区の教育委員会を指導することになりました。学習指導要領に記載されていないため、「中学生の発達段階に応じておらず不適切」としています。教育関係者からは、命を守るため正しい性知識を伝えるべきという意見が多く出ています。
 足立区教育委員会の担当者は、「10代の望まぬ妊娠や出産を防ぎ、貧困を断ち切るためにも、授業は地域の実態に即して行われ、生徒と保護者のニーズに合ったもので不適切とは思っていない」と述べています。6年前から専門家と教員で取り組み、授業を実施した学校の校長は、「授業は自信を持ってやっている。内容は自分やパートナーを大切にするもの」と話したそうです。
〇名古屋市立中学校で2月、文部科学省の前川前事務次官が総合学習の講師に招かれ、不登校や夜間中学校などをテーマに授業を行いました。この授業に対し、文部科学省から学校を所管する名古屋市の教育委員会に内容を問いただす異例のメールが届きました。そこには、講師の批判と交通費や謝礼の額、動員の有無、講演録や録音データの提供などの要求も記されていました。
 これに対し、講師の天下り問題については「文科省ひいては国家公務員全体の問題と認識」、出会い系バーについては「良心的な目的であったと報道されている」と反論し、謝礼は通常の金額など具体的に回答しました。学校長は「生徒は話を聞いて自分なりの考えを持ち、生きる力につながっている」と回答し録音データは提出しませんでした。この件も国会議員の関与が報じられました。

 上記の政治・行政による教育内容介入を毅然と排除した地区の教育委員会と学校に対し、多くの教育関係者が励まされ教訓を得たと思います。教育基本法は「教育は、不当な支配に服することなく」と定めています。



2018/ 4/27







楽器の女王、フルートの魅力

フルートサークル  見た目が上品で、音色が優雅で美しいフルートは、楽器の女王と言われています。子どもから大人まで扱うことができ、管楽器の中でもコンパクトで持ち運びがしやすいのも魅力の一つです。健康にも良い楽器です。呼吸器、脳の血流、全身の血流にも良い効果をもたらします。
 当会館のフルートサークルでは、少しでも吹けるようになりたい、仲間と演奏を楽しみたいという人が集まって月2回の練習をしています。全くの初歩からのクラス(ビギナーサークル)と以前フルートをやっていてまた始めようという人のクラス(アドバンスサークル)があります。指導者はフルート奏者である野上修一氏です。先生の指導は懇切丁寧であり、参加者から好評を得ています。
 サークルは開設してから5年が経ち、3月6日には初めて「おさらい会」を開催しました。「カノン/パッフェルベル」を合奏した時の真剣な様子と演奏後の充実した顔が強く印象に残っています。その参加者の感想を紹介いたします。

〇おさらい会の感想

おさらい会*いつも楽しく練習させていただいています。専門のレッスンになるとなかなか一歩が出ませんが、みんなで吹く楽しさで、練習が楽しくなりました。野上先生には丁寧に教えていただき、少しずつでも上達できればと思います。
*フルートの「フ」の字も知らずにレッスンを始めて6年目になりました。年齢的にも指は動かず毎回のレッスンではあたふたとしておりますが、とにかく楽しい時間を過ごさせていただいています。野上先生の忍耐強いご指導のもとでこれからも長く続けていけたらと思います。
*育児で自分の時間がなかなかとれないなか、少しでも音楽に触れたいと思い勇気を出して見学に来てから数年、先生のとても丁寧なご指導とすばらしい生徒仲間に恵まれ、この月2回は、私にとってとても大切な時間になっています。おさらい会などでパートに分かれて練習するのもとても楽しく、これからもずっと続けられたらと思います。



2018/ 4/13







 3.11東日本大震災、被災地へ思いを寄せ
〜三浦半島にいきづく「童謡・愛唱歌コンサート」

  3月11日は東日本大震災から7年、2万2千人以上が犠牲となり、今も7万3千人以上の方が避難生活を強いられています。また、史上最悪の原子力災害を引き起こした東京電力福島第1原発では、廃炉作業が果てしなく続いています。
 当会館は、3.11を思い起こし、毎年、大震災による遺児の経済支援をするための事業と遺児育英資金のカンパ活動を行ってきています。今回の3.11チャリティーコンサートは満席となり、多く市民の方により共感の輪を広げていただきました。ヴァイオリンを演奏した神代恭子さんからは、「前半最後のアヴェマリアを弾き終わった時、ちょうど大震災発生の14時46分になったのをご存知でしたか?なにか客席と祈りの瞬間が一体となった感じがしていました」とのメールをいただきました。

参加者からの感想を紹介いたします。

*7年目の3.11に、このコンサートに来られたこと、とても感謝いたします。ピアノ、ヴァイオリン、声楽、みんな耳に心地よく響き、耳だけでなく心の中にも深く深く響きました。3.11で亡くなられた多くの方のご冥福をお祈りし、残された方のお幸せをお祈りいたします。アヴェマリアには涙が出ました。
*逗子在住の音楽グループの美しい声や演奏を十分楽しめました。普段は意識していませんでしたが、三浦半島に何らかのゆかりのある曲は、いろいろあるのだなと改めて思いました。また、最近は大きな声で歌う機会もありませんでしたが、今回はみんなで歌うコーナーもあって久しぶりに大きな声で歌いましたが、楽しかったです。ピアノの徳永さんの場を和ますトークもよかったです。今日は3.11、特に原発事故を境に人生が一変してしまった人や未だに先が見えない福島の現状にやり切れない思いがします。地震大国である日本に42基もの原発。どこでどんな原発事故が起きるかその可能性はなくならないし、再び起こってしまったら更に大変なことになってしまいます。これからはどう考えても、クリーンエネルギー社会を目指すべきだと思います。「3.11あの日を忘れない」のイベントにその事を更に思い起こさせます。






2018/ 3/23







保育士、教員の定数・賃金改善を!

 認可保育園に入れない「待機児童」の問題が20年近く解消されていません。今年も「保育園落ちた」の書き込みがあふれたようです。教員の長時間労働も何十年も前から指摘されています。これらの問題が解消されない主な要因は定数・賃金改善の具体的な計画と実行力がないからです。
 保育士の賃金が低い要因は、国が決める人件費の補助単価が低いことに加え、1948年に定められた配置基準が影響していると言われています。70年も前にできた最低基準が現在の実態と合わないから定数改善が不十分で低い賃金となり保育士不足が解消されないのではないでしょうか。保育士の資格があっても低い賃金では働くことに躊躇するのは当然です。新たな保育士を確保できず、来年度は休園を決めた保育園があることも報道されています。
 政府が公表した残業の「過労死ライン」は80時間超、多くの教員の残業がラインを上回っているのが明らかになっています。戦後の公務員の給与制度改革(昭和23年)により教員の勤務時間は単純に測定することは困難であること等を踏まえ、教員給与は一般の公務員より一割程度有利に切り替えられ、超過勤務手当は支給されないこととされました。
 しかし、毎年の給与改定の結果、教員給与の優位性が失われた上に、超過勤務を命じないとの指示にもかかわらず、超過勤務が行われている実態が多くなり、多くの都道府県で時間外勤務手当の支給を求める訴訟が提起され、いわゆる「超勤問題」として大きな社会問題となりました。制度と実態がかけ離れているからです。今、時代に合う問題解決を早急にはかるべき時です。
 保育士・教員の定数増も進まず、長時間労働と多忙化のため健康を害する保育士・教員も多くいます。このことは子どもの教育に悪影響をおよぼしています。現場を知る自治体によっては財政難の中から保育士・教員を独自に多く配置するところがあります。欧州各国などのように、日本政府こそ教育にお金をかける方針に転換し教育環境の改善をはかってほしいものです。


2018/ 3/ 9







サークル活動・教室を楽しんでみませんか

 教育会館主催のサークル活動で、楽しみながら仲間と学ぶ市民の方がふえています。2018年度になり会員募集するサークルもあります。気持ちを新たに教育会館のサークル活動・教室に参加してみませんか。なお、市民が主催するサークル活動も活発に行われています。ホールや会議室は、どなたでも利用できます。


1. 0歳(2か月)から3歳までのリトピュアリトミック教室  常時募集
  0歳児から音楽に親しむことで、絶対音感、リズム感、集中力、コミュニケーション能力などぐんぐん育ちます。ママにとっては楽しく癒しの時間になります。指導は佐野享子先生です。
  問い合わせ・申し込みは090-4421-3476(佐野享子)
2.童謡・愛唱歌を楽しむ会  現在満席
 月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師の浦ア陽子さんの指導により毎回40名以上の会員が和気あいあい童謡や愛唱歌を楽しんでいます。
3.「大人のリコーダー」サークル 2018年度会員募集 初回は5月16日(水)
 月2回(第1と第3水曜日)会費1000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導により練習し、リコーダーの楽しさ豊かな表現力を味わいます。
4.「大人のフルート」サークル 2018年度会員募集  初回は5月1日(火)
 月2回(第1・第3火曜日)会費3000円。野上修一さんの指導により、Aは初めての方です。Bのアドバンスサークルは、吹いた経験のある方です。
5.大人のピアノ教室  現在満席 
   月2回(第2・第4の木・金曜日)会費3800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。
6.健康ヨガ教室  常時募集
 月3回(第1・2・3週の水曜日)会費3000円。ヨガポーズと呼吸法で心身をリラックス&リフレッシュ。高橋祐美子さんの指導のもと楽しんでいます。
7.パソコンサークル  講師:元横須賀総合高校情報科教員 梶山健一さん
 会員募集は、随時、内容や対象を設定しホームページ等でお知らせします。

○サークル活動の企画・運営を希望される方、歓迎します
 新しく教育会館主催のサークルの企画・運営を希望する方はご連絡ください。話し合いにより共通理解ができた場合は、協力してサークルを開設します。
 ホール・会議室を利用し自主的に行うサークルや教室も歓迎。
        (公財)横須賀三浦教育会館 046-824-0683


2018/ 2/24







教育相談室から

教育相談室写真  教育相談には様々な相談が寄せられます。最近は、不登校の相談が減り、代わりに子育ての悩みが多くなりました。
 その背景には、「家族のかたち」の多様化があるように思います。横須賀に米軍基地があるからなのか、外国籍の子や国際結婚により、両親のどちらかが外国籍という子どもが増えています。両親の離別や死別により、ひとり親家庭となった子どもたちが増え、それに伴う再婚家庭も増えています。様々な理由で両親の養育が受けられず、祖父母や叔父、叔母などの親戚に引き取られるケースや、両親がいなくなり、上の子が年の離れた兄弟姉妹の面倒を見ているケースもあります。
 ここのところ目立って増えているのは、祖父母や親戚による養育の悩みです。祖父母の場合、ある程度成長した子どもを受け入れる形が多いのですが、互いに受け入れるのに時間がかかり、手探りで、どうしたらいいのかを悩んでいるうちに問題行動を起こすようになって困って…ということが増えているように感じます。自分たちの老いや病など、自身のことで手いっぱいということも多く、心身両面で子どもの養育が重荷になっている様子が伺えます。
 そんな中でも、じっくり聞いているうちに、老夫婦二人きりの家に新風が吹き込んできたような子どもの存在は大きく、笑い声が響くようになったり、重いものを持って子どもが手助けしてくれたり、「じいじ、ばあば、大好き」と抱きつかれるといったストレートな愛情表現に、心の中に火がともったような温かい感動体験があります。今までとは違う、喜びや幸福感を味わえているという話を聞き子どもという存在の大きさに相談員が感動することもしばしばです。
 このようなケースは、信頼関係を徐々に構築し、何とか問題を乗り越えていけるようになって、相談もだんだんと疎遠になっていくように感じます。
 子育てはいつの日も手探りです。けれども、出会えたこと、一緒にいられること、笑い合えること、ともに暮らすことの中で、育ちあえる喜び、助け合える嬉しさ、心を分かち合える幸せを大切にしてほしいと願いながら、様々な悩みや悲しみ、苦しみの声に耳を傾けています。

2018/ 2/ 9







今こそ平和のために対話する社会を

 昨年は、世界が揺らぎテロ・分断・差別・格差・対立・圧力・核拡散・地球環境問題などの言葉が氾濫し人々の不安を駆り立てました。もちろん言葉だけではなく世界のテロ等が107件・世界の難民・避難民は6560万人を超え、イギリスのEU離脱、分離・独立運動、北朝鮮の核実験と弾道ミサイルの発射、アメリカのパリ協定からの離脱など現実の恐怖となっています。
 特に、アメリカは世界の民主主義国家のリーダーとして行動し多くの国から信頼と支持を集めてきました。ところが、トランプ大統領になってから「アメリカファースト」という力による言動は、世界を混乱させ国際社会から不信をかっています。アメリカ国内からも1月20日、大統領に対する大規模な抗議デモが全米各地で開催されました。人権が尊重される社会にとの訴えです。
 今、必要なことはなんでしょうか。岩波書店は次の言葉を述べています。
 「分断」と「壁」が、いつの間にか、時代の言葉になりました。「壁」の両側で人は「壁」を超えられず、越えようともせず、閉塞し、ただ感情的にお互いを罵りあっています。その対立は、ときとして、暴力や紛争を引き起こします。
 不足しているのは、対話です。コミュニケーションです。コミュニケーションは、言葉です。いま、圧倒的に足りないのは、言葉です。
 自分たちだけに通じる言葉ではなく、異なった国、異なった考え方、異なった価値観を持つ人びとと、壁を越えて話し合うこと、それが対話です。一方的な命令や通達やつぶやきではなく、お互いを尊重し、理解しあおうと言葉を交わすこと。それが対話です。
 紛争や内戦などで、いつも犠牲になるのは子どもたちと市民です。世界平和のため努力している市民もたくさんいます。何よりも世界のリーダーに全世界の国民の生存と安全を確保するため、力をつくしてほしいと思います。対話する社会こそが平和への道につながるのではないでしょうか。


2018/ 1/26







  新年あけましておめでとうございます
〜今年こそ、子どもの幸せと平和への道を〜

横須加三浦教育会館全景  昨年も、世界各地では戦争や紛争が起こりました。特に、アメリカと北朝鮮の感情的にお互いを罵りあう脅しの言動にはただあきれるばかりです。この対立は、取り返しのつかない戦争を引き起こす要因ともなります。欧米などでも難民受け入れ拒否が広がり、ますます憎しみが増大し、差別と分断、貧困の拡大がテロの要因となって混迷を深めました。
 一方、「核兵器の開発は、国家が偉大さの高みに上ることを意味しません。むしろ、この上なく暗い邪悪の深みに転落することを意味するのです。こうした兵器は必要悪ではありません。絶対悪なのです」──。昨年ノルウェー・オスロでのノーベル平和賞授賞式におけるサーロー節子さんの力強い演説が大きな話題と感動を呼びました。
 日本国憲法には、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し 、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とあり、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」と記されています。
 日本の来年の防衛費は過去最大5兆2551億円…6年連続増額とメディアが伝えています。現在、平和主義を言いながら、自衛の名のもとに軍事費の増額が図られている国があります。軍備増強が平和への道でしょうか。
 今年こそ、子どもたちが明るい夢と希望が持てる社会の実現、そして国際平和への道を着実に歩みたいものです。当会館は、平和と子どもの幸せを願い、地域から教育文化の発展に寄与できるよう努力したいと思います。本年もみなさまのご理解と協力をお願いいたします。

                 2018年1月
                (公財)横須賀三浦教育会館



2018/ 1/12







親と子の自然かんさつ会
〜観音崎公園で初冬の草花を探そう〜

 12月9日(土曜日)、親と子の自然かんさつ会を開催しました。講師は元校長で植物研究家の大前悦宏さん。冬の植物観察会という事で"枯野見"のことを思い出しました。この耳慣れない言葉はカレノミと読みます。江戸時代の人々は、初冬の良く晴れた日に枯野を見に行くという風雅な遊びを楽しんだとのこと。枯野に立ち、通り過ぎた季節とこれから訪れる季節を想像する…いまではすっかり忘れられてしまった行事です。
 9日は初冬の良く晴れた日でしたが風が強く身を縮めていると、「こんな寒い中、外に出てきただけで強い意志がありますね」と大前先生の言葉、その柔らかさに身も心もほっこり暖かくなりました。
 大前先生の植物観察会は、ただ話を聞いているだけではありません。
・ハマヒサカキのにおいをかいでみましょう。ガスのにおいがするでしょ。
・イロハモミジは、「いろはにほへと」と葉が七つに分かれています。数えてみましょう。
・ソテツの実は、水にさらすと毒が流れ、パンの生地として食べられるんです。
・タイワンホトトギスはいま実がいっぱいです。触ってみましょう。
においをかいだり、触ったり、花の作りを分解して調べたり、言い伝えや料理法の話まで…五感を働かせながら子どもたちに伝えていきます。保護者も熱心に質問していました。どんな質問にも的確で詳しい答えが返ってきて、その博識ぶりはまさに驚嘆です。
 観音崎の海岸植物は、知恵を働かせ、辛抱強く生き抜いていることがよくわかりました。植物に寄せる先生の温かいまなざしを子どもたちはしっかり受け止めたことと思います。

植物の知恵

○トネアザミ
虫が止まった時だけ花粉を出す省エネタイプ。
○ハマボッスの実
風速6メートル以上の風が吹くと種が外に飛びだしてくる。
             
○秋〜冬の花
虫が少ない時期なので、花の時期が長い。
○ボタンボウフウ
○ハマゼリ
葉を厚くし、草丈を低くして、波打ち際まで進出。







2017/12/22







3.11あの日を忘れない〜
東日本大震災の遺児に進学の道を!

3.11あの日を忘れない  2011年3月11日14時46分大震災が発生。大津波が襲い東京電力福島第一原子力発電所事故が追い打ちをかけ大災害となりました。その東日本大震災から2018年3月11日には7年が経過します。  一部復興はすすむものの解決の見通しがたっていない課題が山積しています。
 2017年10月12日現在、いまだ8万1866人が避難を強いられており、廃炉作業は延々と続いています。体調を崩す人、仕事を奪われいつ自宅に帰れるか見通しが立たない人や経済的理由から進学を断念する子もいます。
 東日本大震災については、最近メディアに取り上げられることも少なくなっています。しかし、3.11東日本大震災は忘れてはいけない現実問題です。
 当横須賀三浦教育会館は、「3.11あの日を忘れない東日本大震災」を思い起こし、東日本大震災による遺児の経済支援のため、引き続き桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への寄付を行うため、義援金箱を設置します。
 また、本年度は3月11(日)チャリティーコンサートとして、逗子市在住クラシック演奏家グループのコンチェルト・カメリアローズの出演による三浦半島にいきづく心のふるさと「童謡・愛唱歌コンサート」と三浦半島の水辺の自然に寄りそって第2回「辻功トンボ写真展」を3月10日(土)〜30日(金)まで開催します。みなさまのご理解と協力をお願いいたします。

2017/12/ 8







第6回 科学の鉄人によるサイエンスショー
〜自分でわかるなるほど浮力!!

 11月18日(土曜日)、科学の鉄人によるサイエンスショーが行われました。講師は、一色小学校の益田孝彦校長先生。常連のファンも多い中、早く実験を見たくてたまらない参加者と、たくさんのことを伝えたい益田先生の熱意が重なって、時間前に前座の実験をひとつ披露。ワイングラスを使った振動実験で早くも参加者の目をくぎ付けにしました。
 今回のテーマは『浮力』。「アルキメデスが気付いた浮力について、分かったふりをしないでアルキメデスと同じくらい分かっていこう」と益田先生。
 さあ、サイエンスショーの始まりです。会場は期待感に包まれます。

サイエンスショーの様子

 釣り合っている天秤の右側に、たくさんの空気を入れてつるしてみる。でも、天秤は動かない。なぜだろう?「これが分かっていくのが今日のサイエンスショーです」
 ボーリングの球(体積5424ml、重さ6600?)は水に沈む。浮く力はもらっているけど、自分の重さが6600?あるので浮けない。じゃあ、砂糖水に入れたらどうだろう?左のどのヒントがあれば正解が分かるか考えてみよう。


「間違えてもいいんだよ。間違えるという事は、よく覚えるという事につながっていくんだ」と励まされ、自信を持って自分の考えを決めていく。
 巧みな問いかけの言葉にスピード感ある実験、子どもたちは思考力をフル回転させながら食いついていきます。メモを取っている子、身を乗り出して手を挙げる子、「超すげえ」と声を上げる子、最後の「浮かんだヘリウム風船を沈めて見せる」実験では、思わず立ち上がり背伸びをしてのぞきこんでいました。
 実験が終了した後も、参加者はなかなか帰りません。先生の周りを取り囲み、実験器具を見つめる子、質問をする人、「来年もやってね」と声をかける子。
鉄人と参加者が一体化して、熱気あふれる楽しい時間を作り出していました。
科学の鉄人 サイエンスショー

2017/11/24









 2018年3月11日に「3.11あの日を忘れない・・・東日本大震災 遺児育英資金チャリティコンサート」を開催します。三浦半島にいきづく心のふるさと「童謡・愛唱歌コンサート」での演奏予定曲の「さくら貝の歌・真白き富士の根・めだかの学校・城ヶ島の雨・歌の町」の歌碑を訪ねました。

三浦半島にいきづく「童謡・愛唱歌の歌碑」を訪ねて 〜歌碑などに刻まれた想いは〜


(印刷用はこちらです)

2017/11/10







藤原真理チェロコンサートを終えて
〜藤原さんから学んだこと〜

第68回ふれあいコンサート 藤原真理チェロコンサート  10月15日、藤原さんは午前10時にお出でになり、ホールの会場セッティングについて納得いくまで工夫されました。従来、会館が使用してきたステージ台は使用せず、事前に送られてきた藤原さん特注のチェロ台をフロアの床に敷き、持参の椅子と譜面台を使用されました。チェロ台は厚く重い硬木でピン先の下に梁があり、その梁が直接床に接するようになっています。
 マイクをどのように置くかも演奏の妨げにならないように気を遣われ、譜面台の溝に置くことも十分ではなく、いろいろと検討した結果、譜面台の面を水平にしてタオルを敷くことで了承されました。
 演奏にあたっては、前面の両コーナーに衝立を2枚ずつ立てることで前に音が届くようにしました。譜めくりは、紙の音が鳴らないようにする指の使い方や濡れティッシュを指に巻いてめくると音がしないことを教わりました。
 チェロのエンドピンについては、藤原さんが外しての演奏を聴かせてくれました。今回の演奏会で、チェロ、その他の大型楽器におけるエンドピンについての認識が足りなかったことに気づかされました。チェロにおけるエンドピンは楽器を支え振動を床に伝え響きを増幅させる重要な役割を持つものです。種類は様々に増えて、エンドピンによって音が変わるという認識がチェロに携わる人たちに広くいきわたっているそうです。
 ステージの床が木製かリノリウム、コンクリート、カーペット、芝生などチェロ奏者にとっては対処に困る問題がたくさんあることも知りました。ホールの湿度についても指摘をいただき空調をドライにし調整しました。特に、弦楽器については湿度に気を配る必要性を再認識しました。
 会場はチェロの芳醇な調べに包まれ、満員の客席からは演奏者の姿が見えない状態だったため立って聴く人もいました。帰り際に、「すてきな音色で素晴らしかった」という声と多くの満足顔を目にしました。今後、藤原さんから教わったことを生かし、「ふれあいコンサート」の充実を図りたいと思います。

2017/10/27







三浦半島の海や山、自然を楽しもう!
 〜自然体験が子どもの心を育む〜

 現在の子どもは、テレビやゲームなどマスメディアとの接触が多くなる一方で、生活体験・自然体験が不足していると言われています。
 三浦半島は、海や山など豊かな自然に恵まれています。この海の魅力、山の魅力をできるだけ子どものときから多く体験したいものです。自然体験が豊富な子ほど、「道徳観・正義感」が身についている傾向が見られたという調査結果が出ています。また、魚や鳥、トンボ・バッタ、草花に触れる自然体験は五感を刺激し、好奇心を育み、感動を知り豊かな感受性の発達をうながします。自然現象に興味関心を持ち想像力を働かせることもできます。
 三浦半島に住む私たちは、どれほどこの恵まれた身近な自然に接しているでしょうか。横須賀で育った大人の方に、三浦半島の山に行った経験をたずねてみたところ、大楠山しか行っていないなど、意外と身近な自然に触れていないことが分かりました。子どもの問題は大人の問題です。大人の自然体験が不足しているため、子どもの自然体験が少ない要因となっています。
 そこで、三浦半島にある気軽に行け楽しめるハイキングコースを紹介します。好奇心を刺激する自然がたくさんあります。家族で、友だちと、おもいきって出かけてみませんか。気分爽快になり、明日への活力にもなります。
1、城ヶ島ハイキングコース 2、油壷ハイキングコース 3、大楠山ハイキングコース 4、荒崎ハイキングコース 5、武山ハイキングコース 7、仙元山ハイキングコース 8、二子山ハイキングコース 9、鷹取山ハイキングコース 10、披露山・浪子不動ハイキングコース
 当会館主催の「親と子の自然かんさつ会」は、12月9日(土)、観音崎公園およびその周辺において海岸植物を中心に森林を含めての植物観察と散策を行います。みなさまの参加をお待ちしています。詳細はチラシをご覧ください。







2017/10/13







工房Gを主宰する角野さんと仲間たち
   〜よみがえる三浦焼き〜

 三浦市の中学校美術教師だった角野さんは、体育祭での出場者紹介のアナウンスで、「角ジイこと角野先生を先頭に入場です」と言ったときみんながわっと沸いたことがきっかけで角ジイが愛称となりました。工房の名前は、この教師時代を懐かしんで当時の角ジイの愛称を使い工房Gと名づけたそうです。
 工房Gには、中学生から高齢者までいろいろな人がやってきて自分の好きな作品を作ります。「メンバーが好きなことを選択してやる」のが方針です。それぞれが陶芸や彫刻など独自の作品作りにとり組み仲間の絆も自然と深まります。好きな焼き物や彫刻などに取り組む穏やかで温かい角野さんの人柄も関係するのでしょうか、メンバーはみんな温厚で製作中も会話あり笑顔ありです。
 9月20日、角野さん自慢の工房Gを訪れました。三浦市初声の県道を海よりに入り奥まった所にあります。工房の後ろは小高くなっており、前は畑でサツマイモの葉がしげっていました。小さな山小屋風の建物は豊かな自然に囲まれ、角野さん自慢の窯があり二人の女性が製作中でした。木造りの太い梁が目立ち、棚には陶芸や彫刻など温かみのある作品が並んでいます。
 奥の棚には、三浦焼の素焼きの器が並んでいて、これから上薬を付け本焼きに入り完成させます。三浦市内の材料で製作する「三浦焼」は、完成の途中の段階でひび割れたり壊れたりして納得のいく作品を作るのは難しいようです。工房Gを開設し活動をはじめて8年、工夫を重ね技術は向上したと言います。仲間たちの作品も美しい色使いや独創的な形があり上達してきています。
 工房Gの第7回作品展は、10月16日(月)〜23日(月)の10:00〜18:00(初日13:00〜、最終日〜15:00)。入場無料。三浦市内で入手した材料を使って角野さんが復活させた 陶芸作品「三浦焼き」や彫刻作品など個性豊かな作品を展示。会場では一部作品をチャリティー販売。東日本大震災の遺児育英金として寄付します。多くの市民の方にご覧いただければ幸いです。












2017/ 9/22







三浦半島の「童謡・愛唱歌の歌碑」を訪ねて

 来年の3,11東日本大震災チャリティーコンサートのタイトルを「心のふるさと童謡・愛唱歌コンサート」にしようと考え、三浦半島に関係する童謡・愛唱歌にはどんな歌があるのか、興味が湧き調べてみました。歌が誕生する経過などが分かり、心に残る懐かしい歌や意外な歌があることも知ることができました。そこで、三浦半島にある童謡・愛唱歌の歌碑を訪ねてみました。

1 さくら貝の歌

 逗子市にある浪子不動(高養寺)下の小公園に、「さくら貝の歌」の歌碑があります。作曲者・八州秀章の作った短歌をモチーフにして、逗子町役場に勤める友人の土屋花情が、逗子海岸を歩きながら詩の構想を練り歌詞を書きました。昭和24年6月NHKラジオ歌謡として辻輝子の歌で初放送された後、岡本敦郎や倍賞千恵子などの歌手によって歌い継がれ親しまれてきました。

2 真白き富士の根

 海岸近くにある逗子開成学園の正門を入った右側に「真白き富士の根」の歌碑があります。真白き富士の根は、逗子開成中学校の生徒 12人を乗せたボートが転覆、全員死亡した事件を歌った歌謡曲です。「真白き富士の嶺」、「七里ヶ浜の哀歌」 とも呼ばれます。歌碑の前には、一本の折れたオールを象ったボート遭難を追悼する碑があり、事故(1910年1月23日)を物語っています。

3 めだかの学校

 横須賀市の三笠公園通りに童謡「めだかの学校」の歌碑があります。横須賀市汐入町出身の詩人,茶木滋が「めだかの学校」の作詞を手掛けたため、これを記念して建てられました。歌碑の脇にある説明を読むと、昭和21年(1946年)の春,茶木親子が小田原市郊外の小川を歩いていたとき、何気なく言った長男の言った言葉が浮かんできてヒントになり歌詞が生まれたと記されています。

4 城ヶ島の雨

 三浦市の城ヶ島に「城ヶ島の雨」の歌碑があります。北原白秋が生前に希望した「帆型の石が荒磯に突き差したように」を具現して建てられました。昭和24年7月10日建碑、高さ3m余、下太の帆型の根府川石で、城ヶ島の雨の一節の草書は白秋の自筆です。「城ヶ島の雨」は、大正2年に白秋が相州三崎の城ヶ島の前に住んでいた頃、芸術座音楽会のために舟唄として作ったものです。
 葉山町・横須賀市に住んでいた團伊玖磨氏の歌曲「花の街」は有名ですが、童謡「ぞうさん、おつかいありさん」を作曲したことは知りませんでした。これら、三浦半島には人々から愛され歌われてきた童謡・愛唱歌があることを再認識しました。






2017/ 9/ 8







夏、平和を願う
2017広島・長崎平和宣言…政府への要請

 核兵器のない世界平和は人類の願いです。今年の7月、国連では核保有国や核の傘の下にある国々を除く122か国の賛同を得て、核兵器禁止条約を採択し、核兵器廃絶に向かう明確な決意が示されました。これに対し、広島・長崎市長は平和宣言で次のように政府へ要請しました。
 日本政府には、「日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。」と明記している日本国憲法が掲げる平和主義を体現するためにも、核兵器禁止条約の締結促進を目指して核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい。

(8/6広島平和宣言、松井市長)
 核兵器のない世界を目指してリーダーシップをとり、核兵器を持つ国々と持たない国々の橋渡し役を務めると明言しているにも関わらず、核兵器禁止条約の交渉会議にさえ参加しない姿勢を、被爆地は到底理解できません。唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約への一日も早い参加を目指し、核の傘に依存する政策の見直しを進めてください。日本の参加を国際社会は待っています。
(8/9長崎平和宣言、田上市長)
 広島・長崎平和式典後に安部首相と面談した被爆者団体代表は、核兵器禁止条約に日本が署名しないことに憤り抗議しました。
 元衆院議長の河野洋平氏は、神奈川新聞のインタビューに応じ、集団的自衛権の行使容認に転じ、憲法9条の改正を提唱するなど対米追従を強める安倍政権の安全保障政策に対し危機感を募らせ、「国民に寄り添わず自分のやりたいことをする政権という印象だ。4年も5年も国民の希望や期待とかけ離れた政治が行われ、国民にとって実に不幸なことだ」と、政権運営や外交政策を批判しました。
 河野氏ばかりではなく、憲法の平和主義を軽んじる政府の姿勢に多くの国民が不安と危機を感じているのではないでしょうか。子どもたちの未来と幸せを思い、平和への道を歩むことを願うばかりです。

2017広島・長崎平和宣言











2017/ 8/25







夏休みの短縮を考える2

 吉田町の浅井教育長は、2020年度に実施される指導要領では、小学校中学年で「外国語活動」、高学年で「英語」が導入されることもあり、授業時数が今と比べて年35時間増える。どこで捻出するか検討した結果、夏休みを短縮することにしたそうです。また、来年度から16日間に短縮することについて、「教員は授業に専念でき、子どもは確かな学力を身につけ、母親は働きやすくなる」と、メリットを強調しています。
 このような結果になれば改革の成果と言えます。ただ、行政の発想により、ゆとり教育になったり二学期制になったり学校や子どもが振り回されたことから危惧されます。夏休みの短縮については、子どもと接する教育関係者や保護者などから多くの疑問や反対意見があります。

*教室にエアコンを入れても登下校や室外の授業などで炎天下に身をさらされる。全国に先駆けて教室へエアコン導入や夏休みの短縮が行われた東京都葛飾区では、現在、学校の夏休みは8月31日までとなっている。  *子どもはきっと短縮になったら嫌だよね。親は大変だろうけど、ちょっと無理してでも貴重な体験と思い出を作るためがんばってほしい。
*1日当たりの授業時間数を減らしても教員の帰宅時間は早まらない。夏休みの授業日数が増えた分だけ負担がかえって増える。
 ある教師は、「短縮しなくても良いように、指導要領の内容を減らしてほしい」「休みたい、そして子どもたちを休ませたい」という思いを述べています。日常的に教師も子どもも忙しい生活を送っているからです。新学習指導要領で授業数も内容も増えるのに教員を増やさないことには無理があります。夏休みの短縮が、教員や保護者・子どもの意見が尊重されることなく実施されたならば、結局は子どもと教員が犠牲になるのではないでしょうか。

*夏の公益事業「貝のろうそくたて」を作ろう? 8月7日横須賀三浦教育会館 *夏の公益事業「貝のろうそくたて」を作ろう!! 8月7日横須賀三浦教育会館



2017/ 8/11







夏休みの短縮を考える1

 学校の夏休みを短縮する地域があります。三浦半島の横須賀市は(7/21〜8/29)、三浦市(7/21〜8/30)、逗子市と葉山町(7/21〜8/31)です。授業時間が足りないというのが主な理由のようです。
 静岡県吉田町は、小中学校の夏休みを2017年度は24日だが、2018年度は16日程度に短縮する方針を決めました。教員の多忙化を解消し、授業の準備時間などを確保することで質の高い教育を提供するのが目的です。夏休みを中心に長期休業を大幅に減らして授業日数を増やし、1日当たりの授業時間を減らすのが特徴です。これには、様々な賛否の意見がでています。

〇賛成の意見(静岡新聞7/15)
「夏休みも子どもは部活動などで学校に行くので、短縮されても生活にそんなに変わらないのでは。学習環境が整ったり、教員の多忙化が軽減するなら反対しない」「今の子供は宿題が多い。週休2日制になり、普段のゆとりが失われているのではないか。授業日数を増やし、ゆとりを持って教えてもらう方がよい」「英語やITなど教えることが増え、先生が忙しいのは分かる。吉田町の改革がどうなるか楽しみ」
〇反対の意見(朝日新聞7/2)
「…学校は、本来子どものためのものではないか。教員の負担軽減は別のかたちで実現してほしい。また、学力向上というが、子どもに必要なのは机上の学習だけだろうか。息子は自由研究でバッタを研究したいと言っている。もし夏休みが10日しかなかったら、一体どれだけ成果が出せるだろう。長い休みにしかできないことを存分に体験させたい。子どものためを思うと吉田町に引越ししたいとは思えない」
 夏休みの短縮は、ほんとうに子どものためになるのでしょうか。「過労死ライン」に達している教員の時間外勤務(小学校約3割、中学校約6割)は解消されるのでしょうか。みんなで考えたい課題です。



2017/ 7/28







楽しみな小学生の夏休み

 夏休みになると、子どもたちは学校から解放されのびのびとした気分になります。一方、保護者からは子どもが一日じゅう家にいて食事の準備など世話をするため「夏休みはない方がいい、長くてうんざり」という声を耳にすることがあります。過ぎてしまえばあっという間の大切な期間です。
 夏休みは、高温多湿な時期に子どもを学校の計画的な授業などから解放し、心身に休養を与えるために設けられています。また、子どもが長期間の休業日を活用し、学校ではできない好きなことに没頭したり、自然体験・社会体験などをしたりする良い機会ともなっています。勉強は午前中の涼しい時間にすませ、午後からは友だちと遊んだり好きなことに取り組んだりして自由な時間を楽しんでほしいと思います。
 夏休みの間、ずっと任せられる簡単なお手伝いをひとつ決めて任せることも責任をもつ機会となり有益ではないでしょうか。子どもが4・5・6年生の夏休みに弁当の作り方を教えたという方の話が印象に残っています。指導したときは時間がかかり大変だったようですが、栄養や嗜好を考えての弁当作りは、献立を考え調理し彩りよく盛り付けるなど、子どもにとって確かな生活力をつけたこととなり大きな成長となったようです。
 3年生のときに洗濯物の畳み方を教えました。小さいうちに教えたことは習慣化してしまえば、あとで「やりなさい!」と口うるさく言う必要がなくなります。今は時間がかかっても後のために時間をかけて体得させたいものです。という示唆に富んだ話を耳にしました。親子で触れ合いつつ教え体験させ身につけさせることも大切です。
 夏休みは学校のように日課表がないため、生活のリズムが崩れやすくなります。子どもには自分でよく考えて日課表を作り、親と確認し有意義に過ごしてほしいと思います。夏休みも健康と安全が第一です。交通事故や危険な水遊びにより不慮の事故にあわないよう家族で話し合い思い出に残る楽しい夏休みにしてください。


2017/ 7/14







あきれるばかりの政府答弁

 加計学園に関する内閣府からの「官邸の最高レベルが言っている」などの文書について、官房長官は出所不明の「怪文書」と言い切り、存在を認めた前文科省事務次官を個人攻撃。文科省幹部は、名前をあげての質問に「いま名前を挙げていただいた人と同性同名の職員はいた」と答え、大臣は「出どころ、入手経路が明らかでない場合は内容の確認はできない」と拒んできました。副大臣にいたっては、「内部告発は守秘義務違反」と告発者を脅すような発言。
 さらに、首相までが質問に対し真摯に正面から答えず、「くだらない質問」「いい加減なことを言うな」と自席からヤジ。これには情けない気分にさせられました。NHKの世論調査でも、政府の説明に納得できるか聞いたところ、「納得できる」が25%、「納得できない」が65%の結果です。
 一転、文科省は文書の存在は認めたものの、その内容について内閣府が認めずに国会が閉じられました。「共謀罪」法についても、国民が納得する議論もなく異例の強行採決で成立。政府の情報公開に対する後ろ向きな姿勢と異論に耳を貸さない答弁を見ても、あきれ、驚き不信が募るばかりでした。これら強権政治は民主主義の崩壊です。
 首相は通常国会が閉会後、「深く反省、今後も国民に丁寧に分かるよう説明していきたい」と何回も聞いたことがある言葉を述べました。今回もその場しのぎの口先だけでしょうか。本当に反省するならば、証人喚問などに応じ事実を明らかにし審議を深めるべきです。
 憲法第15条(2)「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」とあります。政府は、透明性と公平性を基本に世論や異論に耳を傾け、情報公開をすすめ、国民が納得できるよう誠実に答える義務があります。
 政府と国会こそが、民主主義の範を示してほしいものです。

2017/ 6/23







「ふれあいコンサート」の座席とマナーについて

 ふれあいコンサートを支援していただいている方から、貴重な指摘をいただきましたので要約してご紹介します。
〇ピアノコンサートだし、なるべく前の席に着きたいと思って早めに会場に着き、どうにか希望の席に座れそうと思ったら、お子様用の表示があり座われませんでした。ところが、開演時間が近づき、もう子どもが来ないと判断したスタッフの方が子ども用スペースを開放し、ずっと後からきた人がその特等席に座っちゃいました。それはないでしょう、と憤慨した気持ちを分かってください。不公平です。
 「子どもスペース」を設けたのは、小さい身体では見えないからでしょうか。 親が子どもを連れてきて早く待っているのがフェアではないでしょうか。それとも、このようなことが子どもの権利を守ってあげるパフォーマンスとお考えですか。今回のような出来事は結果的に偽善ともとられかねません。ご一考をお願いいたします。
〇演奏中の「音楽に合わせた首振り」をぜひ事前に注意していただけませんか。たとえ遠くであっても目の片隅にでもいったん入ると、人間って不思議なもので気になります。ご自分は陶酔してついとか、よく知っている曲だからなど、無意識かもしれませんが他人にはたいへん迷惑です。許せる場面はみんなで歌いましょう的な観客参加型の時間ではないでしょうか。コンサートは自分一人のものではありません。

*席の件で憤慨された気持ちはよく分かります。子ども席は、子どもの時から生の音楽に親しんでほしいという願いから設けたものです。パフォーマンスのためではないことをご理解いただければ幸いです。マナーについては同感です。コンサート(クラッシック)のマナーとは、一言でいえば「人に迷惑をかけないで楽しむ」ことだと思います。ご協力をお願いします。
宮谷理香「音楽の玉手箱」2017/5/14

宮谷理香「音楽の玉手箱」2017/5/14


2017/ 6/ 9







教育会館ふれあいコンサート、市民の協力により発展
2017年度は会員増、エアコン改修による騒音改善

第68回「教育会館ふれあいコンサート」藤原真理(チェロ) 教育会館ふれあいコンサートは、早くも14年目を迎えています。当初は、市民の方に身近で生の音楽を気軽に楽しんでいただきたいという思いから始めました。なんとか3年ほど続けることができたとき、企画・運営の難しさを実感し鑑賞者が少なくならないうちに終了を考えました。しかし、何人かの市民から「楽しみにしているので、是非コンサートを続けてほしい」との励ましの声があり今日に至りました。
             (*10月15日「藤原真理チェロコンサート」)
 コンサートは、まず、鑑賞者が充分に集まらないと財政的な不足や会場の盛り上がりにも欠けてしまいます。2017年度の会員は、多くの方のご理解により147名と大幅に増えました。会場のホールでは、エアコンの騒音が問題だったため、「演奏中は切ります」とお願いするしかありませんでした。この騒音対策として1年間あまり検討を重ね、3月から4月にかけてエアコン機器を更新し、その周辺に吸音材を貼り付けるなどして改修しました。その結果、5月21日の宮谷理香ピアノリサイタルではエアコンを入れて開催することができほっとしたところです。そのときの感想を紹介いたします。
「どの曲目も、一つの曲の中で繊細さと共に力強さ、大胆さなどが織りなす素晴らしい演奏でした。アンコールの「トルコ行進曲・ジャズ」もまた一味違った名演奏で素晴らしかったです。また、宮谷さんの様々な興味深い話とともに演奏会が進められたのでクラシックにより親しみが感じられ、楽しく、時間のたつのが早かったです。帰りに、娘もとてもよかったと話していましたが、親子ともどもいい午後のひと時を過ごさせていただきました」
 現在、「教育会館ふれあいコンサート」は、その名の通り身近で演奏者とふれあい、家族や知人ともふれあい、市民が気軽に生の音楽を楽しむ場になっています。今、すばらしいコンサートは、演奏者、鑑賞者、企画・運営する者が一体となり創造するものと実感しています。ご協力に感謝いたします。

2017/ 5/26







子どもの声にもっと耳を傾けたい

 先日、朝日新聞(5/5)に小学生が投稿した「先生の優しさ、次は私が」という声が目にとまりました。
 「私のたん任の先生は優しいし、教えるのもうまい、とても良い先生です。私が悩みを相談するとしっかり聞いてくれました。本当に、すごくうれしかったです。一度、先生の前で泣いてしまったことがありました。私が泣いて話せなくても先生は「どうしたの?」ってせなかをさすってくれました。なんだかホットしました。先生はおこるとこわいけど、でもみんなをホットさせてくれるような人で、私は大好きです…」
 子どもの素直な声から、改めて教師のありようを学んだような気がします。
 第一は、子どもに優しく共感できる教師です。
 子どもは、先生を優しく大好きと言っています。普段から子どもに気を使い寄り添っているから子どもの状況を把握できるのだと思います。「悩みを相談するとしっかり聞いてくれました」という言葉からも、子どもの心を受けとめ共感する教師の姿勢が感じられ、子どもが先生を信頼しているのが分かります。
 第二は、向上心があり力量のある教師です。
 子どもが教えるのがうまいと言っています。きっと、子どもの実態に合わせて分かるように教え、子どもは授業を理解し分かる楽しさや満足感を得ているからでしょう。先生は、向上心があり授業の準備や研修にも努力されていると思います。ある教師は、1日11時間どころか土日の出勤も珍しくないといいます。過労死が言われる勤務でも教材研究や準備の時間確保は難しいようです。
 第三は、豊かな社会性のある教師です。
 教育は社会的なものです。保護者や職員はもとより地域社会の協力が必要です。いろいろな方と連携できる社会性が求められます。
 以上の三点は、すべての大人に求められているものかもしれません。まず、子どもの声にじっと耳を傾けられるようになりたいものです。

2017/ 5/12







「教育勅語」問題と政治

「森友学園」問題で教育勅語がクローズアップされました。幼稚園児が教育勅語を無邪気な声で唱和する姿を見て衝撃を受け、改めて教育勅語に関心を持った人も多くいるのではないでしょうか。日本は、天皇を中心とした神の国だから教育勅語を教えてもいいという人もいます。籠池理事長も、園児に向かって「みんな天皇の子ども」だと言っていました。
 しかし、幼稚園も教育基本法1条に定められた学校です。教育基本法を守る義務があります。教育基本法には、「日本国憲法の精神にのっとり」「民主的な国家」の形成者をつくることを目的とするとあります。教育勅語の内容は、国民を天皇の「忠実な臣民」とみなし、何かあったら「皇室の運命を助ける」ことを国民の義務としいて、国民主権を柱とした憲法の精神にのっとっていないことは明らかです。すでに、衆参両院では、「基本人権を損ない、国際的信義に対して疑いを残す」として、教育勅語の排除・失効の確認がされています。
 にもかかわらず、稲田防衛大臣は、「教育勅語の精神である親孝行など、核の部分は取り戻すべきだと考えており、道義国家を目指すべきだという考えに変わりはない」と述べてきました。内閣は、教育勅語について、「憲法や教育基本法に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」との見解を示しました。
 最近の大臣の発言からは、教育勅語を否定するどころか擁護するように聞こえてきます。義家文部科学副大臣の、幼稚園など教育現場の毎日の朝礼で子どもたちが教育勅語を朗読することについて、「教育基本法に反しない限りは問題のない行為であろうと思います」との国会答弁には論外で驚きました。教育は真理を追究するところでもあり、時の政権の都合で左右されるものではありません。政治家は一方的な教育内容への介入をするより、日本国憲法を熟読し、子どもの未来のため劣悪な教育環境の改善に全力をつくすべきです。

 日本国憲法:第99条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ


2017/ 4/28







「森友学園」問題で最も驚いたこと

 豊中市の国有地売却問題で、交渉記録の有無を質問された理財局長は「行政文書管理規則で保存期間は1年未満とされている。契約締結事案は終わり廃棄した」と答えました。これには驚きました。保存期間が1年未満なら締結されれば1日でも廃棄してよいことになります。その後の説明でも9億円が1億円になった経過が明らかにならず、多くの国民が納得していません。
 大切な国民の財産を売却するのには、公平性と情報公開が必要です。交渉記録が残っていることは、多くの行政経験者が述べています。国民の不信を払拭するためにも交渉記録を明らかにし説明してほしいものです。また、国民の信頼に応えられるよう行政文書管理規則を早急に見直すべきです。
 最も驚いたのは、事件が報じられてから流れた塚本幼稚園の動画です。子どもたちが「教育勅語」を唱和する姿には衝撃を受けました。さらに驚いたのは、園児たちが運動会の宣誓で「日本国を悪者として扱っている中国、韓国が、心を改め、歴史教科書でうそを教えないよう、お願いいたします」と唱えていることです。これには、戦前の教育を思い恐怖を覚えました。
 首相夫人は、何回も塚本幼稚園を訪問し教育方針に共感していました。講演では、この幼稚園で培われた芯が、公立小学校へ行って損なわれてしまう危険がある、だから「瑞穂の国記念小学校」が必要だという旨の発言をしています。名誉校長にも就いていました。首相も、当初は塚本幼稚園の教育は素晴らしいと発言していました。教育方針に賛同していたからではないでしょうか。
 「森友学園」問題は、大阪府と私学審議会が「瑞穂の国記念小学校」を認可しようとした経過や、事件に関連して名前が挙がった人たちを見ると、政権の中枢にある政治家、官僚、学校法人が、ある偏ったイデオロギー教育を実践する学校をつくろうとしたとの指摘があります。とても恐ろしいことです。

2017/ 4/14







地域社会から、原発避難いじめをなくすために…

 東京電力福島第一原発事故から6年が過ぎました。事故で各地に避難した人がいじめを受けた実態が明らかになりマスコミで報道されてきました。なぜ、原発避難のいじめが起きるのでしょうか。
 子どものいじめについて、大きく取り上げられたのは中学1年の男子生徒のケースです。横浜市の小学校に転校してきた2年生のときから名前に「菌」をつけて呼ばれるいじめを受けていました。さらに、「賠償金があるだろう」といわれ、ゲームセンターで遊ぶ金額を支払わされていたことなどに対する、学校や行政の対応が問題となりました。
 原発避難いじめが、あれほど問題となったにもかかわらず、原発事故で自主避難してきた新潟市の小学4年生が、担任の教師から名前に「菌」を付けて呼ばれ学校を休んでいることが報道されました。これには言葉もありません。避難してきた家族と子どもがどんな気持ちで生活しているかを思い、子どもに寄り添った言動が必要なことは当然といえます。
 子どもの問題は、大人社会の反映と言われます。福島県から避難してきたというだけで、「放射線に汚染されていて放射線が人から人にうつる」「自主避難者が多額の賠償金をもらっている」など、原発被災地に対する偏見や放射能に対する誤解が主な要因です。いじめは大人が発した言動が背景となっていると思われます。学校や地域社会は、いじめをなくすための体制をつくり子どもを見守っていきたいものです。

2016年度、遺児育英資金カンパ223,000円送付

 当会館は、東日本大震災による遺児・孤児の経済支援のため、10年間、桃・柿育英会に寄付を行うことを決め募金活動に取り組んできています。2016年度は、チャリティーコンサート・工房G展などを開催した結果、223,000円の遺児育英資金を送ることができました。みなさまの温かいご理解と協力に感謝申し上げます。

2017/ 3/24







 2017年度 会員募集!サークル活動・教室を楽しんでみませんか










(リトピュアリトミック)

 教育会館主催のサークル活動で、楽しみながら仲間と学ぶ市民の方がふえています。2017年度になり会員募集するサークルもあります。気持ちを新たに教育会館のサークル活動・教室に参加してみませんか。なお、市民が主催するサークル活動も活発に行われています。ホールや会議室は、どなたでも利用できます。

1、0歳(2か月)から3歳までのリトピュアリトミック教室  常時募集
   0歳児から音楽に親しむことで、絶対音感、リズム感、集中力、コミュニケーション能力などぐんぐん育ちます。ママにとっては楽しく癒しの時間になります。指導は佐野享子先生です。
   問い合わせ・申し込みは090-4421-3476(佐野享子)

2、童謡・愛唱歌を楽しむ会  現在満席
   月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師だった浦ア陽子さんの指導により毎回40名以上の会員が和気あいあい童謡や愛唱歌を楽しんでいます。

3、「大人のリコーダー」サークル  2017年度会員募集
   月2回(第1と第3水曜日)会費1000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導により練習し、リコーダーの楽しさ豊かな表現力を味わいます。練習ではアルトリコーダーを中心に行います。初回は5月17日(水)

4、「大人のフルート」サークル  2017年度会員募集
   月2回(第1・第3火曜日)会費3000円。野上修一さんの指導により、Aは初めての方のサークルです。Bのアドバンスサークルは、吹いた経験のある方のサークルです。初回は5月2日(火)

5、大人のピアノ教室 現在満席
  月2回(第2・第4の木・金曜日)会費3800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。


  ○ サークル活動の企画・運営を希望される方、歓迎します
新しく教育会館主催のサークルの企画・運営を希望する方はご連絡ください。話し合いにより共通理解ができた場合は、協力してサークルを開設します。
ホール・会議室を利用し自主的に行うサークルや教室も歓迎。

(公財)横須賀三浦教育会館 046-824-0683

2017/ 3/10








  教育相談室へのうれしい便り
保護者・学校・病院・教育相談室の連携

 先日、2年半くらい前に、来室相談にかかったという保護者の方から、お手紙をいただきました。その方は、お子さんが中学校に入学して2か月くらいで、始終体調の不良を訴えるようになり、学校に行けなくなったということで、相談に来られたのでした。病院に行って診てもらったりもしたのですが、特に悪いところはないと言われ、本人はもちろん、親子で苦しい思いをされていました。
 A病院では小児科と、同科の心理相談室が連携して、医療と心理の両面から回復を支援してくれるので、そこで受診してはどうかと勧めました。高次医療の総合病院で医師の紹介状が必要なのですが、その病院は並行して心理相談室にかかる場合、校長先生の紹介状でも良いと聞いていたので、校長先生に相談して紹介状をいただくように勧めました。お子さんの中学校の校長先生は快く紹介状を書いてくださったばかりか、こちらの教育相談室にもすぐ連絡をくださり、病院とも継続的に連携して対応してくださいました。
 お手紙には、「校長先生をはじめ、学年主任、担任の先生、相談員さん等、校内でも多くの方々が温かく見守ってくださいました。教室に入れないときには、そういう子の居場所となっているお部屋で過ごさせてくださり、2年間苦しい時間でもあったけれど、自分で行きたい学校が決められ、入学が決まって安心したのか、素直な笑顔が見られるようになりました。」と、結ばれていました。
 学校に行けない子どもたちは、それぞれいろいろな要因があって、心身のエネルギーが減ってしまい、気持ちはあっても動けなくなってしまっています。心身のエネルギーを蓄えて、動き出せるようになったら動き出せばいい。いろいろな人ができる支援をしながら、長い目で見ていけば、必ず長い夜が明けるように、光が差してくると思います。
 このケースも本人の気持ちと親御さんの必死の願いがうまく伝わり合い、時間はかかりましたが、医教連携で明るい光が差してきたのを感じられます。
 春の訪れのようなうれしいお手紙でした。

2017/ 2/24








  3.11東日本大震災…チャリティーコンサート
城北小・衣笠中出身「渡邊達徳ヴァイオリンリサイタル」

 

 3月11日には、東日本大震災から6年になります。今も5万人以上が避難を強いら れており、廃炉作業は延々と続いています。仕事を奪われ、いつ自宅に帰れるか見通しが立たないため自殺する人や経済的理由から進学を断念する子もいます。3.11は忘れてはいけない現実問題です。
 当会館は、「3.11あの日を忘れない東日本大震災」を思い起こし、東日本大震災に よる遺児?孤児の経済支援のため、桃?柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への寄付を10年間行うことを決め募金活動に取り組んできています。
 本年度は、3月4(土)にチャリティーコンサートとして「渡邊達徳ヴァイオリンリサイタル」を開催します。横須賀市出身(城北小・衣笠中卒)の渡邊達徳さんは、ヴァイオリン奏者としてソロや室内楽、オーケストラ、メディアに出演するなど忙しく活躍されています。今回、出演いただく機会に次の点を伺いました。
1ヴァイオリンをはじめたのはいつ頃ですか。そのきっかけは何ですか。
 7歳です。母に連れられて行った教室でヴァイオリンの音を聴き、「自分もこんな音を出したい」と思いヴァイオリンを始めました。
2今回のチャリティーコンサート出演は、どんなお気持ちでしょうか。
 震災時は横須賀にいました。追浜から自宅まで歩いて帰ったのを覚えています。  今回チャリティーコンサートということで、「花は咲く」「ひまわり」など復興に因んだ曲を演奏することで、東日本大震災の記憶を次に伝えていければと思います。
3音楽に対する子どもたちへの思いはいかがでしょうか。
 子どもが大好きで、子ども向けコンサートに多数出演したり、先生としてヴァイオリンを教えたりしています。このコンサートに親子でお出でいただき、楽しい思い出を作っていただければ嬉しいです。


2017/ 2/10








子どもの未来のため、まず教職員増を!
   教師の多くは、過労死ライン越えの勤務

 

 広告大手の電通に勤務していた新入社員(当時24歳)の高橋まつりさんが自殺した問題では、三田労基署が「仕事量が著しく増加し、時間外労働も大幅に増える状況になった」と認定し、心理的負荷による精神障害で過労自殺に至ったと結論付けました。政府が公表した残業の「過労死ライン」は80時間超、それをも大きく上回っていました。
 子どもの教育と未来に影響を与える教師の勤務も多忙で過酷です。「連合総研」の調査によれば、週に60 時間以上働く小学校教諭の割合が72,9%、中学校教諭の割合が86.9%となっています。医師や建設業など他の業種より高い割合となっています。これは、ほとんどの教師が「過労死ライン」を超える残業を行っていることになります。
 文部科学大臣は、業務改善の重点モデル地域を指定する。部活動に休養日を設けるなど負担を減らす。業務改善を助言するアドバイザーを派遣するなどの負担軽減策を打ちだしています。しかし、これで学校現場が改善されるのでしょうか。とても抜本的な改善策とは思えません。
 教職員や保護者が、豊かな学びを保証するため、早急な全学年での35人以下学級の実現や少人数学習の拡充、計画的な教職員定数改善を求めて、毎年、教育予算要求署名を行ってきています。これは、子どもの未来のため教育を大切にしてほしいという強い願いからです。中央教育審議会答申も、子どもを大切にした環境づくりのため人的な条件整備がいっそう必要と述べています。
 日本は、教育への公的支出がGDPに占める割合が、先進国の中で最低水準のままです。教師の多忙化は、子どもに悪影響を与え教育の質の低下にも繋がっています。この実態を直視し、政府が発想の転換を図り、子どもの未来を希望あるものにするため、なんとしても、教職員増を図ってほしいものです。


2017/ 1/27








明けましておめでとうございます 本年もよろしくお願いいたします





横須賀三浦教育会館
 当会館は、三浦半島地区の住民及び教育関係者の教養を高め、その生活と福祉の増進を図り、地域の教育文化の振興発展に寄与することを目的に設立されました。この目的を達成するため、「児童又は青少年の健全な育成に関する事業」「地域の教育、文化及びスポーツの振興に関する事業」「教育及び文化活動を支援する施設貸与に関する事業」などを行っています。
 ホールや会議室は市民の方々に貸し出しています。諸会議、軽運動、コンサート、美術展など、安心してご利用できます。
 2010年12月から公益財団法人横須賀三浦教育会館となり6年が過ぎました。そ の間、市民参加による公益事業の充実を図ってきました。特に、幼児による「リトミック教室」や「にこにこ親子クラブ」、大人の「フルートサークル」「リコーダーサークル」「童謡・愛唱歌を楽しむ会」などのサークル活動は、幼児からお年寄りまで参加し、市民の自主的な運営により活発に行われ参加者も増え好評を得ています。また、教育会館ふれあいコンサートは、市民の方々に生の音楽を身近で楽しんでいただくため、2004年度から発足いたしました。現在、「ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏者とふれあい、家族や友だちとも気軽に楽しむ場となっています。
 会館には三浦半島地区教職員組合・三浦半島地区校長教頭組合協議会(横須賀市立学校管理職組合)・横須賀市PTA協議会・横須賀市私立幼稚園協会の事務所が置かれ、三浦半島地区教育文化研究所が設置されています。それぞれの団体は、会館を拠点に子どもの幸せを求めて活動し成果を挙げています。
 今後も平和と子どもの幸せを願い、市民の発想と行動力に期待した公益事業の充実をはかり、より親しまれる教育会館として発展したいと思います。どうぞ、本年もよろしくお願いいたします。


2017/ 1/ 9








東京五輪…アスリートファーストという言葉に違和感
〜税金の使い方は、国民のために〜

 

 オリンピック会場問題では、「アスリートファースト」「レガシー」の言葉が頻繁に使われ違和感を覚えました。特に、金メダリストA氏の「客席と深さが足りないので辰巳じゃできない」、元JOC職員でスポーツコンサルタントB氏の「五輪は平和のためにやるのだからお金はいくら使ってもいい」の発言には本当に驚かされました。
 会場問題からオリンピックによる税金の使われ方に国民の関心が寄せられ、アスリートファーストの掛け声のもとに多額の税金が使われることに疑問の声も聞かれるようになりました。「新会場よりも教育や福祉に」と、声高に叫ばなくとも日常の生活に困っている国民が多くいるからです。
 いまだにプレハブの仮設住宅などで不自由な生活を強いられている人、低賃金と人手不足でも頑張っている保育士や介護職員など、経済的理由から進学を断念する青年、年金では生活できないお年寄りのことなどを想像できれば、「今ある施設を十分に使いこなしてください。もっと税金の重みを考えて使ってください」。これらは当然の意見だと思います。
 それでも、東京五輪組織委員会や国内外の競技団体の多くが「選手のため」「レガシーを残すため」と訴え、当初の計画通り新会場をつくるべきだと主張しました。なかには激高する有名会長も。そんな中で女子マラソン五輪メダリスト有森裕子さんの意見は納得できるものでした。一部を紹介いたします。
 「五輪は、あくまで社会の中で開催されるスポーツの祭典。そうした観点から、東京大会は「社会ファースト」で行われるべきです。競技場は既存のもので使えるものがあれば、使えばいい。新しい箱ものが、必ずしもレガシーになるわけではない。膨張した予算のツケは、いずれ国民に回ってくるのです」
 当初の約2.4倍の1.8兆円ともいわれる東京五輪・パラリンピック予算、杜撰な見積もりと経費の使い方、東京五輪組織委員会の事務所費が2020年までに30億円超えるという金銭感覚、日本は膨大な借金国です。これ以上、無責任に国民の負担を増やし子どもたちに借金を残してほしくないものです。


2016/12/23








2017年度教育会館ふれあいコンサート会員募集!
〜ご希望の方はお早めに申し込みを〜

 

 2016年度の「教育会館ふれあいコンサート」は、4回とも満席で楽しんでいただくことができました。演奏者と鑑賞された方々のご協力に感謝いたします。
 昨年度の第1回「山形由美フルートリサイタル」では、会員募集と予約が重なり希望者が多かったため、会員申し込みをお断りしなければなりませんでした。
 つきましては、2017年度会員ご希望の方はお早めに申し込みをお願いいたします。会員募集は2017年3月31日締め切り定員になり次第終了させていただきます。4月3日からは、4月23日に開催する2017年度第1回「山形由美(フルート)&山宮るり子(ハープ)が贈る珠玉のデュオ」の予約を受け付けます。
 11月27日に開催した第65回教育会館ふれあいコンサート、NHK交響楽団の名手が奏でるクラリネット(松本健司)&チェロ(藤村俊介)も数日で売り切れになりました。魅力ある出演者と市民の方の関心の高さによるものと思います。当日いただいた感想をご紹介します。

*すごくいい席で聞いていて、チェロは気持ちの良い音でした。クラリネットもとてもきれいな音でした。ピアノの人の指の動きがとてもなめらかでびっくりしました。私もピアノを習っているので、大人になったら同じようにできたらいいなと思いました。すてきな音楽をありがとう。
*クラリネット、チェロ、ピアノの全てが素晴らしかったです。トークも素晴らしく人柄の良さがあふれ出ていて、なじみのある曲もない曲も全て心地よく聴けました。
 教育会館ふれあいコンサートは、演奏の合間にちょっとしたトークが入り、それぞれ出演者の貴重な経験談や楽器説明などを聞くことができます。音楽家の豊かな人柄にも触れることができ心地よい時間を過ごすことができます。

松本健司・藤村俊介 デュオコンサート


2016/12/ 9








原発避難先いじめ…手記を読んで

 

 福島第一原発事故により福島県から横浜市に避難してきた中学1年生の生徒がいじめを受け不登校になった問題を報道で知りました。
 「ばいきんあつかいされて、ほうしゃのうだとおもっていつもつらかった。福島の人はいじめられるとおもった。なにもていこうできなかった」「いままでなんかいも死のうとおもった。でも、しんさいでいっぱい死んだからつらいけどぼくはいきるときめた」
 この手記に多くの人が胸を痛めました。手記の公表については弁護士がためらったけど、他の子の励みになればと生徒が公表を求めたそうです。自分がつらく痛んでいるのにもかかわらず、同じ境遇の子を思う優しさと勇気がいっそう心に響きました。
 横浜市教育委員会が設置した第三者委員会の報告書では、生徒は転校した直後の小学校2年生の時に名前にばい菌の「菌」を付けて呼ばれるなど学校内でいじめがあったと認定。また、生徒は5年生の時に「賠償金をもらっているだろう」と言われ、遊ぶ金として5万円から10万円を合わせて10回ほど払わされたと認定。学校と教育委員会に対しては、「…学校教育を行うものとしての見識を疑う。教育の放棄に等しい」ときびしく非難しています。
 転校生を受け入れた学校では、教職員が原発事故で避難しなければならなかった意味をきちんと学習し、子どもに教えなかったのでしょうか。周りの大人たちはどうだったでしょうか。原発事故により避難している子どもに対するいじめは各地で報告されています。
 今回の生徒の公表を生かすべく、改めて学校と周囲の大人は子ども一人ひとりの声なき声にも目を向けたいものです。いじめた子どもの言動がどこから生まれたのか大人自身が問うてみることも大切ではないでしょうか。

2016/11/25








11月5日開催 市民教養講座

頑張れ!小さき生命(いのち)たちよ!
〜新生児医療の現場から、問われる共生社会のあり方

 

 講師の豊島勝昭氏(神奈川県こども医療センター新生児科部長)は長く新生児医療に携わり、重い障害や病気を持つ子どもたちとそのご家族に寄り添ってこられました。講演は神奈川県こども医療センターのNICU(新生児集中治療室)でかかわった小さな生命たちとの日々を中心にお話しいただきました。
 「どんな子も、これから生まれるその家族を選び、その家族に会いたくて、その家族と幸せな日々を過ごそうとして生まれてくる。どんな子も一生懸命に生きようとし、その生を全うしようと生き抜いている。その姿はどんな子も力強く愛らしい。」強い愛情に裏打ちされた温かな語り口で、NICUで懸命な治療を受け、その生を終えて天に還ったり、元気になって、あるいは重い障害を持ちながらも懸命に生き延び、家に帰ったり、それぞれ違いはあっても、その子どもを受け入れ、共に生きようとし、あるいは今でも、日々、その子に寄り添って生きるご家族の話が、スライド写真と共に紹介されると、参加者は涙を流して聴き入っていました。
 豊島医師は、TVドラマ「コウノドリ」の制作に医療監修としてかかわられました。「あのドラマはフィクションではなく、毎日僕らが経験している現実です」と言われました。NICUで子どもたちに起こる様々な奇跡は、医療だけではなく、実はご家族の思いが起こしていることなのではないかと感じ、そうして生き抜いている子どもたちの人生が少しでもより良いものとなるようにするために、様々な活動をされています。
 今後は、「医教連携」で、重い障害や病気をもって生きている子どもたちの就園や就学をどのようにしていけば、子どもや家族、そして受け入れる幼稚園や学校に一番いい形になるか、医療の立場でできることを考えて研究をしているところだそうで、「合理的な配慮」をしながら、様々な支援を必要とする子どもたちと、共に学び、共に生きるインクルーシブな学校をめざす神奈川県の教育政策にも通じ、深く考えさせられる内容でした。
市民教養講座「頑張れ!小さき生命たちよ!〜新生児医療の現場から、問われる共生社会の在り方」

2016/11/11








「ラッセラー・ラッセラー・ラッセラッセラッセラー」

 

 10月16日、第64回教育会館ふれあいコンサートを開催しました。出演は、響道宴(和太鼓)、小濱明人(尺八)、山本大(津軽三味線)の和三BOMトリオです。和太鼓の奥底に響く力強いリズム、尺八の幻想的な音色、津軽三味線の艶やかな音色、三人のソリストがそれぞれ独自の感性、表現力、テクニックをもち、日本の伝統楽器の音が融合され聴く者を魅了しました。
演奏の合間には、それぞれの楽器などについての説明があり、いっそう興味をもって聴くことができ楽しみが広がりました。尺八の名称は、標準の管の長さが一尺八寸(約54.5cm)であることに由来しているとのことです。短いのも長いのもありますが尺八と呼びます。津軽三味線は他の三味線よりも棹が太く胴も大きく重量感があります。演奏方法も打楽器的になるようです。

コンサート後に感想をいただきました。ご紹介します。

*昨日は、和三BOMコンサートをありがとうございました。2回目でしたが、 前回にも増して三つの和楽器の魅力を十分に味わわせていただきました。尺八や三味線が大きな和太鼓と一緒に演奏してもバランス的に決して負けてしまわない、それどころか演奏の中での存在感がそれぞれ輝きながら一つのハーモニーになっていて、さすがでした。
*日本で生活していながら普段は、生演奏は勿論、テレビでもラジオでもほとんど和楽器の演奏等を聴く機会がないとは考えてみると偏っているような気がしますね。生で聴いてみると、よりいっそう和楽器の魅力が伝わってきました。特に 青森ねぶた囃子、よされ節、じょんがら節、オリジナル曲なども良かったです。それから「パイプライン」これもすごく楽しめました。

 「和三BOMコンサート」は、響道宴さんの和太鼓による目を見張るパフォーマンス、小濱明人さんの尺八による熱演と音色、山本大さんの津軽三味線による切れの良い音、ベンチャーズの演奏も。最後は、津軽三味線を中心に「ラッセラー・ラッセラー・ラッセラッセラッセラー」と会場全体が盛り上がりました。


2016/10/28








電通社員の自殺、労災認定…長時間の過重労働が原因
 〜人権が尊重される社会へ、勤務条件の改善を〜

 

 昨年のクリスマスの早朝、広告大手の電通に勤務していた新入社員(当時24歳)の高橋まつりさんから母幸美さんに「仕事も人生も、とてもつらい。今までありがとう」というメールが届きました。すぐに電話で「死んではだめよ」と話しかけると、「うん、うん」と力ない返事があり、数時間後には自ら命を絶ちました。会社の入退記録によると、高橋さんは深夜や早朝の帰宅が当たり前になっていたそうです。
 三田労基署は「仕事量が著しく増加し、時間外労働も大幅に増える状況になった」と認定し、心理的負荷による精神障害で過労自殺に至ったと結論付けました。業務が増えたのは部署の人数が減ったからです。恒常的な人手不足に加え、上司からは「君の残業時間は会社にとって無駄」などと注意されていたそうです。これでは心身ともに破壊されるのは当然です。
 政府が公表した残業の「過労死ライン」は80時間超、高橋さんの残業はラインを大きく上回っていました。電通は「現場を理解して人員配置をすべきだった」として経営に責任があるとしています。
 子どもの幸せに影響する教師の仕事も多忙で過酷です。「子どもと遊び学習し共感して生活を送りたい」「授業研究・準備をして子どもの目が輝く授業がしたい」と希望に燃えて教師になった新任教師。ところが、現実の多忙の生活から数か月で退職する人もでています。療養休暇や休職をする人も増えています。最近、気がかりなのは、文部科学省が推進する道徳教育の教科化と評価、小学校英語教科化の方針です。本当に必要でしょうか。ますます子どもと教職員の多忙化に拍車がかかり学校教育がだめになってしまわないか心配です。
 保育士、看護師、介護職員なども同じ課題を抱えています。要因の多くは人手不足による長時間勤務と低賃金による過酷な労働環境にあります。政府や企業は、人権が尊重される社会へ、言葉だけではなく働く人の勤務条件の改善を具体的に図ってほしいものです。安心して生活できる社会の実現のために。

2016/10/14








小学校の英語教科化は必要か?

 

 グローバル人材の育成を掲げ、2020年度から、文部科学省は外国語活動を小学校3・4年生からはじめ、5・6年生の英語を従来の「外国語活動」から「教科」にする方針です。これに対し、朝日新聞(9月8・16日朝刊)で問題指摘する大学准教授の意見の一部を紹介します。
 政治学者でもある施光恒さんは、「例えば、新しいことを考え、作り出す創造性は、既存のものへの違和感やひらめきから出発します。そうしたことを言語化するのに強いのはやはり母語です。英語重視の改革が、そうした活動を後退させ、日本人の創造性を失わせてしまう懸念があります」と指摘しています。
 21年間、アメリカで研究生活を続けての実感という金木正夫さんは、「人は言語で考えます。私にとって英語だけでなく日本語で考えることが新しい発想や見方に役立っています。世界で通用する英語能力獲得には、日本語能力の充実を前提に、高等教育での英語の授業の時間増と質の向上、論理的な思考や議論の訓練、異文化理解を深めることが効果的で本質的と思います」と述べ、施光恒さんの見解に賛同しています。
 中央教育審議会の外国語専門部会でもさまざまな意見が出ています。義務教育に関する意識調査によれば、小学校からの英語活動必須化について、保護者の約7割、学校評議員・首長の約5〜6割が肯定的な一方で、教員、校長・教頭等、教育長で肯定的なのは約3〜4割とあります。小学校教育は人格形成の面で重要。教科化されれば英語が使えるという保障はない。教育内容、導入時期、教員の資質、他教科への影響、進学塾の反応など、大局的に議論をつくす必要があるという意見も出ています。
 小学校教育の本質と現状から英語の教科化は正しいといえるのでしょうか。 子どものため、学校と保護者から徹底した討論をしてほしいと思います。

2016/ 9/23








夏の公益事業「作文教室」

心に残る小さな出来事を書こう

 



 夏休みの三日間、4・5・6年生を対象に作文教室を開催しました。講師は田中定幸先生です。教室では、作文には「ある日型」と「いつも型」があることや書くときの心得を学びました。そのとき、参加者が書いた文を紹介いたします。

作 文 教 室
4年 白石敏也
 ぼくは、作文教室にいきました。作文教室の一日目は、まず、「生活を書く」を読みました。
 先生が、「生活を書く。」と言いました。ぼくもいっしょにあわせて読みました。と中で先生が、「森のくまさんを口ずさむ」と言い、森のくまさんを歌いました。いっしょに合わせて歌いました。先生は、ぜんそうや音楽を自分でかなでながら、大きな声で歌いました。
   そして、歌い終わると、また「生活を書く」を読みはじめました。そして、読みおわるとこんどは、この作文教室に名前をつけようと言いました。そして、先生が、「作文名人への道」と言いました。
 そして、あいさつのしかたをきめようと言いました。そして、先生が、さいしょのあいさつを言いました。その次のあいさつは、「この作文教室にきているみんなにあいさつをします。」そして、最後のあいさつは、「この作文教室をけいかくしてくれた先生にあいさつをします。」と言って、あいさつをしました。
 そして、二つの作文を読みました。かた方の方は、「たけうま」というだい名で、「ある日型」でした。そして、もうかた方は「竹馬のれんしゅう」で、「いつも型」でした。その二つの作文を見くらべて、ちがいをみつけていきました。
 ぼくが見つけたのは、おしえていたりおしえられていることや、漢字が多かったり少ないことを見つけました。ほかの子が見つけたのは、会話が多いことや竹馬の練習をしていることを見つけていました。そして、あいさつをしておわりました。

*夏の公益事業は、作文教室のほかに「夏休み子どもリコーダー教室」「科学工作教室」「おやこdeアート」を開催しました。参加者は、創造する楽しさや上達する喜びを体験しました。


2016/ 9/ 9








磯遊びはおもしろい…葉山、芝崎海岸

 

 磯遊びは,潮の引いたときが最適です。磯にはたくさんのタイドプール(潮だまり)ができ、その中に取り残された生き物を近くで観察できるからです。8月15日、葉山の芝崎海岸へ磯遊びに出かけました。
潮が引く1時間ほど前に磯に出ました。岩場を進むと、最初に目に入ってきたのが岩の間にびっしり殻を並べているカメノテ、富士山のような形のかたい殻が並んでいるフジツボです。フジツボはエビやカニと同じ甲殻類です。みそしるに入れてダシをとり味わってみるとエビ、カニの味と香りがします。カメノテもフジツボと同じです。
あちこちにヤドカリがいます。はじめは貝殻に閉じこもっていても、しばらくすると元気に動き出します。歩く姿はかわいらしく、指でつついてみるとすぐに貝殻にかくれていまいます。用心深いのでしょうか。
8枚の殻をもつヒザラガイ、三葉虫の化石を思わせる姿です。鵜の足の形をしたウノアシなどが岩に張り付いています。どこの磯にも多いヒライソガニを捕まえました。カニのハサミは足が変化してできたものです。したがって、カニの足はハサミを入れて10本です。
潮だまりの底にはギンポやハゼ、ナベカがいました。コトヒキが数匹ゆったりと泳いでいました。魚はわずかな隙間を見つけてすばやく隠れてしまうので網で追いかけてもなかなか捕まえることができません。しかし、魚の逃げ道を予測して網を張り追い込み捕獲に成功したときは喜びでいっぱいです。ときには網を上げると魚と一緒にエビが入っていることもありました。
 潮が満ちてきたので帰ることにしました。磯遊びはキャッチ・アンド・リリースが原則、動かした石は元の位置、元の向きに戻しておくことが大切です。捕獲したものはすべて海に返しました。









2016/ 8/26








小中学校の道徳教育は教科にすべきか?

 

 文部科学省は、小学校で2018年度から、中学校で2019年度から道徳教育を教科にする方針です。その文部科学省の専門家会議が指導方法や評価のあり方について報告をまとめました。
 子どもの評価は数値によらず記述式にする。それぞれの成長を積極的にとらえ励ます「個人内評価」とする。入試の合否判定には使わない通知表には子どもの状況を記述しても受験校へ提出する調査書には記さない。さすがは専門家の方が考えたものです。だが、はたして道徳教育の本質や教育現場から考えたとき本当に妥当といえるのでしょうか。教員の多忙の現実に呼応したように、評価の記述の文例集がすでに出版されています。
 毎日新聞の社説では、子どもの内面が評価できるか。多様な価値観を認める教科が生まれるのか。いずれも疑問をぬぐえない。「道徳」はやはり教科にすべきでないと主張しています。また、道徳が70年以上教科にならなかったのは、教科書を使い評価することが心のあり方への介入となる懸念があったからだと述べています。
 朝日新聞の社説では、数量的に学力の到達度を見る他の教科とは異なり、道徳という教科が客観的な「評価」に適さないということを示していると述べています。なぜ教科化なのか。その共通認識や理解は、とりわけ学校現場の教員に欠かせないが、戸惑いの声は少なくない。検定教科書は、運用次第では愛国心を教え軍国主義を担った戦前の国定教科書に近づきかねないと指摘しています。
 声の欄では、「道徳」は評価できるんですか?と中学生が疑問を投げかけ、これに対し、大学生が、道徳は自分の心に気づく教科であり道徳の授業で人間を評価することはできないと主張しています。中学生や大学生が感じるように、道徳教育の教科化と評定については、多くの問題があります。

2016/ 8/12






夏休み、磯遊びを楽しもう!…気をつけたい生き物

 

ヒョウモンダコ
 三浦半島は、周りが海で磯に恵まれています。磯は岩でできています。潮が引いたときの磯は、小魚をはじめ、ウニ、ヒトデ、ヤドカリ、貝、イソギンチャクなど、たくさんの海の生き物を見ることができます。海の生き物は、体つきや動き方、エサのとり方までさまざまでとても不思議です。いくら見ていてもあきることがありません。まるで自然の水族館です。
 あるとき、磯にくわしいAさんと磯に行き観察を始めると、ハオコゼというとてもかわいい小さい魚がいました。体は赤白黒の斑になっています。背びれのトゲには毒があり、まちがえて足で踏んだり手でつかんだりしてトゲが刺さると「ずきん」ときて半日ほどはもうれつに痛みます。刺された場合は、すぐに刺された所の血を絞り出し傷口を海水で洗うことが大切です。
 他に、危険なヒョウモンダコ、電気クラゲと呼ばれるカツオノエボシ、トゲの長いガンガゼ、ゴンズイ、アカエイ、ミノカサゴなど触ってはいけないものがいます。また、クサフグや丸い甲羅のスベスベマンジュガニなどは、一匹で人を殺すほどの毒をもっています。まちがえて食べないようにしましょう。事前に図鑑やインターネットなどで調べておきたいものです。
 磯はとてもおもしろく、生き物や海の様子から地球環境まで考えさせてくれます。触ってはいけないもの、食べてはいけないものを知って磯遊びを楽しんでください。また、ゴミを持ち帰り動かした石は元にもどしておくなど、磯を大切にしてほしいと思います。  磯遊びは、大潮の干潮時が最も適した時間帯です。干潮時の2〜3時間前に現地に入り、1〜2時間後までには終わらせるのがベストです。磯は滑りやすく岩がとがっていてケガをしやすい場所ですから注意が必要です。そのためマリンシューズ、軍手、帽子などケガ防止の準備をして出かけましょう。
ガンガゼ、ハオコゼ、ゴンズイ

2016/ 7/22






音楽の力はすばらしい!

 

 〈 5/8 フルート山形由美さん〉

 スペインで行われたあるサプライズ演奏の動画を見ました。少女が広場でコントラバスを抱えた男性の帽子に、一枚の硬貨を入れるところから始まります。少女がお金を入れると、その男性は「ベートーヴェンの交響曲第9番」を演奏し始めます。すると、別の楽器を持った演奏者が次から次へと登場、演奏がどんどん壮大なものへと変わっていきます。
 これには通りがかった観衆たちもビックリ!聴衆はどんどん増え演奏者の周りには人だかりができます。合唱団も加わり曲は感動の大フィナーレを迎えます。聴衆たちは、素晴らしい音楽に心打たれ、演奏者・合唱団に大きな拍手を送っていました。
 動画をよく見みると、ベビーカーを止めて聴く女性、手で指揮をとりながら聴く笑顔の子ども、子どもを肩車して聴く男性、耳を澄ますお年寄りなど、演奏を聴いていた聴衆は笑顔で生き生きとしています。演奏者たちも笑顔になっているのが分かります。人々の顔に笑顔をもたらし、みんなの心をつなぐ音楽の力に感動を覚えました。
 小学校教師のAさんは、「…子どもたちが互いに心を通わせて、歌ったり演奏したりする時間は尊い。音楽は楽しい。楽しいから笑顔になる。笑顔になると元気がでる。これからも、子どもたちとともに音楽の時間を楽しんでいきたい。子どもたちの明るく元気な歌声の響く学校にしていきたい。音楽の力を信じて…」と述べ、日々の教育に取り組んでいます。
 当会館では、2004年から「教育会館ふれあいコンサート」を開催してきています。ふれあいコンサートの名の通り、身近で演奏家とふれあい、家族や知人ともふれあい、市民が気軽に生の音楽を楽しむ場となっています。10月16日には、和楽器トリオによる「和三BOMコンサート」を開催します。感動と笑顔を演奏者と市民で共有できれば幸いです。  

2016/ 7/ 8






第5回教育会館名画セミナー
「浮世絵に見る江戸の食卓」の感想

 

林 綾野  6月4日、第5回教育会館名画セミナーを開催しました。講師のキュレーター林綾野さんは、4・5月8回放送のNHK趣味どきっ!「旅しよう!おいしい浮世絵!」に出演。各地で浮世絵展などが開催され関心が高まったからでしょうか。セミナーには、多くの方が参加され熱心に耳を傾けていました。その感想を紹介いたします。

*Eテレの「趣味どきっ!」が終了して少々寂しく感じていました。浮世絵に熱中するようになって数年、「食の視点」は意外でかつ面白いなと思いました。今回の話は奥深く、まだまだいろいろ聞かせてほしいと思いました。
*江戸の人たちはおいしいものが大好き、おしゃれでユーモアいっぱい、「現実の生活」の中に楽しみをいっぱいちりばめて生活していたのですね。これぞ粋!という感じがします。
*林さんの絵に対する熱い思いが伝わってきました。西洋の食(ゴッホ、モネ等々)も興味深かったですが、「浮世絵と食」は食文化、そば、てんぷら、うなぎなど今でも食べられている歴史にも共感できて、一番おもしろく魅力的な内容でした。

 林さんは、「絵を見る喜び、それはとても個人的で、ささやかな楽しみかもしれません。ですが、誰かが思い入れを持って描いたもの、何かを伝えようとしたこと、そうした人たちの営みを受け止める体験でもあります。それは、時に私たちを励まし、力づけ、人生に彩りを与えてくれます」と述べています。
 浮世絵は、町人文化が花開いた江戸時代の人の心をとらえました。その理由は、美しさと分かりやすさだと言われます。また、ゴッホ、モネ、ルノワールなど代表的な印象派の画家をはじめ世界中の人々からも愛されています。
今回の「浮世絵」セミナーが、より豊かな鑑賞の一助になれば幸いです。 浮世絵に見る江戸の食卓  

2016/ 6/24






「子どもの自殺」を防ぐために

 

 5月9日、ゴールデンウィーク明けの月曜日に、品川区の女子中学生2人が、手をつないで電車に飛び込み自殺しました。遺書などもあり、人間関係に悩む記述があったことなどから、自殺ではなかったかと報道されました。
 この数年自殺者が減少する中で、中学生の自殺は増加しています。2011年に71人だったのが年々増えてきて2015年には102人(男子70名女子32名)となっています。統計調査によれば、男子中学生の自殺の動機は学業不振、家族からのしつけ,叱責。女子は友人との不和、親子関係の不和が多く、それも長い時間かかって徐々に危険な心理状態に陥っていくのが一般的のようです。
 当会館の電話相談にも生徒から電話がかかってきたことがあります。「誰も自分のことを分かってくれない」「どうせ何を言ってもきいてくれない」というものです。相談員は徹底して生徒の話に耳を傾けたそうです。生徒は、問題解決に至らなくともひと時の安らぎを感じたことでしょう。餅は餅屋です。第三者の相談機関に相談することも大切です。
 鎌倉市立図書館は、「もうすぐ二学期。学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい。マンガもライトノベルもあるよ。一日いても誰もなにも言わないよ。9月から学校へ行くくらいなら死んじゃおうと思ったら、逃げ場所に図書館もおもいだしてね」と呼びかけ、話題となりました。これは悩める子どもに対する居場所の提供です。保健室が居場所になっている学校もあります。
 当会館の相談員は、「まずはしっかりと人の声に耳を傾けあいましょう。どんな意見にも真剣に耳を傾けてくれる人が増えていけば、子どもたちは『どうせ…』とあきらめなくなり、自殺を選ぶことも確実に減っていきます」と述べています。
 自殺は「孤立の病」とも呼ばれています。日頃から子どもと向き合って話を聞き、子どもが孤立感に陥らないよう気をつけたいものです。
 

2016/ 6/10






  横須賀・あなたの町の「おもしろ歴史散歩」No.3




 先日、久しぶりに孫たちと久里浜ペリー公園の前浜に遊びに出かけました。
 ペリー来航・上陸の地として知られ、教科書にもその時の絵が載っているのを思い出しながら、その昔に思いを馳せることしばし。これも教科書にある当時の狂歌として有名な「太平の眠りを覚ます上喜撰(蒸気船)たった四杯で夜も眠れず」を思い出すにつけ、当時の人達の恐怖の念はいかばかりか・・・と思った瞬間、昨年の「おもしろ歴史散歩」で山本氏が語ってくれた、当時の庶民にまつわる話を思い出しました。それは
「ペリーを遡ること35年も前に、浦賀にはイギリスのブラザーズ号、次にサラセン号等が入港してきており(蒸気船は初めてだったが)、当時の人達は入港した異国船を警備しながらも交流もしていた。だから当時、三浦半島の人は誰も異国船を怖がっている人はいなかったが、仕事にはならなかった。特に漁師は船を全部召し上げられるので仕事にならなかった。」また、「うちじゃあ、おやじが出ていったきり三日も帰って来ないで困っている。実際に見に出て行った連中は結構太平楽で、何か新しい物を必ず見つけて帰ってくるので『面白い、面白い。』と言って帰ってくる。これが三浦半島の普通の人達なんです。」
という話を思い出し、いかに自分が、刷り込まれた既成概念の上でしか歴史や世の中を見ていないかということではありながらも、しかしそれはある種、痛快感を伴っていて、それはそれで楽しく「へぇ〜、そうなんだあ。」と知的好奇心もくすぐられるところに、特に歴史の「裏話」の真骨頂があるように思えました。
 6月18日に開催する本講座は、今年で3回目となります。開国の町「浦賀」にまつわる話をメインに知的好奇心をくすぐる内容が詰まっています。
    〜〜〜教えて!私の町の歴史アラカルト〜〜〜
 横須賀の歴史に大変詳しい山本氏だからこその試みを初めて計画しました。
その場で、「私が住んでいる町の昔の様子を教えて。」という、参加者からの質問に山本氏がその場で答えてお話しいただくという場面を設定しました。住んでいる町だけでなく、興味のある町についてもお聞きになれるかと思います。
 

2016/ 5/27








ママも楽しい…佐野享子先生のリトピュアリトミック
 体験レッスン随時受付!

 

佐野享子先生が指導するリトミックは、絶対音感、絶対拍、絶対感性を大切に子どもたちがぐんぐん伸びる楽しい親子リトミックです。5月11日に参観し子どもたちが笑顔で生き生きとする姿とママの楽しそうな様子を拝見しました。

*感想
〇レッスン会場に行く車の中で眠っていたので寝起きでした。でも、タンバリンやボールに興味を示していて、じーっと見たり口に持っていこうとしたり反応していました。フラッシュカードやお話リトミックでは、絵本をじーっとみて集中していたのにはビックリしました。(ベビークラス)
〇すごい成長!!できなかったことが突然できるようになりビックリ!! 子どももとても楽しそうで嬉しいです。急にいろいろな変化を見せてくれて、本当に驚かされますね。子どもの動き、発する言葉がすごく嬉しいです。(リトルクラス)
〇タンバリンの裏打ちができるようになりました。「ずれているよ」と指摘すると音楽をよく聴いて修正するような場面がありました。リズム感がよくなってきたかなと思います。最近、踊りにキレが出てきたような気がします。家でもダイナミックに踊るようになってきました。(キッズクラス)

 

*詳細は、リトピュアリトミック認定講師・佐野享子(横浜高等学校教育専門学校専任講師)
電 話:090−4421−3476 
メール:peko-2141943@ezweb.ne.jp
 

2016/ 5/13








実行してほしい「子どもは宝」

 

 檜原村では、小中学生の通学バス代定期代を全額負担し給食費も8割補助。高校生も電車やバスの通学定期代の8割を補助しています。「子どもは宝」という理念を実践する行政と議会の姿勢ではないでしょうか。
 財務省は、今後9年間で教職員定数を約7,000人減らす方針を打ち出しています。これに対し、中央教育審議会は、今後の日本社会の発展のために、子どもの実態や学校現場・地方の実情に応じて教育が果たさなければならない役割についての認識が全く窺えないばかりか、各学校の厳しい実態を無視した、あまりにも非現実的なものであると述べています。
 当然、現場の教職員や保護者も長年にわたり国会や行政に要望してきています。学校の実態を知る文科省は、教職員の定数問題に一定の理解を示してきましたが、財務省や政府が現場の声に耳を傾けずにきました。その結果、教職員の多忙化は解消されず、児童生徒の課題解決が困難となっています。
「保育園落ちた日本死ね!!!」については、テレビ・新聞などでも取り上げられ、本質をとらえようとしない最初の首相答弁と国会議員のヤジには多くの国民から怒りの声があがりました。政府は、世論の高まりから不十分ながら緊急対策で応じざる得ない状況になりました。この保育所問題で明らかなように、政府が国民の声を軽視してきた結果ではないでしょうか。
 病気やケガをしても病院に行けない、給食以外に食べるものがないなど、子どもの貧困の問題など課題は山積しています。授業よりバイトなど大学生の経済的な問題など、青少年が経済的な理由により進学を断念したり安心して学習に取り組めないなどの実態には胸が痛みます。
 日本のGDP比の公教育支出がOECD諸国の中で最下位レベルである事が話題となっています。憲法25条には、「…その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」とあります。政府や行政には、国民の願いに耳を傾け教育条件整備を確立し実行してほしいものです。  

2016/ 4/22






公益事業「3・11あの日を忘れない 東日本大震災」
三浦半島の自然によりそって…「辻功 トンボ写真展」

 

トンボの産卵  2015年度の「3.11あの日を忘れない東日本大震災」の事業は、三浦半島の自然によりそって…「辻功トンボ写真展」を開催しました。期間は3月1日〜31日(日祝は休み)。辻??さんは、「三浦半島に棲むトンボを通して三浦半島の水辺の自然を感じていただければ幸いです」と述べています。鑑賞した子どもの感想を紹介いたします。

*こんなにたくさんの種類のトンボが三浦半島にいるとは思いませんでした。私の家では、ヤゴをトンボに羽化させたことがあります。そのとき、とても感動しました。私は、虫・生き物が大好きで、虫の中でもトンボは1位・2位をあらそうくらいすきです。また、きかいがあったら展示おねがいします。  *三崎にすんでいます。とんぼがいっぱいいます。わたしは虫がだいすきなので、またすてきなさくひんを見せてください。
*トンボのいろいろな日じょうがありました。トンボのこうびやなわばりあらそいや、いろいろあってたのしかったです。またきたいです。

 東日本大震災から5年が過ぎました。自然は人に対し恵みを与え心身ともに豊かにします。一方、脅威を与えます。三浦半島には豊かな自然と海があります。温かい地域の人が住んでいます。地域の人と触れ合い、身近な植物や生き物に関心を持って生活したいものです。

第5回「3.11あの日を忘れない東日本大震災」のご報告  〜遺児育英資金カンパ81,000円〜

 東日本大震災による遺児・孤児の経済支援のため、昨年に引き続き桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への寄付を行いました。期間は3月1日〜31日(日祝は休み)9:00〜17:00義援金箱を設置し支援金を募りました。その結果、81,000円を遺児育英資金として送ることができました。きびしい環境の中で不安にかられながら力強く生きようとする遺児の一助になれば幸いです。ご理解と協力をいただいたみなさまにお礼を申し上げます。  

2016/ 4/ 8






教育会館名画セミナー講師 林綾野さん
NHK趣味どきっ!「旅しよう!おいしい浮世絵 」に出演
〜4月5日から毎週火曜8回放送〜

 

歌川国芳『園中八撰花・松』 教育会館名画セミナー講師、林綾野さんが4月からスタートするNHK趣味どきっ!「旅しよう!おいしい浮世絵 」に案内人として出演します。ご覧いただきたく紹介いたします。放送時間は、Eテレ火曜午後9:30〜9:55(再放送、翌週火曜午前11:30〜11:55)です。
 内容は、江戸時代に発展したすし、天ぷら、そば、白玉や桜もちなど、浮世絵にリアルに描かれた各地の「おいしい名物」を訪ねながら、当時の盛りつけ方や食べ方、流行など江戸時代の生活に思いをはせ、現代に受け継がれてきた食文化の魅力を探る。美術・歴史・食、目でも舌でも味わう「浮世絵鑑賞の旅」です。
 林綾野さん  キュレーター林綾野さんによる教育会館名画セミナーは、第1回「フェルメールからのメッセージ」第2回「睡蓮の画家モネ」第3回「情熱の画家ゴッホ」第4回「セザンヌの描いた南フランスのくらしと絵」、それぞれ好評を博しました。そのアンケートの感想を紹介いたします。
「先生のお話はその人となりをとても具体的に身近に感じられ大ファンになりました。今回のゴッホも、初期の作品も初めて見て、幼年時代から画家をめざすまでのあれこれを含めひまわりや糸杉のタッチなどが魅力的ぐらいの「ちょっと好き」の私でしたがさらに好きになりました」
 林綾野さんによる第5回教育会館名画セミナー「浮世絵に見る江戸の食卓」は、6月4日(土)に開催します。江戸の暮らしや習慣、趣味の趣向が色鮮やかに描き出される浮世絵の世界。その中からすし、うなぎ、天ぷらなど、江戸時代に芽生えた食文化が描かれたものをスライドショーで紹介しながら読み解く鑑賞のセミナーです。浮世絵鑑賞の楽しみを広げていただければ幸いです。  

2016/ 3/25






  国会は、国民の声を生かし誠実な討論を!

 

 国会ではどんな内容でどんな討論がされているか、テレビの国会中継を見ました。首相の答弁は質問する議員の趣旨や内容にまともに答えるものではなく、討論とは言えないものとなっていました。自分と意見がちがう他党議員の質問には全く誠意がなく、別の観点から相手をやり込めるものでした。ときには、首相がヤジを飛ばす場面も見られました。
 フェイスブックに掲載された匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね!!!」が話題となりました。確かに言葉遣いは悪いが、内容に共感する人が多くいたからです。オリンピックでの無駄遣い、政治家や行政の無駄遣いより保育園を増やしてほしいという主張です。国会が国民の声を生かした言動を行っていないことの怒りから発せられた言葉です。
「保育園落ちた日本死ね!!!」について、首相は2月29日、衆院予算委員会で答弁し、「匿名である以上、実際本当に起こっているか、確認しようがない」などと述べました。また、野党議員がブログの内容を読み上げたところ、議員席から「中身のある議論をしろ」「誰が書いたんだよ」のヤジが飛びました。
 テレビでも取り上げられ、これには多くの国民から「ヤジがひどすぎる」「匿名かどうかが問題ではないのではないか」など、怒りの声があがっていました。本質をとらえようとしない最初の首相答弁と国会議員のヤジにはあきれるばかりです。5日には、「保育園落ちたのは私だ」というプラカードを掲げた人たちが集まりただ立っているだけの抗議行動が行われました。
 国民の声を生かすのが国会です。国会議員には多様な意見・国民の声なき声に耳を傾け建設的な討論を行い国民に寄り添った結論を導き出してほしいものです。国政は国民の厳粛な信託によるものです。国会の現状を作っているのは国会議員を選んだ国民の責任といえるのかもしれませんが。

2016/ 3/11








  「3.11あの日を忘れない 東日本大震災」
遺児育英資金寄附に協力をお願いします

 

 2011年3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生。東京電力福島第一原発事故から2016年3月11日には5年になります。仕事を奪われ狭い仮設住宅でいつ自宅に帰れるか見通しが立たず自ら命を絶つ避難者が後を絶ちません。経済的理由から進学を断念する子もいます。現在、東京オリンピック報道にわいていますが、3.11は忘れてはいけない現実問題ではないでしょうか。
 当横須賀三浦教育会館は、「3.11あの日を忘れない、東日本大震災」を思い起こし、東日本大震災による遺児・孤児の経済支援のため、桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への寄付を行います。期間は3月1日から31日(日祝は休み)9:00〜17:00まで義援金箱を設置します。また、地域における自然を再認識するため、辻功トンボ写真展(3月10日(木)〜31日(木)10:00〜17:00、日・祝日は休館)を開催します。
 桃・柿育英会は、2011年5月18日、東日本大震災の遺児・孤児に対して、経済支援を10年間行うことで、遺児・孤児の成長を見守り、学ぶ意欲を支えることを目的に設立された任意団体です。阪神・淡路大震災でも設立され、10年間で総額4億9,000万円を超える育英資金を、兵庫県教育委員会を通して、遺児・孤児に分配しました。
 当会は、建築家 安藤忠雄氏を実行委員長とし、他7名の著名人が発起人となり活動されています。寄付金は各県を通じ遺児・孤児へ分配されます。「桃・柿育英会」とは、昔から「桃栗3年、柿8年…」と果樹の木が育つのをじっくりと待つように、震災で保護者を失った子どもたちを、少なくとも18歳になるまでは、見守っていきたいという思いから名付けられました。みなさまのご理解と協力により、きびしい環境の中で不安にかられながら力強く生きようとする遺児の一助となれれば幸いです。

2016/ 2/26








  公益事業「親と子の教育相談室」
じっくり聴きます。一緒に考えましょう

 

 横須賀三浦教育会館2階で「親と子の教育相談(電話・来室)」を行っています。年2回学校を通して配布するチラシと、当ホームページの「教文研事業(教育相談他)」で案内しています。「子育て・学習・学校のことなどの心配・不安・迷い・憤り・悩み・困りごとなど、じっくり聴きます。一緒に考えましょう」の姿勢で対応しています。相談員は元教員で、多くの子どもや保護者と関わった経験や人生経験を活かしながら相談に乗っています。
 相談内容で多いのは「子育ての悩み」です。相談者の多くは母親で、社会に情報があふれ、錯綜する中、父親との関係も含め、孤立感や不信感の中で混乱し、苦しむ姿が浮かび上がります。最近では、SNS等の発達ですぐに連絡が取れる半面、誰かを孤立させようと思えば、あっという間にできてしまう恐ろしさも感じさせます。いじめは子ども社会だけでなく、母親同士にも起こっているのが実感されます。
 いじめや不登校など、子どもの問題に対する学校の対応や、教職員の言動にも、その孤立感や不信感が大きく影響しています。子どもに自己肯定感を…とよく言われますが、親にもその必要があると思われます。
 相談してくる親は、本当に必死で子どものことを考え、良かれと思うことを一生懸命やっています。そして、いつも「親のくせに」「親なんだから」という一見、正当なようで実は理不尽な攻撃にさらされながら、自分を責め続け、相談の電話を掛ける時にも勇気を振り絞っているのが伝わってきます。
 相談してきてくれたことに感謝し、「良く頑張っていらっしゃいますね」「本当にお子さんの事をよく考えていらっしゃいますね」という一言を投げかけただけで、泣き出す様子からもそれはうかがえます。
 学校の先生にもその傾向はうかがえます。子どもを中心に、親と学校の教職員が手を取り合い、助け合って、問題の解決にあたれたら、どんなにか素晴らしい信頼関係ができるのにと思わずにはいられません。
 私たちは、しっかりと話を聞くことで、混乱を鎮め、本当の願いを認識し、その願いが相談者と、そこに関わる人たちに正しく伝わっていけば、それが親を支えるのと同時に、そうした関係づくりにも役立つと思っています。答えは全て自分の中にある、そして、自分に起きた問題は自分の中に解決の方法やそれを実行する力があるということを信じて、日々、相談の声にじっくりと耳を傾け、相談者に向かい合っています。

2016/ 2/12








2016年度 会員募集が始まりました!
サークル活動・教室を楽しんでみませんか

 

 教育会館主催のサークル活動で、楽しみながら仲間と学ぶ市民の方がふえています。2016年度になり会員募集するサークルもあります。気持ちを新たに教育会館のサークル活動・教室に参加してみませんか。なお、市民が主催するサークル活動も活発に行われています。ホールや会議室は、どなたでも利用できます。


1.0歳(2か月)から3歳までのリトピュアリトミック教室  募集中
 0歳児から音楽に親しむことで、絶対音感、リズム感、集中力、コミュニケーション能力などぐんぐん育ちます。ママにとっては楽しく癒しの時間になります。指導は佐野享子先生です。
 問い合わせ・申し込みは090-4421-3476(佐野享子)

2.童謡・愛唱歌を楽しむ会  募集中
 月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師だった浦ア陽子さんの指導により毎回40名以上の会員が和気あいあい童謡や愛唱歌を楽しんでいます。

3.「大人のリコーダー」サークル  2016年度会員募集
 月2回(第1と第3水曜日)会費1000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導により練習し、リコーダーの楽しさ豊かな表現力を味わいます。練習ではアルトリコーダーを中心に行います。

4.「大人のフルート」サークル  2016年度会員募集
 月2回(第1・第3火曜日)会費3000円。野上修一さんの指導により、Aは初めての方のサークルです。Bのアドバンスサークルは、以前やったことがあり、この機会にはじめてみようという方のサークルです。

5.大人のピアノ教室 現在満席
 月2回(第2・第4の木・金曜日)会費3800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。

○サークル活動の企画・運営を希望される方、歓迎します  新しく教育会館主催のサークルの企画・運営を希望する方はご連絡ください。話し合いにより共通理解ができた場合は、協力してサークルを開設します。

(公財)横須賀三浦教育会館 046-824-0683

2016/ 1/22








新年あけましておめでとうございます
 〜国際平和と子どもの幸せを〜

 

 昨年も、世界各地では戦争や紛争が起こりました。特に、ISによる人質殺害、パリや中東各地における同時多発テロは世界中に衝撃と恐怖を与えました。フランスをはじめアメリカやロシアなどは、事件の背後にいるISに対し空爆を拡大しました。欧米では難民受け入れ拒否が広がり、ますます憎しみが増大し差別や貧困がテロの要因となって混迷を深めるのではないかと危惧します。
 国内では、安保法制に国民の多くが反対、それでも国会において強行採決されました。沖縄では、知事をはじめ県民の多くが反対している辺野古への基地移転作業が強行されています。日本国憲法では、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とあり、憲法と民主主義が問われ国民の不安は増大しています。
 教育問題では、子どもの貧困や暴力が課題としてクローズアップされました。 文部科学省の担当者は、暴力をふるう子や感情のコントロールができない子が増え、小学校入学前に言葉で意思を伝えさせるなどの家庭教育が十分でないケースが目立つと指摘しています。なぜ、情操教育や家庭教育が不足しているのか、要因の第一は、経済格差による貧困の拡大で子どもが家庭で保護者に関わってもらえないことです。子どもの貧困は家庭の貧困です。
 東京電力福島第一原発事故から5年になろうとしています。仕事を奪われ狭い 仮設住宅でいつ自宅に帰れるか見通しが立たず自ら命を絶つ避難者が後を絶ちません。経済的理由から進学を断念する子もいます。政府やマスコミは東京オリンピックにわいていますが、3.11は、忘れてはいけない現実問題です。
 今年こそ、子どもたちが明るい夢と希望が持てる社会の実現、そして国際平和への道を着実に歩みたいものです。当会館は、平和と子どもの幸せを願い、地域から教育文化の発展に寄与できるよう努力したいと思います。本年も皆様のご理解と協力をお願いいたします。
                 2016年1月
                 公益財団法人横須賀三浦教育会館

2016/ 1/ 8








2015年 雑感の雑感

 

 芸術の都パリで同時多発テロが発生し、多くの市民が犠牲となり世界中に衝撃と恐怖を与えました、フランスをはじめアメリカやロシアなどは、事件の背後にいるISに対し空爆を拡大しています。空爆で解決できるのでしょうか。
 安保法制は、学生や若い子ども連れの母親、戦争を体験した高齢者など各界各層が国会前や全国各地で反対を表明しました。各世論調査でも国民の多くが反対、それでも国会において強行採決されたことには驚きです。成立後の12月19日、各地で安保法制に反対するデモがあり、東京では高校生を先頭に家族連れなど約1千人が「憲法を守れ」などと訴えました。
 沖縄では、知事をはじめ県民の多くが反対している辺野古への基地移転作業が強行されています。県民の体を張った反対と貴重な自然破壊の様子が報道され、その状況を想像し胸を痛めている国民も多くいます。
 財務省は、全国の小中学校の教師の定数について、今後9年間で約37,000人減らすよう文科省に求めています。減らしても現在の教育環境を維持できるという考えです。これにはあきれるばかりです。文科省は「すでに教員の負担は限界」と言い、中教審は緊急提言で「学校の厳しい実態を無視した非現実的なもの」と批判しています。今後9年間で約3,800人の加配教員を減らしても節約できる支出は地方分を含め年間27億円。国の税金の無駄遣いや不正経理は約1,568億円と会計検査院が指摘しています。
 「成功した人は誰よりも失敗した人」「人のために少しでも役に立つことはないか、それを絶えず考えている」など、ノーベル賞を受賞した大村智さんの名言が青少年に希望を与え国民に感銘を与えました。信念に基づいた誠実な言動が人々の心に響いたからでしょう。
 2015年は、人類の念願である平和が大きくゆらぎ世界各地で市民の不安が増大した年になってしまいました。来年こそ、全世界の国民が恐怖と貧困から免れ、武力行使やテロのない平和な社会に向かうよう念願するものです。

2015/12/25








「教職員定数に係る緊急提言」を支持します
  〜学校現場の声を尊重するのが行政〜

 
教職員定数増は、保護者と教職員をはじめ教育関係者の願いです。10月28日、中央教育審議会は、以下のように「教職員定数に係る緊急提言」を発表しました。当然、賛成すべき内容であり基本的に支持したいと思います。

 中央教育審議会は、教育が、一人一人の人格の完成を目指し、国家・社会の存立・繁栄の基盤を形成するものであるとの自負を持って、将来を支える豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に関し、真摯に審議を重ね、累次の答申等を取りまとめてきた。現在も、文部科学大臣の諮問に応じ、初等中等教育における教育課程の基準等の在り方をはじめ、各般にわたる議論を行っている。また、学校現場では、これらの答申等の実現に向け、日々懸命な努力が行われている。
 そのような中、公立学校の教職員定数について、財政制度等審議会において、児童生徒数の減少に合わせて加配定数も含め教職員定数を機械的に削減すべきとの考え方が示されている。
 厳しい財政状況を踏まえ、限りある財源を有効に使うことは必要であるが、教職員定数の機械的な削減という主張は、今後の日本社会の発展のために、子供の実態や学校現場・地方の実情に応じて教育が果たさなければならない役割についての認識が全く窺えないばかりか、各学校の厳しい実態を無視した、あまりにも非現実的なものであり、結果として「一億総活躍社会」や「地方創生」を支える人材育成を不可能とするものである。
 本審議会においては、学校が直面する諸課題に対応しつつ、新しい時代に求められる資質能力を育成するための方策を審議してきたが、これらは全て実際に教育活動を行う教職員の資質能力の向上と教職員数の確保なくしては画餅に帰するものであり、上記の考え方は暴論であると言わざるを得ない。
国の方針としても、経済成長の源泉は「人」であり、教育を通じた人材育成は、極めて重要な先行投資であると位置付けられているように、教育は、「国家百年の計」であって、長期的な視点に立った制度設計が必要であり、その最も重要な基盤である教育投資を怠れば、国家の未来に大きな禍根を残すことになることを深く憂慮する。 このため、本審議会は、この緊急提言を行うものである。

2015/12/11








12月6日開催、平和を願う朗読音楽ライブ
「ダイヤモンドより平和がほしい」後藤健二著

 

 芸術の都パリで同時多発テロが発生し、多くの市民が犠牲となり世界中に衝撃と恐怖を与えました、フランスはテロを受けシリアへの空爆を強化しました。事件の背後にいるISに対し、アメリカやロシアなどもISの拠点都市への空爆を拡大しています。空爆で解決できるのでしょうか。外国に逃げることもできない貧しい市民や子どもたちも犠牲になっていると思います。
 テロ対策は、武力行使以外の差別、貧困など社会にも目を向け、暴力や憎しみの連鎖を抑えるために何が必要か、冷静に考えてみたいものです。
  12月6日午後2時、朗読音楽ライブ「ダイヤモンドより平和がほしい」後藤健二著作を開催します。公演は女性フリーアナウンサーによる思いを込めた朗読とヴァイオリン、ピアノが臨場感をかもし出します。
 本書は「うれしそうでもなく、悲しそうでもなく、うつろな眼でまったく感情のない表情」をしている両腕を失ったシエラレオネ人の、1枚の写真を見た著者が、その表情の謎を解くために現地入りして書いたルポルタージュです。
 取材の過程で、著者はその1年前に3年間過ごした軍から脱走した元子ども兵ムリア・ソレイに出会いました。元子ども兵士は、戦闘から離れ必死に社会復帰を目指します。しかし、彼らは被害にあった住民や自分の家族から恐れられ恨まれています。元子ども兵士への理解のある人でも、<許す。けれど、決して忘れない……>と話すことを受け止め、ムリアは毎日、神に祈ることにしています。消えない苦しみを持ちながらようやく生きる希望を見つけた彼は、最後に自らの夢を語ります。
 過激派組織ISにより人質となり殺害された後藤健二氏。アフリカや中東の民衆、とりわけ子ども達や女性に心を寄せるジャーナリストとして世界にその現状を伝えることで武力なき世界を祈って活動した後藤さんの遺志を朗読音楽ライブで鑑賞いただき、平和の大切さを共有できれば幸いです。

    





                 8月 東京公演

2015/11/27








第58回教育会館ふれあいコンサート(10月11日)
              感想 と お詫び

 

 はじめ、和楽器とラテン楽器の組み合わせに意外な感じがしましたが、聴いてみたらその素晴らしいハーモニーに魅了されました。特に、箏と尺八がその編曲と演奏の仕方によって、日本の歌に限らず外国の歌や現代の歌にも調和のとれた素晴らしい伴奏になることに驚きました。それと、高音専用の箏と低音専用の箏があり、それはハープのような流れる調べだったり、ベースのような力強い調べだったりして、箏の幅の広い演奏の可能性を初めて知りました。素晴らしかったです。
 また、ケーナや尺八の柔らかい音色が心地良く、ほんとに良かったです。音色もとても似ているんですね。日曜の午後のひとときにぴったりした演奏で癒されたいい時間でした。

  当日のアンケートで次の指摘をいただきました。  

『コンサートが始まったときに、子どものむずかる声がしました。すぐに退場してもらう等の処理を希望します。途中のときにもすぐすべきだったのにとても不快です。母親の非常識はもちろんですが、コンサート運営の方でもっとしっかり対処すべきです。出演者にも失礼だし、他のお客様にも迷惑きわまりないです』

*ご指摘の通りです。大変申し訳なくお詫びいたします。  実は、開始直前になって「出演者の4歳の娘がおとなしく聴けるので入場させていいか」と言われ、やむ得ない事情でつれてきたと思い許可しました。ところが、予想外の結果になってしまいました。ホワイエでも泣き叫んでいるのが聞えてくるので、私(理事長)が5階の和室に抱いて行って相手をし、休憩に入ってから親の許可を得て演奏終了まで「うみかぜ公園」で遊んで帰ってきました。
 八木倫明さんからも、「出演者の娘が、たくさんのお客様に多大なご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ないことでした。ボクも深く反省いたしました。今後は、地元でベビーシッターのアルバイトをしてくれる人を予め探そうと思います」というメールをいただいています。
 未就学児は入場できないことになっています。今回の判断と対応のまずさを反省し、鑑賞いただいたみなさまにお詫び申し上げます。

第58回教育会館ふれあいコンサート

2015/11/13








ノーベル賞、大村智さんの言葉に感銘
   〜人のためになることを〜

 

 大村さんの謙虚で誠実な言葉は、多くの国民に希望と感銘を与えました。受賞決定後の記者会見では、「…科学者は人のためにならなくてはいけないという精神、人のために少しでも何か役にたつことはないかと考えてきたことが今回の受賞につながったと思う」と述べています。
 大村さんが開発に関わった「イベルメクチン」は、副作用が少なく効果は絶大でした。WHOが製薬会社メルクから無償でこの薬の提供を受け、アフリカなどで配布された結果、何百万人もの発展途上国の貧しい人たちが失明や視覚障害、皮膚の肥大化などの病気から救われました。
 また、イベルメクチンは、沖縄や奄美地方の風土病といわれた糞線虫症の特効薬としても知られ、沖縄県内の医療関係者からは「沖縄の恩人」「受賞すべき人が受賞した」と喜びの声があがったそうです。開発関連で得た特許料のうち200億円以上を北里研究所に入れたとも報じられています。
 子どもの貧困率は2012年には16.3%となり過去最悪となっています。ひとり親世帯での貧困率は54.6%、先進国の中で最悪の水準です。また、アルバイト、パート、派遣など非正規労働者が増え続け、2014年には1962万人に増加し全体の約4割に迫っています。また、医療保険料や住民税が上がる一方で年金は減額されてきています。高齢者をいじめないでという声も聞こえます。
 企業家は、企業倫理を守り利益の内部留保をできるだけ正規雇用や賃上げに活用していただきたい。政治家は、よく使う「国民のため」という言葉を誠実に実行していただきたい。来年度予算の概算要求で防衛費は過去最大の5兆911億円。消費増税は社会保障や福祉に使うはずでした。忘れないでほしい。
 とまれ、科学者は人のためにという精神は、現在の日本にこそ声高に唱えられるべきものと思います。

2015/10/23








教育会館ふれあいコンサート
 〜2016年度出演予定者が決定しました

 

石田泰尚(ヴァイオリン)
石田泰尚(ヴァイオリン)
 〜演奏家とふれあい 生の音楽を気軽に楽しむ〜
 教育会館ふれあいコンサートは、2004年6月27日に第1回を開催。今日まで続けてこられたのは、関係者はもとより、市民の方と演奏者などのご理解と協力によるものであり改めて感謝申し上げます。
 アンケートの感想では、「演奏する方と聴く人の距離が近て驚きました。とても楽しかったです」「身近で一流の音楽が市内で聴けるなんて幸せです」などの声が寄せられています。演奏者からは、「この会場はマナーがよく、身近で熱心に聴き楽しんでくれるのでやりがいがある」という感想をいただいています。
 現在は「教育会館ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏者とふれあい、家族や知人ともふれあい、気軽に市民が生の音楽を楽しむ場となっています。2016年度の出演を依頼するにあたっては、アンケートや関係者の声、当会館の音楽活動の様子などを考慮しました。
 第62回(4月10日)は、希望の多いヴァイオリンコンサートです。卓越した技術、聴衆をひきつける石田泰尚さんに快諾をいただきました。当会館のフルートサークルでは、フルートの美しい音を楽しんでいます。第63回(5月8日)は、テレビ・ラジオなどでも活躍する日本を代表するフルーティストの山形由美さんにお願いしました。第64回(10月16日)は、和楽器も聴きたいという要望に対し、和太鼓・尺八・津軽三味線の和三BOMに依頼しました。第65回(11月27日)は、NHK交響楽団の名手、クラリネットの松本健司さんとチェロの藤村俊介さんに出演いただくことになりました。
 音楽の都ウイーンやザルツブルクでは、公園や広場で演奏する演奏家の周りに音楽を楽しむ市民がいました。2016年度も実力と魅力あふれる出演者による感動を会場のみんなで共有できれば幸いです。音楽は市民のものです。
山形由美(フルート)和三BOM(和楽器トリオ)松本健司(クラリネット藤村俊介(チェロ)







山形由美(フルート)  和三BOM(和楽器トリオ) 松本健司(クラリネット) 藤村俊介(チェロ)

                  


2015/10/ 9








小学生の暴力行為が過去最高

 

 文部科学省が9月16日、国公私立の小中高校を対象にした昨年度の「問題行動調査」結果を発表しました。その中で、小学生の暴力行為は11,468件で前年度を約5%上回って過去最高となっています。
 文部科学省の担当者は、暴力をふるう子や感情のコントロールができない子が増え、小学校入学前に言葉で意思を伝えさせるなどの家庭教育が十分でないケースが目立つと指摘しています。静岡県教委定例会では、小学生の暴力行為が過去最高になったことに関して意見交換し、幼児期からの情操教育や家庭教育の充実が必要との認識で一致しました。
 なぜ、情操教育や家庭教育が不足しているのか、その要因を軽減していかなければ暴力行為は減りません。
 大きな要因の第一は、経済格差による貧困の拡大で子どもが家庭で保護者に関わってもらえないことです。仕事に出かけた親が夜遅くなって帰ってくるため、コミュニュケーションもとれずテレビゲームなどに夢中になる子もいます。その結果、自然や芸術に触れるなど真の感動体験も不足しています。
 学校では、教職員定数の不足から教師が子ども一人ひとりとふれあい共感できる時間の余裕がありません。パソコンや英語の授業が加わり、かつてより音楽や図工の時間や専科教員が減り情操教育の機会が減っています。学力調査の結果を競うなど、過度の競争も影響を与えています。
 情操教育や家庭教育の充実には財源が必要です。多くの民意に反した安保法制の成立により防衛予算が増え、平和が脅かされ、教育予算が減るのではないかと懸念されます。何よりも家庭の貧困が暴力の要因の一つです。これら社会的な要因を解決するための取り組みがいっそう必要ではないでしょうか。

                  


2015/ 9/25








何よりも平和を願う地球市民

 

 ハンガリーにおける難民の様子が報道されています。内戦によってシリアに住めなくなり、トルコなど周辺国に難民キャンプを作り暮らしていました。しかし、トルコも政情が不安定で住めなくなり、受け入れを表明しているドイツを目指します。命がけでトルコから地中海をわたってギリシャへ、そこから陸路でハンガリーへ、そしてオーストリア経由でドイツに向かいます。
 その様子は、想像を絶するものがあります。夜を徹して黙々と歩くバッグパックを背負った家族連れ、何日も駅で宿泊する汚れた衣服の若者たち、32日間かけてアレッポからオーストリアにたどり着いた人がいます。なかには、妊婦や乳幼児もいます。この人たちはいったいどうなるのでしょうか。
 特に、赤いTシャツに紺色のズボン、靴を履いたまま波打ち際にうつぶせで横たわる男の子、遺体を抱える警察官、シリア3歳児の溺死報道は世界中の人々に強い衝撃を与えました。この少年は、トルコからギリシャのコス島を目指すボートが転覆し、海岸に打ち上げた状態で発見されたようです。
 インタビューに応じた難民の男性は、「平和な生活がしたい」と述べています。悲惨な戦争を体験しているからこそ、何よりも平和を願っています。それでも、難民となり移動できる人は、ある程度の経済力がある人です。貧しい人はシリアに留まり、内戦に脅え犠牲になった市民もたくさんいます。
 現在、日本は重大な岐路に立っています。国会で「平和安全法制整備法案」の審議が行われているからです。この法案は、アメリカなど他国が海外で行う軍事行動に自衛隊が加担し戦争ができる国になることです。これに対し、多くの国民をはじめ学者や文化人が憲法9条に違反していると反対しています。
 8月30日、国会正門前の道路は法案に反対する人たちでうめつくされました。平和への危機感から声を張り上げる学生や子連れ女性も見られました。一方、少数ですが、日の丸を持ちデモ行進する法案に賛成の方もいました。
 今こそ、政府の行為によって再び戦争が起こることのないよう、国民の行動により民主主義と平和主義を前進させるときです。子どもの未来を守るため。
                  


2015/ 9/11








書く意欲を育てる夏休み作文教室

 

 8月17・21・24日の三日間、作文教室を開催しました。子どもたちの参加のきっかけは親のすすめが多かったようです。それでも、田中先生のユーモアと具体的な指導により懸命に作文を書きました。
 書いた作文には、「船玉祭りのことが順序よく書けています。とちゅうに自分の気持ちや感じたことを入れたり、会話を入れたりしてとてもよく書けています。花火を見たことが中心になりますから、花火のようすを見たまま、色や形、大きさや色の変化、いろいろ聞えた音なども入れて目にうかぶような書き方をするとさらにいい作文になります」など、先生の温かい感想と指導が記入され、子どもにとって書く意欲をかきたてるものとなっています。
 三日間の作文教室で楽しく学んだことを思い出し、今後の学習に生かしていただければ幸いです。次の文は、先生から参加した子どもへのメッセージです。
 残暑、いや「酷暑」の夏、皆さんは「作文教室にがんばって通いました。この作文教室では、作文には「ある日型」と「いつも型」があることを学びました。夏休みの小さな思い出(出来事)を書くときには、「ある日型」の文章の書き方(「時間の順序」)で書けばいいことを知りました。「読書感想文」や、いつも一緒にいる先生や友だち「…について」書くときには、「自分の頭の中で書く順序を決めて」から書かなければいけないこともわかったと思います。
 日程の関係で、一回しか作文を書く時間が取れなかったこと、また、書いた作文をこの文集にのせて紹介することもできませんでした。まだまだ、作文を書くのがむずかしいなと感じている人もいるかと思います。
 でも、この三日間の勉強で、皆さんはたくさんのことを勉強して、「作文名人」に向かってスタートをしたのです。「生活を書く」を時々読み返しながら、これからもたくさん作文を書きましょう。「森のくまさん」の歌を口ずさんで、新しい作文を書いてください。
 では、あいさつを三回してお別れです。   (講師・ツルピカ田中定幸)

                  


2015/ 8/14








夏休み子どもリコーダー教室を終えて

 

 8月4日(火)〜6日(木)に第6回「夏休みリコーダー教室」を行いました。教育会館より「リコーダーを初めて手にした3年生への指導、個々への指導が行き届くような指導をお願いしたい」との話から開催してまいりました。リコーダーの楽しさを知ってもらい、リコーダーの好きな人たちが増えることを願っていた私にとっては大変うれしいお話でした。そこで、3つのコースで開催し、3年生だけでなく中学生まで楽しめる教室にしたく計画しました。

○Aコース「初めてのリコーダー」3年生対象
 半世紀ほど前から3年生になると音楽の授業で導入されてきたリコーダー(縦笛)です。4月からすでに学校で習ってきていましたが、改めて、「姿勢、持ち方、息の入れから、タンギング、音程」など基礎的な指導から行いました。大勢の教師の協力で一人一人密にみることが出来ました。最終日の各コースの発表会では、美しい音で発表できました。
○Bコース「リコーダー大好き」4年生、5年生対象
 もっともっとリコーダーを吹いてみたいな、レパートリ―を増やしたいなと集まった子どもたち、普段の授業ではなかなか取り扱われない教材の練習をしました。今回は、ギター伴奏に合わせ「シュワーベン鉄道」やピアノのジャズ伴奏に合わせての「スウインギンイージ」など体にリズムを刻みながら楽しみました。
○Cコース「アルトリコーダーに挑戦しよう」5年生から中学3年生対象
 「アルトリコーダー」を初めて手にした子も大勢いましたが、3日間で頑張って練習し、バルトークの「アレグロ」ビバルディーの「春」など演奏でき、指導した講師たちも驚いていました。
 75名の参加でしたが、昨年、一昨年などの子どもたちの顔が見られうれしく思っています。また、来年お会いできることを願っています。(山本典子)
                  


2015/ 8/14








はっとさせられた言葉

 

教育の課題は複雑多岐にわたり明確に解決しないことが多くあります。それでも、子どもの幸せを求めていろいろな活動を通して懸命に努力されている方がたくさんいます。朝日新聞に掲載された「折々のことば」の言葉にはっとさせられました。

〇子どもを不幸にするいちばん確実な方法はなにか(略)それはいつでもなんでも手に入れられるようにしてやることだ。(ルソー)

 現代社会では、子どもは幼くして消費主体となる。小遣いがあれば、親の許可をもらわずとも何でも買える。それが子どもに「何でもできる」という全能感を与えてします。だから小遣いを十分にもらえなくなると、過剰な無能感へと逆振れして、不幸でないのに不幸だと思い込むことになる。
 「エミール」(今野一雄訳)から。(2015・5・12)

〇教育において第一になすべきことは、道徳を教えることではなく、人生が楽しいということを体に覚えこませてやることだ(永井均)

 生きる理由がうまく見つけられない人に、人生が生きるに値するものだと納得させるの は難しい。生きることは楽しいという肯定感が底にないと、自分の人生をしかと肯定できない。だから子どもに不幸な傷があっても、それ以上に楽しい経験を周りが与え続けること。ルールを教えるのはその後だ。
 「これがニーチェだ」から。(2015・5・14)

 編集されているのは哲学者の鷲田清一さんです。鷲田 清一さんは、日本の哲学者(臨床哲学・倫理学)。 京都市立芸術大学理事長・学長、大谷大学客員教授、大阪大学名誉教授。 関西大学 文学部教授、大阪大学総長などを歴任された方だそうです。上記の二つの言葉から、子どもに対する真の愛情と教育の本質を問われたようではっとさせられました。
                  


2015/ 7/24








夏休み作文教室
      〜あなたも「作文名人」になろう!〜

 

 夏の公益事業で新たに作文教室を開催いたします。作文が苦手で苦労する子どもはたくさんいます。ところが、「書き方のコツ」が分かると気軽に書くことができるようになります。作文教室で指導していただく田中定幸氏(神奈川県作文の会会長、元横須賀市立小学校校長)は、永年にわたり作文教育を研究してきた実践家です。田中氏から以下の「作文教育で育つもの」を伺いました。

 歴史や文化、あるいは教科教育をとおして「知識」を学ぶことは何よりも大切なことです。けれども、その量が多くなればなるほど、事実をとおして学ぶこと。具体的な体験の中から考えをつくりだすことも、よりいっそう重要です。「もの」や「こと」、あるいは人との関わりを理解し、考えをもち、深めていく事の大切さを意識化し、学んでいる知識とむすびつけて、そこから真理・真実、人としての生き方を学ばせなければなりません。
 生活の中から、子ども自身に題材をえらばせ、自分のコトバで、ひとまとまりの文章として表現させる活動を大事にするねらいの第一はここにあります。
 また、子どもたちに喜怒哀楽を表現させることは、書くことをとおして、生活を理解させるだけでなく、「知る」ことによって、心のケアをうながし、自己表現力を高めます。したがって、今、しきりに求められているコミュニケーション力をも育むことになります。
 こうした、生活と表現を結びつけた文章表現活動=作文教育は、結果として想像力・思考力・表現力を高めます。子どもたちに、生活の中で起きた「小さな出来事」を書くことをすすめ、それを読み合うことを大切にしてきた理由がここにあります。
 作文が苦手と思っている子には、作文教室に参加して克服していただきたいと思います。きっと、書くことが苦にならず自分の考えを広めたり深めたりできるようになり楽しくなると思います。


                  


2015/ 7/10








佐野享子先生のリトピュアリトミック教室

 

 親子で楽しい佐野享子先生のリトピュアリトミック教室は、当会館において開催(水)し好評を博しています。生後2か月から3歳の体験レッスンも随時受けつけています。リトミックは、スイスの音楽教育家・作曲家エミール・ジャック=ダルクローズによって提唱された音楽教育の手法で、音楽と動きを融合したものです。
 「リトピュアリトミック」の目から耳から直感的に刺激するレッスンは、効果的に音感やリズム感を育てていきます。大好きなママから伝わる軽快なリズムと心地よい音楽で心が楽しくなるベビーたちは、素敵な反応をたくさん見せてくれます。リトピュアのレッスンには、心に響くメロディーや豊かな音色、サンバ、ジャズ、マーチ、ボサノバなどの心地よいリズム、そして、童謡、クラシック、リトピュアオリジナル曲など、身体も気持ちものってしまう音楽がいっぱいです。そこにはママも癒される、テーマパークのような楽しい空間があります。
 リトピュアリトミックの目的は、次の「3つの絶対」を身に付けることです。
■絶対音感=絶対音感取得の基礎となる、「聴こうとする耳」を育てていきます。それは、音楽面だけではなく、人の話が聴けるなど、学習面や人との関わりの中でもとても重要な力です。
■絶対拍=リズム感の基礎となる、正しく拍をとる力です。目から耳から直感的に刺激して、絶対拍を身につけていきます。リズム感は音楽だけでなく、運動面、ダンスやバレエ、語学などと関わりがあり、リズム感が良いことは、たくさんのメリットに通じます。
■絶対感性=困った子は一人もいないという考えのもとで、「みんな違って良い」を認め、褒めて伸ばしていきます。
 今、子どもたちにしてあげられることは、「学ぶって楽しい」「何かをすると楽しい」ということを教えてあげること。そして、それに気づける経験を親子でたくさんしてほしいと思います。そのきっかけとなる親子の時間をリトピュアリトミックで満喫してください。
 

(佐野享子先生 090-4421-3476)


                  


2015/ 6/26








18歳選挙権と民主主義

 

 若者の政治参加のきっかけにするため、選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に下げる公職選挙法の改正案が国会で成立する見込みです。選挙権の年齢を下げて政治意識の高い国民が増えればそれだけ民主主義が進み国の発展が期待できます。そのためには、何が必要でしょうか。
 第一は、政治教育です。教育基本法第14条では、「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。2法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治活動をしてはならない」と規定されています。
 政治の大切さを教える政治教育は重要です。しかし、学校は政治的中立を気にし政治から距離をおいてきているのが実態です。学校が安心して政治教育を行うためにも、教育行政は、政治教育について具体的な内容を明らかにし学校を支援してほしいと思います。他人の意見を尊重し協力して身近な問題解決をはかるなど、基礎的な政治教育は小学生から必要だと思います。
 第二は、憲法第41条に「国会は国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と述べられています。すなわち、国会は民主主義と良識の府とも言えます。国会議員は政治的教養をもった国民の代表です。
ところが、現実はどうでしょうか。テレビなどの国会議員の意見を聞くと唖然とすることがあります。首相自ら約束したことを果たさなかったりヤジを飛ばし陳謝したりしたこともありました。また、質問にまともに答えず、他人の意見や世論調査にも耳を傾けることなく自分の主張を多数の力で押し通そうとする姿が見られます。これでは国民の声は国会に反映されません。
 国会議員には、誠意ある討論を行い国民の声なき声をも反映できるようにし、国会を国民から信頼される民主主義と良識の府にしていただきたいと思います。国民は主権者意識を自覚し政治に参加したいものです。

                  


2015/ 6/12








横須賀・あなたの町の『おもしろ歴史散歩』bQ
郷土史家 山本詔一氏

 

 つい先日の5月4日、ユネスコの諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)は、明治日本の産業革命遺産(全国23資産)を、「明治日本の産業革命遺産」として「世界遺産への登録にふさわしい旨」を勧告しました。6月28日からの世界遺産委員会で登録が正式に決定することとなりました。(※奇しくも今回は、その前日の開催となります。)
 昨年の本講座において山本氏は、同じく昨年世界遺産に登録された「富岡製紙工場」の展示場のタイトルが「フランスから横須賀へそして富岡へ」とあることから、横須賀との深いつながりについてお話しされました。次いで、横須賀製鉄所(造船所)が今年(2015年)で150年、5号ドックが4年後に100年となることから、「5つのドックが揃って現役で100年越えというのは世界遺産に十分値する。」と、興味深い逸話をたくさん織り交ぜて、熱く楽しく語ってくださいました。
 シリーズ2回目の今回は、山本氏が深く研究してこられた日本近代史の中でも、最も造詣の深い「開国」をテーマにしたお話です。今回も、「目からうろこ」の、"えっ?"と思うようなお話がたくさん聞かれることと思います。(前回のお話から?)  ? なぜ浦賀沖だったのか? ? 東京湾の海図がなかったので、浦賀の先は棚になっている。?日本の船が小さいのはそのためではないか。(6回東京湾に入ってきて全て浦賀沖で停止。)
?ペリーのもう1つの目的は東京湾の測量だった。?親書の返事で時間稼ぎ?急いで羽田沖まで測量?その時猿島を発見。(観音崎を越さないと見えない。東京湾フェリーでは見えない。)
???猿島は「ペリーアイランド」???測量のため観音崎を越して島を発見したペリーは、島に自分の名前を付けた。
 山本氏のお話の魅力は、何と言っても、その軽妙洒脱な語り口にあります。横須賀を愛し、人を愛し、文化を愛し、お酒を愛し、落語を愛する中で培われた《人間味溢れる語り》に思わず引き込まれます。ご一緒に 《 詔一ワールド 》 を体験してみませんか?
☆ 6月27日(土) 14時 横須賀三浦教育会館  入場料300円

講師略歴
1949(昭和24)年、横須賀市西浦賀に生まれる。大学卒業後、家業の書店を継ぐかたわら地元の浦賀・横須賀・三浦半島の江戸から明治期の歴史を学ぶ。特に、ペリー来航に始まる日本の近代を庶民がどのように見、体験してきたのかを追求し続けている。この間、各地の市民講座などで講演・講座を多数行い、その幅広い内容と気さくな人柄が生み出す楽しい巧みな話術で好評を得ている。現在は神奈川県立保健福祉大学講師  横須賀開国史研究会会長  横須賀市文化行政専門委員 横須賀市文化振興審議員 三浦半島まるごと博物館連絡協議会・代表委員 浦賀歴史研究所所長

著書
「ヨコスカ開国物語」「浦賀奉行所与力・中島三郎助の生涯」(以上、神奈川新聞社刊)
「歴史まち浦賀 てくてくガイド」(浦賀歴史研究所刊)
                  


2015/ 5/22








〜セザンヌの足跡を訪ねる旅〜
セザンヌの食卓…林綾野著を紹介

 

 10年ほど前に南フランスを旅しました。そのとき、エクス・アン・プロヴァンスに泊まり、画家セザンヌが生活した街並みを歩きました。
 先ず、大きなプラタナス並木に包まれたロトンド大噴水に発するミラボー大通り、歴史を感じるエクス・アン・プロヴァンスは、セザンヌを抜きにしては語ることができないでしょう。歩道にはセザンヌゆかりの地への道しるべが埋め込まれていました。セザンヌのアトリエも印象に残っています。
 そんな記憶が薄れがちのとき、「セザンヌの食卓…林綾野著」を購入しました。林さんが「セザンヌとの距離を縮める案内書になってくれることを願っている」と述べているように、画家セザンヌとエクス・アン・プロヴァンスが絵や写真、図を使って分かりやすく説明されています。
 「セザンヌへの道」では、林さんがセザンヌの絵「リンゴとオレンジ」の果物の鮮やかな色彩と存在感に胸を打たれ、サント・ヴィクトワール山を見て感激したのに、もう一つ分からなかったと言い、その距離を縮める努力が記されています。次の「作品ギャラリー」には、リンゴなどの静物画(8枚)、サント・ヴィクトワール山など風景画(8枚)、人物画(9枚)が添付されています。
「エクス・アン・プロヴァンスに生まれて」「画家への道」「芸術家としての葛藤」「孤高の画家」というタイトルでは、画家セザンヌの人生が書かれています。洗足伸行氏の「セザンヌを見直す」は、新たなセザンヌ芸術の視点が案内してくれます。「セザンヌのレシピ」では、写真とレシピでセザンヌが口にしたいくつかの料理をひも解いています。この「セザンヌの食卓…林綾野著」をセザンヌの案内書として利用いただければ幸いです。
 キュレーター林綾野さんによる第4回名画セミナーは、「セザンヌの描いた南フランスの暮らしと絵」というテーマで5月30日(土)に開催します。当日、会場にて「セザンヌの食卓…林綾野著」を販売しますのでご覧ください。

                  


2015/ 5/ 8








平和を願う愛川欽也さんのメッセージ

 

 4月15日、愛川さんが肺がんで死去されたことから、マスコミで愛川さんの生活と考え方などが紹介され知ることとなりました。
 愛川さんは、戦争体験を語り続け、今の風潮に危機感を持っていたようです。また、対談で「中学2年の時、担任の岡田先生に平和主義を教えてもらってから70歳になる今まで忘れたことありません」と述べています。戦争経験者や戦後民主主義を学んだ多くの人たちは同じ思いではないでしょうか。
 愛川さんは、東京都墨田区が開く「平和メッセージ展」に21年前から平和への思いを寄せていたそうです。

・大切なのは、平和。(1994年)・平和 大切なのは平和 忘れてはいけないのが平和(1997年)・平和を忘れると戦争が近づく(1999年)・戦争はいつも弱い者いじめ。今、いじめをするのは、戦争と同じ罪悪です。(2001年)
・平和が本当に大事な時代に思えるようになってきました。(2003年)・今、日々平和の大切さを感じます。(2004年)・何百回でも何千回でも平和が大切(2009年)・平和を守る(2010年)・平和ぼけと言われようとも、平和が大切と言い続けましょう。(2013年)
    すでに肺がんと判明していた今年の3月、メッセージが届き次のように記されていました。 
・反戦は、憲法を守ることです。(藤原学思)

 三浦半島地区退職教職員の会では、「教師が遺す十五年戦争」という体験集を発行しています。刊行までに4年間の時をかけ、戦中・戦後体験を子どもや孫たちに伝えたい思いでまとめたものです。是非、読んでいただきたいと思います。第一集800円、第二集1000円、第三集1000円、3冊セット価格2000円。
問い合わせ先…横須賀三浦教育会館(046-824-0683)

                  


2015/ 4/24








子どもの貧困対策基金、政府が新設

 

 政府は、子どもの貧困の解消に向けて民間の資金を活用した基金を新設すると発表しました。子どもの貧困率は1985年10.9%が2012年には16.3%となり過去最悪となっています。およそ6人に1人が貧困といえます。ひとり親世帯での貧困率は54.6%、先進国の中で最悪の水準です。この実態を直視すれば、政府の子ども貧困対策基金の新設は評価できると思います。
 ただ、これによって解決できるかどうかは疑問です。政府にやってほしいのは、子どもの貧困率が高くなった要因を明らかにし実効性のある具体策です。そのためには、財政措置が必要です。子どもの貧困対策の推進に関する法律では、国の責務として子どもの貧困対策を総合的に策定し、及び実施する責務を有すると述べられています。
 東京新聞の貧困に関する社説では、「経済的に苦しい家庭の子どもに給食費や学用品代を補助する就学援助費は、生活保護が引き下げられたことに連動し、70余の自治体が支給対象の所得基準を下げた。子どもの貧困対策に逆行している」「日本政府は熱意にかける。政治主導で最優先に取り組むべき課題だ」と指摘しています。
 沖縄では、国の制度変更で補助率が全額補助から2分の1補助に引き下げられ自治体負担が増えるため生活保護世帯の児童・生徒への「無料塾」が継続困難になっていると報じられています。
 子どもの貧困対策は、子どもだけのものでしょうか。ひとり親が懸命に働いて年収が100万円ほどという家庭があります。所得格差はますます広がってきています。それでも、子どもの将来が生まれ育った環境に左右されることのない社会を実現することができるのでしょうか。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」憲法第25条。
                  


2015/ 4/10








10月11日、教育会館ふれあいコンサートスペシャル
「広い河の岸辺」日本語詞の八木倫明さん

 

八木倫明さん  NHK朝ドラ「マッサン」の中でエリーが歌った「広い河の岸辺」という曲があります。「花子とアン」でスコット先生が歌っていた曲でもあります。この曲名は「The Water Is Wide」と言い340 年も歌い継がれているスコットランド民謡です。日本語詞を八木倫明さんが書きクミコさんが歌っています。
 NHKの報道番組で八木さんと仲間の活動が特集されていました。
『八木倫明さんは以前オーケストラの広報として働いていましたが、退職して夢だったミュージシャンを目指しました。しかし、ほとんど売れず苦しい生活だったようです。そんな八木さんを救ったのが「The Water Is Wide」スコットランド民謡です。これを聴き感動し、皆に伝えようと思い日本語訳したそうです。
 元トラック運転手の金澤さんは、妻をガンで亡くし塞ぎこんでいた時に「広い河の岸辺」に救われ、近藤さんは、会社をやめ目標を失っていた時に八木さんに出会いました。2人は八木さんの活動を支えています。金澤さんは八木さん専属のドライバー、近藤さんは集客や会場設営を一手に受けています。
 そんな地道な活動が実り、「広い河の岸辺」は美しい旋律と歌声に心が癒されると多くの人に愛され、合唱曲としても歌われるまでに広がっています』
 ユーチューブで「広い河の岸辺」の歌を聴き心に響くものがあったため、市民の方に聴いていただきたいと思い、電話で八木さんに出演を依頼しました。すると、思いがけず「オーケストラの広報をしていたとき横須賀に行き、会ったことがあります」と言い快諾してくれました。30年も前に一度だけ会ったことを覚えていてくれた八木さんの声は希望に満ちていました。
 10月11日、ケーナとアルパのデュエット、および和楽器とラテン楽器のカルテット=木星音楽団で地球市民の民族音楽を求めて旅を続けるケーナ奏者でもある八木さんが当会館のふれあいコンサートにやってきます。多くの市民の方と感動を共有したいと思います。
  「河は広く  渡れない  飛んで行く  翼もない  もしも小舟が  あるならば  漕ぎ出そう  ふたりで・・・」
                  


2015/ 3/27








教育会館主催の
サークル活動・教室を楽しんでみませんか

 

横須賀三浦教育会館  教育会館主催のサークル活動で、楽しみながら学ぶ市民の方がふえています。市民の方の要望と協力によりリコーダー、フルートなどのサークルが設置され、参加された会員が仲間と楽しみながら学んでいます。春になり年度がかわります。気持ちを新たに教育会館のサークル活動・教室に参加してみませんか。
1.0歳(2か月)から3歳までのリトピュアリトミック教室  募集中
 0歳児から音楽に親しむことで、絶対音感、リズム感、集中力、コミュニケーション能力などぐんぐん育ちます。ママにとっては楽しく癒しの時間になります。指導は佐野享子先生です。
問い合わせ・申し込みは090-4421-3476(佐野享子)

2.童謡・愛唱歌を楽しむ会  募集中
 月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師だった浦ア陽子さんの指導により毎回40名以上の会員が和気あいあい童謡や愛唱歌を楽しんでいます。

3.「健康ヨガ」サークル  募集中
 月3回(水曜日)会費3000円。毎回15人ほどの会員がインストラクターの高橋祐美子さんの指導のもと健康ヨガに取り組んでいます。ヨガは血液の循環をよくし全身の筋肉を和らげ身体のゆがみを正します。ストレス解消にも最適です。

4.「大人のリコーダー」サークル  2015年度会員募集
 月2回(第1と第3水曜日)会費1000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導により練習し、リコーダーの楽しさ豊かな表現力を味わいます。練習ではアルトリコーダーを中心に行います。

5.「大人のフルート」サークル  2015年度会員募集
 月2回(第1・第3火曜日)会費3000円。野上修一さんの指導により、Aは初めての方のサークルです。Bのアドバンスサークルは、以前やったことがあり、この機会にはじめてみようという方のサークルです。

6.大人のピアノ教室 現在満席
   月2回(第2・第4の木・金曜日)会費3800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。

○サークル活動の企画・運営を希望される方、歓迎します
新しく教育会館主催のサークルの企画・運営を希望する方はご連絡ください。話し合いにより共通理解ができた場合は、協力してサークルを開設します。
          (公財)横須賀三浦教育会館 046-824-0683 ヨガ教室 リトミック
                  


2015/ 3/13








教育会館主催の
サークル活動・教室を楽しんでみませんか

 

横須賀三浦教育会館  教育会館主催のサークル活動で、楽しみながら学ぶ市民の方がふえています。市民の方の要望と協力によりリコーダー、フルートなどのサークルが設置され、参加された会員が仲間と楽しみながら学んでいます。春になり年度がかわります。気持ちを新たに教育会館のサークル活動・教室に参加してみませんか。
1.0歳(2か月)から3歳までのリトピュアリトミック教室  募集中
 0歳児から音楽に親しむことで、絶対音感、リズム感、集中力、コミュニケーション能力などぐんぐん育ちます。ママにとっては楽しく癒しの時間になります。指導は佐野享子先生です。
問い合わせ・申し込みは090-4421-3476(佐野享子)

2.童謡・愛唱歌を楽しむ会  募集中
 月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師だった浦ア陽子さんの指導により毎回40名以上の会員が和気あいあい童謡や愛唱歌を楽しんでいます。

3.「健康ヨガ」サークル  募集中
 月3回(水曜日)会費3000円。毎回15人ほどの会員がインストラクターの高橋祐美子さんの指導のもと健康ヨガに取り組んでいます。ヨガは血液の循環をよくし全身の筋肉を和らげ身体のゆがみを正します。ストレス解消にも最適です。

4.「大人のリコーダー」サークル  2015年度会員募集
 月2回(第1と第3水曜日)会費1000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導により練習し、リコーダーの楽しさ豊かな表現力を味わいます。練習ではアルトリコーダーを中心に行います。

5.「大人のフルート」サークル  2015年度会員募集
 月2回(第1・第3火曜日)会費3000円。野上修一さんの指導により、Aは初めての方のサークルです。Bのアドバンスサークルは、以前やったことがあり、この機会にはじめてみようという方のサークルです。

6.大人のピアノ教室 現在満席
   月2回(第2・第4の木・金曜日)会費3800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。

○サークル活動の企画・運営を希望される方、歓迎します
新しく教育会館主催のサークルの企画・運営を希望する方はご連絡ください。話し合いにより共通理解ができた場合は、協力してサークルを開設します。
          (公財)横須賀三浦教育会館 046-824-0683 ヨガ教室 リトミック
                  


2015/ 3/13






 市民が協力し楽しむ 第1回教育会館音楽祭

 

 2月21日、教育会館のサークルが集う初めての音楽祭を開催しました。最初は、「どこかで春が、早春賦」をみんなで歌いました。指揮と司会は、浦ア陽子さん、ピアノ伴奏は遠藤芙美江さんです。浦アさんの進行により会場に安心感が広がりました。
 リコーダーサークルは、山本典子先生の指揮によりAグループは「歌の翼に」、Bグループは「ヴィヴァルディの四季から春と冬」をソプラノ、アルト、テナー、バスによる合奏です。合奏を初めて聴いて楽しかったという人もいます。
 ピアノサークルの演奏、一人は松村友美先生と連弾、一人は旋律を両手で分けて演奏する編曲で、二人とも懸命に演奏し最後までやり遂げました。人前で弾くのはとても緊張しますが、演奏は聴く者に刺激を与えたと思います。
 フルートサークルの演奏、初心者のグループは野上修一先生のピアノ伴奏で、経験3年のグループは先生の指揮で演奏しました。フルートの柔らかく美しい音を聴くことができ、上達の速さにも驚きました。演奏者の言葉も印象的。
 童謡・愛唱歌を楽しむ会は、浦ア陽子先生の指揮で「手遊び歌、十五夜さんの餅つき」「少年時代、芭蕉布、花」を演奏しました。手拍子で楽しんだりリコーダーやフルートの合奏に合わせたり、花は二部合唱で演奏し楽しみました。
 後半は、パストラル(退職教職員、現役教師、一般経験者、12名)によるリコーダー合奏です。ソプラノ、アルト、テノール、バス、コントラバス、グレートバス、これら多種類のリコーダーによる合奏も聴けました。ミニコンサートは、フルート講師の野上修一さんとピアノ講師の松村友美さんです。お二人の優雅で澄んだ美しい演奏に魅了されました。
 最後は、「芭蕉布と花」をみんなで歌い終演となりました。参加者からは、「手作りの音楽祭、温もりがあった、緊張がありつつも楽しめた、いろいろなサークルがあることを初めて知った」などの声をいただきました。参加者の積極的な協力により音楽祭の目的が達成できました。音楽は市民のものです。
                  


2015/ 2/27








  公益事業「親と子の教育相談室」
じっくり聴きます。一緒に考えましょう。

 

 横須賀三浦教育会館2階で「親と子の教育相談(電話・来室)」を行っています。年2回学校を通して配布するチラシと、当ホームページの「教文研事業(教育相談他)」で案内しています。
 「子育て・学習・学校のことなどの心配・不安・迷い・憤り・悩み・困りごとなど、じっくり聴きます。一緒に考えましょう」の姿勢で対応しています。相談員は元教員で、多くの子どもや保護者と関わった経験や人生経験を活かしながらアドバイスしています。
 相談内容で最も多いのが「子育ての悩み」です。具体的には、「保護者への暴言・暴力」「発達障害」「叱り方」「過保護か」「友達ができない」「異性との付合い」「片づけができない」「パソコンに夢中で昼夜逆転」などです。相談相手がなく、保護者がひとりで悩んでいるケースがあります。子育てにマニュアルはありません。相談員の経験を話しながら、相談者と一緒に解決の糸口を探していきます。ケースによっては、公的な相談機関や支援機関を紹介しています。
 他には、「学校の対応(疑問や不信)」「不登校」「進路・学習」などについての相談があります。
 「子育て」や「学校の対応」で近年「発達障害」に関する相談が増えてきています。「発達障害ではないか心配」「担任に発達障害の検査を受けるように言われた」などです。2002年に文部科学省が「発達障害児」などの「発見」のために全国の学級担任を対象(抽出)に、学習・行動面の「特異性」を調査しました。2007年からは、特別支援教育が制度化され「発達障害」についての情報が多くなったことが背景にあると思われます。しかし、「○○障害」という言葉を安易に使うべきではないと考えます。どの子も一人ひとりが様々な課題を抱えています。一人ひとりの異なる課題・個性に寄り添うことが重要だと思います。

 

2015/ 2/13








「3.11あの日を忘れない 東日本大震災」VS
   子どもたちへ引き継ぐ貴重な自然「小網代の森」

 

 自然は人に対し恵みを与え心身ともに豊かにします。一方、脅威を与えます。そのため人は自然について学び理解し共存することが重要だと思います。以下に特筆する自然の実態に対し再認識したいものです。
 その一つが小網代の森です。神奈川県三浦半島の先端、相模湾に面したリアス式の入り江と谷、それが「小網代の自然」です。標高約85mの台地からいくつもの小さな川が刻んだ谷、深い森、広々とした湿地、大きな干潟、そして南国の香り漂う湾。頂点から相模湾外洋まで約3km、森と湿地と干潟と湾とを川が結ぶ、ひとつの流域がまるごと自然のまま残されたきわめて貴重な自然です。
 小網代の森は、湿地であった地域の乾燥化が進んでいたためNPO法人小網代野外活動調整会議と神奈川県で森と湿原の回復を実現させ、今日も保全・再生に努力されています。また、昨年から散策路などの施設整備に入り完成、7月20日から一般開放、利用上のルールを守り小網代の森を体感したいものです。
 また、一方の東日本大震災は自然の脅威として第一に思い起こされます。2011年3月11日午後2時46分大震災が発生。大津波が襲い東京電力福島第一原子力発電所の事故が追い打ちをかけ大災害となりました。今だ仮設住宅に避難している人も多く、そのうえプレハブ仮設は老朽化が進み体調不良を訴える被災者も多くいます。これらは子どもたちの生活にも悪影響を与えています。経済的理由から学ぶ機会を断念する子もいます。
 何もかも破壊した恐ろしく大きな自然の力と一方で安らぎをもたらす復元しつつある小さな自然…どちらも自然。この対比に心動かされている昨今です。
 東日本大震災から4年がたちます。当会館は、「3.11あの日を忘れない、東日本大震災」を思い起こし公益事業を行ってきましたが、本年は、四季の自然に寄り添って小網代の森を写し続けてきた加藤利彦氏の「30年の写真展」3月9日〜13日と「小網代の森」自然観察会、東日本大震災による遺児・孤児の経済支援のため、引き続き桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への義援金箱を設置し寄付を募っています。寄付金がきびしい環境の被災地で力強く生きようとする遺児の一助になれば幸いです。
                   小網代の森

 
 




2015/ 1/23








新年あけましておめでとうございます
 〜国際平和と子どもの幸せを〜

 

 昨年も、世界では各地で戦争や紛争が起こり子どもや市民が犠牲になりました。特に、パキスタンの学校襲撃事件による死者145人(132人が生徒)の報道には世界中が衝撃を受けました。犯行グループは12月16日午前10時ごろ、学校の外壁を乗り越えて敷地内に侵入、多数の生徒たちが試験を受けていた講堂に押し入り、さらには教室を回って無差別に発砲したそうです。人として最も卑劣な行為です。
 子どもや市民が犠牲になっている世界の現実に対し、ノーベル平和賞を受賞したマララさんのスピーチ「一人の子ども、一人の教師、一冊の本、一本のペン、それで世界を変えられます。教育こそがただ一つの解決策です。エデュケーション・ファースト(教育を第一に)」は、多くの人々に勇気と希望を与えました。
 日本国憲法では、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とあり、国際平和のため困難にくじけず長年にわたり献身的に努力を続けている人々もいます。
 人道支援NGO30年、活動し続けてきた熊岡路矢さんは、「空爆、占領、難民」という著書の中で、自衛の場合以外はいっさい武装攻撃に加わらないという日本の平和主義的政策が広く日本と日本人を、そして海外で活動する日本のNGOメンバーを守ってきてくれたと述べています。
 今年こそ、子どもたちが明るい夢と希望が持てる社会の実現、そして国際平和への道を着実に進みたいものです。当会館は、平和と子どもの幸せを願い、地域から教育文化の発展に寄与できるよう努力したいと思います。本年も皆様のご理解と協力をお願いいたします。

                   2015年1月
                  公益財団法人横須賀三浦教育会館

 
 

2015/ 1/ 1








祝 教育会館50周年記念スペシャル

 

   2014年度は、横須賀三浦教育会館が公益法人となって50周年となりました。当会館は地域から教育文化の発展をはかるため、三浦半島の市民とともに歩んできました。そのため、記念事業を市民と共有し、さらなる発展をはかるため下記の公益事業を教育会館50周年スペシャルとして開催しました。以下は参加者からの感想です。
*子育てにいきづまることがあり、何か今後の子育てでヒントになることがあればと参加しました。これまでも、子どもにオーディオで聴かせたりピアノを習わせたりしてきました。今日のピアニスト岡崎ゆみさんのセミナーを受けて音楽とのかかわり方をより意識しながら音楽とうまく付き合っていければと思いました。
*清水高師さんのヴァイオリンを聴いて、私は最初のヴィタリのシャコンヌで一撃でした。初めて聴いた曲だと思うのですが、最初の出だしで涙が出てきました。 なぜなのか、音楽性の説明はできません。帰宅して、YouTubeでいろいろな人の演奏を聴いたりしましたが、感動はありませんでした。生演奏ならではというのでしょうか。様々な病気を経験した友人は、昨日演奏したモーツァルトを聴いて、病気から脱出したそうで涙が止まらなかったそうです。

 
岡崎由美セミナー 清水高師ヴァイオリン 

2014/12/26








新聞記事を見ての雑感

 

*過疎化が進む小田原市の片浦小学校が人気です。1学年の定員が15人の「小規模校特任校」に指定され、通学区域の制限を外して市内の全域から通学できるため希望者が急増したそうです。保護者からは、「…先生との距離感も近い。地域の方々もよく声をかけてくださり、密な対話がたくさんある」「人数が少ないので、一人ひとりに出番がたくさんあるのも気に入りました」の声が寄せられています。当然ですが、全国での少人数学級は急務です。
*全国大学院生協議会が発表した調査では、大学院生の4割以上が奨学金を借り、その4分の1近い利用者の借入金額は500万円以上となっています。奨学金が経済的支援ではなく、事実上の借金になっています。生活費や研究費をまかなうため研究時間を削ってでもアルバイトをせざる得ない大学院生もいます。これに対し、総選挙の費用を700億円として計算すれば約2,400人の苦学生が卒業後の借金から解放されるとの声が寄せられ、受験生からは、「親に経済的な負担をかけると悩む声はよく耳にします」「絶対に必要な選挙だとは思えず理解できない」と言います。
*道徳が2018年度に教科として格上げされます。国の定めた基準で検定された教科書を使って授業し、子どもの内面を評価することができるのでしょうか。学校からは戸惑いの声が聞こえてきます。むしろ、道徳教育が必要なのは政治家かもしれません。基本的に憲法を尊重して政治活動をしているか、具体的には約束したことを実行したか、最高裁の「違憲状態」という判決を尊重し実行したか、政治資金の使い方は正しく透明か、などです。
 いまこそ、公教育の趣旨を逸脱するような政治や国家の介入ではなく、学校の教職員・保護者・地域の協力を尊重し、子どもと教職員が安心して学べる環境を作ることこそが政治と行政の責任ではないでしょうか。

 
 

2014/12/12








平和と民主主義、子どもの未来を守る総選挙

 

 衆議院が解散しました。日本は、民主主義の国ですから主権者である国民の意見を聞くのは大切なことです。首相は「経済状況を考え消費税率引き上げを18か月延期し、税制に重大な変更を行った以上、選挙をやって国民の声を聞く必要がある」と説明しています。ただ、今回の説明と解散には理解・納得できないという人も多いようです。それでも、現実には700億円という税金を使って選挙が行われます。
 大切な経済は国民のためであり、経済優先は人間優先のためのものです。確かに一部の大企業の名目賃金は上がったようです。しかし、8%への増税と物価高で低所得者や年金生活者の実質収入に大きな影響が出ています。一部の大企業では、株高や円安がすすみ経済は好転したようです。一方、円安や材料費の高騰などで多くの中小企業が悪影響を受け、国民の経済格差はますます広がっています。
 このことは、子どもの生活や希望に大きな影響を与えています。そのため、家庭の貧困から満足な食事も取らず学校に来る子もいます。また、進学を断念したり退学したりしなければならない子も増えています。国民に負担をかけるので「身を切る改革」を行うと言い、2年前の党首討論で国会議員の定数削減と選挙制度の改正を約束しましたが、いまだに約束が果たされていません。これでは、政治家を信頼することはできません。
 国政は、国民の厳粛な信託によるものです。国民の声に耳を傾けず多数決で決めることは民主主義ではありません。消費税のほかにも大事な課題があります。集団的自衛権の行使容認を閣議決定したこと、特定秘密保護法の施行、東日本大震災の復興、原発の再稼働、教育問題などです。沖縄県知事選では、辺野古移設に反対の翁長氏が圧勝し県民の民意は明確となりましたが、政府は辺野古への移設を進めると言っています。
 紛争地でNGO活動をしてきた熊岡さんは、世界で働く日本のNGOメンバーの命を大枠で守ったのは、戦後の平和主義だと述べています。平和と民主主義、子どもの未来を守るため、有権者は国政の全てを問う姿勢で投票する責任があると思います。

 
 

2014/11/28








財務省の「学級定員」を増やす考えに驚く        〜少人数学級導入は急務です〜

 

 財務省が、公立小学校1年生で導入されている1クラス35人の学級編成基準を来年度から40人に戻す案を財政制度等審議会の分科会に提示しました。35人学級が、いじめや不登校の改善につながっていないのが理由です。
 ほんとうに改善につながっていないのでしょうか。大変な驚きです。今まで学級定員を増やすという発想はなく、むしろ欧米並みの少人数に近づけ、より教育効果を高めていくべきと思っていたからです。この考えは長年にわたり学校で教育に携わってきた教職員はもとより、保護者や地域の教育行政も当然のように考え努力してきたと思います。
 文部科学省も、少人数学級は、きめ細かい指導で子どもたちが勉強する意欲がわいたり、悩みや相談も先生にじっくり聞いてもらえたり、良い点がたくさんあると言っています。また、最近は暴力行為や不登校などが深刻な問題となっていたり、障害のある子どもや外国人の子どもなど特別な支援を必要となったりする子どもたちも増加。そんな中、新指導要領により授業時数や指導内容がふえ、こうした課題に対応するためには、今、少人数学級の実現が強く求められていると述べています。先行して少人数学級を導入している県では、学力の向上や不登校の出現率や欠席率が低下する傾向がみられています。
 国際比較では、1学級あたりの子どもの数の平均は、小学校の場合、日本は28.0人。OECD平均は21.6人となっていて、諸外国と比べても多いのが実態です。30人を超える学級の割合を日本とイギリスで比較してみると、イギリスは小学校12%、中学校10%と少なく、日本の小学校は54%、中学校82%で、日本の1クラスの子どもの数がとても多いことが分かります。
 現在、経済格差がますます広がり、学校は多忙化し子どもたちが犠牲になっています。これらを解消するため少人数学級導入は急務です。

 
 

2014/11/14








教養セミナー ピアニスト岡崎ゆみ

 

ピアニスト岡崎ゆみ  9月20日、教育会館50周年記念事業として、ピアニストの岡崎ゆみさんをお迎えし教養セミナーを開催しました。岡崎さんは、テレビ・ラジオ番組の司会を務め、ピアノ演奏家としてソロリサイタルに加えオーケストラと共演するなど全国で活躍しています。 また、未就学児・妊婦のためのコンサートも長年にわたり続け、小さい頃からクラシックに親しむ大切さを広めています。
 今回のセミナーは、子どもがクラシックを聴くことの良い点について体験と研究により得た成果を分かりやすく話していただきました。以下、アンケートの感想を紹介します。

*子育てにゆきづまることがあり、何か今後の子育てでヒントになることがあればと参加しました。これまでも、子どもにオーディオで聴かせたりピアノを習わせたりしてきました。今日のセミナーを受けて音楽とのかかわり方をより意識しながら音楽とうまく付き合っていければと思いました。
*すばらしいピアノ演奏をありがとうございました。ピアノコンサートは久しぶりで感動しました。自分の子どもができたとき是非クラシックを聴かせてあげたいと思いました。また、自分のクラス(年中児)にもクラシックを流して触れられる機会を作ってあげたいと思いました。素敵な時間を過ごすことができて良かったです。
〇子どもを連れてこられたら、もっと子育て世代の参加ができたと思います。赤ちゃん連れで参加できるのは少ないのでぜひお願いします。

 ご意見ありがとうございます。当会館としても子連れで気軽に参加できるコンサートをやりたいと考えてきました。そのため、本年度は、8月に子育てサークルぽこあぽこの「0才からのこんさーと」、6月には「未就学児のためのファミリーコンサート」をNHK交響楽団の松本健司さんたちの協力により開催することができました。
 早速、来年度の「0才からのコンサート」を岡崎ゆみさんにお願いしたところ快諾をいただきました。2015年4月開催の予定です。ご期待ください。

講演会会場  
 

2014/10/24








第3回名画セミナー「情熱の画家ゴッホ」の感想

 

林 綾野さん  9月27日、人気キュレーター林綾野さんによる第3回名画セミナーを開催しました。タイトルは「情熱の画家ゴッホ 画家の人生と旅、そして食」です。林さんはキュレーター、アートライターです。美術館での展覧会企画、美術書の企画・執筆を手がけています。ゴッホについては、ゴッホに関する芸術性と合わせてその人柄や生活環境を現地に行き調査・研究をしてきています。著作「ゴッホ旅とレシピ」(講談社)
 当日は画家ゴッホの作品と自身で撮った現地の写真を映像で紹介しながら、出生の話から亡くなるまでの37年間、様々な角度からの話はとても分かりやすく興味深いものでした。ゴッホの才能を信じ支え続けた弟テオとの関係、画家としての一筋に打ち込んだ制作への意欲、それまでになかった絵画史上の革新性などもやさしい口調ながら熱く語り聴く者を魅了しました。最後は悲しい結末で人生を閉じましたが、それがゴッホという人間の燃え尽きた姿だったかもしれません。ゴッホの絵は、今も見る人をひきつけ世界中の人々から愛されています。あっという間の2時間でした。
 参加者アンケートの感想を紹介します。
*先生のお話はその人となりをとても具体的に身近に感じられ大ファンになりました。今回のゴッホも、初期の作品も初めて見て、幼年時代から画家をめざすまでのあれこれを含め、ひまわりや糸杉のタッチなどが魅力的だなぐらいの「ちょっと好き」の私でしたがさらに好きになりました。
*どんなに偉大な人でも子ども時代があり、食べて寝て笑って泣いて生きていたのだということを改めて思いました。ゴッホのことはかなり知っているつもりでした。ゴッホを巡る旅にも行きました。でも知らないことがいっぱいありました。ますますゴッホが好きになりました。
 林さんの名画への案内は魅力的なため、多くの方に次回への参加希望をいただきました。
次回はロートレックあるいはセザンヌなどを検討しています。ご期待ください。

林 綾野さん  
 

2014/10/10








子どもの幸せと平和を願う

 

 大人が残すべき子どもへの遺産は何でしょうか。第一は平和です。安全で安心して生活するための必須条件です。平和なくして生活はもちろん教育文化の発展は望めません。世界の現状は各地で戦争が起き子ども(市民)が犠牲になっています。国を追われた難民のテント生活が報道されています。
 アメリカが過激派組織「イスラム国」との戦いにイラクで空爆を開始したのには驚きと恐怖を感じます。現在、アメリカの空爆は拡大の一途をたどり、「イスラム国」の反発は必至でアメリカやヨーロッパなどの市民の殺害を呼びかけています。日本でも集団的自衛権など戦争への不安が増すばかりです。
 第一次世界大戦が勃発して100年、戦争のあった地域は、いまだに問題解決が図られず苦しんでいます。激戦のベルギーのイーぺルでは危険な毒ガス弾処理にあと300年ほどかかるそうです。世界では、今もなお家族や故郷を破壊され心身共に傷つき病んでいる人も多くいます。日本では原爆病などで苦しんでいる人がいます。
 9月22日、鎌倉の妙本寺に行きました。門前には、暴走する国際社会にブレーキをかけ世界に正気をとりもどす国がひとつくらい無くてはいけない、それは9条をもつ日本しかない!伊勢崎賢治、毎日新聞平成25年7月25日夕刊、「この国はどこへ行こうとしているのか憲法!」と掲示されていました。
 第9条には、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とあります。武力行使による戦争では解決には至らず、憎しみや恐怖、諸国民の心身などに問題を残したことは歴史の示すところです。世界の指導者たちによる対話と外交努力に期待し、平和を念願するものです。

 
 

2014/ 9/26








教育会館50周年記念スペシャル(10月5日)世界で活躍する 清水高師「ヴァイオリンリサイタル」
 

photo    横須賀出身の世界で活躍するヴァイオリニスト清水高師さんのコンサートをしてほしいと要請がありました。ヴァイオリンの清水高師さんと言っても音楽に疎い者にとっては全く知りませんでした。インターネットで調べたところ、プロフィールに「10歳でNHK毎日学生コンクールに優勝。N響と共演。国際コンクール優勝者を集めたコンクールにおいて最優秀グランプリ受賞」など、輝かしい経歴が書かれていました。
 これを見て、とても当会館にお出でいただける方ではないと思いました。それでも何とか呼んでほしいと言われ調べたところ、現在は東京藝術大学教授でほとんど海外において演奏していることが分かりました。そこで、清水先生の状況を知るため東京藝術大学の学務課に電話で事情を話し、「ヴァイオリンの清水高師先生のお弟子さんのような方と話がしたいのですが、連絡が取れないでしょうか」とお願いしました。
 数日後の12月、清水先生本人から電話があったのにはびっくり、出演依頼したところ快諾をいただきました。その後、「お忙しいところ、ご連絡をいただきありがとうございます。 清水先生にお願いしてほしいと言っていた知人にお出でいただけることを報告したところ感激し喜んでいました。 当方も、快諾をいただきとてもうれしくお礼申し上げます。また、 いろいろとお気遣いいただき感謝いたします」とメールしたところ、清水先生からは、10月5日の日程提案やいろいろな点での配慮と、「横須賀は私の大切な故郷です。お役に立てれば幸いです」という丁重な言葉をいただきました。
 6月に入りチラシを作成するために資料を送っていただくためのお願いをしました。そのとき、清水先生はドイツと東欧に演奏旅行中でした。それでも外国から何度も連絡をいただき、「参加者の多くは大人ですが、小中学生にもできるだけ一流の生の音楽を聴いてほしいと願っています。そのため、できるだけ小品も入れていただきたきたく検討をお願いいたします」などの要望をしたところ、調整して5曲の予定曲を送ってくれました。早速、全曲を聴き、これなら当会館のコンサート参加者に喜んでもらえると確信しました。
 また、丁寧な清水先生のメールによる人格にも触れることができ感銘を受けました。実力派ピアニストのヴィオレッタ・エゴロヴァさんの演奏も期待でき、教育会館50周年記念スペシャル「清水高師ヴァイオリンリサイタル」は感動的なものになると思います。

          
*完売が予想されます。ご希望の方は早めにお申し込みください。
 
 

2014/ 9/12








眺望を生かす逗子披露山公園の整備を

 

眺望を生かす逗子披露山公園の整備を  逗子市にある披露山公園は、その眺望の良さからも逗子市民をはじめ多くの人々に愛され親しまれています。また、かながわの景勝50選にもなっています。西側からは江の島、相模湾そして天気が良ければ雄大な富士山が一望できます。特に、真っ白な雪の富士山やシルエットの富士山は見る人を魅了します。
「憲政の神様」「議会政治の父」尾崎行雄の記念碑が披露山にあります。1929年(昭和3年)から披露山に住み1954年(昭和29年)永眠しました。尾崎咢堂付看護婦の服部フミ子さんは、逗子の景色を何よりも愛されたというタイトルのもと「…晩年のお足もとが危なっかしくおなりになってからもお天気の日には、ガウンをお召しになってベランダから逗子湾の景色をいつまでもごらんになっておられました」と記しています。
 披露山公園の近くには、はじめて真冬の富士山頂(1895年、明治28年)で気象観測をした野中到が住んでいました。野中夫妻を題材とした新田次郎の小説「芙蓉の人」は何度かテレビドラマ化(現在、NHK土曜ドラマ放映中)され、冬の厳しい富士山頂における観測記録は、貴重なものとして人々の心を打ちました。
 披露山公園の展望台の前には二つの椅子が置かれています。その椅子に腰を下ろしゆったりと江の島や富士山など移りゆく美しい景色を眺めることを楽しみにしていた市民も多かったのではないでしょうか。ところが、今年になって展望台前の椅子に座ったところ、あの美しい眺望が新たに設置されたフェンスにより遮られてしまいました。
 「なぜ、景観を台無しにするようなフェンスを設置したのでしょう」
眺望や色彩などを考慮したのでしょうか。市民が憩う風光明媚な披露山の眺望景観を認識し、市民感覚を大切に整備してほしいと思います。
 景観法第二条、「良好な景観は、美しく風格のある国土の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠なものであることにかんがみ、国民共通の資産として、現在及び将来の 国民がその恵沢を享受できるよう、その整備及び保全が図られなければならない」

 
 

2014/ 8/22








8月、子どもの幸せと平和を考える

 

 平凡な暮らしが一番。首相は「国民の命と平和な生活を守る」と主張しますが納得できません。福島など原発事故で国民の命が奪われ、生活が破壊され、いまだに解決できず苦しんでいる国民が多くいるからです。にもかかわらず、原発や武器輸出をすすめています。
 1945年8月15日、日本は全面降伏し悲惨で悪夢のような戦争は終結しました。「戦争はこりごり」「国家の言いなりには、もうならない」という二つの思いは、生き残ったほとんどの日本人に共通していたと思います。
「サイレンの音を聞くと、戦争中に聞いた空襲警報のサイレンを思い出しいまだにドキッとします」
 米軍機から焼夷弾(火災や高熱によって人や建造物などを殺傷・破壊する爆弾・砲弾)を無差別に落とされる中を逃げた恐ろしさ、焼夷弾によって家を焼かれてしまったことが脳裏に焼き付いているからです。いつ爆撃されるかわからず四六時中びくびくしながら生活していました。1945年8月15日0時23分から埼玉県熊谷空襲が行われ、自宅周辺は爆撃により火の海となり死傷者であふれかえったといいます。悲惨な戦争は絶対にしてほしくありません。
 集団的自衛権は抑止力になり平和を守ると言う人がいます。しかし、抑止力は仮想敵国を作り戦争を誘発したことは歴史が示しています。集団的自衛権を行使することは戦争をすることです。国際紛争には、政府による外交努力と民間交流などを進めることにより信頼関係を築き解決してほしいと思います。
 以上は、6歳まで戦争を体験した人の話です。
 集団的自衛権の行使容認があまりにも簡単に閣議決定されことにショックを受け不安を感じている国民が多くいます。再び戦争への道を歩まないため、政治家だけに任せるのではなく、一人ひとりが考え行動するときです。

 
 

2014/ 8/ 8










第3回名画セミナー(9月27日、情熱の画家ゴッホ)
人気キュレーター林綾野さんによる名画への案内

 

キュレーター 林 綾野さん  モネやルノワールなどの名画を観て、この作品はどのような環境のもとに生まれてきたかを知っていればより深く鑑賞できたと思うことがあります。特に、二度と行くことがない美術館で出会った名画について、もう少し知識があればよかったと後悔することもあります。そこで、印象派の名画セミナーに関心を持つ方 がいるのではないかと考え開催することにしました。
 講演はキュレーターの林綾野さんにお願いしました。林さんは美術館での展覧会の企画、美術書の企画・執筆を手がけています。新しい美術作品との出会いを提案するために画家の芸術性と合わせてその人柄や生活環境、食への趣向などを研究、紹介し注目を集めています。著作は「ゴッホ旅とレシピ」「モネ庭とレシピ」「フェルメールの食卓」(講談社)など多数あります。
 第1回「フェルメールからのメッセージ」第2回「睡蓮の画家モネ」セミナーは好評を博しました。そのアンケートの感想をご紹介します。
「フェルメールの絵は大好きなので、絵にかくされたメッセージや時代の背景が分かってとても聞いていて楽しかったです。一つ一つの絵でこんなにも分かることがあるんだなと思いました」「本を読むだけではイメージできなかった具体的なエピソードが楽しく、まだまだ聞いてみたいという思いです。知識は勿論レシピを再現されるなど熱い思いが伝わってきました」
 ゴッホの絵は生前には1枚しか売れなかったそうです。しかし、現在では世界の美術館で多くの人々から愛され鑑賞されています。第3回名画セミナーはゴッホの魅力的な作品と、その人となりに迫る講演です。名画に秘められたメッセージを知り鑑賞の楽しみを広げていただければ幸いです。

 
 

2014/ 7/25








公益事業 教養セミナー 教育会館50周年スペシャル クラシックを聴くと良い子が育つ  参加無料

 

ピアニスト 岡崎ゆみ  横須賀市上町に横須賀教育会館が建設されたのが1963年8月、公益法人として財団法人横須賀教育会館になったのが1964年4月です。2001年12月に横須賀市日ノ出町に完成した新教育会館は、財団法人横須賀三浦教育会館となり、新公益法人制度に対しては、2010年12月より公益財団法人に移行し公益財団法人横須賀三浦教育会館となりました。したがって、2014年度は公益法人として教育会館50周年となります。
 そこで、教育会館50周年を記念して、ピアニスト岡崎ゆみさんによる「クラシックを聴くと良い子が育つ」のセミナーを9月20日(土)14:00に開催します。岡崎さんは、「小さい頃からクラシックに親しむことができれば、どれほどその人の人生がゆたかになることでしょう」「名曲は子どもたちの栄養になっている」と述べ、20年以上も乳幼児や子ども向けコンサートを続け好評を得ています。
 岡崎さんは、東京藝術大学卒業、同大学院修了。大学院修士課程2年目の1983年にハンガリー国立リスト音楽院留学。1986年朝日新聞主催第6回「新人音楽コンクール」ピアノ部門に優勝。文部大臣賞を受賞しています。今回は、子どもがクラシックを聴くことの良い点など、体験し実感したことをお話しいただきます。また、セミナーの中で2・3曲ピアノの名曲を弾いていただきますのでお楽しみください。定員150名、ご希望の方はお早めに申し込みください。
 現在、当教育会館には(公財)横須賀三浦教育会館、三浦半島地区教職員組合、三浦半島地区教育文化研究所、横須賀市立学校管理職組合、三浦半島地区学校管理職組合協議会、横須賀市PTA協議会、横須賀市私立幼稚園協会、(公財)日本教育公務員弘済会神奈川支部の事務所が設置され、それぞれの団体は、教育会館を拠点に教育文化の発展を願い活動し成果をあげています。
 教育会館50周年を機に、公益財団法人の意義を再認識し地域の教育会館として三浦半島地区の住民に愛され新たな飛躍の出発になれば幸いです。

 
 

2014/ 7/11








教育会館ふれあいコンサート 10周年記念
〜演奏家とふれあい 生の音楽を気軽に楽しむ〜

 


田中 梢  教育会館ふれあいコンサートは、2004年6月27日に第1回「早 川邦宏・ファゴットリサイタル」を開催、2014年度はじめの「石田泰尚ヴァイオリンリサイタル」は第52回となります。
 アンケートの感想では、「とてもすばらしかったです。お母さんは感動してなみだをながしていました」「演奏する方と聴く人の距離が近くて驚きました。とても楽しかったです」「身近で一流の音楽が市内で聴けるなんて幸せです」など感想が寄せられました。演奏者からは、「この会場は身近で熱心に聴き楽しんでくれるのでやりがいがある」という声をいただいています。
 2014年度は10周年になります。なんとか今日まで続けてこられたのは、市民の方と演奏者などのご理解と協力によるものと感謝でいっぱいです。今、すばらしいコンサートは、演奏者、鑑賞者、企画・運営する者が一体となり創造するものと実感しています。
 現在は、「教育会館ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏者とふれあい、家族や知人ともふれあい、気軽に市民が生の音楽を楽しむ場となっています。2014年度も10周年を記念するのにふさわしい実力と魅力あふれる出演者に快諾をいただきました。感動を会場のみんなで共有できれば幸いです。音楽は市民のものです。

神代 修 ・小松真知子&タンゴクリスタル  
 

2014/ 6/27












子どもの相対的貧困率は上昇傾向に
〜2014年度版「子ども・若者白書」から〜

 


 政府が6月3日に閣議決定した「子ども・若者白書」に改めて考えさせられる子ども・若者の実態が掲載されています。
 子どもの相対的貧困率は上昇傾向にあり、大人1人で子どもを養育している家庭が特に経済的に困窮しています。就学援助を受けている小学生・中学生の割合も上昇傾向にあります。2000年代半ばにおいて日本の子どもの相対的貧困率はOECD加盟国30か国中12番目に高く平均を若干上回り、大人が1人の所帯は最も高くなっています。
 子どもの貧困は、子どもの心身に悲惨な影響を与えています。貧しい家庭に育つ子どもは、学力、健康、家庭環境、非行、虐待などさまざまな面で、そうでない子どもに比べて不利な立場にあります。6月5日、横須賀市は所在不明の小中学生20名と発表しました。DVなどにより転出した子もいるようです。貧困と関係のある子もいるかもしれません。
 社会心理学者の碓井真史さんがNHK視点論点で語った言葉が印象的です。
「学校はがんばっています。「貧しい子」たちを支えるためにがんばっています。こういう時代だからこそ、小中学校の公立義務教育学校の役割は重要です。最後の砦です。給食でだけ温かい手の込んだ食事を食べている子もいます。学校がなければ、健康的な運動もしない芸術にも触れない読書もしない子たちがいます。別の子たちは、家庭においてすばらしい環境が用意されているのに。政治や行政、様々な福祉サービスの充実など、もちろん必要です。でも同時に、その子たちと毎日接している教師たちと学校を支援したいと思います」
 経済格差により各国で問題が出ています。富める者はますます富、貧しき者はますます貧しくなっています。ブラジルでも、「潤うのは金持ちだけ、庶民の生活は苦しくなるばかり」「ワールドカップよりも医療や教育に」という報道を目にします。お祭りよりも国民生活を大切にという声が聞こえてきます。

 
 

2014/ 6/13












未就学児のための二つのコンサート
 *未就学児対象のファミリーコンサート(6月29日)
 *♪0才からのこんさーと♪(8月2日)

 


 ピアニストの岡崎ゆみさんは、「名曲は子どもたちの心の栄養になっている」と言っています。大人も名曲を聴いて癒されたり充実感や生きる希望を感じたりします。未就学児こそ生の美しい音や曲を敏感に受け入れるのではないか、心の栄養となって心豊かな大人に成長するのではないかと、当教育会館として未就学児のコンサートができればと考えてきました。
 今年度になって、「未就学児対象のファミリーコンサート」と「♪0才から のこんさーと♪」の二つの提案がありました。
 「未就学児対象のファミリーコンサート」は、トリオ・サンクァンシュの方から「教育会館ふれあいコンサート」を開催する6月29日午前に未就学児対象のコンサートをしてもいいという話をいただきました。運営に不安を感じつつもプロの演奏家のすばらしい演奏を未就学児に聴いていただきたいと、すぐ準備に入りました。この機会に、NHK交響楽団の名手が奏でるクラリネット、ファゴット、オーボエの美しい音と名曲をお楽しみください。
 「♪0才からのこんさーと♪」は、子育てサークルの「ぽこあぽこ」が企画運営します。演奏者で「ぽこあぽこ」の代表の高宮葉月さんは、洗足学園大学音楽大学院音楽研究科(修士課程)を首席で修了し、プロとして演奏活動しているピアニストです。高宮さんは1歳の子の子育て中です。「童謡や手遊び、歌やピアノソロ、連弾によるクラッシックの名曲をご家族の皆様でお楽しみください!」と呼びかけています。きっと、楽しいコンサートになると思います。
 プロの演奏家は、想像を絶するほどの才能と努力が必要です。すべての音を最高の質とバランスで奏でることに全力を傾けるため、日夜血の出るような練習を積むそうです。コンサートの演奏中は全力で集中して奏でるため、ときに聴衆の雑音によって集中力がそがれ、場合によっては演奏を中止したという話を聞いたこともあります。 今回の未就学児のための二つのコンサートは、演奏家の理解のもと開催される貴重なものです。是非、お出かけください。

 
 

2014/ 5/23












5月17日(土)開催、心にしみる美声で魅了
「想い出万華鏡」ミネハハ コンサート

 


 横須賀市立中学校で英語教師をしていた松木康夫さん90才のお祝いを記念し、「ミネハハ コンサート」を開催したいので協力していただきたいと、松木さんの馬堀中学校での教え子からお話しをいただきました。かつての教え子と言っても70代半ばの人たちです。先生と生徒の信頼と絆の強さが感じられ、企画運営も自分たちでやると意欲満々でした。
 当方にとっては、「ミネハハ」と言っても初めて聞く名前です。ミネハハとは松木さんの次女の松木美音さんです。クロネコヤマトやグリコなど3000曲以上のCMソングを歌いCMソングの女王の座を築きました。美声と圧倒的な歌唱力は父親譲りと言います。本人も「幼い時,一番想い出に残っていることは父がお風呂の中で私の背中を流しながらテノールのいい声でロシア民謡や日本歌曲を歌ってくれたことです」と述べています。
 ミネハハさんのCDをいただいたので、早速、仕事帰りの車の中で聴きました。蘇州夜曲、荒城の月、アメージング・グレース、ありがとうなど、期待を大きく上回る美声となつかしい曲目に心地よく聴き入りました。まさに「圧倒的な歌唱力が聴く人の心にしみていく」そのものでした。
 4月23日、コンサート運営の打ち合わせのため松木さんと美音さんともお会いしました。松木さんは80才からボールペンアートを始めたそうです。その作品は硬貨や小鉢等の緑の曲線を利用して描かれとても美しく万華鏡のようです。ボーリングではいまだに200点代をたたき出すそうです。美音さんの言葉からは父親を尊敬し愛する様子が伝わってきました。
 5月17日(土)13:30開演、ミネハハコンサートを開催します。横須賀出身の美音さんは、「親への思いと皆様への感謝の気持ちを思いきりミネハハの歌声に乗せて届けたい」と張り切っています。ホワイエでは松木さんの「ボールペンアート」を展示します。是非ご来場ください。

 
 

2014/ 5/ 9












子どもの未来に平和と安全を願う
〜憲法第9条にノーベル平和賞を〜

 


 戦時中を体験した者は、戦争の悲惨さを見たり体験したりして何よりも平和の大切さを実感しつつ生活してきたのでないでしょうか。ところが、最近になって平和と安全に対し不安な報道が多くなっています。
 十分な検討もなく具体的な内容を明らかにされず数の力で押し切った特定機密保護法、武器輸出三原則にかわる防衛装備移転三原則を閣議決定し、これまで原則禁止してきた「武器輸出」を「防衛装備移転」といいかえ歯止めもあいまいのまま解禁に踏み切りました。戦争が現実に近づき子どもの未来に恐怖を感じる人も多くいると思います。
 今、現内閣が行使を容認しようとしている集団的自衛権とは、自分の国が攻撃されていなくとも、密接な関係にある他国が攻撃された場合に反撃できる権利のことです。それも、憲法解釈の変更で集団的自衛権を行使できるように目指しています。歴代内閣は、「日本が国際法上、集団的自衛権を持っているのは当然だが、行使することは憲法上許されない」と解釈し、憲法第9条では個別的自衛権しか認めないとの立場をとってきました。
 一方、「戦争放棄を定めた憲法第9条にノーベル平和賞を」と座間市の主婦鷹巣直美さんがネットで呼びかけ共感が広がっていると報道されています。小学生の子どもを持つ鷹巣さんは、「戦争で、子どもたちに悲惨な思いをさせたくないのは世界中同じ」と呼びかけています。この機会に改めて、憲法第9条を繰り返し読みその本質を考え理解したいと思います。

日本国憲法第9条

  1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決す津手段としては、永久にこれを放棄する。
  2. 前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

 
 

2014/ 4/25














第3回「3.11あの日を忘れない東日本大震災」ご報告
〜遺児育英資金カンパ\70,000円〜

 


 当会館は、「3.11あの日を忘れない東日本大震災」を思い起こし、美術展「橋本栄展」3月9日〜16日と東日本大震災による遺児・孤児の経済支援のため、引き続き桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への寄付を行いました。期間は3月1日〜25日(日祝は休み)9:00〜17:00義援金箱を設置し支援金を募りました。その結果、70,000円を遺児育英資金として送ることができました。みなさまのご理解と協力にお礼を申し上げます。
 ふるさとを福島とする橋本栄さんの作品の中には、必死に子どもや家族を守 ろうとする親の姿や途方に暮れる老人の姿、住むことができなくなった町など を描いた作品は多くの人をひきつけていました。
 


2014/ 4/11










 市民が楽しめる催し物を企画運営してみませんか

 


 4月5日、育児サークル「ぽこあぽこ」が感動の映画「うまれる」の上映会 を開催しました。会員は一昨年から昨年出産を経験した母親たちです。企画運 営を行い大成功をおさめました。その発想と行動力には驚き感心しました。すでに、「0才からのコンサート」を8月2日に開催する準備をすすめています。
 イルソーニョは、メゾソプラノの下園理恵さんとピアノの小泉耕平さんのユ ニットです。下園さんは浦賀小・中学校、小泉さんは鴨居小・上の台中学校卒 業、二人とも横須賀出身です。横須賀市民の方に音楽を楽しんでほしいという 願いからはじめたのがイルソーニョコンサートです。企画は二人で当日の運営 は知人の協力を得ています。美しい歌声と気品あふれるピアノの音に参加者が 年々増えています。第6回は5月31日(土)です。

*市民の方の豊かな発想と多彩な行動力を生かし、地域から教育文化を創造したいと思います。公益事業の企画運営を希望される方は連絡ください。


 

2014/ 4/11










 教育会館主催のサークル・教室で
気軽に楽しみながら学んでみませんか

 


 市民の方の要望とご協力により、当会館主催の楽しみながら学ぶサークルや教室が年々ふえてきました。是非、お好きなサークルに参加ください。

1、感動の映画「うまれる」上映会
日時4月5日:第一部12:00開演、第二部14:30開演
 「ぽこあぽこ」は、一昨年から去年、出産を経験した母親たちが集まり結成した育児サークルです。日々子どもと接する中で、命の大切さ、素晴らしさ、そして、育児の難しさを実感し共有してきました。そんな中、映画「うまれる」に出会い大変感銘を受け、多くの方々と感動を共有したいと考え自主上映会を企画しました。
 内容は、自分たちが生まれてきた意味や家族の絆、命の大切さ、人との繋がりそして、「生きる」ことを考えるドキュメンタリーです。
2、健康ヨガサークル
 月3回(水曜日)会費3000円。毎回15人ほどの会員がインストラクターの高橋祐美子さんの指導のもと健康ヨガに取り組んでいます。ヨガは血液の循環をよくし全身の筋肉を和らげ身体のゆがみを正します。ストレス解消にも最適です。
3、大人のピアノ教室
 月2回(金曜日)会費3800円。中瀬友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。希望者が多く満席のため、月2回(木曜日)を新設します。この機会に、あなただけの個人レッスンをお楽しみください。
4、大人のフルートサークル
 フルートの美しい音を楽しんでみませんか。昨年はじめた初めての方も1年たつと見事に上達し楽しんで演奏しています。初めての方も以前やっていてこの機会にやってみようという方も歓迎します。講師の野上先生は、一人ひとりに合った指導をしてくれるので安心して参加できます。

○お知らせ:ご不便をおかけしました女性トイレを増設(2階に1増、3階に1増)しました。

 
 

2014/ 3/28














 福島第一原発事故の今を考える

 


 「あの3.11」が近づき、テレビや新聞で東日本大震災の報道が増え被災後の現実を知る機会となりました。東京オリンピック招致では、首相が「汚染水は完全にブロックされている」と主張し、原発事故は終息したかのような印象を与えました。また、福島を訪れ「全力で復興に尽くしていきたい」と述べています。これを聞いた福島県民はどう受け止めているでしょうか。
 朝日新聞と福島放送の共同世論調査では、国や東京電力の汚染水問題について8割以上が評価しないと答え、原発事故の対応についても評価しないが74%に上っています。東京オリンピック開催で福島の復興が後回しにされるが77%です。テレビで「東京オリンピックのムードに流されて福島は忘れられてしまうのではないか」と言っていた被災者の姿が脳裏に焼き付いています。
 長期の避難生活によって体調を崩して亡くなったり自殺に追い込まれたりする人が増えていることも明らかです。ふるさとが破壊され、長年にわたり築いてきた仕事を奪われた人々の苦悩は計り知れません。
 厚生労働省の調査では、被災した子の3割が心の傷となって強い不安や不眠に苦しんでいる結果が報告されています。今も仮設住宅に住む小学生は、友だちが去り集会場で勉強するのが一人となってしまいました。転居した友だちはどこでどのように生活しているのかも気になり、「友だちがたくさんいるところに住みたい」と言います。「原発影響7校休校 福島県内避難子ら戻らず」のタイトルからも子どもたちの生活が心配です。
 原発事故は、被災者のふるさとや家族を破壊しました。二度とない人生です。 その責任を国や東京電力でもとることはできません。それでも、政治が決断すれば未来は開けます。「福島の現実に目を向けることなく原発の再稼働に進むことが許せない。福島の悔しさ、怒り、悲しみは今も続いている」という声に耳を傾け、改めて、原発事故の痛みを見つめ直してみたいと思います。

 
 

2014/ 3/14












 第3回「3.11あの日を忘れない 東日本大震災」開催

  〜福島を描いた「橋本栄個展」と遺児育英資金カンパ〜

 


 2011年3月11日午後2時46分大震災が発生。大津波が襲い東京電力福島第一原子力発電所の事故が追い打ちをかけ大災害となりました。あの悪夢から3年目がやってきます。政治の世界では原発事故の問題などなかったかのように原発再稼働や原発技術の海外輸出が推進されています。
 子どもたちの現状はどうでしょうか。最前線で被災した子どもと向き合う学校の校長先生は「震災が起きた日が3月11日ではなく、震災が始まった日が3月11日だ」と述べています。一見しただけではわかりにくい子どもの問題は、時間が経つごとに複雑化・深刻化していることが明らかになっています。震災による直接的な被害だけでなく、多様な間接的な被害を被り、震災前に比べて生活や学習環境が一変した子は数多くいます。
 ふるさと福島を描いた橋本栄さんは、「私の故郷の福島は、あの日以来大きく変わりました。大地震の被害とともに今だ解決の見えない原発事故の恐怖、不安、風評被害…そんな中で妹家族や親戚、友人などが今も暮らしています。農業、漁業、観光業をはじめ様々なダメージを受けています」と述べています。
 当横須賀三浦教育会館は、「3.11あの日を忘れない、東日本大震災」を思い起こし、東日本大震災による遺児・孤児の経済支援のため、引き続き桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への寄付を行います。期間は3月1日〜25日(日祝は休み)9:00〜17:00義援金箱を設置します。みなさまのご理解と協力のほどお願いいたします。
 また、本年は、ふるさと福島に思いをはせる「橋本栄個展」を3月9日〜16日まで開催します。今回の作品6点は、必死に子どもや家族を守ろうとする親の姿や途方に暮れる老人の姿、取り残された動物の姿、住むことができなくなった町などを描いたものです。是非、一人でも多くの方に鑑賞いただきたくご案内いたします。

 
 

2014/ 2/28










 教育会館の歩みと共に『親と子の教育相談室』も約30年

                        〜1985年に相談開始〜

 


 今年50周年を迎える横須賀三浦教育会館の「青少年の健全育成活動」の一つに、『親と子の教育相談室』があります。この事業は、会館内に32年前に設置された三浦半島地区教育文化研究所が、1985年から開始した教育相談を基盤としています。現在までに12名の相談員が、電話・面談により様々な悩みを抱える相談者(主に母親)に、約30年対応してきました。
 開設当初の相談件数は現在と比べると半分程ですが、不登校が多かったのが特徴で、問題行動の相談も多くありました。不登校に関しては、現在より様々な支援体制がまだ十分に整っていない時期であったために、来談した保護者たちが組織した「親の会」に、相談員が深くかかわったこともありました。
 相談内容は常に多岐にわたっていますが、その後、子育てに関する相談が急増したのも大きな特徴です。親としての不安や自信のなさ、周囲に相談相手が少なく孤立して一人で悩んでいる、若い母親の姿が浮かんできます。
 その背景の一つに、様々な教育情報の氾濫や、教育内容・評価方法・二学期制・学校選択・高校選抜制度・外国語活動等々の急テンポな「教育改革」の進行により、自分の経験だけでは判断・対応が難しくなってきている、親の不安と悩みがあるのではないでしょうか。
 また学校・教師への疑問・不満の背景には、誰もが願う教育条件整備が進まない一方で、次々と繰り出されてくる教育諸政策の押しつけによる学校現場の混乱と教職員の苦悩も、浮き上がってくるように思われます。
  『教育相談室』は開設以来、@助言・指示・教示よりも相談者の身になって共に考え悩みそして慰め励ます A時間をとりしっかりと相談者の話を聞く Bグチのお相手をいたしましょうという態度で接する この3点を基本的な姿勢として活動を進めてきました。これからも教育をめぐる様々な変化や社会状況を反映する相談が続くと思われますが、この姿勢を基本として相談活動を進めたいと考えています。

 
 

2014/ 2/14










 子どもに共感する教師の心

 


    今回は、子どもに共感する教師の心を知っていただきたく三浦半島地区教育文化研究所発行風知草「子どもから学ぶ」の掲載文を紹介します。
「しょうらいのゆめはしょうがっこうのせんせいです。」と大きな机とそこに座る自分を思い描いてから十数年という月日が過ぎています。夢が現実となり毎日に感謝をしています。・・・(4行略)
 現在は1年生の担任をしています。小学校のことが全て「はじめて」であり、学習の決まりや給食準備、掃除、さらにはカタカナで書くべきものも、カタカナの学習が終わるまでは平仮名に変換して板書をしています。ここには、書ききれないほどの「はじめて」に驚きながらも、いかに子どもが習得して成長していくかを見守っていけることに幸せを感じています。12月になった今では、学校生活にもすっかり慣れ、かわいいお姉さんかわいいお兄さんになりました。
 子どもから学ぶことはたくさんありますが、1番大きいものは「子どものつぶやき」です。1人のつぶやきは10人の心の声と受け止め子どもと授業をつくっていくことを心がけています。立てた計画で進める授業よりも、つぶやきからひろげる授業の方が、はるかに楽しく教室に笑顔がひろがっていきます。また、音楽の授業後に聞こえてくる子どもの鼻歌なども大切なつぶやきです。なかなか、ふりかえりを行いたくても行えない現状ですが、帰りの準備をしながらさっき聞いた鑑賞曲のメロディーを子どもたちが歌っていた時には、「なんて幸せなんでしょう。次も教材準備がんばろう」と活力につながります。
 さらに、国語教材の「くじらぐも」学習後、感想交流をした際、「くじらぐもさんのうたをつくりたいです」と1人の女の子が感想文の発表後につぶやきました。それを聞いて、「いいねぇ」と数人。確かにクラスのオリジナル曲を毎朝歌っている学級としては自然の流れであったのかも知れません。どうすべきか一瞬悩みましたが、数秒後には、「子どもたちとこんなかたちでつくっていけたら」と構想が浮かびました。青空ひろがる天気のいい日には屋上に行ってこの「くじらぐも」をクラスのみんなで歌っています。つぶやきをどう受けとめどう調理していくか。これからも子どもたちと共に成長していける教師でありたいと思います。                  

(横須賀小学校教師)

 
 

2014/ 1/24








 あけましておめでとうございます
〜2014年は横須賀三浦教育会館50周年〜

 


    横須賀教育会館が横須賀市上町に建設されたのは1963年8月です。神奈川県教育委員会の許可を得て財団法人横須賀教育会館になったのが1964年4月です。この時から40年間理事長を務めた最上満前理事長は、「財団法人は公益法人であり、主眼は公益事業を行うことにある。公益とは不特定多数の利益の実現」と述べています。
 2001年12月、日の出町に建設し移転した会館は、横須賀三浦教育会館に名称変更、2008年に施行された新公益法人制度に対しては、公益事業の充実が認定され2010年12月から公益財団法人横須賀三浦教育会館となりました。
 当会館は、公益財団法人として三浦半島地区の住民及び教育関係者の教養を高め、その生活と福祉の増進を図り、地域の教育文化の振興発展に寄与することを目的に設立しました。この目的を達成するため、「児童又は青少年の健全な育成に関する事業」「地域の教育、文化及びスポーツの振興に関する事業」「教育及び文化活動を支援する施設貸与に関する事業」などを行っています。ホールや会議室は市民の教育文化活動に貸し出し、幼児から高齢者まで広く利用され、その人数も年々増加しています。
 また、会館には三浦半島地区教職員組合・三浦半島地区学校管理職組合協議会・横須賀市立学校管理職組合・横須賀市PTA協議会・横須賀市私立幼稚園協会、三浦半島地区教育文化研究所の事務所が設置されています。それぞれの団体は、会館を拠点に平和と子どもの幸せを求めて活動し成果を挙げています。
 2014年は公益法人になって50周年となります。50周年記念の公益事業を充実させ、より親しまれる地域の教育会館として発展していきたいと思います。本年も、関係者・地域のみなさまのご理解と協力をお願いいたします。

 
 

2014/ 1/10








 今年一番不安を感じた特定秘密保護法の成立
〜日本の社会は、どうなっていくのでしょうか?〜

 


    12月6日深夜、特定秘密保護法が成立しました。テレビで映し出される国家での審議や強行採決はとても民主主義国家として誇れるものではありません。国会は国民の厳粛な信託を受けた議員が国民の声を反映させるものです。少数意見にも十分に耳を傾け理解納得のうえ進めるのが民主主義です。
 この特定秘密法については、学者文化人はもとより各界各層が反対を表明し、各世論調査でも国民の多くが反対しているものです。特に、特定秘密保護法案に対する地方公聴会が11月25日、福島市で開かれ、7人の意見陳述者全員が法案に反対、原発情報が秘密となって公開されず、国民の「知る権利」が侵されるといった懸念を次々と指摘したにもかかわらず翌日の衆議院本会議で強行可決されたことには驚きです。民主主義国家では考えられません。
 12月9日、首相は、知る権利を侵害する懸念について「通常の生活が脅かされることは断じてあり得ない。今ある秘密の範囲が広がることはない。報道などで友達から聞いた話をブログで書いたら厳罰とか、映画など創作活動が制限されるということは決してない」と強調しました。具体的に根拠が示されず国民の不安が払拭できると思っているのでしょうか。「放射能の汚染水は完全にブロックされている」と明言したことが思い出されます。
 国旗国歌法が成立したとき、当時の首相は「義務付けることはない、国民の生活に影響や変化が生じることはない」と明言し、文部大臣も教育現場で強制することはないと言いました。ところが、教育委員会によっては、教師の口元を監視し学校行事で君が代を歌わない教師を処分しています。特定秘密保護法も時がたち気付いたときには国民の自由や権利が制限され息苦しい社会になっているかもしれません。
 日本の社会はどうなっていくのでしょうか。いつのまにか民主主義の時計の針が逆に早回りしています。時計の針を正常にもどすのは国民です。憲法12条には「この憲法が保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」とあります。来年こそ国際平和と民主主義の発展を図りたいものです。

 
 

2013/12/27



教育会館ふれあいコンサート50回記念スペシャル〜小松真知子&タンゴクリスタル〜


    第1回教育会館ふれあいコンサートは、2004年6月27日に「早川邦宏・ファゴットリサイタル」を開催しました。当初は、市民の方に身近で生の音楽を気軽に楽しんでいただきたいという思いから始め、1・2年開催できればと考え出発しました。なんとか3年ほど続けることができたとき、企画・運営の難しさを体験し鑑賞者が少なくならないうちに卒業を考え、実行委員会の解散を発表しました。
 しかし、何人かの市民から「楽しみにしているので、是非コンサートを続けてほしい」との要望があり今日に至りました。アンケートの感想では、「とてもすばらしかったです。お母さんは感動してなみだをながしていました」「演奏する方と聴く人たちの距離が近くて驚きました。とても楽しかったです」「安い料金で一流の音楽が市内で聴けるなんて幸せです」など感想が寄せられました。演奏者からは、「この会場は身近で熱心に聴き楽しんでくれるのでやりがいがある」という声をいただいています。
 なんとか50回まで続けてこられたのは、市民の方と演奏者などのご理解と協力によるものと感謝でいっぱいです。今、すばらしいコンサートは、演奏者、鑑賞者、企画・運営する者が一体となり創造するものと実感しています。音楽は市民のものです。
 現在、「教育会館ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏者とふれあい、家族や知人ともふれあい、気軽に市民が生の音楽を楽しむ場になっています。11月17日に開催した横須賀出身のNHK交響楽団首席クラリネット奏者「松本健司クラリネットリサイタル」では、松本健司さんの美しい音を222名もの方に楽しんでいただきました。
 1月19日の教育会館ふれあいコンサート「時代を超えて輝くタンゴ」は50回記念となります。出演は現代タンゴの巨匠アストル・ピアソラも絶賛した小松真知子&タンゴクリスタル、通算38年のキャリアに若き音楽家たちがブレンドされたサウンドです。昭和初期から今日に至るまで日本でのタンゴ愛好の歴史の話を交えながら、時代を超えて世界中の人々の心を魅了してきたタンゴの数々をお送りします。是非、お出かけください。

 
 

2013/12/13











まともな社会が、信頼関係を築く
〜不正だらけの社会、何を信じてよいのか〜

 

 「不正だらけの社会、何を信じてよいか」という声を聞きます。最近も誤表示と言い張った有名レストランの言葉にはただただ驚くばかりです。誤表示とはうっかり間違うことです。悪意がないことです。
 メニューと異なる食材を使うことは意図的であり偽装表示です。偽装とは、事実を隠し人をだますことです。フレッシュジュースを容器入りジュースに、ステーキを牛脂が注入された肉に、車海老をブラックタイガーに、これらは高級食材と偽ったものです。客をだまし利益を上げるための悪質な偽装と言えます。責任者の多くは偽装ではなく誤表示と言い張ります。
 大手のみずほ銀行は、上層部が承知しながら反社会的勢力に融資していました。ほかの銀行も同じようなことが行われていないか疑心暗鬼になる人がいても不思議ではありません。銀行は信用の上に成り立っています。上層部こそ不正に対し毅然とした態度を示してほしいものです。
 国会では、国民に負担を求めるためには国会議員が自ら身を切る改革が必要だと言われ議論されました。当時の野田総理と自民党安倍総裁の党首討論では、「国会議員定数削減を来年度通常国会で必ずやり遂げる、それまでの間は議員歳費を引き下げるということを約束すれば、衆議院を解散する」と迫り、協力すると約束して衆議院を解散したことは記憶に残るところです。
 ところが、決まったのは来年度から消費税を8%にアップすることです。今だ議員定数削減と歳費削減の約束が守られていません。あれほど主張していたのにもかかわらず国民には負担を求め自らは身を切っていません。それでも何事もなかったように平気で活動しています。この言動は国民には理解できません。「国政は国民の厳粛な信託」によるという言葉をかみしめていただきたいと思います。誠実に行動しない国会議員が存在するのは主権者である国民の責任とも言えます。
 まともな社会こそ信頼関係を築くことができます。だまさないだまされない国民が、成熟した平和な社会を創造するのかもしれません。

 
 

2013/11/22









美しく響く馬頭琴の調べ、心をゆり動かす朗読
朗読音楽ライブ「スーホの白い馬」に期待

 
baterdene

 モンゴルの民話「スーホの白い馬」の話は、馬頭琴の成り立ちの話として日本人に親しまれています。大塚勇三が1967年中国語のテキストから採話し、赤羽末吉の絵とともに福音館書店から絵本として出版され、光村図書出版の小学校2年生の教科書にも掲載されています。
 逗子の図書館の棚には絵本が5冊ほど並んでいました。馬と少年の哀切な物語と大平原を雄大に描いた絵がマッチし魅力的な絵本となっています。
 美しく響く馬頭琴の調べ、その最後の叙情的シーンが印象に残ります。
 『スーホは、どこへ行くときも、このばとうきんをもっていきました。それをひくたびに、スーホは、白馬をころされたくやしさや、白馬に乗って、草原をかけまわった楽しさを、思い出しました。そしてスーホは、じぶんのすぐわきに、白馬がいるような、気がしました。そんなとき、がっきの音は、ますますうつくしくひびき、聞く人の心をゆりうごかすのでした。
 やがて、スーホの作りだしたばとうきんは、ひろいモンゴルの草原中に、ひろまりました。そして、ひつじかいたちは、ゆうがたになると、より集まって、そのうつくしい音に、耳をすまし、一日のつかれをわすれるのでした。』
 12月1日の朗読音楽ライブ「スーホの白い馬」が期待されます。
 スイミーの長谷川さんと川村さんの朗読は、スーホや白馬の気持ちになって豊かに表現されます。また、モンゴルの美しく広い草原も目に浮かぶことでしょう。初めて聴く馬頭琴の響きにも興味がわきます。演奏者のアヨーシ=バトエルデネさんは、世界各地で馬頭琴演奏活動を行っている優れた演奏家です。美しく響く馬頭琴の調べと心をゆり動かす朗読にご期待ください。

 
 

2013/11/ 8







輝くクラリネッティスト松本健司さんに聞く

 

 松本さんは、どんな時でも最高のパフォーマンスをしたいと思い全力で演奏していると言います。今回、11月17日(日)の第49回教育会館ふれあいコンサートで演奏していただくことになりました。この機会に、夢を実現させ全国で活躍する松本さんにお聞きしました。

1クラリネットをはじめたのはいつ頃で、そのきっかけは何ですか。

 クラリネットを始めたのは11歳、小学校5年生のときです。その前の年に小学校の音楽鑑賞会にオーケストラが来て、楽器紹介のときにクラリネットの音色に反応したのが始めるきっかけです。

2 N響に入られるまでの経過とその時の思いを教えてください。

 クラリネットを始めたときからN響に入ることが夢でした。野球少年がプロ野球選手になることを夢見るのと同じ感覚です。小学校5年生から逗子にお住まいの角田晃先生のレッスンに通い始めて、中学生になったときに当時のN響首席クラリネット奏者の浜中浩一先生に教わるようになりました。初めての浜中先生のレッスンのときに「将来はN響の首席奏者になりたい」と言ったことを覚えています。それから東京都立芸術高校、国立音楽大学に進学し、大学3年生のときにパリ国立高等音楽院に入りました。5年間の音楽院での学生生活を終えて日本に帰国してからはN響をはじめたくさんのオーケストラにお声をかけていただいて素晴らしい経験をさせていただきました。帰国して3年後の2001年のN響オーディションに合格し、1年間の試用期間を経て2002年7月に入団しました。そして2010年に首席奏者のオーディションに合格し2011年から首席奏者を務めています。

3 音楽以外の楽しみはいかがでしょうか。

 音楽以外の楽しみは普段の食事とときどきの運動です。体を動かすのは嫌いじゃないので、時間があれば走ったりストレッチをしたりして日頃の疲れを癒しています。ただ、シーズン中は2ヶ月に1?2日の休みを取るのがやっとなのでそういう機会も滅多にないのですが…。

 
 

2013/10/25









虐待・子育てを考える2

 

 今回は、子育て中の二人の感想を掲載します。
*一日24時間3歳と1歳の子とずっと家の中にいると子どもも私も息がつまるというか、閉じ込められたような気持ちになることがあります。下の子が生まれてからは二人を連れて外にでるのも大変で自分で思っていた以上に子育てが苦しいと思うことが多くなりました。外出ひとつとっても、まずその準備や出かけるまでにこなさなければならない家事の負担を思うと億劫で、一日中テレビをつけっぱなしにして上の子に見させて過ごしてしまったりすると「ああ、また一日無駄に過ごさせてしまった。」と罪悪感を感じます。
 私がいつも下の子の世話で忙しくしているので、上の子はストレスをためて下の子を噛んだりたたいたりするようになってしまい困りました。甘えさせてあげたいという気持ちと、お姉ちゃんだからしっかりしてほしいという気持ちの間で日々揺れています。
 子育ての孤立化を防ぐには、自分一人では難しいと思うことがあれば一人でがんばりすぎない、家族でも友人でも近所の人でも手伝おうという気持ちで見守っていてくれる人は実は意外といるものです。借りられる手はできるだけ借りてみよう!という風に思えるようになると母親の心は軽くなるのではないでしょうか。

*泣いて抱っこをせがむので家事が出来ない、トイレに行っただけで泣くなどママと片時も離れられなくなったため、3歳の女の子について行政の専門相談員に相談しました。
 動物の絵を見て名前を言う、ハサミや椅子の絵を見せて「切るものはどれ? 座るものはどれ?」など、理解度テストをやってから聞いてもらいました。定期的に一時保育に預けて母子分離や集団生活を体験させて慣れさせてみては…とか、家でご褒美シールを作って、我慢する項目例えば「ご飯を作るのを待つ」が出来たらシールを貼るとかをやってみては!?とのアドバイスです。専門の先生に相談したらモヤモヤが少し解消しました。

〇すぐに回答は出ないと思います。アドバイスのように短い時間から定期的に預けてはいかがでしょうか。Aちゃんとママにとってプラスになるかもしれません。ひとつずつ試してみましょう。やってみて改善しなければ、また相談してはいかがでしょう。子どもの個性によっていろいろな対処の仕方があると思います。あせらずにやってみてください。

 
 

2013/10/11











子育て・虐待防止を考える

 

 9月21日の夕刊に、「乳児を暴行、両親に容疑」とあり、容疑者は自宅で生後10か月の長女の頭や腹部を蹴ったり殴ったりして暴行を加え、大けがを負わせ長女は意識がなく集中治療室で治療を受けていると報道されています。何とも痛ましい事件です。
 子育ては一日24時間の大変な重労働です。大変さは親や子どもを取り巻く状況によっても違います。虐待は、経済的に苦しい、人間関係がうまくいかない、思うように育たないなどが重なれば起きやすくなります。「夕方になると泣き出し夜泣きも加わりヘトヘトです。寝顔はかわいいけどいつか虐待してしまうんじゃないかと心配です」と言う親もいます。悩みながら懸命に子育てをしている様子がうかがえます。
 厚生労働省は、虐待について、身体的、心理的、性的、ネグレクト(養育の怠慢・拒否)と分類しています。そのうち身体的虐待(46.1%)が最も多く次がネグレクト(37.7%)です。虐待している約3分の2は母親が占めています。どうすれば虐待を未然に防ぐことができるのでしょうか。
 周りの人は、子育てをしている親に温かく接することが大切だと思います。「3歳児と6か月の乳児がいると自分の入浴すらままならないほど大変で忙しい毎日を送っていることを分かってもらえるとうれしい」と言っている母親がいました。子育てと寝不足で精神的に参ったという母親からは、「周りに相談できる親と友だちがいたから乗り越えられた」という声もあります。子育ての孤立化、不安定化を防ぎたいものです。
 子育てがつらいと思ったら、まず、周りの人に話してみましょう。誰かに話すことによって道が開けるかもしれません。気持ちが楽になるかもしれません。児童相談所(全国共通ダイアル0570−064−000)や「全国子育て・虐待防止ネットライン0570−011−077(10:00〜17:00)」などに電話相談することも必要です。当会館の教育相談室(046−828−1477)もご利用ください。

 
 

2013/ 9/27







演奏家とふれあい 生の音楽を楽しむマナー

 

 教育会館ふれあいコンサートは原則として年5回開催しています。目的は、広く市民の方に生の音楽を身近で気軽に親しむ機会を提供することによって、地域文化の発展を図ることです。現在、「ふれあいコンサート」の名の通り、身近で演奏家とふれあい、家族や知人ともふれあい、市民が生の音楽を楽しむ場となっています。
 早くも来年は教育会館ふれあいコンサート10周年を迎えます。その間、コンサートマナーも向上し、近くで楽しく聴いている様子が伝わってくるので、当会館で演奏するのが好きだという演奏家の声を聞きます。一方、身近で演奏を聴ける当会館のコンサートが気にいっている市民の方もふえています。マナーの良さや曲が終わり感動したときの大きな拍手は演奏家に伝わりよりすばらしい演奏を生みます。
 残念なことに、雑音でせっかくのコンサートがだいなしだったという意見をいただくことがあります。コンサートでは、雑音を立てないことがマナーで最も大切なことです。ちょっとしたおしゃべりやチラシをめくる音も繊細な音を聴く場では耳障りに感じられます。コンサートのたびに携帯電話の電源を切ることなどマナーについてお願いしています。緊急の場合を除き、演奏中の入退場もお断りしています。未就学児の入場をお断りしているのもマナーに即した長時間の鑑賞が難しいからです。
 コンサート(クラッシック)のマナーとは、一言でいえば「人に迷惑をかけないで楽しむ」ことだと思います。コンサートは、聴く人のマナーにより心ゆくまで楽しむことができます。 11月17日(日)、「松本健司クラリネットリサイタル」を開催します。松本健司さんは、NHK交響楽団クラリネット首席奏者です。久里浜小・中学校を卒業しふるさと横須賀には良き思い出がいっぱいあります。なつかしい市民とのふれあいにより心温まるコンサートになるものと期待しています。

 
 

2013/ 9/13









セミナー「ベルリンの現在(いま)」

 

横須賀出身ベルリン在住フリージャーナリスト中村真人氏、10月6日開催

 2011年7月9日、中村真人氏によるセミナーを開催しました。内容は「ベルリンの壁とは何だったか」をテーマに、豊富な写真と図解、さらに現地で実際に出会った人々を通して壁と歩んだ街ベルリンの過去と現在について語っていただきました。
 参加者からは、「教科書や新聞だけでは知ることができなかった貴重な話を聞けてよかった」「人間がしてきた過ちと、それに目をそむけず明日を築いていく希望を感じました」「ベルリンの壁とは何だったかとずっと気になっていました。今日の話でなんとなく分かったような気がします」など、感想をいただきました。また、中村真人氏の分かりやすい話しと人柄も好評でした。
 横須賀出身の中村真人氏は、2000年よりベルリンに在住し、フリーライター、ジャーナリストとして活動しています。ブログ「ベルリンの中央駅」では、栄光と悲運に彩られたベルリンの奥深い魅力をリアルタイムで届けています。最近の記事で、和解礼拝堂の麦畑の前に置かれている彫像、ユダヤ博物館の特別展「本当の真実」は興味深く印象的です。なお、この7月に「ベルリンガイドブック」(ダイヤモンド社)が発行されました。
 今回、中村真人氏の一時帰国に合わせ、10月6日(日)14時、セミナー「ベルリンの現在」を開催します。
 ベルリンは、パリ・ニューヨーク・ロンドンと並び最新のカルチャー発信基地として注目を集めています。一方、戦争や東西分断の暗い過去を背負いながら希望ある未来へ進もうとしています。取材の過程でリアルに感じた変わりゆく都市の姿、そして未来に残そうとしているもの。最新のベルリンの事情を語っていただきます。この機会にぜひお出かけください。

 
 

2013/ 8/ 23







8月、忘れてはいけないこと

 

 1945年8月15日、日本は全面降伏をし悲惨で悪夢のような戦争は終結しました。生き残りの日本人は焦土に立って、人それぞれ感慨にふけりましたが「戦争はもうこりごりだ」「国家の言いなりには、もうならないぞ」という二つの思いは、ほとんどの人に共通していたと思います。
 戦時中、日本の教師の大部分は、無批判的に国家や政治に従属し、戦争を賛美し、そのうえ教え子を自分の手で戦場に送り込みました。戦後になりその反省に立ち、この屈辱と悔恨は二度と繰り返さないという決意を持ちました。
 先日、「二十四の瞳」がテレビで放映されました。日本が第二次世界大戦を突き進んだ歴史のうねりに、否応なく飲み込まれていく教師と生徒たちの苦難や悲劇を通し、戦争の悲壮さを描いた作品です。改めて、子どもの命と未来に対する動きには敏感でなくてはならないという思いに駆られました。
 あるドイツ人は、「日本人は不思議でならない、原爆を落とされながらみんな忘れているようだ」と言っています。1986年ノーベル平和賞を受賞したエリー・ウィーゼルは、「広島を忘れてはいけない。人間は忘却と許しとでは、安易なほうに流れがちだ。忘却のほうが安易なのだ」と、当時の矢野教授(京都大学)に静かに語ったそうです。
 広島・長崎は被爆68年、被爆者をはじめ市民は核兵器廃絶を訴え続けています。しかし、ほんとうに国民全体が共有したものとなっているでしょうか。核兵器保有が必要ではないかと考える国会議員が増えてきているようです。核兵器廃絶に対し日本政府は国際的な場であいまいな態度を示すなど、広島市長はもとより外国からも懸念が示されています。そのため外国から広島を忘れているようだと言われても仕方のない状況もあります。
 今こそ子どもの未来のため、核廃絶と戦争のない世界をめざす正しい国際平和主義を力強く歩んでほしいものです。

 
 

2013/ 8/ 9







睡蓮の画家モネ 画家が愛した庭

 

 モネの作品は、多くの日本人に愛されています。若いころから日本美術に共感し、ジヴェルニーで造ったモネの「水の庭」は、太鼓橋や藤棚を設けるなど日本の影響を受けた庭園です。ここをモチーフに、モネは「睡蓮」を描きました。また、晩年になり来客を断ることが多かったが、ジヴェルニーの自宅に来訪した日本人は歓迎したそうです。モネと日本との関係が想像できます。
 7月初旬にモネの庭を見学した知人に感想文を依頼しました。植物に造詣が深い知人がどんな文にするのか関心があったからです。以下、紹介します。

 












「林綾野さん提供」

モネの庭を訪ねて

 地下道をくぐり抜けるとヘメロカリスのオレンジ色した花のアプローチが続き、せせらぎの小橋を渡ると睡蓮の池が目の前に広がった。池は周りをこんもりとした垂れ柳の木々に囲まれ、森の中に広がる静寂なたたずまいだ。囲まれている木々の陰が水面を覆っているせいだろうか。たたえる水が暗く、深淵な雰囲気を醸し出している。その深淵な水面の所々には、睡蓮の葉の群れが広がり、淡い桃色の花が咲いている。 まるで中空に浮かぶ睡蓮のようだ。
 池の周りは、ぐるりと周回する小道が続き、様々な植物が配置されている。赤やオレンジ、青や紫、白や黄色と色様々な花がふんだんに咲いている。春の花、夏の花、秋の花まで、今盛りと咲いている。まるで不思議な花園に紛れ込んだかのようだ。この花々越しに、あの睡蓮の浮かぶ水面が見えるものだからたまらない。あの花越し、次はあの花越しと続いていくのだ。花毎の睡蓮池の絶景を見逃すわけにはいかなくなるのである。
 かつて、上野の西洋美術館で観た名画が目に浮かぶ。睡蓮の咲き誇る水面を境にして広がる世界、水中と空中の三つの世界がまるで天上界と現世そして、地下界の三界を目の当たりにしているような気持ちになった。確かに、この庭がモネの庭だ。

 第2回人気キュレーター林綾野さんによる名画への案内は、9月28日、モネをテーマに開催します。睡蓮を描いた庭のエピソードと食いしん坊モネの話など興味深いものです。ポーラ美術館で開催中の「モネ展」の見どころも紹介します。モネを広く知る絶好の機会であり林綾野さんの講演が楽しみです。


「林綾野さん提供」
 

2013/ 7/26









日本国憲法を読む

 

 今日、憲法についての報道が増えてきました。憲法を改正したいという考えの政党が政権を担当することになったからです。現時点では、当初ほど選挙の争点にしていないためか、憲法のどこをどのようにしたいのかは国民的な議論になっていません。
 そこで、久しぶりに憲法をゆっくりと読んでみました。
憲法は、第1条から第103条まであります。はじめに前書きがつけてあります。これが「前文」です。ここには、「民主主義」「国際平和主義」「主権在民主義」という3つの大事な考え方が書いてあります。「主義」とは、正しいと思うもののやり方です。
 前文には、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることがないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する」「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を決意した」と述べられています。平和こそ人類の念願であり、子どもに引き継ぐ最も大切なものです。
 第98条には憲法は国の最高法規とあり、その条規に反する法律などは効力を有しないとあります。第99条には、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」と記されています。
 現在、改正したいと言う政権政党は、まず、憲法第96条「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。・・・この承認にはその過半数の賛成を必要とする」の3分の2以上を過半数にと主張しています。もちろん改正反対の意見もあります。最後は国民の判断によります。先ずは、私たち国民一人ひとりが憲法を読んでよく考えてみたいものです。
 政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きないようにするために。

 
 

2013/ 7/12





「予約後のキャンセルは、会費をお支払いいただきます」
                   にご理解ください

 

 当会館の公益事業の予約について、予約をされた方がその後キャンセルされた場合は、会費のお支払いをお願いしています。そのため、その旨をチラシに掲載し、予約電話があったときには、「予約後のキャンセルは、会費をお支払いいただきますがよろしいですか」と了解を得るようにしています。
 以前は、予約された方は参加いただけるものと思い準備をして催し物を開催しました。ところが、当日になって連絡もなく多くのキャンセルが出たため運営に支障が出ていました。
 あるコンサートでは、予約が多くあり開催日より1か月前には満席となり、その後の希望者についてはお断りをしました。しかし、当日になって多くの予約者が欠席したため空席ができてしまいました。また、「おやこdeアート」では、予約の半分近くが欠席となりました。これらは、お断りした希望者の参加の機会を奪うと同時に出演者や指導者に申し訳のない状況となりました。
 当会館としても、経費の赤字が増えるだけでなく準備した資料や材料などが無駄になってしまい課題を残しました。そこで、予約後のキャンセルは、会費をお支払いしていただくことしました。その結果、予約後のキャンセルがなくなり運営もスムーズにいくようになっています。
 学校行事や家庭での予定に気をつけて予約をしていただければ幸いです。なお、無料の時も原則として予約制になっていますので、準備の都合上キャンセルの時は連絡をお願いします。予約受付は、月曜日から金曜日の9時から17時までです。12時から13時までは休憩時間のため電話に出られないことがありますのでご承知ください。

 
 

2013/ 6/28





 公益財団法人になって…
〜公益目的事業比率66%〜

 

 公益法人制度の大改革が行われ、2008年(平成20)年12月1日より新制度が施行されました。その目的は、「民による公益の増進に寄与するとともに問題点を解決すること」と記されています。従来の財団法人は特例財団法人になり2013年(平成25)年11月末までに、移行を申請して認定され公益財団法人になるか、認可され一般財団法人になるか、解散するか求められています。その期日も迫っています。
 公益財団法人になるためのハードルは高く、不特定多数の方々の利益の増進に資するよう、新たに作られた厳格な基準が課せられています。なによりも公益目的事業を行うことを目的とし、公益目的事業比率が50%以上であることが必要です。公益財団法人に認定された岩手県高校教育会館・香川県教育会館・浜松市教育会館などは、地域の教育文化向上のため創造的な公益事業を展開しています。当会館は、全国で公益財団法人として最初に認定(2010年11月24日)され、市民の要望や意見を取り入れつつ公益目的事業の拡充をはかった結果、2012年度の公益目的事業比率は66%となりました。
 ところが、省庁所管の公益財団法人が震災復興予算を被災地以外に流用したり、解決したはずの天下りが存在し高額賃金が支払われていたりなど問題が指摘されています。また、県や市などから何億という指定管理料という委託金が出ている公益財団もあります。これが民による公益財団といえるでしょうか。新制度の法令がどんなに整備されたとしても、それに関わる関係者の良識がない限り新制度の目的は達成されないと思います。
 「教育会館建設の意義とその歴史的経過を振り返ってみる時、会館はまことに"教職員の城"であります。しかし、この城は閉じられた城ではなく、社会に向って開かれた城であり、地域社会の教育文化センターたらんとする理想をめざす城でもあります」 これは、最上前理事長の言葉であり当会館の理念を示すものです。この理念を基に、2013年度も市民に親しまれる教育会館として発展していきたいと思います。

 
 

2013/ 6/14





 初めてのフルートに挑戦

 

 2013年1月から、「大人のためのフルートサークル」を新たに開設しました。現在、初めて習うビギナーコースの方5名が月2回練習しています。その感想をご紹介いたします。

「ビギナー」と言う言葉に誘われて応募しました。吹いたことどころか触ったこともなかったフルートでしたが音色は大好きで、もしも吹けたらどんなに楽しいかと思いました。レッスン初日フルートを持たずに(先生のアドバイスがあってから買った方がいいかと思い)参加しました私以外は皆さん楽器持参でした。そこでまず第1の焦り。でも野上先生にペーパーを使って息の出し方等教えていただけました。
 2回めのレッスンでは音がでない!特にオクターブの音はかすりもしない。ここで第2の焦り。おいおい楽器を買ってしまったのだよ、いったい音が出る様になるのだろうか……。でも回を重ねる毎に先生からの図を使って等のわかりやすい指導のもと、なんとか音階らしき"物"が出る様になって来ました。
 家でも近所迷惑にならない程度に毎日少しずつ練習しています。ピアノの様な鍵盤楽器は弾けばとりあえず音を出す事ができますが管楽器は自分で音をつくり出さなければならないのがとても難しいと今さらながら思います。でもネバーギブアップでがんばろうと「決めました」この様な講座を設けてくださった先生と教育会館のスタッフに感謝です。
 野上先生を紹介され始めましたが、親切で丁寧な指導と熱心に練習する姿を拝見するたびに企画してよかったという思いに駆られます。以前フルートをやって、また始めてみようという方のアドバンスサークルの希望者は現在1名です。3名から開設しますので希望される方の連絡を歓迎します。

 
 

2013/ 5/24





 東日本大震災遺児育英資金カンパの報告

 

 当横須賀三浦教育会館は、2012年度も「3.11あの日を忘れない、東日本大震災」を思い起こし、パネル展「いわきの記憶」と東日本大震災による遺児・孤児の経済支援のため、桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への募金活動を行いました。その結果、80,000円を送金することができました。ご理解と協力をいただいたみなさまに報告と感謝を申し上げます。
 東京電力福島第一原発事故で自主避難が相次ぎ、全校児童が1人だけになってしまった小学校が福島県に2校あります。そのうちの1校、原発から57キロ北西にある大波小学校を訪ね取材し、地域ぐるみで1人を育てようとしている記事が5月6日の朝日新聞に掲載されていました。
 すでに転校した子どもやその家族が戻るのには時間がかかると見られ、小学校が廃校にならないようにしたいと言う地域の方の言葉から子どもへの深い愛情と「ふるさと」復興への思いが伝わってきます。今年度の福島県内の小学生は原発事故前より19,000人近く減り、原発事故から2年たっても小学校を取り巻く地域の状況は収まっていないそうです。
 8日、鎌倉の円覚寺で開催されている「飯館村の暮らし 菅野千代子写真展」を見てきました。作者は、浪江町の自宅を追われ県内外を転々とし今は福島市内で暮らしています。作品は、震災前の豊かな暮らしの営みがあったころの飯館村です。おばあちゃんおじいちゃんなど村民の笑顔や川遊びに夢中になる子どもたちの姿です。最後に展示されているマスクをつけた2人の中学生の写真1枚だけが震災後のものです。その説明に、「エライ人が来て飯館は避難しなくて大丈夫と言った」と記されていました。この中学生の瞳と説明者の「避難者はこらえて生きているんです」という話には心が痛みました。
 写真展は12日(10:00〜16:00、最終日は15:00)まで開催されています。

 
 

2013/ 5/10







 小学校の先生って、どれくらい忙しいんですか?

 

 インターネットに上記のタイトルがあり、ベストアンサーに選ばれた先生の回答も掲載されていました。それには、多忙な小学校の先生の生活が具体的に記されていました。これを横須賀の先生に読んでもらうと、自分もほぼ同じという返事が返ってきました。回答の要旨は次の通りです。
 朝7時半に出勤し挨拶活動を行い、それから午前中の授業です。授業の合間(5から10分間)に宿題の〇つけや日記の返事を書きます。保護者からの連絡帳の返事も書きます。これが授業の合間で終わらないので子どもたちが給食を食べている時や清掃後の昼休み(45分)に書くこともあります。昼休みは、子どもが校庭で遊ぶ時間で、ケガした子を保健室に連れて行ったりトラブルになった子の話を聞いたりします。
 そうしているうちに午後の授業です。その後、職員会議や教科部会など様々な会議や打ち合わせがあります。放課後には保護者が相談に訪ねてくることもあります。結局、明日の授業準備にとりかかるのは午後9時以後です。平日に仕事があるので、土日に伺いたいという保護者に対応するため、土日に学校へ行くこともあります。子どもの教育に携わるのは、とても楽しく意義ある仕事ですが、とにかく忙しくて身も心もボロボロです。毎年、多くの先生が心の病となって休職や退職をします。
 この教師の生活実態をみなさんはどのように感じるでしょうか。教師の仕事がとても楽しく意義あると言いつつ身も心もボロボロとは胸が痛みます。これでは教師とともに子どもが犠牲になっていると思われます。50年前も教師は多忙でした。それでも、朝の教室で子どもと談笑したり、ときには休み時間にドッジボールや野球をしたり、放課後も遊ぶ時間を生み出すことができました。
 現在は、文科省もいじめ問題のほか発達障害の子どもや保護者の対応で教師の多忙感が増していると述べています。教師が、明るく元気な子どもと楽しく学んだり遊んだりできる学校の条件整備を望むものです。

 
 

2013/ 4/26







 サークル活動を楽しんでみませんか

 

 教育会館主催のサークル活動で、楽しみながら学ぶ市民の方がふえています。昨年は、市民の方の要望とご協力によりリコーダー、フルート、パソコンサークルが新設され、会員が新たな仲間と楽しみながら学んでいます。

1.「親と子のリトミック」サークル
 5月から活動予定 対象は2歳児 募集中

 月2回(月曜日)親子で会費1800円。昨年は、手代木留美子さんの指導のもと親子がコミュニケーションをとりながら歌ったり踊ったりして楽しみました。親子も友だちになり心身ともに豊かな成長がはかれるサークルです。

2.童謡・愛唱歌を楽しむ会 現在も募集中

 月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師だった浦ア陽子さんの指導により毎回40名以上の会員が童謡や愛唱歌を楽しんでいます。

3.「健康ヨガ」サークル 現在も募集中

 月3回(水曜日)会費3000円。会員がインストラクターの高橋祐美子さんの指導のもと健康ヨガに取り組んでいます。ヨガは血液の循環をよくし全身の筋肉を和らげ身体のゆがみを正します。ストレス解消にも最適です。

4.「大人のリコーダー」サークル  現在満席

 月2回(水曜日)会費1000円。初めての方、久しぶりに吹かれる方が山本典子さんの指導により、リコーダーの楽しさ豊かな表現力を味わいます。

5.「大人のフルート」サークル  B募集中

 月2回(火曜日)会費3000円。野上修一さんの指導により、初めての方が練習しています。以前フルートをやった方のBアドバンスサークル募集中。

6.大人のピアノ教室 現在満席

 月2回(金曜日)会費3800円。初めての人や再挑戦の人が松村友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。

7.パソコンサークル 指導は梶山健一氏 現在満席
○サークル活動の企画・運営を希望される方、歓迎します

 新しく教育会館主催のサークルの企画・運営を希望する方はご連絡ください。話し合いにより共通理解ができた場合は、サークルを開設します。

 
 

2013/ 4/12









 見えてこない父親の姿
〜「子育て」で母親への支援を〜

 
 子どものいない時間帯に家から電話をかける又は来室する人が大部分で、父親が勤務中に自ら相談することはまず難しいと考えられる所から、「相談者は母親中心」という点は、相談室の受付時間(10時〜16時)から考えても、うなずけることでしょう。
 しかし沈んだ声で語る母親に、一人で悩んでいる孤独な姿を強く感じてなりません。語りの中に父親が登場するのは、@理解者・協力者としての役割を果たしている A無関心・非協力的で子育てにかかわろうとしない B専横的で家族の障害になっている、のごく数例で父親のかかわりが語られず、その姿が全く見えてこない例が圧倒的に多数を占めています。この中には、Aが多く含まれていると推測できます。どうも、子育てに関しては母親が孤軍奮闘しており、非協力的な父親が多いと、判断しても良さそうです。
望ましい@が少ないのは残念ですが、同一相談者による相談が続くケースにおいて、葛藤しながらも当初の子ども・母親への強い姿勢を改めて根気強く見守り、かかわりを続けて母親との連携を深めている事例もあります。Bは稀なケースですが、教育相談に「人生相談」の要素も加わってきます。
さて父親が相談者か否かは別にして、なぜ「子育て」に関する相談の中に父親の姿が見えてこないのでしょうか。確かに日々の仕事に追われて疲労し、子どもにかかわる時間が十分に取れないという厳しい現実があるのでしょうが、それを理由にして無関心を装う又は逃避する、更には「男は外で働き、子育ては家にいる母親のつとめである」として、責任を全て母親に押し付けている結果であるとしたら、母親を極めて辛い立場に追い込んでいることになります。
 母親が心配ごとを一人で抱え込むのではなく、同じ悩みを持つ人たちや学校(担任)に支援(連携)を求めたり、教育相談機関を利用するなどの方法で、自身の心を少しでも軽くする事は必要ですが、同時に遠慮・畏縮することなくパートナーである夫に支援・連携・意識改革を求めることも重要な事と思われます。
父親が出てくると家族を責める・追い込むという傾向になりがちですが、母親が疲れたら父親が代わって前に出る、前面に出なくても後ろから母親を支える、家庭を少しでも明るくするよう努力する、子どもとの関係を切らない・・・・・など、表現が下手・苦手で対応が不器用でも、家族を思う心で父親は何かできるはずです。家族から理解されていない、浮いた存在になっている・・・・・等々の思い込みから脱して、外での仕事は厳しくても家庭では子育てに少しでもアプローチしてほしい、私を支援してほしい、協力してほしいと、多くの母親は願っているのではないでしょうか。  
 

2013/ 3/22









寄附のお願い

 
 2010年10月29日の第27回神奈川県公益認定等審議会において、公益財団法人としての認定基準に適合すると認められ、2010年12月1日から公益財団法人横須賀三浦教育会館となりました。当会館の目的は、三浦半島地域の教育及び文化の振興に寄与することを目的とし、次の公益事業を行っています。

1 青少年の健全育成活動、豊かな情操を育む機会の提供(公益事業1)

・親と子のリトミックサークル・親と子の自然かんさつ会・くふうする工作教室・科学工作教室・名曲コンサート・朗読音楽ライブ・リコーダー教室・教育相談

2 地域の教育、文化及びスポーツ振興のための企画と運営(公益事業2)

・教養セミナー・教育会館ふれあいコンサート・美術展等、・童謡、愛唱歌を楽しむ会
・大人のピアノ教室・大人のリコーダーサークル・大人のフルートサークル・パソコンサークル・健康ヨガサークル・防災訓練

3 地域の教育文化振興のための施設貸与と支援 (公益事業3)

 この事業に必要な資金は主に会員の会費及び事業収入を当てています。しかし、活動の充実を図るためには、多くの方々からの寄附金が必要になります。当会館の公益事業にご理解と賛同をいただき寄附をお寄せいただくようお願いいたします。
 

寄附の申し込みは

 寄附金は一回につき5,000円以上とさせていただきます。
1 当会館の事務局受付で「寄附申込書」に必要事項を記入のうえ提出してください。
2 振込みの場合は、事前に連絡していただき入金を確認後、領収書を送付いたします。振り込み手数料はご負担願います。

*振込先:公益財団法人横須賀三浦教育会館 理事長 金子成八
      中央労働金庫横須賀支店 普 bP722164
*当会館への寄附は、公益財団法人としての税法上の優遇措置が適用され、所得税法78条及び法人税法第37条4項該当の寄附金控除の対象となりますので、大切に保管し確定申告 のときにご利用ください。

問合せ先:公益財団法人 横須賀三浦教育会館
住所:〒238-0006横須賀市日の出町3−19−16
TEL:046-824-0683
 HP「横須賀三浦教育会館」検索

 
 

2013/ 3/ 8







2013年「3.11あの日を忘れない 東日本大震災」
東日本大震災遺児育英資金への寄付                       ご協力をお願いします

 
 2011年3月11日午後2時46分大震災が発生。大津波が襲い東京電力福島第一原子力発電所の事故が追い打ちをかけ大災害となりました。一部の復興が見られるものの行方不明者が2500人以上、仕事を奪われ途方にくれる人、進まない原発保障や除染、仮設住宅での不自由な生活や孤独死など、現在も問題は山積しています。また、子どもたちは原発事故で外遊びが制限され心身に悪影響を受け、放射能による健康不安は深刻です。
 東日本大震災から2年がやってきます。震災当時はあれほど報道された災害状況の報道も今は潮が引いたようです。当横須賀三浦教育会館は、「3.11あの日を忘れない、東日本大震災」を思い起こし、パネル展「いわきの記憶」と東日本大震災による遺児・孤児の経済支援のため、桃・柿育英会「東日本大震災遺児育英資金」への寄付を行います。期間は3月1日〜25日(日祝は休み)9:00〜17:00義援金箱を設置します。
 桃・柿育英会は、2011年5月18日、東日本大震災の遺児・孤児に対して、経済支援を10年間行うことで、遺児・孤児の成長を見守り、学ぶ意欲を支えることを目的に設立された任意団体です。阪神・淡路大震災でも設立され、10年間で総額4億9,000万円を超える育英資金を、兵庫県教育委員会を通して、遺児・孤児に分配しました。
 当会は、建築家 安藤忠雄氏を実行委員長とし、他7名の著名人が発起人となり活動されています。寄付金は、各県を通じ、遺児・孤児へ分配されます。「桃・柿育英会」とは、昔から「桃栗3年、柿8年…」と果樹の木が育つのをじっくりと待つように、震災で保護者を失った子どもたちを、少なくとも18歳になるまでは、見守っていきたいという思いから名付けられました。みなさまのご理解と協力により、寄付金がきびしい環境の中で不安にかられながら被災地で力強く生きようとする遺児の一助となれれば幸いです。
 

2013/ 2/22







楽しく分かる指導とは…指導者から学ぶ

 
 2月1日、朝日新聞に掲載されたインタビューで、サッカーコーチの池上正さんは、体罰のない指導法や理論を積み上げていく必要性を訴え実践しています。
 小学校へサッカー指導の「出前」に行く池上さんに記者が同行しました。そこでは、磨き上げられた話術。明快な意図を持つ運動メニュー。実に楽しそうにボールを追いかける子どもたちの姿を見ながら、コーチに必要なのはスポーツ技術だけではないのだと実感したそうです。「教える」ための技と知識。これが体罰を生む現場で決定的に欠けているのではないか。と述べています。
 1月26日・2月2日の二日間、朗読セミナーを開催しました。講師はアナウンサーの長谷川直子さんです。最初は、「銀河鉄道の夜」の場面を教材に、参加者全員(30人)による呼吸法、発声、滑舌などの練習をします。まず、先生が説明し実際にやって見せます。続いて生徒がやります。生徒の発声に対し「少しずつ大きく、もっと大きく、もっと伸ばして」などと助言をし、とても良くなりましたと励まします。
 次に、段落ごとに一人ずつ読みます。終わると先生が物語の背景を解説し、抑揚や間の取り方、登場人物の気持ちを表現する方法を説明します。その後、もう一度読み、「よくなりましたよ。気持ちがよく出ています。ここを強く読むともっと良くなります」などと評価と助言があり、確実に上達していることが会場に伝わります。
 参加者からは、「声の出し方、情景と強弱など、自分では気づかなかった部分を教えていただき朗読の深さを感じました」「情景や人物像、感情を考えながら朗読することは普段あまりないので貴重な体験ができ面白かったです。抑揚、緩急、間の取り方をゆっくり練習します」などの感想をいただきました。
 池上正さんと長谷川直子さんの楽しく分かる指導には共通するものがあります。第一に、生徒を尊重する人間性(人権感覚)です。第二は、記者の言う「教える」ための技と知識です。これらにより、両者の信頼関係が築かれ練習の成果があがります。  
 

2013/ 2/ 8









みんなで考えたい、部活動の体罰
〜元巨人・桑田さん「体罰は不要」に感銘〜

 
 1月12日、体罰問題について、元巨人の桑田真澄さんが朝日新聞の取材に応じて「体罰は不要」と訴えている記事が掲載されました。
「暴力で脅して子どもを思い通りに動かそうとするのは、最も安易な方法。昔はそれが正しいと思われていました。・・・今はコミュニケーションを大事にした新しい指導法が、多くの本で紹介されています。子どもが10人いれば10通りの指導法があっていい。この子にはどんな教え方をしたら伸びるか。そう考えた教え方が技術を伸ばせるんです」
「体罰を受けた子は、何をしたら殴られないで済むだろうという思考に陥ります。それでは子どもの自立心が育たず自分でプレーの判断ができません。殴ってうまくなるなら誰もがプロ選手になれます。私は体罰を受けなかった高校時代に一番成長しました。愛情の表れなら殴ってもよいという人もいますが、私自身は体罰に愛を感じたことは一度もありません」
 中学まで毎日練習で殴られたことやスポーツ指導の在り方など、自らの経験に基づき、具体的でしかも理論的に指摘した内容でした。
 部活動における体罰問題は古くて新しい問題です。20年ほど前に大きく変わったようで、たたいて脅しての指導は少なくなったようです。しかし、言葉の暴力などが残っていて部活動のあり方は基本的に変わっていないと指摘する指導者もいます。政治家が権力的に独断で対応しても解決する問題でもありません。むしろ寒々とした恐ろしさすら感じます。これは学校の問題であり社会の問題です。
 部活動は、誰のため何のためにあるのかを地域社会や指導者が原点に立って考えてみることが必要です。部活動は生徒のためであり、生徒の自主的な取り組みによりスポーツの楽しさや喜びを味わうものだと思います。この当然すぎる部活動の意義を学校や地域社会が共有し対応すれば、勝利至上主義の価値観から解放され体罰がなくなっていくのではないでしょうか。  
 

2013/ 1/24











新年あけましておめでとうございます
 平和と子どもの幸せを

 
 昨年、世界ではシリアの内戦をはじめ各地で紛争が起こり子どもや市民が犠牲になりました。科学技術の進歩は、本来、人々の幸せに役立てるべきものなのに、核開発やミサイル発射などの恐怖にさらされました。領土問題も力で解決しようとする言動が見られ今日の平和は脅かされています。
 憲法では、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」とあり、平和のため困難にくじけず長年にわたり献身的に努力を続けている人々もいます。
 福島の子どもは、原発事故で外遊びが制限され心身に悪影響を受け、100人中36人が甲状腺に異常が見つかるなど放射能による健康不安を抱えています。この子らの日常生活には胸が痛みます。福島の知人からは、「家の中で0.4マイクロシーベルト、駐車場で1マイクロ。ああ、やんなっちゃう。本格的除染は1月から」と便りがありました。

一致(ユニテ)こそわが願い
平和こそわが祈り
友よ
この悲願を広めていこう
手を取り合って
この道を進んでいこう
    …坂村真民 作…
 
 一致(ユニテ)とは、どんなにちがったものでもどこかで一致するものがある。それを見出しお互い手を握り合おうということです。「友よ」とは、広く世界の人よという意味で使ったそうです。坂村真民さんの悲願は人類の悲願です。
 今年こそ、子どもが明るい夢と希望が持てる社会の実現、そして平和への道を着実に進みたいものです。当会館は、平和と子どもの幸せを願い、地域から教育文化の発展に寄与できるよう努力したいと思います。本年も皆様のご理解と協力をお願いいたします。
                  

2013年1月
公益財団法人横須賀三浦教育会館
 
 

2013/ 1/11









子どもを魅了したサイエンスショー

 
 新たな公益事業として、10月にサイエンスショーを開催しました。
 講師の益田孝彦先生は、「みなさんは海の底では物を押しつぶそうというすごい働きがあるのを知っていますか?カップ麺の容器も海の底では小さくつぶれてしまします…」と、ひとつひとつ丁寧に子どもの共感を得ながら説明し実験を進めます。実験に失敗しても成功しても目を見張り驚きの声がわき、会場は先生と参加者が一体となった空気が流れます。最後に、先生の掛け声とともに10sのボウリングボールが持ち上がったときは、会場いっぱい驚きと喜びの歓声に包まれました。このサイエンスショー「大気圧って大したやつ」は、子どもたちに科学の興味関心を喚起し魅了しました。

 参加者の感想は次の通りです。
*「最後は決めるぞ」の実験でボウリングの球が持ち上がったとき、すごいなと思いました。さかさコップもおもしろかった(子)
*大人も驚くほど楽しいお話でした。テレビに出ている先生というのが納得できました。科学のおもしろさを少しでも我が子に体験させることができて良かったです(母)最後にお米10s持ち上げられたところを見られてよかったです(子)
*楽しくワクワクするような時間をありがとうございます。子どもの心にも母の私にも深く印象に残りました。研究する楽しさおもしろさ失敗も楽しいことが印象的です(母)ふしぎでおもしろかった。先生があせをかいていたのでたいへんさがわかった(子)

 「科学の鉄人」は、小学生や中学生を対象とするサイエンスショーです。そのショーの中で、いかに子どもを引きつけ科学の原理を理解させるかという技量を競いあいます。会場を訪れた子どもの審査員および大人の審査員の投票によってその年の「科学の鉄人」が選ばれます。益田孝彦先生は、「科学の鉄人」に2007・2008・2011年度と三度選ばれています。来年はどんなサイエンスショーを見せてくれるでしょうか。
 
サイエンスショー







   

2012/12/28







「ふれあいコンサート」に対する理解と協力に感謝
〜11/25「古川展生チェロリサイタル」アンケートから〜

 
・「BUNRAKU」を初めて聴かせていただき嬉しいです。久しぶりにライブで古川さんのチェロの音色を聴かせていただき、何よりも、本当に夢であったらさめないように…という気持ちです。
・すばらしい!!こんなに間近で世界的なチェリストの演奏を聴けてとても幸せです。意欲的なプログラムで…たんのうしました。素敵なコンサートを企画してくださってありがとうございます。
・チェロの演奏を間近で聴かせていただいて、初めてのようで感動しています。まるでセロ弾きゴーシュのようでした。

*アンケート記入者は14名、すべての方から「大変良かった」と回答をいただき、企画運営について理解をいただきました。1名の方からは、「主催者側の対応の悪さにあきれました。これほどのアーティストを招いてのコンサートですからもう少し教育された対応を望みます。地域の老人会のイベント的です。…」という意見をいただきました。
 意見や批判は援助です。今後に生かしたいと思います。ただ、熱心なファンで地区外からお出でいただいた方の中には、コンサートホールと勘違いし、ときに運営や施設について途方もない要求をいただくことがあります。また、ファン仲間の席とりをするなどふれあいコンサートを楽しみにして来る地域住民に不快な思いを与える方もいます。
 当会館の公益事業は三浦半島地区の住民を対象にし、現在、教育会館ふれあいコンサートは、市民が生の音楽を身近で安く気軽に楽しむ場になっています。スタッフはボランティアです。半年前から準備をはじめ、当日は楽しめるコンサートにするため朝から懸命に準備しています。確かに老人会のイベント的であり地域に根ざしたアットホームなコンサートです。地域の方には、この間近で聴く気楽なコンサートを理解し楽しんでいただいています。プロの運営を希望される方は、入場をご遠慮ください。
 なお、出演者にも、当会館の目的と状況を説明し理解と協力をいただいています。
   

2012/12/14







ご存じですか
岬陽小学校校門 江戸城の石垣の石

 
 三浦半島の江戸城築城跡を調べているとき、三浦市立岬陽小学校の校門が江戸城の築城石であることを教えていただきました。しかし、どこからどのような経緯で築城石が岬陽小学校の校門として設置されたか、当時の学校関係者に伺っても明確ではありませんでした。先日、岬陽小学校の石渡校長より、創立30周年記念誌に掲載されていたと連絡をいただきました。大変うれしい気持ちと記録に残すことの大切さを身に染みて感じつつご紹介いたします。
 本校のあゆみの中に昭和39年11月10日『江戸城の石校門に設置』とあります。どうして江戸城の石がと思われることでしょう。
 それは、昭和39年6月から42年春にかけて新宮殿の造営工事が行われました。その時基礎工事をするために地下20米くらいまで掘り下げたところ、正門に使われているような大きな石が数百本も現れたのだそうです。大きな石の中にはそれぞれ諸国の大名の紋の入ったものもあったそうです。従ってこれらの石は江戸城築城当時の礎石部分にあたるものではないかと考えられます。そうなると歴史的にも由緒もあるものと言うことができるわけです。
 なぜ岬陽小に、このような話が当時国会議員であったS氏から、三好校長先生にあり、「岬陽小の正門に」ということで話がすすみ、先生も実際に現場を見られたそうです。
 しかしどうやって三浦まで運ぶかということになりましたが、これも先生の知人で大沢運送株式会社の社長さんが引き受けてくださることになり解決しました。大小合わせて10個の大きな石を東京から三浦まで運んだわけです。宮田の七曲りなどは重くてなかなか上がらなかったそうです。またおろした時は地震のような地ひびきに驚いたそうです。またおろした石をどう配置するかといっても普通のレッカー車ではあがらず、教育委員会にお願いして業者に据え付けてもらったということです。
 こうして江戸城の石は本校の正門に据え付けられたわけです。石の産地については、瀬戸内海または伊豆半島のものかなど諸説いわれていますが、さだかではありません。関心のある方は研究してみてください。
 問うことにより歴史は開かれる。石はどんなことを語ってくれるでしょう。
   

2012/11/23







通知表事前確認に驚きと安堵

 
 11月6日の新聞に、横浜市の通知表事前確認について報道されていました。保護者に通知表の内容を事前に点検してもらうよう、教育委員会が学校に指示していたとのことです。教育長は「ミスは保護者や児童からの指摘で発覚したのが大半だった。やむをえず、事前確認することにした」と述べたそうです。
 これには驚きました。通知表は、保護者に対して子どもの学習指導の状況を連絡し、家庭の理解や協力を求める目的で作成するものです。作成、様式、内容等はすべて学校(校長)の裁量です。取扱いについても、学校の創意工夫と責任で行われるべきものです。校長が「ミスがあれば処分だ」と公言し、「事前チェック」を進めていたという報道にはさらに驚きました。
 教育委員会も校長も基本的に考え違いをしているのではないでしょか。通知表は学校の裁量ですから、教育委員会は学校の主体性を尊重し問題解決のための条件整備をして援助すべきだと思います。校長はミスのないよう校内体制を整備して対応すべきだと思います。当然ですが、通知表は最終的には校長が目を通して責任を持つべきものです。新聞報道を見て軽々に論評すべきでないと思いつつあまりの驚きに考えたことを述べました。
 一方、横浜市長は、会見で「報告を受けて驚いた。いくらミス防止とはいえ考えられない」「通知表は学校が責任をもって作るもの。事前確認なんてあってはならない」「現場の教諭がどのような状況にあるのかを市教委は把握していないのではないか。現場の声を聞いて、根本的な解決策を講じてほしい」と述べたと報じられています。この市長の見解には安堵感を覚えました。
 

2012/11/ 9





フルートの魅力とフルートサークル

 
 好きな楽器で好きな曲が自分なりに演奏できたならば、日常生活がどんなにか楽しく豊かになるのではないではないでしょうか。フルートは、楽器を習いたいという人にとってピアノやヴァイオリンに次いで人気がある楽器です。
 フルートというと、銀色か金色の金属製の筒に複雑なキー装置を備えた横笛、コンサートフルートをさしますが、古くは広く笛一般を指していました。バロック時代には単にフルートというと、現在のリコーダーと呼ばれる縦笛を指し、現在のフルートの前身楽器である横笛は、「トラヴェルソ(横向き)」という形容詞をつけて「フラウト・トラヴェルソ」と呼ばれていました。昔は木で作られていましたが、現在は金属製が主流になっています。しかし、発音に舌の振動を用いないので、金属でできたフルートも木管楽器です。
 魅力の第1は、なんといっても美しく澄んだやわらかい音色です。誰からも親しまれ聴く者をも魅了します。やさしい音から情熱的な音まで多彩な演奏も楽しめます。第2は、単旋律だから楽譜が読みやすく、誰でも簡単に演奏できます。そのため初心者におすすめの楽器です。第3は、フルートは長そうに見えますが、3つに分解すればコンパクトで持ち運びが簡単です。
 当会館で「大人のためのフルートサークル」を開催します。初回は2013年1月15日(火)です。指導は野上修一氏です。野上氏がフルートを選んだきっかけは「中学生となり吹奏楽部に入って、やりたいと思ったのがコントラバス。ところが、楽器決めのためにリコーダーを吹かされることになり、それが何故かうまく吹けたからか、関連性のあるフルートを吹かされることに…それ以来ウン十年…。運命とはわからないものです(笑)」と述べています。
 フルートが初めての方、依然にやったことのある方も、「大人のためのフルートサークル」でフルートの魅力を楽しんでみませんか。
   

2012/10/26






逗子、尾崎行雄記念碑に思う

 
 現在の日本の政治は民意とかけ離れ国民から信頼を失っています。それは政治家の言動が要因です。「民意を受けて原発稼働を2030年代にゼロにする」「消費増税に反対」などと言っていた国会議員がいつのまにか変わってしまいつじつまの合わない言い訳をします。この様子は、国民の目には政治哲学のない保身としか見えません。信頼のない政治は国民にとって不幸です。
 披露山公園の駐車場に、静かな逗子湾の景色を愛した尾崎行雄記念碑があります。碑の設計者は直原信衛、レリーフの彫像は彫刻家の朝倉文夫、碑文は逗子を愛し住んでいた日本書家の藤原楚水です。「人生の本舞台は常に将来にあり」は、現在なしていることは、すべて将来に備えてのことであるという意味です。案内板には略歴が記されています。
 尾崎行雄(咢堂)は明治23年(1890)の第1回総選挙から昭和28年(1953)まで60年7か月の長きにわたって、衆議院議員を勤め、その間、藩閥政治や軍閥政治に断固反対し、議会制民主主義の確立に尽力した功績により、旧憲法下の昭和10年には衆議院から憲政功労者として表彰され、以来、「憲政の神様」と言われてきました。東京市長時代に日米友好の証として、ワシントンのポトマック河畔に桜の苗木を贈った話は有名です。
 昭和2年(1927)70歳の時、この碑の直ぐ下に、「風雲閣」と名づけて居を構えました。現在も屋敷跡の擁壁に「風雲閣」の彫が残っています。終戦直後には、日本の進むべき道について、教えを請う人たちが溢れたそうです。昭和29年(1954)10月に、この地で95歳の天寿を全うしました。
 尾崎行雄は、常に民衆の側に立ち権力の弾圧にも屈せず民主政治と世界平和の実現に一生をささげ希望を灯した政治家です。碑の前で、現在も真に民意を反映し、国民から信頼される政治家が出現するはずと願うばかりです。
   

2012/10/12







教員免許「修士レベル以上に」 中教審答申?

 


 中央教育審議会は8月28日、教員の資質向上策を文部科学相に答申しました。教員養成の修士レベル化、3段階の免許制度創設などです。
 答申は、教員を「高度専門職業人」として位置づけるために修士レベル化を導入し、標準的な「一般免許状」を学部4年に加え大学院で修士レベルの課程を1〜2年学んだ人に、学部卒の人には「基礎免許状」を与える。早めに一般免許状を取ってもらい一定の経験を積んだ教員は、研修などを経て最上位の「専門免許状」を取れるようにすることなどです。
 教員をめぐる現状分析では、社会状況や子どもの変化等を背景として学校教育における課題も一層複雑・多様化してきている。多くの業務を抱え子どもの教育に専念できず多忙感を抱くなどストレスを感じる者が少なくない。教員間の学び合いや支え合い協働する力が重要であるが、教員の間に学校は組織体という認識が希薄になっているなどの指摘があり、これには賛同です。
 それでは、答申のように教員養成を修士レベル化し3段階の免許制度にすれば教員の力量が高まり課題解消に向かうのでしょうか。むしろ、ますます教員が多忙化し子どもや教員間の関係が希薄になっていくのではないかと危惧します。「教師は現場で成長する」と言います。学校現場で同僚や先輩の教職員、保護者や地域と協力し学び合い、その信頼関係から教育的力量を築いていくものだと思います。基本は子どもとのゆとりある教育活動です。
 今、教員に必要なことは、子どもと共有する時間、教材研究、同僚や保護者との話し合いをする時間の確保などです。そのためには教員の定数を増やすことです。長年にわたり学校現場から指摘してきたこの当然の要望を早期に実現することが望まれます。
 

2012/ 9/28













神奈川フィルの危機を知り支援を

 


 神奈川フィルハーモニー管弦楽団「神奈川フィル」は、神奈川の文化的シンボルとして、40年にわたって音楽の素晴らしさを伝える活動を続けています。しかし、現在、楽団は多額の債務超過を抱え公益法人制度改革を前に存続の危機にあります。
 今般、民法制定以来、約115年を経て公益法人制度の大改革が行われ、2008(平成20)年12月1日より新制度が施行されました。その目的は、「民による公益の増進に寄与するとともに従来の公益法人制度の問題点を解決すること」と記されています。従来の財団法人は特例民法法人となり2013(平成25)年11月末までに、移行申請して認定され公益財団法人になるか、認可され一般財団法人になるか、解散するかの選択が求められています。
 神奈川フィルが税制の優遇措置のある公益財団法人に移行するためには債務超過を解消し300万円の純資産を持つ必要があります。神奈川フィルは1992(平成4)年度から続いていた赤字が積み重なった結果、1992(平成11)年度までに約5億円の債務超過を抱えました(平成11年度は3041万5000円の赤字)。しかし、人件費削減などで対応しながら平成16年度(8348万4000円の当期利益)以降はほぼ黒字化を達成しています。2011(平成23)年度末には債務超過も2億2千万円になり減少してきています。
 神奈川フィル支援を目的に設立した「ブルーダル基金」は、県民個人と企業、県の補助などで積立額が9月4日現在、116,839,901円です。目標達成までにはきびしい状況にあります。しかし、神奈川フィル広報の「補助金だけに頼らないで自立していく経営を行わなければならないと思っています」との言葉から困難を乗り越え自立する決意が伝わってきます。
 神奈川フィルは音楽の魅力を伝えるため、小編成による無料コンサートを開催しています。このブルーダル基金コンサートは、ブルーダル基金への理解と協力をお願いするコンサートです。9月22日13:00&15:00開演の2回、三浦市民ホール「うらり」において金管五重奏のブルーダル基金コンサートが開催されます。神奈川フィルの魅力ある音楽に触れて、神奈川フィルへのご理解と支援をいただければと思います。
 

2012/ 9/14











さのきょうこ先生のリトミック教室
〜歌って踊って、親子で楽しくレッスン〜

 


 夏休みの4日間、生まれて3か月からのベビーもできるリトミック教室を開催することにしました。当会館のホールでは、幼児のリトミック教室や幼児教室は行われていますが、乳児は初めてです。指導は、横須賀市で長年にわたり音楽教育に携わってきた「さのきょうこ」先生です。先生がどのように指導し乳児がどのように反応するのか分かりませんでした。先生のブログ(8月17日)に掲載されている教室の様子をご紹介します。
 「Kちゃんは、5か月の赤ちゃんです。最初は、人見知り場所見知りで笑顔がなかったのですが、レッスンが進むにつれ笑顔をたくさん見せてくれました。おへんじでは、お手々を出そうとしてくれたり、最後の方で声を上げたりしてくれましたよ。 おさんぽの音楽の変化でニコニコ。フラッシュカードもしっかり見つめていました。ママも頑張って声を出してくれました〜。キャラクターリズムカードに興味津々。自分でしっかり持っていました タンブリンも気に入って、ずーっと離さずにいましたね。途中で理事長さんと先輩のU先生が見学に来てくれ、Kちゃんの表情が豊かに変わるのに、ビックリしていました」
 先生は、退職後にリトピュアリトミックと出会い、認定講師に・・・。現在は、昭和音楽大学と横浜高等教育専門学校の講師をしています。子どもの成長がめざましい大切な乳幼児期こそ、先生の言う「楽しい」を感じることから「意欲」を育てたいものです。実際、体験教室を見学し先生の指導により乳児の喜ぶ様子といきいきとした表情を見て感動を覚えました。0歳児も音楽をしっかり感じています。
 9月から、さのきょうこ先生の「リトピュアリトミック認定教室」が当会館で開設されます。第2・第4(水)9:10〜9:50ベビークラス(3か月から1歳半)、10:00〜10:40リトルキッズクラス(1歳半から3歳)、まずは体験レッスンに参加し、体験してみてはいかがでしょうか。  
 問い合わせ090−4421−3476
   

体験レッスンにて(2012/ 8/22)


2012/ 8/24











江戸城築城石と三浦半島

 



 歴史が結ぶ伊東の森と逗子の海、宇佐美の「江戸城石丁場遺跡」と逗子「不如帰の碑」というタイトルで事務局雑感(7月27日)に掲載しました。これを読んだ方から、三浦市立岬陽小学校の校門も江戸城の築城石でできていることを教えていただきました。
 かつて岬陽小学校に関係した何人かの方からも話を伺いました。みんな江戸城の石垣の石だということは承知していましたが、設置されるまでの経緯を明確に知っている人はいませんでした。ただ、岬陽小学校「沿革の概要」には、昭和39.11.10 江戸城の石垣をもって校門を完成と記されています。当時の三好新次校長が知り合いから譲り受け、PTAの協力を得て石を運び設置したようです。
 学校を訪ね校門を見せていただきました。校門の石はとても大きく、校庭の周りのランニングロードにも一定の間隔に築城石が置かれています。これを目印に子どもたちがランニングできるようにしたそうです。早速、NPO法人宇佐美江戸城石丁場遺跡保存会の友人に写真を送ったところ、次の返事がきました。
 自称「石ころ研究者」といたしましては、わくわくするような報告であります。門柱の石は、間違いなく「築城石」として切り出した「角石」(石垣の角の部分に仕様したもの)か「角脇石」(角石の側に二番目に積む石)だと推測されます。角石の規格は、おおよそ 115×160×390p位なので、それよりも小ぶりな「角脇石」の可能性の方が高いと思われます。校庭の「石」は、「築石」(つきいし)、「平石」として、切り出した「築城石」だと思います。実際に見てみないとなんともいえません。冒頭に、「間違いなく…」と書きましたが、岩石学に詳しい方が、どの石も「伊豆の安山岩」であると分析をされれば、「確実」ということになります。
 三戸浜の砂浜に大きな石があります。地元ではサンコロ石あるいはカンコロ石と呼び江戸城の築城石といわれています。当時、伊豆方面から切り出された石が運搬船の難破などにより流れ着いたといわれ、江戸まで築城石を運んだ厳しさが想像できます。浦賀にある燈明堂の石垣は、江戸城築城のときに余った石材を流用したものと考えられています。これも関心がなければ見るものにとってはただの石です。江戸城築城石は、歴史や文化の成り立ちを知るうえで貴重な歴史文化遺産といえるのではないでしょうか。
 
岬陽小学校 校門
*岬陽小学校 校門
 
 

2012/ 8/10











歴史が結ぶ伊東の森と逗子の海
宇佐美「江戸城石丁場遺跡」と逗子「不如帰の碑」

 


 今から約400年前、徳川家康が江戸に幕府を開くに当たり江戸城の大改修を諸国の大名に命じました。この時、石垣に使う大量の石の調達を命じられた西国大名は、伊豆半島の海岸地帯から石を切り出し船で江戸まで運びました。その時の跡がそのまま400年の間伊豆半島のいくつかの場所に残っています。
 あるとき、友人に伊東市の宇佐美にある江戸城石丁場遺跡を案内してもらいました。静まり返った森の中にある「築城石」には、大名家の印だと思われるもの、その家臣の印だと思われるものや実際に仕事に従事した石工の印ではないかと推測されるものもあります。石を割った後のある「矢穴石」なども無数に残っています。山から石を運び出した「石曳道」もそのまま残っています。硬い石を割り運び出す仕事はたいへんなことだったと想像され、当時のことが忍ばれます。
 切り出された石は海岸まで運ばれ石船に積まれ、相模灘を通って江戸湾まで行き江戸城の現場まで運ばれます。重い石を積んだ石船は、嵐にあって沈没した船もあったそうです。江戸城まで行き着くことができなかった伊豆の石が今でも相模湾の海底に沈んでいます。
 逗子海岸から見える海中にあるのが「不如帰」の碑です。5月の大潮のときには磯が現れ碑のそばまで行くことができます。秋には真っ赤な夕日が石碑を照らします。海中に徳富蘆花の兄、徳富蘇峰の筆による「不如帰」の碑が建てられたのは1933(昭和8)年です。この碑に使われた石材は大崎の先にころがっていた鍋島石です。江戸城を築くために九州鍋島藩が伊豆から運んできた石垣用の石が、船の難破で大崎の海に落ちたと伝えられています。歴史が結ぶ伊東の森と逗子の海、宇佐美「江戸城石丁場遺跡」と逗子「不如帰の碑」は、貴重な文化遺産です。
 現在、NPO法人宇佐美江戸城石丁場遺跡保存会は、文化財は国民の財産であるとの視点に立って、多くの方にこの遺跡のことを知ってもらおうとその保存と活用に取り組んでいます。ホームページは、「宇佐美江戸城石丁場遺跡」で検索できます。ご覧ください。  
 
 
 

2012/ 7/27











絵を見る楽しみ…そのきっかけは

 


 あるとき、団体旅行の自由時間に、絵の好きなAさんに誘われて秋田市の平野政吉美術館を見学しました。ここにはフランスで活躍したあの藤田嗣治の作品がたくさんありました。Aさんは、「この裸婦の乳白色は藤田嗣治の独特の白です。この乳白色の作り方は誰にも教えなかったようです…」など、分かりやすく教えてくれました。透き通るような肌の裸婦「眠れる女」を見ていると新鮮な感動を覚えました。この作品は、1931年、藤田嗣治が夜行列車で秋田まで抱きかかえてきたというエピソードを知りいっそう興味深いものとなりました。
 Aさんの説明がきっかけとなり絵に関心を持つようになりました。現在は、ときどき美術館に行き心打つ絵に出会うのが楽しみです。絵が好きになるきっかけは人により違うと思います。しかし、画家の人生や何を感じて作品に表現したかを知ることにより鑑賞の楽しみがより広がるのではないでしょうか。
 今、フェルメールが描いた名画「真珠の耳飾りの少女」の来日に合わせ、「真珠の首飾りの少女」が初来日となり話題を呼んでいます。それぞれ9月17日まで東京都美術館と国立西洋美術館で公開されています。
 当会館では、「フェルメールからのメッセージ」と言うタイトルで教養セミナー(9月2日14時)を開催します。講師は人気キュレーター林綾野さんです。絵に描かれていた17世紀オランダの暮らしの様子、フェルメール自身の家族構成や生活環境、食生活まで想像力を広げ、画像を見ながら作品を解説します。この機会に、人々を魅了してやまない幻の画家フェルメールからのメッセージを紐解き、鑑賞の楽しみを広げていただければ幸いです。
 
 
 
 

2012/ 7/13











ホームページ担当者の悩み
〜ブラウザによる見え方の違い〜

 

 
 横須賀三浦教育会館の運営にはボランティアスタッフがかかわっています。ホームページ担当者もボランティアで専門家ではありません。ホームページは2008年9月1日開始しましたが、続けるのはなかなか難しいものです。その理由の最たるものに掲載する内容が尽きてしまうことがあります。
 しかし、教育会館のホームページでは、そういう心配はありません。毎月イベントが入り、その広報や報告を次々と掲載することができます。問題はホームページに対する知識・理解が決定的に不足していることです。そのため、ご覧いただいている皆さんのすべてがこちらの見てほしい形では見ることができていないのではないかと危惧しています。
 印刷物であれば、印刷した形そのままが読者の見る形になります。ホームページの場合は、インターネットエクスプローラーをはじめとするブラウザ(ホームページ閲覧ソフトウエア)が、ホームページを記述しているHTMLというプログラム言語をどう解釈して表示するかによって決まってきます。同じホームページを見ていてもブラウザにより見え方が違ってしまいます。現在はインターネットエクスプローラー8で表示を確認しています。バージョンアップの際など見え方が変わったことにお気づきの方も多いと思います。
 具体的には、「レイアウトが崩れている」「ページから外れたところに文字や画像がある」などです。専門家ならそういったブラウザの種類の違いやバージョンの違いを目立たなくする知識や技術をお持ちなのでしょうが、そうでない者にとっては難問です。何とかしたいとは思い改善していますが、今のところ決定的な解決はできていません。未対応の部分については技術の未熟のためです。解決策を模索していますのでご理解をいただければ幸いです。今後も、みなさまに親しまれるホームページにしていきたいと思います。
 
 
 

2012/ 6/22











「三浦半島地区退職教職員の会」創立20周年

 
 2012年は、「三浦半島地区退職教職員の会」創立20周年です。
 「三退教」の歴史を思うとき、第一に、長年にわたり会長を務めた第二代会長の長山総一郎先生を思い出します。先生は誰にでもざっくばらんに接し笑顔を絶やさなかったからでしょうか。多くの教職員・保護者から慕われていました。教育会館にお出でになり話す機会にも恵まれ、いつも温かい空気を残していただいたことが良き思い出となっています。
 活動については、役員の方の献身的努力と会員の協力により今日まで会員の親睦と地域文化の発展の実績を積んできています。
 その第一は、「三退教」文化展です。退職教職員の絵画、書、写真、パッチワークなど趣味で作成した作品が展示されます。作品の出来栄えが目的ではなく、気軽な発表の場となっており、年に一度の発表を楽しみにしている方もいます。鑑賞には会員や現職の教職員をはじめ市民の方も足を運んできます。会員にとっては交流の場ともなっており旧交を温めている姿も拝見できます。
 第二は、年二回発行の機関紙「みうら」です。編集委員の方の綿密な計画と執筆者の協力により会員に親しまれる魅力的な内容になっています。執筆者の名前を見てなつかしくなり文章を読み始めることもあります。身体が不自由で外に出られない会員の方から「みうら」を楽しみに読んでいますと言う声も聞こえてきます。なお、結成当初から「三退教」のため力を尽くされた中村勝彦さんの「川柳一年」には胸が痛みます。
  「三退教」の活動の拠点が横須賀三浦教育会館になっていることも誇りに思っています。現在、7月12日(木)から17日(火)まで開催する文化展の準備が進められています。今年も多彩な作品が展示されるのを期待し、市民の方にも楽しんでいただければ幸いです。

2012/ 6/ 8











もう一つの天体ショー金星太陽面通過

 
 5月21日、学校によっては、全校児童による金環日食の観察会が行われ、世紀の歴史的な天体ショーにわきました。逗子市では、7時半ごろになると薄い雲を通して金環日食のリングが見えました。ときどき雲の間に太陽がのぞくと三日月の日食もはっきりと見られ、子ども連れの家族から「見えた、見えた」という声も聞こえてきました。今回の金環日食は、広く各地で楽しむことができたようです。日本の広い範囲で見えたのは平安時代の1050年以来です。
 6月6日、もう一つの天体ショー、太陽の表面を金星が黒い点となって動いていく様子を観察することができます。次回は105年後の2117年12月11日です。幸い日本では金星が太陽に入ってから出て行くまで全経過を観測できます。東京を基準にすると金星が太陽に入り始めるのは午前7時10分頃、太陽の中心に近づくのが10時29分頃、太陽と金星が離れるのは午後1時47分頃になるそうです。是非とも観察したい天体ショーです。家族や友だちと観測するのも感動が共有でき良き思い出となると思います。
 金星の天体ショーというと、1989年12月2日、逗子海岸で金星食を見たときのことが強く印象に残っています。夕方になると三日月の近くを大きな金星が輝き、午後5時18分頃になるとスーッと月に消え、しばらくすると三日月の下方から美しく光り輝く金星が現れおもわず歓声をあげました。暗くなった海岸で12人の4年生と一緒に歓声をあげた感動が鮮明によみがえります。
 観察には十分な注意が必要です。太陽を直視すると目を痛めますので、絶対に見ないでください。幸い金環日食で使用した遮光版「日食グラス」を使用することができます。連続して長時間みないなど安全第一に、もう一つの天体ショー金星太陽面通過の観察を楽しみたいものです。

        
20120521金環食(横須賀にて)

2012/ 5/25





学ぶ喜びは生きる喜び

 
 当会館では、市民によりさまざまな教育文化活動が行われ多くの方が学んでいます。その学ぶ姿はどれも活き活きとしています。幼児から高齢者まで年齢に関係なく、興味をもって学ぶことは生きるための活動であり喜びと言えます。学んでいる様子から、改めて気づき再認識することもあります。
 まもなく2歳児になる幼児と散歩したときのことです。2歳児は言葉の爆発期と言う人がいます。花を見て、「お花、きれいね」と言うと「お花、きれいね」、「白い花、きれいね」と言うと「白い花、きれいね」と言います。子犬を見て「かわいいわんわんだね」と言うと「かわいいわんわんだね」、大きい犬に会い「大きい犬だね」と言うと「大きい犬だね」と、言葉を繰り返しながら覚えていきます。改めて、興味を持ち繰り返して学ぶ大切さを感じます。
 当会館の2歳児リトミック教室では、親子でリズムに合わせておもいきり歌ったり踊ったりして楽しんでいます。親も子も活き活きと楽しそうです。新しいことができるようになる喜びを感じています。親と子のふれあいはもちろんのこと、同じ仲間と活動ができる喜びが見られます。よき指導者と仲間は、学習効果を高めます。
 大人のピアノ教室では、ピアノは初めてで楽譜も読めないと言う高齢な方が練習を始めました。始める前は不安でいっぱいでしたが、練習後は充実感を覚えるようです。なかには家での練習が貴重な時間として一日の生活に欠かせないものとなりピアノ教室に入ってよかったと実感しています。年齢に関係なく何かをやろうと思ったらおもいきって実行してみることが大切ではないでしょうか。
 当会館主催のコンサートでは、身近で一流の演奏を楽しみながら演奏家による楽器や曲目の解説などがあります。感動すること初めて知ることは新鮮な喜びです。学ぶ喜びは生きる喜びです。
 
   
        

2012/ 5/11





教育会館主催のサークル・教室で
 楽しみながら学んでみませんか

 
 市民の方の要望とご協力により、当会館主催の楽しみながら学ぶサークルや教室が年々ふえてきました。
 
1、童謡・愛唱歌を楽しむ会 現在も募集中
 月1回(第2土曜日)会費500円。元小学校音楽教師だった浦崎陽子さんの指導により和気あいあい童謡や愛唱歌を楽しんでいます。毎回40名以上の会員が参加し、「歌にまつわるエピソードなどを教えていただき、なるほどと思うことが多々あります。みんなと歌えるのも楽しみです」と言う声も聞かれます。
 
2、健康ヨガ教室 現在も募集中
 月3回(水曜日)会費3000円。毎回15人ほどの会員がインストラクターの高橋祐美子さんの指導のもと健康ヨガに取り組んでいます。ヨガは血液の循環をよくし全身の筋肉を和らげ身体のゆがみを正します。ストレス解消にも最適です。
 
3、大人のピアノ教室 現在は満席
 月2回(金曜日)会費3800円。昨年12月から初めての人や再挑戦の人が中瀬友美さんの指導のもと個人レッスンをマイペースで楽しんでいます。
 
4、親と子のリトミック教室 現在も募集中
 4月に開設したばかりの教室です。月2回(月曜日)親子で会費2000円。手代木留美子さんの指導のもと8組の親子がコミュニケーションをとりながらたくさん歌ったり踊ったりして楽しんでいます。対象は2歳児とその親です。
 
○ 今後の予定
 5月から「大人のリコーダー教室」を開催します。月2回1000円。講師はリコーダーサークル「パストラル代表」の山本典子さんです。6月からはパソコン教室・相談室を開く予定です。これらはホームページでも紹介します。ご希望の方・問い合わせは046−824−0683まで。なお、新しく教育会館主催のサークルや教室の指導者希望の方はご連絡ください。話し合いにより共通理解ができた場合は、協力してサークルや教室を開設します。
 
        

2012/ 4/27




風評被害…福島の子ども

 
 最近、人として大切なことを知らない、知らされていないことが多いと感じています。次の記事が毎日新聞に掲載されたのをインターネットで知りました。
 福島から避難の子ども保育園入園拒否というタイトルで、「自分の子供が住宅近くの公園で遊ぶのを自粛するように、近隣住民から言われた。更に、保育園に子供の入園を希望したところ、原発に対する不安の声が他の保護者から出た場合に保育園として対応できないことなどを理由に、入園を拒否されました」
 知人にこの情報を話したところ、次々と怒りの声を発しました。「保育園は、なんで保護者に説明できないの?対応できないの?」「弱い者いじめだ」「子どもの人権を守るのが保育園ではないか」「自分が避難する立場だったどうするの?」「傷ついて避難してきた人を温かく迎えてやるのが人間でしょう」、多くの人はこのように考えると思います。
 風評被害はなぜ起こるのでしょうか。その要因を武田邦彦氏は、原発事故が起きたときNHKが政府のコメントとして「この程度の放射能であれば大丈夫」「ただちに健康への影響はない」と言うコメントのみを紹介している。この事例から風評被害は正しい情報を伝えないことにより起きると述べ、風評被害をなくすには正確な情報を提供する必要があると述べています。
 東電と政府が安全と言い原発を強力に推進してきた安全神話が崩れたこと、その後の言動に国民の信頼を失ったことも大きな要因と言えます。朝日新聞の3月11・12日の世論調査によると、原発に対する政府の安全対策については「信頼していない」と言う人が80%と不信感が強くなっています。
 今こそ、東電と政府は原発事故の責任からも情報の全面開示を行うべきです。国民は正しい情報を収集して風評被害を起こさない安全安心な社会の実現のため努力したいものです。それにしても、大飯原発の再稼動をめぐる政府による対応には驚き恐ろしさすら感じている国民も多くいるのではないでしょうか。
 
        

2012/ 4/13




「3.11あの日を忘れない」事業報告
   義援金カンパ(遺児育英資金)73,600円

 

 2011年3月11日午後2時46分大地震が発生。東日本大震災から1年がたちテレビや新聞で大きく取り上げられ、改めて地震・大津波・原発事故の恐ろしさと被災された方の現実がきびしく深刻なことを再認識しました。しかし、3月11日を過ぎると潮が引いたようにマスコミ報道が少なくなりました。
 当会館は、「3.11あの日を忘れない」をテーマに次の公益事業を行いました。
 パネル展3.11あの日を忘れない「いわきの記憶」は、いわき民報社の協力により3/1から24日まで開催し、約500名の方に東日本大震災の写真を見ていただきました。合わせて、元教師の山下さんが心を込めて作ったお地蔵さんと、工房Gの角野さんの三浦の焼き物を展示し希望者に販売して義援金としました。
 3月10日、横須賀市在住のアーティストSTAND WAVEによるコンサート「幸せの歌」を開催しました。毎月被災地を訪ね音楽を通して寄り添い続けているアーティストの歌とトークで会場は感動に包まれました。
  3.11あの日を忘れない「須川展也 サックスリサイタル」は、3月11日に開催しました。最初に入場者(180名)と黙祷を捧げてからの演奏となり、サックスの音に魅了されました。須川さんは支援のため東北で何回か演奏されており、福島から高校生三人が来て対面を果たしていました。
 高齢者三人で福島の温泉に行ってきました。地元の福島民友新聞には、各学校や役場などの放射線量が掲載され、「また来るかもしれない地震、原発のある場所に住む私たちは、まだ危険の中にさらされていることを忘れないでほしい。過信が招いた現実をしっかり受け止め、一日も早く復興を進めてほしい」との記事が載っていました。
 「3.11あの日を忘れない」の事業の義援金は73,600円となりました。ご協力いただいた皆様に感謝いたします。この義援金は東日本大震災の遺児育英資金として桃・柿育英会に送ります。
        

2012/ 3/23




ピアノを楽しむ人生

 

 月2回、金曜日の午前、5階の会議室からピアノの音が聞こえてきます。昨年12月から始めた当会館主催の「大人のピアノ教室」です。
 ピアノ初めての人、楽譜が読めない人も歓迎します。ピアノを趣味として始めてみたい、子どものころ習っていたがやめてしまい楽しくやれるならもう一度挑戦したい、好きな曲をピアノで弾いてみたいなど、それぞれ希望によりレッスンを行います。この機会に個人レッスンをマイペースで楽しんでいただけたらと思います。
 現在、三人の方が練習しています。ピアノを弾くことはどんな効用があるのでしょうか。手指を使うことで脳に刺激を与え健康にプラス。楽しみを見出すことができる。豊かな感性を育てることができるなどが考えられます。レッスンを受けているお一人の方から次の感想をいただきました。
 「長い間、部屋の隅に眠っている古い電子ピアノを思い出し、ごく気軽な気持でレッスンを希望しました。しかし、昨年12月、ほとんど弾けない自分の指を見て、すぐに自責の念に駆られることになってしまいました。ところが、やさしい先生のご指導により、最初の一曲がなんとか弾けるようになった頃からかはっきりしませんが、一日のどこかでする練習の時間がいつの間にか自分にとってとても大切な楽しい時間に変わってきていることに気が付きました。定年退職後、ずっと怠けていた脳にも良い影響なのか夜の寝つきもスムースになってきました。60も半ばでスタートしたこの手習いがいつまで続けられるか自信ありませんが、今は出来る限り楽しみながらがんばってみたいと思います」
 この感想からも、ピアノは脳の活性化、疲労回復、ストレス解消など健康にもよく生活を楽しく豊かにします。ピアノに挑戦したい方はすぐに実践です。


2012/ 3/ 9




『親と子の教育相談室』 気楽にご利用ください
グチのお相手いたします/一緒に考えましょう

 
 教育会館公益事業である『親と子の教育相談室』に寄せられる相談の内容は、例年同様「いじめ」「不登校」が少ない一方、「子育て」「学校の対応」の二つで半分を占めています。相談者の中心は、相変わらず周囲に相談相手がなく夫や近親の協力・支援が得られずに、一人で悩み苦しんでいる若い母親です。事情から孫を引き取っている、高齢者からの相談も目立ちます。
 保護者にとって、相談しにくい又どこに相談したらよいのかわからないといった内容が多いのが、当相談室の特徴といえるでしょう。電話相談が主ですが、最近では来室も増加しています。
 子どもが学校から持ち帰る『教育相談室』の案内チラシを見て電話をかけてくる方が多いですが、会館ホームページで知った方もいると思われます。時に患者が医師にかかるのに勇気を要するように、相談者も子どもに関する悩みに加えて、相談するか否かを悩んだ末の電話・来室でしょう。
 相談員は、そんな相談者の思いをしっかりと受けとめて、暗く重い声で始まる長時間、そして時に複雑で多岐にわたる話に、じっと耳を傾けます。その悩みや苦しみ・怒りに共感すると共に、同時に話の内容を冷静かつ客観的に把握し分析する、難しい対応が求められます。
 ここで大切にしていることは、先ずは相談者の話をじっくりと「聴く」こと、そしてすぐに相談員が解決方法を示すのではなく(実際には解決方法がすぐに見い出せない事例が多い)、一緒に考えましょうという姿勢です。教員経験や人生経験からのアドバイスや第三者としての見方や考え方等を示して、可能な限り相談者自らが解決の方向性を少しでも探れるようにしています。相談者に冷静さや正確な理解を求めることや、1時間以上に及ぶような相談では、際限が無い程の多くの語りの中から、相談したい内容を具体化させることがポイントとなります。ケースによっては公的な相談機関を紹介しています。
 長時間の相談の最後に、「聞いてもらえて少し気持ちが楽になりました」「子どもをもう少し見守りたいと思います」「親としてもう少し頑張ります」「また相談に乗って下さい」・・・・・と、明るさを少し取り戻したような声で電話が終わると、相談員の気持ちも楽になります。
 「グチのお相手いたします」「一緒に考えましょう」との当『教育相談室』の姿勢が、悩める保護者特に若い母親を支援する上での基本点であるということを、改めて確信しています。身近で気楽な話し相手・相談相手としての役割を引き続き果たしてゆくことが、ますます重要だと感じています。
 この【事務局雑感】をご覧の皆様、周囲に子育て等で悩んでいる方がいましたら、ぜひ教育会館『親と子の教育相談室』の利用をおすすめ下さい。
 <当ホームページ中の「教文研事業(教育相談他)」をご覧ください>

2012/ 2/24




とうとうやって来た少女像

 
 上町の横須賀教育会館から日ノ出町の横須賀三浦教育会館として2002年1月に建設されてから10年が経過します。建設当時から当会館の「平和と子どもの幸せ」を願うシンボル的な彫刻がほしいという声がありました。
 平和を願う像と言うと、広島の平和公園の「原爆の子の像」を思い出します。三脚ドーム型の台座の頂上に折り鶴を捧げ持つ少女のブロンズ像が立ち、平和な未来への夢を託しています。左右の少年少女の像は明るい未来と希望を象徴しています。像の下に置かれた石碑には、「これはぼくらの叫びです これは私たちの祈りです 世界に平和をきずくための」という碑文が刻まれています。塔の内部には、少年少女たちの気持に感動した湯川秀樹博士の筆による「千羽鶴」、「地に空に平和」の文字が彫られた銅鐸を模した鐘がつられ、その下に金色の鶴がつるされ、風鈴式に音がでるようになっています。
 当然のことですが、平和なくして未来に生きる子どもの夢も希望も望めないのは明らかです。平和とは単に戦争のない社会だけではなく、一人ひとりの市民が安心して生活できる社会の実現です。日常的に放射能の恐怖にさらされ、子どもの未来に不安を感じる社会は平和と言えるでしょうか。
 昨年10月、工房G作品展がホワイエで開催され、彫刻・陶芸・アクセサリー・三浦焼き(陶芸)が展示されました。神奈川県初の地元だけの素材で制作した陶芸(三浦焼き)も30年ぶりに展示され好評を博しました。その中に小さな木彫りの少女像があり目を引きました。題は「はじめまして」とあり、純真な子どもの世界を思い制作したそうです。そこで、当会館の「平和と子どもの幸せ」を願うシンボルとして少女像を設置するため寄贈をお願いしました。
 その少女像が1月30日にとうとうやってきました。現在、少女像の台を制作中です。3月1日からの「3.11あの日を忘れない」事業に合わせて設置し「平和と子どもの幸せ」を祈念したいと思います。
 

2012/ 2/!0




3.11あの日を忘れない 東日本大震災

 
 2011年3月11日午後2時46分大地震が発生。大津波が襲い東京電力福島第一原子力発電所の事故が追い打ちをかけ大災害となりました。多くの人の命を奪い住宅や故郷まで破壊してしまいました。今も行方不明者3380人(1月20日現在)行方が分からない子どもを探す親、職を奪われ途方にくれる人、放射性物質による汚染問題や進まない原発保障、遊ぶ場もなく友達のいない仮設住宅の子育てなどが報道されています。被災された方の現実は問題が多方面にわたり想像以上にきびしく深刻です。これが東日本大震災です。
 この三浦半島でも東日本大震災に対し何かしなければと考えている人はたくさんいると思います。当会館として何ができるか考え、3.11東日本大震災を忘れないことを基本に次のことを行うことにしました。
1 パネル展「いわきの記憶3.11あの日を忘れない」
*日 時 3月1日〜24日(日祝は休み)9:00〜17:00
*場 所 横須賀三浦教育会館 *協 力 いわき民報社
・いわき民報社発行の東日本大震災特別写真集「いわきの記憶3.11あの
 日を忘れない」を販売(1300円)一部義援金となります。
・義援金箱を設置し、遺児育英資金として桃・柿育英会に送ります。
・元小学校教師の山下幸子さんが一針一針心を込めて作ったお地蔵さんを
 展示します。希望者に販売し、桃・柿育英会に送付します。
2 3.11あの日を忘れない「須川展也 サックスリサイタル」
*日 時 3月11日(日) 開演14:00
*場 所 横須賀三浦教育会館 問い合わせ824-0683
・チケット代の一部を遺児育英資金として桃・柿育英会に送ります。

 震災遺児は1500人以上になります。厳しい環境の中で不安にかられながら懸命に生活しています。「3.11あの日を忘れない」の事業が、この子らを少しでも励まし支える資金の一部になれば幸いです。

2012/ 1/27





地域住民の声を生かす公益事業に

 
 2012年度事業計画の企画立案を始めました。その基本は公益財団法人横須賀三浦教育会館の特色と地域住民の声を生かすことです。日常的に来館者やアンケートなどから要望と期待が寄せられます。その声をできるだけ生かし具体化したいと考え取り組んでいます。
 その第一が「子育て支援事業」です。近隣には高層マンションが建設され、乳幼児のいる家庭がたくさんあります。「行政」が子育て事業を開催している場所まで乳幼児をベビーカーで連れて行くのは大変で、さらに抽選で当選しなければ参加できないのが実態です。そこで、期待に応えるため4月から2歳児を対象に「親と子のリトミック教室」を開催することとし準備を進めています。暑い夏にも乳幼児の居場所をとの声があり検討課題としています。
 第二は「教育会館ふれあいコンサート」です。出演者と住民の理解と協力により充実し親しまれてきています。近くで演奏者の雰囲気を感じながら聴けるのが当会館ホールの特色です。「この会場が好きです」という方も増えています。今、来年度の出演者を決めるため要請しています。映画「おくりびと」のテーマ曲のソロを担当するなど人気、実力ともに注目を集めている古川展生(チェロ)さんに快諾をいただき11月25日に開催します。古川さんについては、数年前から市民の強い要望がありやっと実現できるという思いです。
 あの東日本大震災から一年が近づいてきました。震災遺児は1500人以上となっています。福島県のいわき民報社は、東日本大震災特別報道写真集「いわきの記憶 3.11あの日を忘れない」を発行しました。いわき民報社の了解をいただき「いわきの記憶 3.11あの日を忘れない」のパネル展(3月1日〜24日)を開催します。同時に、桃・柿育英会の東日本大震災遺児育英資金の趣意書に賛同し義援金箱を設置します。みなさまのご理解と協力をお願いします。
 
   
 

2012/ 1/13





お地蔵さんカンパによる義援金のご報告

 

 悪夢の2011年も終わろうとしています。
 大震災で震災孤児となった子は1500人と聞いています。そして亡くなった学童も数知れず、その中でも石巻市立大川小学校では74人もの児童が犠牲となりました。教職員も犠牲になりました。今、あとで考えれば地震のあと津波が襲うまで30分もあったんだから高所へ逃げることは出来ただろうと思いますが、あまりにも大地震のショックでその判断が出来なかったのだろうと思います。
 どんなに苦しかったろう。どんなに恐ろしかったろうと思うと涙がとめどもなく流れました。そして、鎮魂の何が出来るだろうかと考えました。それがお地蔵さん作りとなりました。夢中でお地蔵さんを作り続けました。可愛いお地蔵さん一体一体に「あの世で幸せになってね」と祈りを込めました。74個を大川小学校に届けたかったのですが、「混乱しているので…」と丁寧ながらお断りされました。
 「どうしたらいい?」と考え、横須賀三浦教育会館に相談したところ、「そのお地蔵さん、山下さんの気持ちに協賛して下さる方に買っていただき、そのお金を義援金として送ろう」とおっしゃって下さったのです。そこで、教育会館で活動するサークルの方に協力いただきあっというまに買っていただけました。その後、最もこの主旨を生かせる桃・柿育英会と言う団体に義援金(3万5千円)として送って下さったのです。私の気持ちが多くの皆様のご協力で生かされたと思いますと感謝で一杯です。ほんとうにありがとうございました。

*上記の報告とお礼は、山下幸子さん(元小学校教師)の東日本大震災に対する思いと行動です。最後に「ひとりの手」の歌詞が掲載されていました。改めて、人としての想像力と行動力の大切さを教えていただきました。ご協力いただいた皆さんに感謝いたします。
   
 

2011/12/23





楽しく歌いましょう 気分がすっきりします
        〜会には いつでも入会できます〜

 
 公益事業の「童謡・愛唱歌を楽しむ会」は、月1回第2土曜日(1回500円)に開催し、先月の11月で50回を迎え5年目に入りました。スタート当時は13人でしたが、昨年から今年にかけては40人前後の方が参加しています。会の目的は、地域の方が、懐かしい歌、思い出の歌を共に歌うことで楽しさや喜びを味わい、日々の過ごし方に元気が出るようにすることです。
 始めの頃は遠慮がちで声の出方がもう少しでしたが、最近は一人ひとりがたっぷり声を出し、簡単な合唱にも取り組めるようになりました。男性も参加するようになり、男声が響くと楽しい雰囲気になります。男性がもう少し多く参加してほしいと期待しています。
 
♪参加者の感想
@カラオケではなくピアノ伴奏で歌えるのが楽しい。
A童謡や学生時代に歌った歌を歌うときは、即座に当時に戻った気分にな
 れるのがいい。
B曲にまつわるエピソードや時代背景を知ることができる。
Cリズム遊びや脳トレーニングゲームも楽しい。
Dカラオケより大勢の方々と声を合わせて歌う方が楽しい。
 
 友だちと連れだって来られる方、一人で参加されている方、年齢も40代から80代の方々までと世代も幅広く、会を重ねるうちに、1か月に1回の出会いでもだんだんうちとけて話が弾みます。終了時には連れ立って笑顔で帰る様子も見られます。
 会を指導しているのは浦崎陽子さん、伴奏は遠藤芙美子さんです。浦崎さんは、「私も会員の皆さんに支えられて、手さぐりながら、勉強する機会をいただき感謝しております。これからも笑顔と歌声と元気づくりのために皆さんと共に楽しみながら頑張ろうという気持ちでおります」と述べています。会を充実させるため、お二人で熱心に研究と練習に励んでいる姿も見られます。「童謡・愛唱歌を楽しむ会」のさらなる発展を期待します。
 
 

2011/12/ 9









公益財団法人として一年 特色ある公益事業の創造

 
 公益法人制度は、約115年ぶりに大改革が行われ2008年12月1日より新制度が施行されました。当会館は2010年11月24日神奈川県知事から公益財団法人として認定され、12月1日より公益財団法人横須賀三浦教育会館として新たなる出発をして一年になります。
 主催事業については、アンケートなどから市民の声を生かしつつ特色ある公益事業にするため創意工夫し改善してきました。
 コンサートの開催は、市民が身近で生の音楽を楽しむ「教育会館ふれあいコンサート」から、子どものときから生の音楽に触れてほしいという願いの「親と子の名曲コンサート」、地元出身の若い音楽家によるコンサートと拡充を図りました。最近は演奏者の息遣いが感じられるこの会場が好きと言う方も増え、世界的なヴァイオリン奏者の徳永二男氏からも評価をいただきました。
 年に4回開催する教養セミナー「やさしく楽しく学ぶキリスト教文化」は、世界の文化、宗教、歴史、地理に精通する中屋雅之氏が映像を使ったテンポのよい説明により好評を得ています。横須賀出身ベルリン在住フリージャナーリストの中村真人氏の「ベルリンの壁は何だったか?」は、豊富な写真と現地で出会った人々の貴重な実話をもとに行われました。参加者も116名と盛況でした。
 その他、アナウンサーグループの朗読スイミーによる朗読音楽ライブ「龍馬が愛した女・お龍」は、お龍が晩年を過ごした横須賀の地で、龍馬や激動の幕末を彷彿させる和楽器演奏と共に語られ魅了しました。工房G展は、彫刻・陶芸(30年ぶりに展示した三浦焼きなど)アクセサリーを展示しました。展示会は市民で賑わい600人以上の市民が鑑賞されました。
 当会館の目的は、三浦半島地区の教育文化の発展に寄与することです。今後も、いっそう特色ある公益事業の創造に取り組み、地域住民に親しまれる教育会館にしていきたいと思います。

 

2011/11/25









想像力を育む 朗読音楽ライブ
〜12月18日開催「クリスマス物語プレゼント」に期待〜

 
 人間は、自分が経験しないことも学び理解することができます。他人の心を思いやり状況を想像する力を持っています。人としての想像力の欠如から他人の命を奪うなどの事件がしばしば報道されています。東日本大震災に関して、政治家が被災者の気持ちに反し、不当な言動をして大臣を辞任しました。何が被災者のためになるか想像力を働かせ被災地に行って懸命にボランティア活動をする人もいます。
  朗読音楽ライブでは、話の流れを想像し、次はどうなるのだろうと想像を膨らませ、豊かな想像力を育みます。昨年の朗読音楽ライブ「かけがえのない命の物語」でも次の感想をいただきました。
「忙しい毎日で一人息子(4)ともゆっくりかかわれない毎日でしたが、二人でゆっくりお話を聞かせていただき、どきどきうるうるしながらお話に引き込まれ大変心が満たされています。「絵」のないお話で息子は分かっているような分かっていないような・・・様子でしたが、日ごろは映像にたより自分で想像する楽しさを感じていないと思いました。これからは、自分でも絵のないお話で息子と向かい合うよう努力したくなりました」
 10月16日開催した朗読音楽ライブ「坂本龍馬が愛した女・お龍」では、長谷川さん松井さんのお龍さんになりきった朗読に魅了され会場は感動に包まれました。「身近でプロの朗読を聴くのは初めて、情景が浮かんでくるようで最後は泣けました」など感想が寄せられました。
  芸術文化は想像力を涵養します。身近で芸術文化にふれるようにすることこそ、市民にとって地域社会にとって想像力を豊かにします。想像力の豊かな市民と地域社会こそ平和で安全な社会を築く基になるのではないでしょうか。12月18日開催の朗読音楽ライブ「クリスマス物語のプレゼント」にご期待ください。アナウンサーグループのスイミーによる朗読は、子どもも大人も楽しむことができます。
 


2011/11/11








三浦半島の活断層が危険 地震が迫る
     〜10月24日、避難訓練(地震)実施〜

 
 東日本大震災の恐ろしさが鮮明に思い出されます。7月11日には、政府の地震調査委員会より、東日本大震災の影響で、三浦半島の3か所の活断層が危険な状態になっているという報告がありました。活断層は武山(横須賀市)、衣笠・北武(横須賀市・葉山町)、断層群南部(三浦市)です。最大でマグニチュード(M)6,7程度の地震が予想され、30年以内に地震が起こる確率が最大11パーセントと評価されました。これには三浦半島の住民も驚いたと思います。
 10月24日、関東近海において震度6以上の地震が発生、大津波警報が発令されたことを想定し地震・津波による避難訓練を実施しました。目的は、地震発生時の人的被害を最小限に留め防災意識を高めることです。具体的には、ホールや会議室を利用する市民がいるため、利用者の安全確保や避難誘導が求められます。館内放送で「その場近くで身体の安全を確保してください」「大津波があるので誘導係りの指示に従って屋上に避難してください」と指示。実施によって、安全ゾーンの確定など課題が明らかになった点があります。
 1981年大幅な見直しを経て改正されたのが現行の新耐震基準です。新耐震基準で建てられた建物であれば倒壊はしないと言われています。当会館は2001年12月に建設。新耐震基準の建物であり海も近いところから、6階の屋上に避難するのが適当と判断し避難場所としました。
 防災システム研究所所長の山村武彦氏は、「地震発生時の安全行動は、地震の小さな揺れを感じた時に心の緊急スイッチを入れ、最悪のシナリオを想定して直ちに転倒落下物から離れること。そして、出入り口を開け避難路を確保し安全ゾーンに移動して揺れが収まるまで待つこと」と述べています。「安全は誰かが与えるものでなく自らが努力してこそ得られるものなのだ」という言葉も教訓にしたいと思います。



2011/10/28








工房Gの角野さんと仲間たち
    〜よみがえる三浦焼き〜

 
 10月に入って工房Gを訪れました。三浦市初声の県道を海よりに入り奥まった所にあります。工房の後ろは小高くなっており、前は畑でサツマイモの葉がしげっていました。小さな山小屋風の建物は豊かな自然に囲まれ、角野さん自慢の窯があり三人の女性が轆轤(ろくろ)を回し製作中でした。木造りの太い梁が目立ち、棚には陶芸や彫刻など素朴な作品が並んでいます。
 三浦市の中学校美術教師だった角野さんは、生徒たちに慕われていました。体育祭での出場者紹介のアナウンスで、「角ジイこと角野先生を先頭に入場です」と言ったときみんながわっと沸いたそうです。そのことがきっかけで角ジイは教師時代の愛称となりました。全力で取り組んだ教師時代を懐かしんで当時の角ジイの愛称を使い工房Gと名づけました。
 工房Gには、中学生から高齢者までいろいろな人がやってきて自分の好きな作品を作ります。「メンバーが好きなことを選択してやる」のが方針です。それぞれが陶芸やアクセサリーなど独自の作品作りにとり組み仲間の絆も自然と深まります。激務から開放され、好きな焼き物や彫刻などに取り組む穏やかで温かい角野さんの人柄も関係するのでしょか、メンバーはみんな温厚です。
 角野さんは、独特な雰囲気を持った魅力的な人です。2年前に念願の工房Gを開設し、「自分の好きなことができる」と明るく言います。三浦市内の材料で製作する「三浦焼」も30年ぶりに復活させ発展させたいと工夫を重ねています。
 当会館で10月24日から31日まで「工房G作品展」を開催します。工房Gメンバーの作品を多くの市民の方にご覧いただければ幸いです。
 



2011/10/14







魅力的な教養セミナー講師、中屋雅之氏

 
 イスラム世界の基礎的なことを学びたい人がいるのではないかと、2009年10月18日、第1回「やさしく 楽しく学ぶ イスラムの世界」を開催しました。当日は64名の方が参加され熱心に学習されました。その後、イスラム文化を3回、キリスト教文化を4回開催しました。わずかな期間に回数を重ね、そのたびに盛況というセミナーは異例です。
9月17日開催した次のアンケートからも講師中屋雅之氏の魅力が分かります。
*以前旅行したトルコなどの歴史的背景が分かり、苦手な世界史が身近に感じられてきました。キリスト教文化、とても興味深いです。「キリスト教巡礼の旅」に行けなかっただけにスライド写真がとても良かったです。
*旅行で見たこと、「あ〜、そうだったのか」と思いをめぐらすことができ嬉しかったです。はっきりした声、話し方、とてもよかったです。
*世界史は受験勉強で大きらいになりましたが、きょうの話はアクビ一つすることなく楽しめました。キリスト教についても知識がなかったのですが少し興味をかきたてられました。画像も珍しいものをたくさん見せていただきました。
 魅力の第一は、世界の文化、宗教、歴史、地理に精通していることです。第
二は海外旅行(添乗暦)の経験豊富なことです。第三は分かりやすく説明することです。中屋氏作成の映像とテンポの良い話し方も興味を引き出します。これらがセミナーの魅力となり盛況が続くものと思われます。
 次回セミナーは11月5日(土)、午前10時開催です。仏教を含めた「世界三大宗教」、その他の宗教や聖地についても説明します。中屋氏が選んだ「一度は訪れたい世界の聖地ベスト10」も紹介します。
 申し込み(824−0683)



2011/ 9/23






坂本龍馬の愛した女 「お龍」

       〜横須賀で晩年を過ごし眠るお龍、
               波乱に満ちた人生を朗読と和楽器で紡ぐ〜

 
 昨年、浅草のアミューズ・ミュージアムで坂本竜馬の愛した女「お龍」をテーマに朗読音楽ライブを開催し好評を博したと、出演された長谷川直子さんから伺いました。ライブ開催に当たっては、書籍や文献をはじめ、坂本龍馬やお龍ゆかりの地、高知、京都、横浜、横須賀で取材を行い準備したそうです。お龍が人生の後半生を過ごし信楽寺に眠る横須賀で開催することが相応しいと、当会館で開催することにしました。 
 激動の幕末に、日本の夜明けを信じて短い生涯を駆け抜けた坂本龍馬。その誕生から175年を経た今、龍馬ブームが沸き起こっています。当時の青年達の世直しの心意気が、多くの人たちの気持ちをつかんで離さないのでしょう。ところで、龍馬は人懐こい笑顔と身分の上下なく接する優しさから女性に好かれたといわれます。
 妻「龍」は京都の美しい女性ですが、龍馬との結婚生活はほんの短いものでした。時代の波に翻弄されながらも国事に奔走する龍馬の帰りをひたすら待ちつづけ、寺田屋では捕吏に追われる夫を命がけで守った女として知られています。
 龍馬を支えた彼女はどんな女性であったのでしょうか。また、龍馬が33歳で刺客に倒れてから、妻のお龍は、66歳で亡くなるまで、どのように暮らしていたのでしょうか。お龍は世間から身を隠し、名前も変えて各地を転々とした末、横須賀の地でひっそりと亡くなったのです。時代のしがらみの中で、自由に、奔放に、そして一筋の愛に生きた女「お龍」。男たちの影で、幕末の時代を生きぬいた女たちもまた、波乱に満ちた人生を送ったのです。
 朗読グループ・スイミーは、女性だけのグループの特色を活かして、幕末の風雲児坂本龍馬を女の視点から朗読と和楽器の演奏音楽で浮き彫りにしたいと考えました。お龍が晩年を過ごした横須賀の地で、龍馬や激動の幕末を彷彿させる和楽器演奏と共に語られるお龍の人生はきっと聴く人を魅了することでしょう。  


2011/ 9/ 9






福島の子どもたちの声に耳を傾けたい

 
 福島の子どもたちは原発事故の影響でつらい日常生活を強いられています。8月17日、その小中学生が「安心して暮らしたい」と政府に訴えている動画を見ました。この福島の子どもたちの声に耳を傾けたいと思います。

*官僚のみなさんへ、わたしたち福島の子どもたちは、原発事故以来ずっと外遊びをしていません。早く除染をしてください。原発事故で避難をする人は学校の友だち、家などを奪われました。責任を取ってください(小学5年生)
*福島の子どもたちがプールにも入れず、マスクをして登下校しているこの状況を安全だと言い張る政府に、私はとても疑問を感じます。今まで法律で決まっていた数値を何十倍にも引き上げて、それが安全だと言われても私には信じられません。そんなやり方は私たち中学生の間でも通用しないでしょう。福島県民よりもお金のほうが大切なのですか?
 大人が勝手につくった原発で、なぜ福島の子どもたちが被曝しなくてはならないのか。なぜこんな辛い目にあわなくてはいけないのか。これほどの事故が起きてもどうしてまだ原発再開を目指すのか。私にはまったくわかりません。このような状況で総理大臣が代わっても良い国がつくれるとは思いません。
 私は6月に転校してとても悲しい思いをしました。友だちも泣いて別れを惜しんでくれました。そして、私の前と後にも何人かの友だちが転校して行きました。こんな風にだんだん皆がバラバラになっていくのは私たちにとって耐えがたく悲しいことです。出て行った人も、残っている人もお互いのことが心配でたまりません。ですから、私たちが学校の友だちとみんなで一緒に安全な場所に避難できるよう真剣に考えてください。そして、皆が避難している間に、学校も、田畑も、森も、山も川も、福島県全域を徹底的にきれいにする計画をたてて、それを実行してください。私の友だちを仲間たちを絶対に誰一人傷つけないでください。私たちが将来、本当に安心して暮らせるように今できる最大限の努力をしてください。よろしくお願いします(中学2年生)
*今年3年生になって、2年生のころ仲がよかった友だちが原発で避難しちゃったので少しがっかりしました。外でも遊べなくなりました。こんな生活が続くなら福島原子力発電所はなくなったほうがいいと思います(小学校3年生)
*今年の夏は去年の夏に比べて少し暑いのに、放射能のせいでプールにも入れず、また外でも遊べません。そのほかにも、宿泊学習が本当は2泊3日だったのに1泊2日になってしまいました。こんなことになるなら、はじめから原子力発電所は動かすべきではなかったと思います(小学5年生)



2011/ 8/26






笑顔で子育てをする環境づくりのために
     親子リトミックなどを検討中です

 
 乳児を育てている母親が、「可愛いが、一日中いっしょにいると嫌になることもある」「夜、寝てくれなくて睡眠不足で疲れてしまう」「離乳食を食べてくれない、成長にかかわるのではないかと心配」などの悩みを抱えています。特に、よその子ができるのに自分の子ができない場合は心配です。
 そんな時、近くに相談できる親やママ友がいる人は助かります。いない人は悩みを一人で抱え込みがちです。当会館ホールで開催してきた親子リトミックに参加していた母親から次の感想が寄せられました。
 「私も娘もサークルに参加するのを毎回楽しみにしています。音楽を通じて我が子と触れ合い、また、たくさんのお友だちと関われることで常に成長を実感できます。先生の子育てアドバイスや相談できることで気持ちも楽になり、元気に楽しく子どもと接することができているなと思います」
 リトミックは、音楽に合わせて体を動かしたり音に反応して自由に表現したりすることで、集中力や自発性、表現性などを養います。また、運動神経も高まり協調性も育ちます。親子で参加できるので、スキンシップもたくさんとりながら楽しみました。しかし、当会館での親子リトミックは、残念ですが、先生に都合がつかなくなり8月から閉鎖となりました。
 子育てにとって大切なことは、同じ子育ての仲間がいることではないでしょうか。また、子育ての経験者や相談できる人も大切です。当会館は子育ての仲間が集まる場所があります。是非、ホールなどを利用して育児や情報交換をしてほしいと思います。当会館としても、子育て環境づくりのための検討を行っています。協力いただける保育経験者の方はご連絡ください。

2011/ 8/12






夏休み 小学生は…

 
 夏休みになると、子どもたちは学校から解放されのびのびとした気分になります。一方、保護者からは子どもが一日じゅう家にいて食事の準備など世話をするため「夏休みはない方がいい、長くてうんざり」という声を耳にすることがあります。過ぎてしまえばあっという間の大切な期間です。
 夏休みは、高温多湿な時期に子どもを学校の計画的な授業などから解放し、心身に休養を与えるために設けられています。また、子どもが長期間の休業日を活用し、学校ではできない好きなことに没頭したり、読書体験・自然体験・社会体験をしたりする良い機会ともなっています。
 生活習慣を身につけるのも必要なことだと思います。子どもが4・5・6年生の夏休みに弁当の作り方を教えたという方の話が印象に残っています。指導したときは時間がかかり大変だったようですが、栄養や嗜好を考えての弁当作りは、献立を考え調理し彩りよく盛り付けるなど、子どもにとって確かな生活力をつけたこととなり大きな成長と言えます。
 3年生のときに洗濯物の畳み方を教えました。小さいうちに教えたことは習慣化してしまえば、あとで「やりなさい!」と口うるさく言う必要がなくなります。今は時間がかかっても後のために時間をかけて体得させてください。という示唆に富んだ意見を目にしました。
 夏休みは学校のように日課表がありません。子どもには自分でよく考えて日課表を作り、有意義に過ごしてほしいと思います。夏休みも健康と安全が第一です。交通事故や危険な水遊びにより不慮の事故にあわないよう家族で話し合い楽しい夏休みにしてください。

2011/ 7/22





元小学校教師からのメッセージ

 
 元小学校教師の山下幸子さんから、次のメッセージとお地蔵さんが送られてきました。当会館としても山下幸子さんの気持ちを受けとめメッセージを紹介し、お地蔵さんを販売いたします。皆様のご理解と協力をお願いいたします。
問い合わせは当会館事務局(046−824−0683)

此の度の東日本大震災では多くの子供達が犠牲になりました。
将来は
  日本の農業・漁業を担う子
  独特の機械工業を担う子
  海産物産業の将来を担う子
 多くの可能性を持っていた子供達であったはずです。東北地方の重要性を皮肉なことに、この震災で改めて知らされた思いです。このような金の卵を多く失ったことは国家的損失とも言えることです。
 教師として、子供達のすばらしさを知らされている私にとってこの事実は大きな衝撃でした。しかし、何もできないという焦燥を感じるばかりです。今は只、亡くなった子供達のご冥福を祈るばかりです。
 一針一針に思いを込めて、お地蔵さんを作りました。皆様にお買い上げいただき、それを義援金として被災地にお届けできれば幸いと思います。御賛同いただけましたら、よろしくお願い申し上げます。       
山下幸子

2011/ 7/ 8





原発事故と子どもの未来

 
 最近、気がかりなことがあります。福島の原発事故による子どもの生活と未来のことです。テレビでは、放射線を浴びないため外に出られず内遊びする子、マスクをつけて外遊びする子の姿が映し出されます。ある学校では数十キロも離れたプールに行き30分ほど泳ぎ帰ります。犠牲になっている子どもの生活に、親や学校は心配と不安がいっぱいです。
 かつて、原子力発電の安全に不安を感じつつも、日本の技術に期待し事故が起きても何とかなるだろうという思いがありました。国や東京電力が絶対に安全と言って進めるからには、事故が起きた場合でも大事にならないよう準備されているのが当然だからです。
 しかし、原発事故が起きてからの対応には誰もが唖然としました。ヘリコプターからの散水、当初の地上からの放水など素人が見ても解決に向かうはずがないと感じました。汚染水処理システムをフランスやアメリカから技術支援を受けての対応には驚きと落胆を覚えました。さらに、次々と放射能による問題が明らかになり解決のめどが立たず国民に不安を与えています。
 「ただちに影響がない」と言う言葉が繰り返されました。この言葉で安心した人がいるでしょうか。何よりも心配は子どもの未来です。子どもの20年後、30年後の健康のことを考えるからです。原発事故で牛を処分して廃業した酪農家が「原発さえなければ」と書き残して自殺した報道には衝撃を受けました。職を失い絶望の中にいる親も多く、親の悲劇は子どもの悲劇となります。
 子どもの安全と未来を築くため、国(行政)や電力会社は情報を明らかにし国民の声を聞く責任があります。学者や専門家の誠意に期待し、政治家には国民の代表として国民のため行動してほしいと思います。原子力発電をどうすべきか、今こそ主権者である国民一人ひとりが真剣に考え発言するときではないでしょうか。

2011/ 6/24





横須賀出身の若きジャーナリストと音楽家を応援

 
 急遽、横須賀出身の若きフリージャーナリスト中村真人さんの教養セミナーと下園理恵(メゾソプラノ)小泉耕平(ピアノ)さんのコンサートを当会館で開催することにしました。
*教養セミナー「ベルリンの壁」とは何だったのか?
 7月9日(土)午後2時開催。ベルリン在住10年、一時帰国する中村真人さんが「壁を克服した街 ベルリンの過去と現在」をテーマに、豊富な写真や現地で出会った人々の実話を通してベルリンの過去と現在を語ります。
 ベルリンの壁とは、冷戦の真っただ中にあった1961年8月13日に東ドイツ政府によって建設されました。一つの街がある日突然コンクリートの壁で分断されたことで何が起きたのでしょか。今年の8月、壁が築かれてから50年を迎えます。1989年11月10日に壁が破壊され市民の歓喜の様子がマスコミで大きく報道されました。歓喜の瞬間はいかにして訪れたのでしょうか。現在の状況はどうなっているのでしょうか。ベルリンの街に魅せられた中村真人さんの話を聴きにきませんか。
*コンサート「横須賀出身の2人が美しく奏でる夢の世界」
 7月16日(土)午後2時開演。浦賀小・中、横須賀市立総合高校出身の下園理恵さんと鴨居小、上の台中、大津高校出身の小泉耕平さんがユニットを組んで定期的にコンサートを開催することにしました。ユニット名はイル ソーニョ(夢)です。東京で演奏活動しているお二人が、地元の方にも美しく奏でる夢の世界を届けたいと思い立ったのがきっかけです。毎回テーマに沿った作品を取り入れた美しい音楽を届けたいと張り切っています。
 第1回は、「祈り」がテーマです。東日本大震災をはじめ今の社会状況に痛みを感じ、少しでも市民の方の癒しになるようにと決めたそうです。プログラムは、アベマリア・涙そうそう・浜辺の歌・夏の思い出・月の光・水の精・ノクターン第17番などです。多くの人に愛され癒される名曲です。
横須賀出身の若きジャーナリストの教養セミナーと地元横須賀で美しい音楽を届けるイル ソーニョのコンサートに期待し応援したいと思います。


2011/ 6/10





「石田泰尚ヴァイオリンコンサート」アンケートより
  〜運営にご理解と協力をいただき感謝いたします〜

 
○ふだんは、子連れで行けるコンサートや観劇に行くことがありますが、近場でなく遠くに出かける必要もあり値段もかかるので大変です。今回ふれあいコンサートを知り近くて安くてこんなに素敵な生の演奏が聴けてとても感動しました。繊細で情熱的で心がとても熱くなり力をもらった気がします。小4と小2の子どもたちも一緒に参加して子どもたちは弾く真似をしたりDVDを購入したりして心に残っています。
○前回の混雑で1階からという事でしたが日陰でありみんなちゃんと並んでの入場で良かったです。年老いている私には少々現代風というか難しい曲でしたがその美しさが充分伝わりました。出掛けて来ないとよりおいてけぼりになってしまうので、こうしてすばらしい曲が聴けることを心から感謝しています。設営されて下さる皆様、勿論お二人に感謝を捧げます。
*「問題は反響の悪さでヴァイオリンの美しい音色(高音)が響かず残念でした」「除湿ぐらい入れたらどうでしょう」など、会場のホールについてのご指摘をいただきました。コンサートホールとは異なりさまざまな市民が利用する多目的ホールです。ただ、音響は元N響のヴァイオリニストやヤマハの専門家に診断を依頼したところ意外と響きが良いとの評価をいただいています。マイクを通さない生の音が好評です。冷暖房等については音が大きいため演奏中はオフにしています。鑑賞いただく方には服装等に留意いただければ幸いです。
 教育会館ふれあいコンサートは、三浦半島地区の市民に生の音楽を身近で気軽に親しむ機会を提供し地域文化の発展に寄与することを目的としています。 現在、市民が演奏家とふれあい気軽に生の音楽を楽しむ場となっています。音楽は市民みんなのものです。スタッフはボランティアです。市民の力でいっそう親しまれるコンサートにしたいと思います。
 鑑賞された方から匿名でスタッフにお茶代としてお心付け(5万円)を頂戴しました。運営にご理解と協力をいただき感謝いたします。教育会館公益事業にありがたく使用させていただきます。 (「石田泰尚ヴァイオリンコンサート」報告はこちらです)

2011/ 5/27




もりか絵本原画展えほんができるまで
 「ちまちゃんとこくま」の魅力と作家もりかさん

 
 子どもは絵本が大好きです。今回は、子どもの夢がつまった「ちまちゃんとこくま」の絵本ができるまでの原画を展示します。もりかさんは、2007年MOEイラスト・絵本大賞で準グランプリを受賞。「ちまちゃん」シリーズの他に4ページ絵本の「ピジカのうみ」をMOE紙面で発表しています。
作家もりかさんの描く絵本の魅力を探るため、2011年MOE5月号より抜粋しました。

*愛らしい「ちまちゃんとこくま」を描く動機や思いは何ですか。
 姪が小さいときにピンクが大好きだったんです。お話を思いついたときは彼女のことを考えていました。最初に描いたちまちゃんは現実感のない子どもだったんですが、描いていくうちに人格を作らなきゃってなって、姪の話を思い出して肉付けしていきました。姪の思い出を入れることによって、だんだんと人間っぽくなっていったんです。

*子どものときのもりかさんは、どんな子でしたか。
 絵を描くのが一番好きでした。画家である父のアトリエの外壁が落書きの解放区になっていて、白いチョークで食べ物ばかり描いていました。別に誰に見せるというわけでもなく、頭の中にあるイメージが形になるのがうれしくて、どこでも何でも描いちゃう子でした。絵の中に登場するちまちゃんの色や柄も女の子らしさを引き立てています。裁縫好きのお母さんの影響があるようです。

 もりか絵本原画展では、もりかさんが紙粘土で製作したちまちゃんたちのおしゃれでかわいい人形やラフスケッチも展示しますのでご覧ください。

(もりか絵本原画展案内はこちらです)

2011/ 5/13





節電のために何ができるか・・・検討するよりまず実行

 
 東電は、昨夏のピーク時の電力消費量を基準にすると、原発事故により、今年は2500万キロワット(34%)の供給不足に陥る可能性があると発表しています。政府も電力不足に対応するため、企業や国民に協力を呼びかけています。この機会に、国民一人ひとりが原発をどうするかなど電力について根本的に考えることが必要です。
 当面は、まず節電を出来ることから実行に移すことが大切です。当会館としても、次の点を実行することにしました。
1 照明箇所の削減と照明時間の短縮
 照明箇所を必要最小限にすることにしました。昼間など出来る限り蛍光灯を点けないで仕事をしています。その結果、今までが必要以上に照明を使っていたことが分かりました。
2 エレベーターの使用中止
 節電のため使用中止のお知らせをエレベーターに張りました。もちろん足の不自由の人や荷物を運ぶときは利用しています。
3 ホール、会議室の利用時間を早める
 8月は利用時間を一時間早めることにしました。「サマータイム」です。効果はごくわずかかもしれませんが、照明時間が一時間減るので確実に節電できると思います。来年は6・7・8月を予定しています。
4 冷房の稼働時間の短縮と温度設定の調節
 以上、節電について話し合い実行することにしました。当会館利用者のご理解と協力をお願いいたします。家庭でも節電が必要です。まず出来ることから実行したいものです。

2011/ 4/22




美しきトランペットの響きを東日本被災地へ

 

今こそ「一人はみんなのために、みんなは一人のために」

 3月11日の大震災から4週間、いまだに安否不明者が1万7千余人と出ています。被災地ではライフラインが復旧せず、きびしい生活を強いられています。福島第一原発事故は依然として深刻で不安です。
 大震災から3日後、神戸の南京街近くでは、いち早く高校生が街頭に立ち「阪神淡路大震災では全国の皆さんに助けていただきました。今度は私たちが支援するときです」とカンパを呼びかけ、子どもから大人まで次々とカンパする光景が見られました。
 横須賀商工会議所では、ところどころに義援金のカンパ箱が置いてあり、職員は電灯や暖房のない事務所で仕事をしていました。自分には何ができるか、次の呼びかけに応じ、できることから実行してみたいと思います。

○買い溜め買い占めはやめましょう。
(被災地への流通を最優先に考えてください!)
○なるべく車の運転は控えて歩きましょう。
(救援活動にもガソリンは必要です!)
○暖房器具も極力使用しないようにしましょう。
(被災地に灯油を回しましょう!)
○電気を節約しましょう。(計画停電で被災地以外にも被害が)
○個人的に物資を送りつけないでください。
○募金をしましょう。(義援金が一番よい支援になるとのことです)

 教育会館として何ができるか、少しでも東日本被災地の力になりたいと思い教育会館チャリティーコンサートを開催することにしました。チケット代はすべて義援金とします。4月29日、公益財団法人横須賀三浦教育会館と三浦半島地区市民の気持ち、美しきトランペットの響きを東日本被災地に届けたいと思います。
 今こそ「一人はみんなのために、みんなは一人のために」みなさまのご理解と協力をお願いいたします。


2011/ 4/ 8




東日本大震災により亡くなられた方のご冥福と

 

   被害を受けた皆様に心よりお見舞い申し上げます

 2011年3月11日の東日本大震災から二週間を迎えました。連日、テレビや新聞で報道される地震と津波の悲惨な状況とその恐ろしさが次第に明らかになり被害は増大しています。寒さの中でライフラインが壊滅され水・食料すら手に入れることができずきびしい生活を強いられている人もいます。さらに、原発事故による危険がいっそう恐怖と不安に陥れています。
 親戚の家へ避難しようと言ったため、娘さんが家の外に出て濁流に飲まれ亡くなったと自責の念にかられている母親、一緒にいて妻を助けられなかったと言い無念の涙を流す夫など、悲劇としか言いようのない報道には胸が痛みます。
 一方、自らの家族も被害にあいながらも、医療品不足の中で体力の限界まで医療活動を続ける医師と看護師の姿には切なくも感動を覚えます。「どこの店にも大行列で物は不足し、電気も水もない状況でしたが不思議に思いやりはあふれていました。お互い気遣い食料を買うときには後ろに並んでいる人数を確認して商品をかごに入れました」と言う高校生。小学生「肩もみ隊」の活動。
 福島第一原発の現場で、放射能の危険と向き合い懸命に活動する方には安全を祈り感謝と敬意を表します。現在、絶対安全と言われ生活してきた周辺住民の方々は、身の回りのものもほとんど持たず避難しなければならず、先が見えず不安にかられています。悲痛な農家。そんなとき、専門家の「想定外でした」と言う言葉には、違和感と憤りを感じる人もいるのではないでしょうか。
 当会館でも、このように大きく長く揺れた地震は初めてのことです。職員は驚き呆然としましたが、エレベーターに閉じ込められている人がいないかなど確認しました。対応には反省すべき点も多く今後に生かしたいと思います。
 東日本大震災により亡くなられた方のご冥福と被害を受けた皆様のご健康をお祈りし、一日も早く復旧することを願うものです。


2011/ 3/25







横須賀市PTA協議会を紹介します。

 

   〜今こそ、学校・保護者・地域の連携が大切です〜

 横須賀市PTA協議会は、当教育会館に事務所を置き市内73校のPTA活動の向上、また教育問題等の調査・研究を行い教育環境の改善を行っています。同時に、各学校一つひとつのPTAでは解決できない共通課題等を調整し、お互いに交流しながら解決の道を探しています。
 子どもたちを取り囲む環境は、日夜変化しています。PTA協議会を構成するメンバーは当教育会館に参集し、激しく移り変わる時代に対応すべく、学校、そして子どもたちとどう向き合っていくのか考え取り組んでいます。その中で、今、重点的に力を入れている活動が二つあります。
 一つは、学校図書館の活性化と図書館ボランティアの養成です。教育委員会、図書館等と連携し、「学校図書館ボランティア養成講座」を開講し、また講演会等も開催。読書と学習の場として、子どもたちに欠かすことのできない学校の図書室を活気ある場所にし、またボランティアの方々が本の修理や読み聞かせに活躍できるよう、さまざまな活動をしています。
 もう一つは、現在子どもたちの間に急速に広まりつつある携帯電話、インターネットに関する諸問題への取り組みです。携帯電話によるいじめ等のトラブルやサイバー犯罪に子どもたちが巻き込まれるのを防ぐためには、まず保護者がその実情と対処法を学ぶ必要があります。そのための講習会を市内の全小・中学校において無料で行うため、PTA協議会の中に内部講師を養成しています。これから2年間かけて、全校で講習会を開催していく予定です。IT(情報技術)は日進月歩、保護者の勉強会も続いています。
 この二つの取り組みだけでなく、市内73校、3万2000人を越える子どもたちを取り巻くさまざまな課題と向き合い取り組み成果を上げています。今こそ、学校・保護者・地域の連携こそが問題解決にとって大切です。


2011/ 3/11







ますます大切 保護者と教師の連携

 

        〜教育相談事例から〜

 教育会館は公益目的事業の一つとして、『親と子の教育相談室』を開設しています。子育てや学校のことなどで不安や悩みを持つ相談者の「話したい・聞いてほしい」を受けとめて、相談員は〔グチのお相手いたします/一緒に考えましょう〕を基本に、良き話し相手となるよう応じています。
 毎年、子育てを中心にして学校の対応・いじめなど様々な内容の相談が電話・来室で寄せられます。相談対象者は小学生低学年の男子が多く、相談者は圧倒的に母親です。が、最近では孫を心配する祖母からの相談も目立ちます。事例からは、周囲に相談相手がなく子育てに一人で悩んでいる若い母親像と、保護者による強い学校・教師批判の二点が、特に浮かび上がってきます。
 家庭・学校での気になる行動や性格そして交友関係などに関する相談からは、子どもの扱い方(特に男子)に自信がなく、夫の協力が得られずに一人で悩み続けている、母親への支援の必要性を感じます。担任への相談を遠慮している母親もいます。担任が保護者の相談を受けとめて安心材料を提供するなど、ちょっとした情報交換や具体的な対応で解決につながるケースもあるので、保護者の不安や心配を受けとめた、学校・教師の保護者支援の姿勢が大切と思われます。
 一方、担任の指導や学校の対応に対する不信・不満から、責任と処分を厳しく追及する事例もあります。学校側が保護者の疑問や不満に対して誠意ある対応をすべきなのは当然ですが、子どもを中心に考えた解決が重要であり、例えば学級の問題を共に考え担任を支援する(学級経営支援)、経験の浅い若い教師を支援する(育てる)など、保護者側にも学校・教師支援の姿勢がほしいものです。
 教育相談を通して改めて強く感じるのは、子どもを中心にすえた保護者と教師の連携の大切さです。元気な保護者と元気な教師は、子どもにとって何よりの存在でしょう。両者による相互支援=連携が、ますます求められていると感じます。


2011/ 2/11







絵画を見るのが楽しくなるセミナー

 

        ギリシャ神話にまつわるヨーロッパの名画

 美術館では、ゴッホ・マネ・モネなど印象派の絵画には日本人の多くが興味関心をもって足をとめます。ゴッホは広重の模写をし、モネは北斎「富嶽三十六景」をもとに描いた作品を残しています。印象派が浮世絵に惹かれ影響を受けたからでしょうか。
 私たちにとってなじみの薄いギリシャ神話や聖書を題材としたヨーロッパの名画も数多くあります。レオナルド・ダビンチやボッチチェリの作品を見ても、その根底にある物語を知らなければ芸術に対する理解は表面的なものに終わってしまいます。少しでもギリシャ神話や聖書に関する知識があればどんなにか絵画を見る楽しみが広がることでしょう。
 2月19日に開催する教養セミナー(無料)、第5回「やさしく 楽しく学ぶ イスラムの世界」では、ギリシャ神話をテーマにした名画の数々を取り上げ解説します。絵画を見るのが楽しみになるセミナーです。最新のルーマニア、ブルガリア、バルト三国とサンクトペテルブルグの映像も紹介いたします。
 講師の中屋雅之(まさし)氏は、世界の文化、宗教、歴史、地理にも精通し、これまで300回を超える海外ツアーに同行。現地での詳しい解説、国内でも各地で様々な講演を行っています。日本旅行業界のツアーコンダクターイヤー準グランプリも受賞。著書に「イスラム世界を知る」「ヨーロッパの教会とキリスト教世界」があり、旅好きの多くの方から添乗員しか書けない実践的解説書として支持されています。
 旅好きな方はもちろん、先生方にも参加をお薦めいたします。


2011/ 1/28







人間としての魅力の源泉

 課題や悩みがあるとすぐにお宅に伺いたくなる先輩がいました。話をしていると心豊かになり帰りには元気が出てきます。もちろん、子どもや親、教師仲間からも慕われました。その源泉はどのようにして培われたのでしょうか。かつて、「人間としての教師の魅力」と言うタイトルの中で次の文を残しています。

 人間性が豊かで人間としての魅力も十分な教師が大勢いるのに、生徒の目から見ると必ずしもそうではない、その原因は何でしょう。教育一筋で申し分ない教師がいます。次は、その教師との問答です。
「先生はたまには、音楽会や演劇鑑賞会におでかけですか」
「ないですね、別にきらいではないのですが」
「小説なんかお読みになりますか」
「読まないですね。学生時代はよく読みましたが、最近はさっぱりです」
「では、映画なんかいかがですか」
「とてもとても、忙しくてそんな暇ありませんよ」
「・・・・・・・・・」
 この教師は、人間としての魅力の源泉である自分の感性を豊かにする機会を、いつ持つのでしょうか。

 東京へ落語を聴きに通い、話術を磨きつつ多くのことを学んだという話を聞いたことがあります。音楽、美術、落語、演劇、映画、読書など、たくさん見たり聴いたりしたことが人間としての魅力の源泉になっていたようです。芸術と文化を愛し、平和と子どもの幸せを求めて創造的に教育実践した先輩の姿が思い出されます。


2011/ 1/14







2010年度 新たな公益事業を開催して

 公益財団法人移行へのとりくみに追われた一年でした。移行認定を申請し、10月に認定され12月から公益財団法人横須賀三浦教育会館として出発をすることができ、2010年は記念すべき年となりました。公益事業については、市民の期待に応えるべく「親と子の名曲コンサート」「子どもリコーダー教室」「気質から個性へ 子どもたちの絵の世界」など、新たに開催しました。
 第1回「親と子の名曲コンサート」は、横須賀出身、加羽沢美濃さんのピアノ演奏です。演奏は聴くものを魅了し、親子で感動を共有したとの声が寄せられました。当日は、協力をいただいた音楽事務所社長の高嶋氏(ヴァイオリニスト高嶋ちさ子さんの父、ビートルズ初代担当ディレクター)が来館しコンサート企画のアドバイスをしていただきました。また、温かくさわやかなに話す加羽沢さんと会う機会にも恵まれ、多くのことを学ぶ機会を得ました。
 「子どもリコーダー教室」は、子どもにリコーダーの楽しさ、豊かな表現力を味わってほしいと考え、指導には、現職の教師と退職した経験豊富な教師にお願いしました。その結果、一人ひとりが確実に上達しリコーダーの楽しさを味わうことができました。このことは、講師の子どもに対する愛情と力量ある指導の成果といえます。
 教育会館美術展「気質から個性へ 子供たちの絵の世界」を開催しました。作品はアトリエQの協力によるものです。子どもたちの興味関心が作品にのびのびと描かれていました。指導した先生は、「子供が絵を描くことは、心にある感情と知的好奇心を育てるのに最適」と言っています。
 新たな公益事業は、成果と課題が明らかとなり今後に生かすことができます。


2010/12/24







 公益財団法人認定は 新たなる出発

 当会館の前身である横須賀教育会館が建設されたのは1963年8月です。建設と同時に公益法人として維持運営する方針を立てました。そして、神奈川県教育委員会の許可を得て財団法人横須賀教育会館となったのが1964年4月です。
 公益法人新制度に対しては、2010年10月29日の第27回神奈川県公益認定等委員会において、当会館が公益財団法人としての認定基準に適合すると認められ神奈川県知事に答申、11月24日に認定書が交付され、12月1日から公益財団法人横須賀三浦教育会館として生まれ変わりました。

 新制度における公益法人は、より豊かな公益事業の活動が求められます。市民の声を聞き期待に応えたいと思います。当会館の公益事業は次の通りです。
1 青少年の健全育成活動、豊かな情操を育む機会の提供 (公益事業1)
 青少年の健全な発達を図るため、体験活動を豊かにし、創造力や自然を愛する心を育て豊かな情操を養う事業(親と子の自然かんさつ会・くふうする工作教室・科学工作教室・親と子の名曲コンサート・朗読音楽ライブ・リコーダー教室・親と子の教育相談室)
2 地域の教育、文化及びスポーツ振興のための企画と運営 (公益事業2)
 市民が生の音楽を身近で楽しめるコンサートや美術展、教育会館セミナーなどを主催することによって、地域住民の教養と文化の向上に資する事業(教養セミナー・教育会館ふれあいコンサート・美術展、写真展・防災訓練・童謡・愛唱歌を楽しむ会・ヨガ教室)
3 地域の教育文化振興のための施設貸与と支援 (公益事業3)
 地域における自主的な教育文化活動やスポーツ活動を支援するため、市民が気軽に利用できるようホールや会議室の貸し出しを行なう事業(当会館施設の貸与)

 今後も、さらに公益事業の充実を図り親しまれる地域の教育会館にしていきたいと思います。公益財団法人認定は、横須賀三浦教育会館の新たなる出発です。


2010/12/10


公益財団法人 横須賀三浦教育会館

HOME

ホール・会議室
利用案内

フロアガイド・
アクセスマップ

イベント・
サークル情報

催し物年間予定

ギャラリー

情報公開

教文研事業
(教育相談他)

リンク