事務局雑感01


事務局雑感02(〜2010/12/10)       

 2010/11/26乳幼児と一緒にやってくる来館者が増えています
 2010/11/12第27回神奈川県公益認定等審議会において
                          公益財団法人として認められ神奈川県知事に答申されました。

 2010/10/22児童作品に対する大人の見方と言動
 2010/10/ 8 30人学級は国民の願い〜教職員定数改善計画案   定数改善は常勤で
 2010/ 9/24 11月6日(土)教育セミナー 「長寿社会を生きる知恵」  〜講師 大沢 周子 先生〜
 2010/ 9/10 正しくはしを使えますか
 2010/ 8/27 教育会館 夏の公益事業  〜夏休み、子どもリコーダー教室を開催して〜
 2010/ 8/13 蓮舫大臣からのメッセージ  〜早めの移行申請をお勧めします〜
 2010/ 7/23 横須賀うわまち病院小児科医師、千葉智子先生の訴え
 2010/ 7/ 9 子どもの行為を見守ることの大切さ
 2010/ 6/23 幼稚園の先生の喜び
 2010/ 6/11 教師も市民も楽しみながら学ぶ− 教育会館公益事業は絶好の研修の機会
 2010/ 5/28 釣りの名人と想像力
 2010/ 5/14 子どもの興味・関心を育てるには
 2010/ 4/23 当然の声を生かす教育政策を
 2010/ 4/ 9 財団法人横須賀三浦教育会館 公益財団法人へ移行認定申請をする
 2010/ 3/26 住民から信頼される教育長選任
 2010/ 3/12 新任教師を支える環境づくりは社会の課題
 2010/ 2/26 第1回「親と子の名曲コンサート」の企画
 2010/ 2/12 個性を感じる魅力的なポスター
 2010/ 1/22 誤解されやすい公益法人問題
 2010/ 1/ 8 第31回教育会館ふれあいコンサート(5周年記念)
 2009/12/25 新教育会館の歩み
 2009/12/11 公益認定等委員会、池田委員長談話に期待
 2009/11/27 「子どもの自殺、最悪の972人」の記事に胸痛む
 2009/11/13 どう考えても理不尽なこと
 2009/10/23 教育会館セミナー イスラムの世界を学ぶ
 2009/10/ 9 教育会館ふれあいコンサートと環境整備
 2009/ 9/25 公益財団法人への移行準備 1
 2009/ 9/11 朗読セラピーSuimmyに共感
 2009/ 8/28 市民感覚で誠実な政治を期待
 2009/ 8/14 教師は授業で勝負する・・・遠藤勝紀先生
 2009/ 7/24 夏 核兵器のない世界 平和を願う
 2009/ 7/10 ジャズの魅力とギタリスト杉本篤彦さん
 2009/ 6/26 海の小さな生きものと対話し撮影する 礒貝 高弘 さん
 2009/ 6/12 美しい景色が魅了する三浦半島
 2009/ 5/22 前理事長 最上満先生の遺志を継ぐ
 2009/ 5/ 8 男の方、お出かけください
 2009/ 4/24 風知草と一戸三郎先生
 2009/ 4/10 気軽にお出かけください 親と子の教育相談室
 2009/ 3/27
新任教師の若い力に期待 教師こそ環境によって大きく育つ
 2009/ 3/13 オンド・マルトノをご存知ですか
 2009/ 2/27
防災訓練の体験こそ、いざというときの力になります
 2009/ 2/13 公益法人、新制度の問題点
 2009/ 1/24 教育会館、朗読基礎セミナー 的確な指導と熱心な参加者
 2009/ 1/23 市民の利便をはかるため県立大学駅に特急・快速の停車を
 2009/ 1/ 9 親しまれる教育会館をめざして
 2008/12/26 ユニセフ募金箱を設置しました
 2008/12/12 童謡・愛唱歌を歌って楽しく元気に
 2008/11/30 子どもは自然の中で育つ 三浦半島の自然を楽しむ
 2008/10/24 折原みとさん 1  2008/11/15 折原みとさん 2  2008/11/21 折原みとさん 3
 2008/10/10 教育会館と安全
 2008/ 9/26 読み聞かせの楽しみ
 2008/ 9/12 三浦半島地域の考古学研究先駆者 赤星直忠博士







 乳幼児と一緒にやってくる来館者が増えています

 乳幼児と一緒の来館者が増えました。ホワイエのテーブルでは、数組の乳幼児をつれた親子が昼食をとりながら話し合っています。子どもの様子を話しながら子育ての情報交換をしているようです。あるときは、ホワイエの陽当たりのいいベンチで生後7ヶ月になる乳児を抱っこしている女性を見かけました。「娘がホールでダンスをしているあいだ孫の世話をしているんです。新米ママのストレス解消のためです」と言い、ダンスを終えた新米ママはすっきりした顔で戻ってきました。
 最近の若い父親は、おしめを替えたり外に出かけるときは抱っこしたりして積極的に子育てに協力しています。それでも、子どもと四六時中かかわっている母親は疲れがとれないようです。子どもから目が離せないからです。産後うつになる人が多いのも分かる気がします。子育て中のストレスが解消できないまま幼児虐待など悲しい出来事が報道されることがあります。少しの時間だけでも子育てを休んで家族に代わってもらいたくても、核家族ではどうにもできないからではないでしょうか。
 当会館では、ベビーカーを押してやってくる乳幼児づれのサークルが増え、来館者も多くなってきました。「親子リトミックサークル」は、親子のスキンシップを大切に楽しんでいます。リトミックとは、音楽と一緒に体を動かし自由に表現することです。「子づれヨガ教室」は、子どもと一緒に楽しめて母親のリフレッシュにもなり気分がとてもよくなるそうです。そのほか、「にこにこ親子クラブ」「ピノキオ保育ランド」「キッズカルチャー」などが利用しています。
 当会館施設は、だれでも気軽に利用できます。和室もあります。友だちや知人と乳幼児のためのサークルを作って、情報交換や交流の場として利用していただければ幸いです。

2010/11/26





 第27回神奈川県公益認定等審議会において
 公益財団法人として認められ神奈川県知事に
 答申されました。

 2008(平成20)年12月1日より、約115年ぶりに公益法人制度改革が行なわれ新制度が施行されました。その目的は、「民間非営利部門の活動の健全な発展を促進し民による公益の増進に寄与するとともに、主務官庁の裁量権に基づく認可の不明瞭性等の従来の公益法人制度の問題点を解決すること」と述べています。新制度により従来の財団法人は特例民法法人となり、2013(平成25)年11月末までに移行申請して認定され公益財団法人になるか、認可され一般財団法人になるか、解散するかの選択が求められています。
 公益法人新制度に対し、当会館は2007年3月2日の理事会・評議員会において、改めて教育会館の歴史を振り返り、その意義を確認し、公益財団法人に移行する方針を決め取り組んできました。移行認定申請までは、新制度のハードルが高くいろいろな困難に遭遇しました。しかし、関係者の理解と献身的な協力により一つひとつクリアすることによって、公益財団法人横須賀三浦教育会館として進むべき道と課題が明らかになり展望が開けました。
 具体的には、公益事業を見直し市民に親しまれる充実した教育文化事業に改善してきたこと、組織体制の整備、広報と情報公開をはかるためホームページの充実を図ってきたことなど成果が見られます。
 その結果、3月29日に移行認定を申請し、10月29日の第27回神奈川県公益認定等審議会において、公益財団法人として認定基準に適合すると認められ神奈川県知事に答申されました。そのため、12月1日から公益財団法人横須賀三浦教育会館として生まれ変わることになりました。
 公益財団法人は高い公益性が求められます。今後も、公益事業の充実を図り市民に親しまれる地域の教育会館にしていきたいと思います。


2010/11/12







         児童作品に対する大人の見方と言動

 朝日新聞の声欄(9/22)で、わが子の傑作を親の作品と決めつける先生に怒るお母さんの記事「上手な工作を信じない先生」、これを受けて、10月14日には、「褒められた絵をけなした母」「親子の姿察し ほほえむ先生」という声が掲載されました。
 図工の苦手な投稿者が先生に絵を褒められてお母さんに見せたがけなされ、絵を破り捨てて泣いた38年前のことが忘れられず、「上手な工作を信じない先生」を読み、親や家族が認めてくれる投稿者の子息は幸せと言い、最後に、「もし投稿者が私の母だったら、人生は違っていたかもしれない。母とは3年前に絶縁した」と書いています。
 一方、家族で「自分年表」を作成し担任からとてもすばらしい作品と褒められ、子どもが大喜びしました。後日、先生は「自由研究に親が手を出すことは親子のきずなを深める面でよいと思います。私は作品を見る時、これは親子でどうゆう作業をしたのかな、笑ったりケンカしたりしながら作ったのかな、と想像して、とてもうれしくなってしまうんですよ」と、笑顔で話された言葉を思い出すたびに温かい気持ちになります。作品は大切にしまってあります。と述べています。
 子どもの作品を見る大人の見方や言動によって、子どもは傷ついたり、良き思い出となり成長する力にもなります。子どもの絵の見方の基本は共感的理解です。共感的に子どもの絵を見ることは子どもの立場・視点で見ることです。子どもの絵を見て一人ひとりの思いやその子の良さを見つけたいものです。
 11月11日から、教育会館美術展「気質から個性へ 子供たちの絵の世界」を開催します。子どもの心が素直に反映されている絵の世界をご覧ください。

2010/10/22







    30人学級は国民の願い〜教職員定数改善計画案
         定数改善は常勤で

 この欄で、教職員が多忙な生活により一人ひとりの子どもと向き合う時間が取れない問題を指摘し、学級人数を欧米並みにする必要があることを述べました。これは、教育関係者をはじめ国民の願いです。
 かつて、中央教育審議会でも、一人ひとりの子どもを大切にした教育指導ができるような環境づくりのため、欧米並みに近づけると提言しています。30人学級は国際常識とさえ述べています。しかし、同じときに大蔵省の財政制度審議会は、諸外国と比べてもひけをとらない水準にあるという認識を示し改善に否定的でした。文部省側も財政状況から悲観的な見通しを語っていました。
 8月27日、文部科学省が教職員定数改善計画(案)を策定し公表しました。その内容は、1 小学校は来年度から5ヵ年計画で35人学級 2 中学校全学年は2014年から3ヵ年で35人学級 3 小学校1・2年生は2017年・2018年の2年で30人学級など、2011年度から8カ年計画で少人数学級(35.30人学級)の推進を図るというものです。
 現在、教職員は仕事に追われ疲れています。療養が必要な教師も増え、学校はますます多忙になっています。2006年度、40年ぶりに実施した文部科学省の勤務実態調査によれば、教師の超過勤務は月30時間を越える残業と20時間を越える持ち帰りの仕事に追われている実態を明らかにしました。三浦半島でも夜8・9時になっても明かりのついている学校がたくさんあります。その上、仕事を持ち帰ってやる教師もいます。
 教育は百年の計。財政状況が厳しいときですが、教師が子どもと向き合う時間を確保しよりよい教育環境を作るために、教職員定数改善計画案の実施が望まれます。せっかくの定数増も非常勤ではなく常勤で配置してほしいものです。

2010/10/ 8







                  正しくはしを使えますか

 幼稚園の園長先生から、正しいはしの使い方を教えるのに苦労していると伺いました。誤った使い方をしている子を正しく直すのはとてもむずかしいようです。先日、昼食を共にしたお母さんも正しい使い方をしていませんでした。なぜ、正しいはしの使い方を身につけることが大切なのでしょうか。
1 はしは生活の基本です。
 はしを使うことは、食事をするだけでなく道具を使う基本形です。はしを正しく使用できる子は鉛筆の持ち方も上手で文字も正しく書けるようになります。
2 はしは便利な道具です。
 はしは、「つまむ、はさむ、支える、運ぶ、切る、さく」など、多くの機能を持って食べ物を運ぶ素朴で便利な道具です。
3 はしは日本の文化です。
 16世紀、キリシタン布教に来日した宣教師によると、「食物にまったく手を触れることなく、きわめて清潔、巧妙にはしを使い、米一粒たりとも椀から落さない。きわめてつつましやかに礼儀正しく食事をし、その作法についても他の小事に劣らぬ規則がある」と報告されています。このように、日本人ははしを器用に使用する文化を築いてきています。
 大脳は、幼児期から少年期にほとんど形成されます。大脳が手の運動に関与しているため、はし使いも幼児期に教えるのが適期といわれます。ただ、楽しい食事時に教えることは、子どもによっては苦痛になり逆効果になるときがあります。そんなときは、食事以外ではしを使ったゲームなどしながら教えてはいかがでしょうか。
 幼児期からの日常的な食事でのはし使いは、手先の器用さや集中力、忍耐力を育てます。

2010/ 9/10





               教育会館 夏の公益事業
        〜夏休み、子どもリコーダー教室を開催して〜

 楽器を楽しんでいる人を見るたびに、何か一つ楽器ができたら生活に潤いができ楽しいものになるのではないか。そこで、子どもたちには、それぞれ好きな楽器を見つけ楽しんでほしいとリコーダー教室を開催することにしました。
 リコーダーは、学校教育に取り入れられている最もなじみのある楽器です。子どもにリコーダーの楽しさ、表現力を味わってほしいと、講師には、現職の教師と退職した経験豊富な教師にお願いしました。
 教室は力量に応じ3コースです。「A初めてのリコーダー」は小学校3年生のおさらいを中心にふけるようになるコース、「Bリコーダー大好き」は合わせる楽しさを体験するコース、「Cアンサンブルを楽しもう」は大きなリコーダーと厚みのある響きを楽しむコースです。コースの定員は各20人、募集して一週間ほどで満席となりました。
 三日間の練習は、コースごとに複数の教師がきめ細かく指導しました。その結果、一人ひとりが確実に上達したようです。三日目の最後にはコースごとに練習の成果の発表会を行いました。保護者からは「三日間の練習とは思えない上達に驚きました」「子どもが自信を持ってリコーダーを吹けるようになってよかったです」「いろいろなリコーダーに触れ、毎日が楽しそうでした」「帰ってきてからも熱心に練習していました」と言う感想をいただきました。
 夏の公益事業として、科学工作教室や工夫する工作教室も開催しました。「好きこそものの上手なれ」という諺のように、好きなことは自然とそれに熱中するから上達します。子どもには、好きなものを見つけて希望に満ちた生活をしてほしいと思います。



2010/ 8/27







                蓮舫大臣からのメッセージ
                        〜早めの移行申請をお勧めします〜

 7月22日、新公益法人制度を担当している蓮舫大臣から「公益法人の皆様へ」というメッセージが寄せられました。従来の公益法人(特例民法法人)は、公益法人制度の改革により2008年12月から2013年11月末までの5年の間に、新たな制度に移行することになっているからです。
 メッセージの主な内容は次の通りです。
 「公益法人は、民の立場で公益事業を担う主体として、これまでもさまざまな分野で民間ならではの創意工夫に富む活動に取り組み、国民生活のサポートや文化の発展など大きな役割を果たしていただいています。私は、公益認定等委員会と協力して柔軟かつ迅速をモットーとし、各法人の活動を十分に理解した上で、申請から4か月を目安としてスピーディーに審査を進めることを目標にすえています。期限ぎりぎりではなくできるだけ早期に申請してください」
 このメッセージに不安と期待を感じるのはなぜでしょうか。
 「民」による公益の推進には積極的に評価しながらも、新制度になり膨大な法律や規則ができ、それに則り移行申請書を作成することが複雑で困難になりました。現在、移行申請への対応に苦慮している公益法人が多くあります。そのため、いまだに申請した法人は数パーセントとなっています。一方、申請した法人からは、最近、積極的なサポートが受けられるようになったと聞き期待がもてます。
 法人の立場からは、法律や規則は一般の人が理解できるよう単純明快なものにしてほしい。申請は大臣が言っているように、各法人を理解し柔軟かつ迅速に審査をしてほしい。そして、一日も早く本来の公益事業に力を注ぎたいと思います。




2010/ 8/13





  横須賀うわまち病院小児科医師、千葉智子先生の訴え

 生後40日ほどの乳児が、高熱を出して近所の小児科医院にかかりました。しかし、高熱はおさまらず、一晩じゅう機嫌が悪く泣き続け母乳も飲まなくなりました。新米の母親をはじめ家族は心配と不安にかられるばかりです。朝一番、電話で先生に相談したところ、大きな病院宛の紹介状を出していただくことになりました。紹介されたのが横須賀うわまち病院です。
 ヘルパンギーナ(夏風邪の一種で喉の奥に水泡ができる病気)と診断され、他の病気が潜んでいないか検査をした結果、特に問題がないこと、喉に水泡ができたため痛くて母乳を飲むことができなかったことなどが分かりました。点滴を受け4日入院し退院しました。その間、同じように風邪をひき衰弱していた母親も夜になると帰宅し休んだため回復しました。改めて、命を守る医療機関の大切さを痛感しました。
 7月9日の新聞で、「過労によるうつ病で自殺し、労災と認められた小児科医の中原利郎さんの遺族が、勤務先の病院に損害賠償を求めた訴訟は8日、最高裁第二小法廷で和解が成立した。双方が、医師不足や医師の過重負担を生じさせないことが国民の健康守るために不可欠と確認」、また、中原さんの長女で横須賀うわまち病院の小児科医師の千葉智子先生は、「医療者が心身ともに健康であることは患者の健康を守ることにつながる。みんなが自覚することが大事」と訴えたことが報道されています。この千葉智子先生の訴えが胸に響きます。



2010/ 7/23





      子どもの行為を見守ることの大切さ

 子どもの行為を見守ることは、大人にとってはかなり難しいことです。つい不必要に口を出したり手をだしたりしてしまいます。その結果、子どもの力を引き出すのではなく、むしろ子どもの思考や自主性を阻害してしまうことがあります。
 教育会館の工作教室(小学生)のことです。先生の説明を聞きながら作業を完成させるものでした。
 A君は自分のペースで進めていると、取り掛かりが他の子より遅れがちになります。すると、後ろで見ていたお母さんがA君のところに行き指示を出したり手伝ったりしました。あまり回数が多くなったので、「A君は自分でできると思うので見守っていてください」とお願いしました。
 お母さんの指示や助けがなくなったA君は、自分のペースでよく考えてから作業に取り掛かり完成させました。友だちより少し遅れて完成しましたが、立派な作品ができA君は満足顔でした。お母さんもA君の力を認識し見守ることの大切さを学んだようです。
 子どもは自分の行為に関心を持って見てくれる人がいると潜んでいた力を発揮します。大人は子どもの行為に関心を持って見ていると、A君のお母さんのようについ手出しをしたくなってきます。教えたくなってきます。「関心を持って見守る」ことは簡単のようで難しいことです。



2010/ 7/ 9



             幼稚園の先生の喜び

 教育会館には、若いお母さんと幼児がたくさんやってきてリトミックなどの保育活動が行われています。幼稚園では、園に来ることを嫌がった子や友だちと遊ぶことができなかった子も、入園後わずかな期間で成長し楽しそうに友だちと行動している姿が見られるようになり、幼児教育の大切さと幼稚園の先生の奮闘ぶりが思いおこされます。
 以前、幼稚園で「先生の喜びは何ですか」と聞きました。
 ・名前を覚えてくれたとき。
 ・おりがみなど、おりかたがわからなかった子が練習して上手にできるよう
 になったとき。
 ・一日の保育が終わり(保育中も)、子どもから楽しかったという言葉を聞
 いたとき。
 ・ボタンかけなど毎日の積み重ねでできるようになると、子どもも担任もう
 れしい。
 幼稚園の先生は、忙しい日常でも子どもに共感し楽しさを見出しています。
 子ども一人ひとりをよく見ること、それも温かい目、長い目で根気よく見ているからではないでしょうか。しっかりとした教育目標をもって明るく笑顔で接する先生たちを見ていると、そんな感じを強くします。
 育児には、喜びとともに不安になることがあります。お悩みの方は、まず、多くの幼児を見て実践のある幼稚園(保育園)の先生に相談されてはいかがでしょうか。当会館では、横須賀市私立幼稚園協会の事務所があり、「子どもたちの素敵な笑顔と、明るい未来のために」活動しています。6月26日(土)には、10:00から15:30まで横須賀学院にて「よこすか子育て教育フェア」が開催されます。ぜひ、気軽に参加してください。



2010/ 6/23



             教師も市民も楽しみながら学ぶ
                           教育会館公益事業は絶好の研修の機会

 教師は少しでも良い教師になろうと努力します。どんな教師が良い教師といえるのでしょうか。良い教師の要件を考えてみました。第1は子どもに共感し行動する教師、第2は研究熱心で力量のある教師、第3は市民感覚の豊かな教師です。この要件は良い保護者や良い市民にも当てはまると思います。
 教育会館では、研修の絶好の機会となる公益事業を行っています。魅力あふれるその道のプロに接し新鮮な気持ちで学ぶことができます。厳しい練習に裏打ちされた技術と感性を備えた出演者たちの「教育会館ふれあいコンサート」「朗読音楽ライブ」、300回を超える海外ツアーに同行、世界の文化、宗教、歴史、地理に精通する中屋雅之氏による「やさしく楽しく学ぶイスラムの世界」のセミナーなどです。
 「親と子の自然観察会」では、大前先生(植物研究家)の話に子どもも大人も熱心に耳を傾けます。豊かな知識を子どもにも興味を引くよう分かりやすく説明するからです。また、先生のやさしい人柄と自然を愛する思いも伝わってきます。「朗読基礎セミナー」の長谷川先生(アナウンサー)の指導は、良い点をすぐにほめる、こうすればもっと良くなると具体的に助言し、教えられた人は確実に上達し効果を実感できます。参加した教師は教室で生かしています。
 二人に共通しているのは、事前の周到な準備とやさしい笑顔です。「最も良い教師は子どもと共に笑う教師である」という言葉を思い出します。
 教師は、すぐれた指導力と豊かな人間性が求められます。そのための研修が必要です。教育会館の公益事業は、講師が魅力的で教師にとっても楽しみながら学べる絶好の研修の機会です。忙しい日常ですが、ぜひご参加ください。


2010/ 6/11



                       釣りの名人と想像力

 ある日のことです。釣りの名人と言われる人とカワハギ釣りに出かけました。 釣り船に乗りこむとすぐにエサの準備です。エサは生きたアサリの口を開き身を取り出します。名人はとても早く身を取り出します。私も一生懸命やりましたが、名人が3・4個取り出す間に一つ取り出すのがやっとでした。
 釣り場に着くと船のエンジン音がしなくなり釣りを始めました。少しすると、隣で名人がカワハギを次々に釣り上げます。針にエサをつけて海に投げると、こんなことを言います。
 「おお、元気に遊んでいるな。よしよし、寄ってきな!ちゃんと食べろよ。それ!よく食べた」
 名人が釣竿を上げると見事にカワハギが釣れています。30mも深い所にいる見えない魚に話しかけ釣り上げます。釣果は名人38匹、私が6匹でした。
 帰りの船の中で、名人がこんなことを言ったのを今も思い出します。
 「釣りは見えない魚を想像しながら釣るから楽しいんだよ」
 名人から見えないものを想像することの楽しさとすばらしさを教えていただきました。名人の想像力は釣りの経験と知識の豊かさではないでしょうか。
 6月27日(日)「朗読音楽ライブ」を開催します。親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ちが一人ひとりの命の尊さを教えてくれる内容です。小さい子から大人まで楽しめます。テレビ・ラジオで活躍するプロの朗読は、聴く者に感動を与え想像力をはぐくむことでしょう。どうぞ、ご家族でお出かけください。


2010/ 5/28





                       子どもの興味・関心を育てるには

ウラシマソウ  4月3日、仙元山で「親と子の自然かんさつ会」を開催しました。山道にはたくさんの浦島草が咲いていました。この花の特徴は、花の中から糸状のものが伸びているところです。この長い糸を浦島太郎の釣り糸にたとえたのが名前の由来です。大前先生の分かりやい説明に親も子も目を輝かせて聞きます。その後、参加したA君は、自分が通う小学校の裏にも浦島草を見つけ喜んで報告してくれました。
 昨年12月に開催した教育会館ふれあいコンサート「石田泰尚ヴァイオリンリサイタル」では、「私もヴァイオリンをならっていますが、私も石田さんのようなすてきなえんそうができるようがんばろうと思いました。とてもすばらしかったです。お母さんは感動してなみだをながしていました」、4月4日に開催した第1回親と子の名曲コンサートでは、「加羽沢さんを直近で見ることができうれしかったです。子どもとともに良い刺激を受け、良い体験ができました。リクエストを聞きすぐに演奏をしてしまうなんてとてもびっくりです」5歳の子は「すごいすてきだった」と感想を述べています。
 子どもが自ら学び成長するためには、まず子どもが興味関心を示すことが出発点です。そのためには、できる限り多く子どもの興味関心を引き出すような体験をさせたいものです。また、尊敬する人や好きな人の言動も影響を与えます。当会館では、4・12月「親と子の自然かんさつ会」8月「くふうする工作教室」8月「科学工作教室」4・8月「親と子の名曲コンサート」6月「朗読音楽ライブ」8月「リコーダー教室」など、公益事業として体験活動を豊かにし創造力・自然を愛する心を育て豊かな情操を育む事業を開催しています。この機会に、参加していただき学ぶことの楽しさを実感してほしいと思います。

2010/ 5/14





                       当然の声を生かす教育政策を

 4月18日の朝日新聞の声欄に、「子ども手当てより学校教育充実を」「教育現場をかき回す的外れ行政」のタイトルで二つの意見が掲載されていました。
 「子ども手当てより学校教育充実を」では、4人の子育てをしている主婦が子ども手当ての財源を学校教育の充実に使ってほしい、例えば教職員増や給食費の無料化などと述べています。滞納給食費の徴収などの雑務があり、今の先生はとても忙しく余裕がないと見えます。先生の負担をもっと軽くし、子ども一人ひとりとじっくり向き合ってもらいたい。先生が疲れていては子どもに影響します。この母親の意見こそ、真に子どもの豊かな成長を願うものであり当然の声だと思います。
 「教育現場をかき回す的外れ行政」では、政府が矢継ぎ早に出す「改革」や「施策」に的外れのものが多く、改革派と称する首長までが思いつきと生半可な知識で現場をかき回すと述べています。文部科学省や知事は教員の資質が向上すると、研修、競争を強いるが、現場は日常業務で飽和状態。子どもに向き合う前に疲弊しているのにさらに競争をあおって何の効果がある。来年度から本格化する「脱ゆとり」。小学校で大幅に増える授業内容の学びについても、そのための環境改善は進めずに教員の力量に丸投げするのではないかと危惧する。これは学校教職員の切実で当然な声です。
 教育会館でも、心豊かにしてほしいとコンサートや市民講座を開催し教職員にも呼びかけるが、余裕がなく参加できないのが実態です。一方、2008年度、全国で休職した教職員は過去最大になったと報じられています。政治家は思いつきやパフォーマンスの教育政策を遂行するのではなく、子どもと教育実態を見つめ、市民や教職員の当然の声を教育政策に生かしてほしいものです。

2010/ 4/23



        財団法人横須賀三浦教育会館
          公益財団法人へ移行認定申請をする

 2010年3月29日、多くの関係者の協力により、当会館はやっと公益財団法人に移行認定申請することができました。公益認定等委員会だより(その1)によると、審査(受付申請から処分まで))に要した日数(21年8月末までに処分が終わったもの)は、移行認定申請は最短で91日、最長で201日、平均では131.1日となっています。したがって、神奈川県公益認定等審議会より困難な問題指摘がされない限り、年内には公益財団法人横須賀三浦教育会館が誕生するものと期待しています。
 教育会館が建設されたのは1963年8月です。建設と同時に公益法人として維持運営する方針を立てました。そして、神奈川県教育委員会の許可を得て財団法人横須賀教育会館となったのが1964年4月です。前最上理事長は「教育会館は、地域社会の教育文化センターたらんとする理想を目指す城」という言葉を残しています。当会館は、2007年3月22日の理事会において、改めて教育会館の歴史を振り返り、その意義を確認し、公益財団法人に移行する基本方針を決め取り組んできました。
 移行認定申請までは、地方の法人として事務的なハードルなどが高く多くの困難に遭遇しました。しかし、それを乗り越えることによって、公益財団法人として進むべき道と課題がより明らかになり展望が開けたようです。具体的には、公益事業を見直し市民に親しまれる充実した教育文化事業に改善してきたこと、組織体制の整備、透明性をはかるためホームページの充実を図ってきたことなど成果が見られます。
 今後も、公益認定という課題を機に、いっそうの創意工夫により公益事業の充実をはかり市民に親しまれ愛される教育会館にしていきたいと思っています。

2010/ 4/ 9






                 住民から信頼される教育長選任

 教育行政で最も責任あるポストが教育長です。教育長は、首長が議会に内示し議会の同意により選任されます。
 ところが、場合によっては首長が提案した内示を議会が同意しないこともあります。また、教育関係者から失望の声があがることもあります。首長が考えた教育長と議会や市民が期待した教育長が大きくかけ離れたからです。なかには教育長空席という異常事態になることもあります。教育委員会事務局のトップである教育長空席は、地域の教育にとって大きなマイナスであり問題です。
 教育長は教育委員会のすべての会議に出席し、専門的立場から助言等を行い、事務局の事務を統括し所属職員を指揮監督するとされています。すなわち、教育に関し専門的な見識を有するとともに、行政的にも練達された者が求められています。
 教育長は、首長が議会に内示し議会の同意により選任されます。しかし、住民の期待に応えるものでなければ信頼を得られません。それは一部考え方が異なるとか自分に合わないとか私的なものではなく、地域の教育発展のため大所高所から判断する公的なものです。
 首長には教育長の重要な任務を再認識し、人望と教育的見識、豊富な行政経験などを充分に検討し、住民から信頼される教育長を議会の同意を得て選任してほしいものです。

2010/ 3/26






 新任教師を支える環境づくりは社会の課題

 4月、新任教師は子どもたちとの楽しい生活を期待し元気いっぱい学校に着任します。新任教師が担任に決まったクラスの子どもたちは歓声をあげます。休み時間には子どもと遊ぶ姿が見られます。学校は若い教師の笑顔と行動によって活気がでます。
 ところが、新任教師がすぐに実感するのは多忙な生活と教育的力量の足りなさです。なかには1・2ヶ月で挫折し自殺に追い込まれる教師もいます。教師の挫折は子どもや学校にとっても悲劇です。
 小学校の新任教師Aさんは、23歳で2年生の担任になり2ヶ月後には自殺をはかり亡くなりました。Aさんは、授業の準備と整理、学級運営、遠足などの学校行事の準備、初任者研修の報告、公開授業の指導案、年間授業計画の作成など仕事に追われました。朝6時半に出て帰宅時も仕事を持ち帰り夜中まで取り組んだそうです。さらに、保護者からのクレームにも悩んでいたようです。
 「先生になることを夢見て努力してきた娘が、2ヵ月後になぜ、自らを無能と断じて命を絶たなければならないのでしょう」と問い、「若い先生方への心と身体へのサポート体制を学校全体で作り上げていただきたい。そして、若い先生方に、いつまでも夢を追い続けていただきたい一念です」と言う父親の言葉が重く胸に響きます。
 新任教師を支える環境づくりは社会の課題です。学校では全教職員で話し合いサポート体制を作り、保護者にはクレームではなく支える立場からの話し合いこそが大切です。そして、学校と保護者が協力し新任教師を支える環境を整えてほしいと思います。

2010/ 3/14





 第1回「親と子の名曲コンサート」の企画

ピアニスト・加羽沢美濃(かばさわ みの) 子どものときから、すばらしい生の音楽を聴いてほしい。友だちや家族と感動を共有してほしい。そして、豊かな心を育んでほしい。そんな願いから生まれたのが教育会館「親と子の名曲コンサート」です。
 企画の基本は、身近で一流の演奏にふれ、生の音楽を楽しんでもらうことです。そのため、演奏する楽器は多くの子どもにもなじみのあるピアノにしました。何人かを候補にCDを聴くなどして検討しました。その中で、世界中の子どもたちや大人たちにまでも大きな夢を与えたディズニーの名曲が印象に残りピアニストの加羽沢美濃さんにお願いできれば最高ではないかと考えました。
 加羽沢さんは横須賀市出身、室内楽や歌曲、TVドラマの劇作音楽などの作曲やポップスの作編曲、即興演奏では次々と溢れる美しいメロディーとハーモニーで聴衆を魅了しているそうです。「題名のない音楽会」への出演や「NHK−FM名曲リサイタル」の司会など多彩な力も発揮し活躍しています。
 早速、加羽沢さんの所属する高嶋音楽事務所にメールと電話で連絡をとり、事務所の責任者である高嶋弘之氏と話す機会を得ました。「親と子の名曲コンサート」の趣旨を説明すると、「分かりました。協力します」という快諾の言葉をいただきすぐに日程が決まりました。加羽沢さんの美しいメロディーとトークに目を輝かせる子ども、共に楽しむ家族の様子を想像し準備をすすめているところです。4月4日(日)開催、教育会館「親と子の名曲コンサート」にご期待ください。


2010/ 2/26



 個性を感じる魅力的なポスター

「演奏者との距離感(親近感)、演奏とトークなどは大きなホールではありえない楽しさでした」など、教育会館ふれあいコンサートについての感想をいただいています。ヴァイオリニストの石田泰尚さんは、「久しぶりにお客様と一体感を感じる事ができて最高!」と、"2009年印象的だったコンサートベスト10"の中で述べています。これらの感想は、企画・運営する者にも大きな励みです。
「いつもポスターがすてきですね」と言う声も耳にします。普通のポスターとは違い、作者の小松原先生がその都度コンサートのイメージを膨らませ時間をかけ心をこめて作成しているものです。それは一枚の独創的な芸術作品であり教育会館ふれあいコンサートの特色ともなっています。
先生は、「自分自身の字を作るのを目標として、人に伝えることを楽しんでいる」「文字には決められた形がある。しかし、文字の大きさ、形、配列、空間、色によって、人に伝わる感情が入りデリケートなものが人に伝わる」「例えばピアノという文字を書く場合、弾く人によって音色や柔らかさが違うように、構成、形、色などを想像し工夫して書く」と話しています。
一枚の個性的なポスターが、教育会館ふれあいコンサートをそっと引き立ててくれています。現在、教育会館ホワイエにおいて、「教育会館ふれあいコンサートポスター展」を開催しています。

ふれあいコンサートポスター展

2010/ 2/12



 誤解されやすい公益法人問題

 現在、公益法人の問題がマスコミによって多く報道されています。多額の公的資金を投入しても役に立っていない。利益の過大な内部留保がある。天下り役員の給与と退職金が高額のことなどです。これらは、国民の立場からすると許しがたく怒りすら覚えるものは当然です。したがって、公益法人というとマイナスイメージを浮かべる人もいるようです。ただ、言われている問題のほとんどは政府関連公益法人のことです。
 一方、公益認定等委員会池田委員長は、「民は官を補完する存在ではなく、むしろ公益活動の主体であり、豊かな社会の源です」と述べています。地域社会の発展に寄与する目的で、努力を重ねてきている法人もたくさんあります。当会館も1964年、認可を得て財団法人となってから今日まで公益事業の発展をはかり多くの市民の参加を得てきました。
 会館の主たる運営資金は会員の会費によるものであり、事業の運営の多くはボランティアによるものです。役員の報酬は規程により最低必要経費が定められています。よって、政府関連公益法人と本来の公益法人とは別のものといえます。本来の公益法人が誤解されないよう、政府関連公益法人の問題を一日も早く解決されることを望みます。
 そして、公益法人として真に社会貢献をしようとする公益法人が、正しく理解され積極的に活動できるようになることこそ地域社会を豊かにします。市民の方々、関係者のいっそうの理解と協力をお願いいたします。

2010/ 1/22





 明けましておめでとうございます
新年をすばらしいコンサートで出発

第31回教育会館ふれあいコンサート(5周年記念) 1月24日(日)14:00開演

一流の生演奏を目の前で聴き 友だちや家族と感動を共有 初めての方から通の方まで楽しめます
 

たくさんの愛をあなたに〜「愛の歌、愛の二重唱」

 当初(2004年度)は、1・2年開催できればと考え出発した教育会館ふれあいコンサート。なんとか3年ほど続けることができました。そのとき、企画・運営の難しさを体験し鑑賞者が少なくならないうちに卒業を考え、実行委員会の解散を発表しました。しかし、何人かの市民から「楽しみにしているので、是非コンサートを続けてほしい」と要望をいただき今日に至りました。
 前回のアンケートでは、「私もヴァイオリンをならっていますが、石田さんのようなすてきなえんそうができるようにがんばろうと思いました。とてもすばらしかったです。お母さんは感動してなみだをながしていました」「ピアノの中岡さんのトークも素敵で、素人の私にも解り易く素直に心を打たれました」「演奏する方と聴く人たちの距離が近くて驚きました。とても楽しかったです」「安い料金で一流の音楽が市内で聴けるなんて幸せです」など、感想をいただきました。会場は感動に包まれ惜しみない拍手で盛り上がり、すばらしいコンサートは、演奏者・鑑賞者・運営者が一体となり創造するものと実感しました。
 市民・関係者のご理解と協力により1月24日には5周年記念コンサートを迎えることができます。今回は5年間の集大成として、初めての方から通の方まで楽しめるコンサートです。出演者は、美声コロラトゥーラソプラノの土田聡子さん、輝けるテノール水船桂太郎さん、実力派ピアニスト田中梢さんです。一流の生演奏を目の前で聴き、友だちや家族と感動を共有し、2010年の新年を心豊かに祝いたいと思います。

2010/ 1/ 8



 新教育会館の歩み

 新教育会館は2002年1月に誕生し、8年が経過しました。当初はタクシーに乗り「横須賀三浦教育会館までお願いします」と言っても、どこか分からないと言われました。最近はほとんどの運転手さんがすぐに対応してくれるようになりました。やっと、多くの市民に知られるようになったようです。
 親子リトミック、ヨガ教室、健康体操、バレエ、社交ダンス、コンサート、歌う会、中国語・ハングル、そろばん・習字など、地域の教育文化サークル会場としてホールや会議室を利用する団体が年々増えています。午前中の会議室は空いていることも多く、気軽に利用していただきたいと思います。
 子どものときから生の音楽に親しんでほしい、友だちや家族と感動を共有してほしい、そんな願いから名曲を楽しむ「ファミリーコンサート」を新たに開催する計画を立てています。また、夏休みリコーダー教室を開催する予定です。音楽は人に安らぎを与え心豊かにします。
 1 青少年の健全育成活動、豊かな情操を育む機会の提供。 2 地域の教育、文化、スポーツの振興のための企画と運営。 3 地域の教育文化振興の施設貸与と支援。これは教育会館の公益目的事業です。「教育会館は、地域社会の教育文化センターたらんとする理想をめざす城」と言い、教育会館の運営に努力された最上前理事長の姿が思い出されます。今後も、より市民に親しまれる教育会館にするため、公益事業の充実を図りたいと考えます。


2009/12/25





 公益認定等委員会、池田委員長談話に期待

 昨年12月1日に新公益法人制度が全面施行され一年が過ぎました。移行期間5年間の20%が過ぎたことになります。しかし、移行申請済みは全体の1.5%程度、認定・認可取得済みは0.4%程度と推測されています。こんなに少ないのは、申請が複雑多岐にわたるため、申請に時間と困難が伴うからです。
 公益法人協会コラムによると、現に申請を提出した法人から、担当官の対応について悲鳴にも似た情報が寄せられているとのことです。悲鳴は二つに大別され、一つは定款変更案について法令違反若しくはその疑いがまったくない条項についても枝葉末節とも言うべき文言変更を求められたりするケースです。もう一つは、財務・会計的な部分であまりにも詳細または不適切な指摘を受け、追加資料の提出など説明を求められるケースです。
 11月26日には池田委員長の談話が発表されました。
 その内容は、「民による公益活動は豊かな社会の源です」「積極的に相談を受け付けています。申請準備中の法人の皆さんも躊躇することなく、早期の申請をお願いします」「これからの時代に求められる分野で多様な新公益法人が生まれ、温かみと深みのある社会を作るための原動力となることを期待しています」と述べています。
 この談話は、地域の教育と文化の振興発展を図るため、公益財団法人に移行する準備を進めている当会館としては大いに勇気づけられます。ただ、実態と談話とがあまりにもかけ離れており驚きと一抹の不安もぬぐいきれません。一日も早く認定され、本来の公益活動に力を注ぎたいものです。

2009/12/11





 「子どもの自殺、最悪の972人」の記事に胸痛む

 自殺者は03年34427人をピークに、11年連続で3万人を超えています。なかでも注目すべきは、学生・生徒(小学生を含む)の自殺が03年以後、増加傾向となっていることです。08年は前年比11.3%(99人)増加しました。理由は学業不振や進路の問題が337人、うつ病など健康問題が284人、家庭問題が81人です。背景には大人社会の問題があります。  未来に向け夢と希望を持って羽ばたくはずの青少年の自殺、なんとも言えず胸が痛みます。人生の岐路に立つ青少年の悩みは人生を大きく変える可能性があります。経済的理由により進学を断念せざるを得なくなり、本人の力ではどうにもならず思い悩み自ら命を絶つ生徒もいます。今こそ、学ぶ意欲に満ちた青少年を保障する社会的システム作りを具体化してほしいものです。

2009/11/27





どう考えても理不尽なこと

 昨年10月6日のことです。当会館の屋上から人が出てきたので、勤務員が屋上に行ってみると、壁に落書きがされ冷温水配管がへこみ、床のコンクリートに塗ってある防水コーティングが削られていました。勤務員によると、米軍関係の青少年らしいとのことです。あまりにもひどい落書きと破壊のため、10月8日、警察署へ被害届(修理費は約150万円)を提出しました。  10月11日にも、屋上に侵入者があり警察署に通報し米軍関係の青少年7人を確保しました。6階まで非常階段を登り、扉を乗り越えて進入、スケートボードをして遊んでいました。この青少年たちは、警察官と米軍MPの調べに対し落書き等の破壊と関係ないと言っていたようです。しかし、不法侵入したことは事実です。会館関係者に一言も謝ることなく米軍MPと帰って行きました。11月12日、警察に経過を問い合わせたところ、「米軍に申し入れをしたが返事がない」との回答でした。  すでに1年が経過、現在まで、不法侵入した米軍関係の青少年や保護者から何の謝罪もありません。被害当日の実態が明確でないからと言ったきりで警察署からも連絡がありませんでした。本年11月6日、警察署にその後の経過について伺ったところ、地域課の方から「捜査中です、損害を与えたことを認めていない」との返事です。警察官・横須賀市の担当職員の努力にもかかわらず何の解決もできないのはなぜでしょうか。このままになってしまうのはなんとしても理不尽としか言いようがありません。  そこで、市民の代表である市長からも、米軍に対し実態解明と謝罪の申し入れを行なっていただきたくお願いすることにしました。いくら考えても納得できない理不尽なことです。


2009/11/13





   教育会館セミナー イスラムの世界を学ぶ

 イスラムの世界とイスラム教、まったくと言っていいほど学ぶことがありませんでした。深い関心を持つこともなく、情報は報道されるテレビや新聞だけです。そこで、イスラム世界の基礎的なことを知りたいと考え、教育会館セミナー「やさしく 楽しく学ぶ イスラムの世界」を開催しました。10月18日、会場はイスラムの世界に関心のある方で満席となりました。講師の中屋雅之氏は、世界の文化、宗教、歴史、地理に精通し、著書に「イスラムの世界を知る」があり、海外旅行(添乗歴)の経験豊富な方です。  前半は入門の話です。イスラム教人口はどのくらいでしょうか、統計によれば世界人口60億人のうち12億人、キリスト教が一番、二番はイスラム教、三番はヒンドゥー教です。イスラム教徒には六信五行という義務があります。六信とは信じなければならない「神、天使、啓典、預言者、来世、天命」、五行とは行なわなければならない「信仰告白、礼拝、断食、喜捨、巡礼」です。ユーモアを交えた分かりやすい話に引き込まれていきます。後半は映像を見てのイスラム教国の説明で歴史的な建物や近代的な建物に目を見張りました。参加者が熱心に学習されている様子も伝わってきます。  アンケートからは、「新聞、テレビで知ることのできないイスラム教のことが少し分かった」「深く、幅広い知識に基づきイスラムの世界を分かりやすく話をしてくださいました。イスラムを身近に感じられるようになりました」「中屋さんの豊富な知識と経験に感激です。次回が楽しみです」など、感想が寄せられました。また、セミナーについて48人の方から、1大変よかった36名 2よかった11名 3普通1名の評価をいただきました。この結果からも、好評だったことが分かります。参加者の学習意欲にも敬服しました。  第2回「やさしく 楽しく学ぶ イスラムの世界」は、来年3月 6日(土)14:00より開催します。テーマは、「世界のイスラムの生活と文化」です。すでに第1回終了後34名の方から予約をいただきました。開催日が近づきましたらホームページでご案内いたします。申し込み(824−0683)

2009/10/23

   教育会館ふれあいコンサートと環境整備

 市民の方が、気軽に生の音楽を楽しめる機会を提供できればと思い、2004年6月に始めた「教育会館ふれあいコンサート」も5年経過しました。当初、「当会館ホールは、音響その他、コンサート環境としてふさわしくない」という意見をいただきました。しかし、ヨーロッパでは地下鉄構内や路上で生の音楽を楽しむ市民の姿を思い出し、充分な環境でなくとも身近で演奏者とふれあい楽しめればいいのではないかと考え開催することにしました。  コンサートを開催し、環境の不備を改めて認識することとなりました。  第1に、会場になるホールの問題、冷暖房の音が大きいことです。業者の調整によりかなり改善しました。ホールの音響は、専門家に診断を依頼した結果、意外と響きが良いことが分かりました。  第2はピアノです。設置してあるのはヤマハC3です。コンサートを開催するためには、もっと良い音の出るピアノが必要です。そこで、このホールに最も適したピアノの検討をピアニストの田中梢さんに依頼し、ヤマハS6Bに決めました。S6Bの説明には、サロンコンサートや小ホールでのリサイタルに最適と記されています。  購入代金は3年間かけて、助成金を申請したり協力金をお願いしたりするなどして用意し、2007年春、浜松のヤマハ楽器まで行き、田中梢さん、調律士、実行委員が試弾するなどして選定購入しました。  当初は1・2年続けばと思い出発した教育会館ふれあいコンサート、現在、市民が演奏者とふれあい気軽に生の音楽を楽しむ場となっています。音楽は市民みんなのもの、今後もいっそう親しまれるコンサートにするため、環境整備に努めたいと思います。

2009/10/ 9

公益財団法人への移行準備 1

 2008(平成20)年12月1日より、約100年ぶりに公益法人制度改革が行なわれ新制度が施行されました。現在、従来の財団法人は特例民法法人となり2013(平成25)年11月末までに、移行申請し認定されて公益財団法人になるか、認可され一般財団法人になるか、解散するか選択しなければなりません。しかし、各法人は、新制度によりハードルが高く移行準備が思うようにすすんでいないのが実情のようです。  当会館は公益財団法人への移行申請するため、新制度の政令等に対応する公益目的事業の該当性、財務関係、申請書などの準備をすすめてきています。そこで、今日までの取り組みの一部を報告し、みなさまのご理解をいただきたいと思います。  まず、根本規則である今までの「寄附行為」を政令等の規定に適合した「定款」に変更する必要があります。極力、設立者の思いや会館の歴史を尊重し検討しました。定款の目的及び事業は次の通りです。
(目的) 第3条 この法人は、横須賀市及び三浦半島地区の住民及び教育関係者の教養を高め、その生活と福祉の増進をはかり、もって横須賀市及び三浦半島地区の教育及び文化の振興発展に寄与することを目的とする。 (公益目的事業) 第4条 この法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。 (1)児童又は青少年の健全な育成に関する事業 (2)地域の教育、文化及びスポーツの振興に関する事業 (3)教育及び文化活動を支援する施設貸与に関する事業 (4)その他この法人の目的を達成するために必要な事業 2  前項の事業については、横須賀市及び三浦半島地域において行うものとする。
 当会館は公益法人です。公益法人とは不特定多数の利益の実現です。上記の目的をご理解いただければ幸いです。また、教養セミナー・体験学習・コンサート・美術展など地域のみなさまに親しまれる事業を充実させ、地域社会の教育文化センターとしてさらなる発展を図りたいと思います。

2009/ 9/25





朗読セラピーSuimmy 秋の朗読音楽ライブ      9月26日(土)14:00開演  「今、社会の中で人間関係はますます複雑になり、大人も子どもも、多くの不安や ストレスを抱えています。ほんのひと時、現実から離れ、物語の登場人物に身をゆだ ねてみてください。自分とは違った人生や世界に気がつくと、そこから今の自分が客 観的に見えてくることもあります。感動や想像力は、人生を楽しくさせ、困難に立ち 向かうことのできる柔軟な心を育んでくれます」と言う朗読セラピーSuimmyの 言葉に共感します。  2008年9月13日、家族みんなで楽しむ朗読音楽ライブ「親子三代 お話会」を教 育会館で開催しました。宮沢賢治の名作「セロ弾きのゴーシュ」と昔話「へっこきよ め」「三枚のお札」「聞き耳頭巾」をアナウンサーの巧みな話術とピアノとチェロの 生演奏を市民の方に楽しんでいただきました。アンケートでも「朗読がとても上手で 癒されました」「音楽を入れての話は、話の中身を大きくふくらませる大切なものだ と思う」「楽しいひととき大熱演でしたね!迫力がありました」など好評を得ました。  9月26日、朗読セラピーSuimmyによる秋の朗読音楽ライブ「山古志村のマリ と3匹の子犬」を開催します。新潟中越地震で被害を受けた山古志村で、奇跡的にも助 かったおじいさんと、勇敢な犬の話を中心に、小さい子どもから大人までみんなで楽 しめる内容です。朗読と音楽とのコラボレーションによる「癒しのひと時を」をご家族 のみなさんでお楽しみください。

2009/ 9/11





市民感覚で誠実な政治を期待

 先日、新聞で「医師の長時間勤務禁止」の文を目にしました。過酷な労働により 自殺された勤務医(小児科)の奥さんの叫びです。「32時間眠らず、疲れきった医 師にあなたの子どもを安心してあずけられますか? 先ずは勤務医交代勤務を確立 し長時間の連続労働を禁止するよう徹底する。患者の命を守る医師こそ、健康で人 間らしい働き方をさせてください」というものです。  教師も同じような環境になっています。毎晩遅くまで明かりがついている職員室、 土・日も部活、家に帰ってからの授業準備など多忙により疲れきっています。「疲 れる、時間が足りない」という言葉をよく耳にします。主な要因は二つあります。 教師の定数不足と管理強化です。教師にとって最も必要な教材研究と準備、子ども と接し共感する時間の不足です。病気で療養休暇にはいる教師が増えています。子 どもと共に成長する教師こそ、健康で人間らしい働き方ができる環境が必要です。 医師や教師(看護師、保育士、介護士…)の不足は政治課題です。経済大国日本、 なぜ今日まで解決できないのでしょうか。  8月30日、衆議院議員の選挙が行なわれます。議員の言動は社会と教育に大きな 影響を与えます。そこで、議員になられる方にお願いがあります。自分の意見を主 張し相手を攻撃するだけでなく、人の意見に耳を傾け尊重する言動を示してしてく ださい。前に言ったことと違ったとき変な言い訳をせず訂正し謝るべきときは謝っ てください。自殺者の増加など、今日の深刻な問題を解決するため、弱い人の立場 にたって実効ある政治をしていただきたいと思います。

2009/ 8/28





教師は授業で勝負する・・・遠藤勝紀先生

 今、遠藤勝紀先生が指導する「科学工作教室」の授業を鮮明に思い出すことができ ます。先生のやさしい語りに吸い込まれ目を輝かせて聴き入る子どもたちの様子。 先生の話は、子ども一人ひとりを刺激し興味と関心を引き出します。  「子どもたちは工作に手こずりながらも、完成させるまで熱心に取り組んでいる。 そうした過程の中で、改善点を見つけたり、工夫をこらしたり別な事象との関連を 見出したりしている場面に会い、発想の豊かさに毎回感心させられ、驚かされる。 ・・・こうした子どもの発想に、私自身が刺激され、子ども時代にやってこなかっ た実験や工作に再チャレンジを始めた」、これは遠藤先生が1月に書かれた寄稿文の 一部です。  このとき、遠藤先生は胃癌手術後にリンパ腫への移転が認められ、月の半分は病 院で過ごすようになっていました。病院にいても、看護師さんを相手に8月の「科 学工作教室」の準備をすすめていたそうです。しかし、3月になって「今度の科学工 作教室は入院との関係でできそうもない、引き継いでいただく指導者を紹介したい が・・・」との電話が入り、何回か先生とやりとりをし、理科研究会の後輩である 野比小学校長の小田部忠仁先生を推薦していただきました。  先生の訃報を耳にしたのは5月の連休後のことです。最後まで責任を果たされ、 「教師は授業で勝負する」を力まず遠藤先生流に実践されたことが多くの子どもや保 護者の記憶に残っていると思います。教育会館の「科学工作教室」を指導していただ いて8年、敬意と感謝を表し、ご冥福をお祈りいたします。

2009/ 8/14





夏 核兵器のない世界 平和を願う

 夏、世界で初めて核兵器が使われた8月6日がやってきます。1945年8月 6日、米軍によって広島(8月9日、長崎)に原子爆弾が投下され、一瞬にして 多くの命が奪われ生き残った人も原爆による後障害で今も苦しんでいます。  広島市の原爆資料館には、被爆して大ヤケドをした人のボロボロの姿の人形や 亡くなった人の遺品が展示されています。原爆投下の時間をさしたまま時を止め た時計、焼けこげた服や熱線のため変形した石やガラスビンなど、核兵器がいか に恐ろしく悲惨なものかを物語っています。  広島の原爆死没者慰霊碑の石室前面には、「安らかに眠って下さい 過ちは  繰り返しませぬから」と刻まれています。核兵器の被害を受けた広島・長崎市民 は、ねばり強く核兵器の恐ろしさを世界の人々に訴え続けてきました。それでも 核兵器を持つ国は増え、地球には大量の核兵器が蓄えられ、平和を求める人々の 願いとは逆の方向に進んでいるようで不安にかられます。  そんな世界情勢の中で、4月5日、プラハで米国のオバマ大統領は、「世界で 唯一核兵器を使用したことのある核保有国として、アメリカは行動を起こす責任 がある」と述べ「核兵器のない世界」の実現に向けて世界をけん引してゆくこと を誓いました。この演説は、世界平和を願う人々に勇気と光を与えました。  夏は、原子爆弾が投下された広島・長崎の悲惨な歴史と戦争の現実を直視し、 核兵器廃絶と世界平和を願う心を再認識したいものです。

原爆死没者慰霊碑(Wikipediaより)

















2009/ 7/24





ジャズの魅力とギタリスト杉本篤彦さん

 教育会館ふれあいコンサートの目的は、身近で生の音楽を楽しむことです。原 則として年に5回開催し、夏にジャズライブを行なうようにしています。ジャズ 喫茶が盛んなときに青年時代を過ごした方にとっては馴染みになっているようで すが、今では聴く機会が少ないかもしれません。  ジャズは個性の音楽と言われ、同じ曲目でも楽器の編成やミュージシャンによっ てテンポも違えば音楽の醸し出す雰囲気も異なります。その違いを楽しむことが ジャズの魅力です。  杉本篤彦さんはギタリストであり作・編曲家です。「音楽的に高い水準にあり リスナーに聴きやすい曲作りと編曲は杉本篤彦サウンドとして高い完成度に達し ている」と言われ各方面から高い評価を受けています。ギタリストとしては、杉 本篤彦オリジナル奏法「ツーフィンガー・ストローク」による驚異的なテクニッ クを生み出し、湘南ビーチFMではパーソナリティーを務めるなど活発に活動し 好評を得ています。テレビ番組に出演、CMも手がけています。テレビ東京(土 曜日、夜10時)の「美の巨人たち」では杉本さんのBGMが流れます。  ジャズを楽しむ基本は何よりも生の音楽(ライブ)です。少しでも知識が増え ればさらに楽しくなります。7月19日の教育会館ふれあいコンサートは、ジャ ズやギターの歴史話を交えてのジャズコンサートです。杉本さんのオリジナル奏 法による魅力的な演奏とトークをお楽しみください。 杉本篤彦 ジャズコンサート演奏予定曲目
☆My Favorite Things 
☆Blues
☆All The Things You Are
☆キラキラ星
☆Every Breath You Take(見つめていたい)
☆Desperado(ならず者)
☆即興演奏
☆New York State Of Mind 他
      

2009/ 7/10





海の小さな生きものと対話し撮影する
  礒貝 高弘 さん

 当会館のホワイエには、礒貝さんの好意により4枚の写真が掲示してあります。 マダコの誕生、コウイカの誕生、クサフグの産卵、アカテガニの卵から孵った幼 生(ゾエア)を海中に放す放仔行動です。母ダコが腕で卵を優しくなでながら守る 様子、上部の卵膜を破りふ化直後のコウイカの子ども、落日の頃、波打ち際に集 まり産卵するクサフグ、メスが海中に入り腹部を激しく震わせふ化した幼生を放 出するアカテガニの行動など、決定的な瞬間が見事に映し出されています。  海には、人の手のひらにのってしまうような小さな生きものが住んでいます。 2年前に開催した礒貝高弘写真展「海の生きもの 造形の美」では、小動物たち の姿や形にレンズをむけ、その一部分を拡大撮影したものです。その構造の精密 さと色彩のあでやかさは自然界のアートとも言え、見るものを魅了しました。撮 影は、三浦半島の現地で撮ることもあれば飼育しながらモデルになってもらうこ ともあるそうです。「エビやカニでも個体によって顔が違うし、目の回し方や方 向で表情が出てきます。対話もできます。だから撮影するときは必ず話しかける んです」と言っています。  「海の小さな生きものたちは、海の食物連鎖の一環を担う重要な役割を果たし ながら必死で生きています。彼らが末永く生きられる環境を維持することの大切 さを知ってほしい」海の小さな生きものと対話し心通わせて撮影する礒貝さんの 写真からは、造形の美しさや神秘的な構造など自然の不思議を見ることができま す。  7月4日、「三浦半島地区退職教職員の会」総会の記念講演を礒貝高弘さんに お願いしました。この記念講演はどなたでも参加できます。

2009/ 6/26






美しい景色が魅了する三浦半島
    三浦半島とは?

 6月29日(月)まで、当教育会館では「三浦半島のとっておきの風景」巡回 パネル展を開催しています。改めてこのパネル展を観て三浦半島の美しさと魅力 を感じているところです。  当教育会館の会議で「三浦半島とは、どこを指すのですか」と言う質問を受け、 「教育会館としては、逗子市、葉山町、横須賀市、三浦市の三市一町を指します」 と回答しました。パネル展の主催者である神奈川県横須賀三浦地域県政総合セン ターでは、三市一町に鎌倉市を加えています。さらに、横浜市磯子区と金沢区を 加える説もあります。みんな正しいのかもしれません。どなたかご存知でしたら 教えていただきたいと思います。  三浦半島は、神奈川県の南東部に張り出した半島です。東京湾と相模湾とを分 け房総半島に対しています。教育会館からは東京湾を通る豪華客船や大型貨物船、 東京湾に浮かぶ唯一の自然島である猿島、房総半島まで眺めることができ、その 景観は見事です。先日、荒崎から長浜海岸までの海岸ウォークで海岸美を、春の 仙元山「親と子の自然教室」では若葉の自然を満喫しました。  自然と地域文化に恵まれ、美しい景色が魅了する三浦半島で生活できる喜びを 再認識しています。

2009/ 6/12





教育会館は地域の教育文化センター
  前理事長 最上満先生の遺志を継ぐ


 教育会館の歴史は最上前理事長の歴史とも言えます。  教育会館は、1963年に横須賀市小・中学校教師(1300余名)の拠出金に よって建設(上町に二階建)されました。当時、建設の先頭に立ったのが横須賀市 教職員組合執行委員長であった最上満先生です。翌年、財団法人横須賀教育会館と なり理事長に就任しました。1977年、組織の発展と共に手狭になった教育会館 を拡張するため三階増築が行なわれ、2001年12月に現在の横須賀三浦教育会 館(日の出町に六階建)が誕生しました。  最上先生には教育会館建設当初から2003年3月まで理事長として、その後は 顧問として教育会館発展のため40余年にわたりご尽力をいただきました。このこ とからも、教育会館の歴史は最上先生の歴史とも言えます。  現在、教育会館のホールや会議室はリトミックなど幼児教育からお年寄りの健康 体操、教養セミナー、コンサート、文化展など、広く市民の教育文化活動に利用さ れ地域の教育文化センターとなっています。また、横須賀三浦教育会館、三浦半島 地区教職員組合、三浦半島地区校長教頭組合、横須賀市校長教頭組合、横須賀市P TA協議会、横須賀市私立幼稚園協会の事務所が置かれ、三浦半島地区教育文化研 究所が設置されています。それぞれの団体は、この教育会館を拠点に子どもの幸せ を求めて活動し成果を挙げています。  昨年まで元気な姿を見せていた最上先生の訃報(19日逝去)を耳にしたのは4 月20日朝のことです。「教育会館は地域社会の教育文化センターたらんとする理 想をめざす城です」と述べた教育会館の理念を示す最上先生の言葉が強く印象に残っ ています。先生のご冥福をお祈りし、遺志を引き継ぎ教育会館のさらなる発展を図 りたいと思います。 (教育会館40年の歩みはこちらです)

2009/ 5/ 22





男の方、お出かけください。
  楽しく豊かな生活のために


 教育会館が開催するコンサート、セミナー、文化展などに多くの市民の方が積 極的に参加しています。参加者の多くは女性です。なぜでしょうか。ある女性曰 く、「男性は仕事以外でみんなと一緒に行動する機会が少なかったのではないで しょうか」、昔はどちらかと言うと、女の子は音楽や美術など芸術に関心と興味 を示し、男の子は野球をはじめスポーツに興じていました。特に、お年寄りの男 性にその子ども時代の影響が残っているようです。  懐かしい童謡や愛唱歌の歌声が聞こえてきます。どのサークルも女性だけのよ うです。教育会館が主催する「童謡・愛唱歌を楽しむ会」では、最近、男性が数 名参加し歌っています。参加者は、「男声が加わると、歌全体がひきしまってと てもいい」と喜んでいます。教育会館ふれあいコンサートでは、鑑賞者が演奏者 と身近でふれあい生の音楽を楽しんでいます。演奏者は、教育会館ふれあいコン サートの趣旨に賛同いただいた実績と実力を備えた魅力あふれる方ばかりです。 男の方も、気軽にお出かけください。  教育会館では、市民の方が気軽に楽しんでいただける催し物も多く、市民サー クルも活発に活動しています。ホールや会議室はどなたでもご利用いただけます。 ホームページ(横須賀三浦教育会館で検索)でも紹介していますのでご覧ください。

2009/ 5/ 8






「風知草」と一戸三郎先生

 三浦半島地区教育文化研究所が設置(1983年6月)され、「風知草」第1号 が発行されたのは1985年6月15日。「風知草」は、初めての専門研究委員 である一戸三郎先生の企画です。表が「子どもから学んだこと」裏は「ひびき」の タイトルで執筆されています。  「子どもから学んだこと」は、教師の苦悩、反省、喜び、すべての子どもが豊か に成長してほしいという願いが書かれています。「ひびき」では、社会問題や教 育問題に対する批判・提言をしています。風知草の特性は、一戸先生そのものか も知れません。  一戸先生が上町の教育会館で教育相談に応じている姿が鮮明に思い出されます。 先生のもとには子どもや保護者、教職員が次々と来ていました。今でも、先生か ら助言・励ましを受けた方がたくさんいるのではないでしょうか。「風知草」は 現在まで受け継がれ365号となりました。市民の方に「子どもから学んだこと」 を読んでいただきたくホームページに掲載しました。

風知草由来

 三浦半島地区教育文化研究所(教文研)のシンボルは風知草である。風知草は、そうめんほどの太さで丈がせいぜい20〜30cmの、何の変哲もないなさけないイネ科の野草であるが、ただの野草ではない。無類にしなやかで、また、大気の震動には驚くほど敏感なのである。風知草のこのような特性は、そのまま今の教師に強く期待されているのではなかろうか▼しなやかさの第一は柔軟性である。硬直した教師には子どもや父母は寄りつかない。第二は強さである。これはという相手に屈服しないで粘り強く抵抗する強さである。子どもに対しては、これは世の中のオキテだと、どんとはね返してやるような父性的なもの。しなやかさの第三はやさしさである。子どもや親の心の傷みに鈍感な教師はそっぽを向かれる。子どもに対しては、共感と受容で温かく包みこむ母性的なもの▼風を知ることは、子どもの心を知ることに通じ、子どもの幸せと平和を脅かす、どんなささいな動きにも鋭敏に反応して敏速に行動を起こすことにも通ずる。さらに、世情に疎く、世情に超然とするかぎり、教育は政治や経済への従属から脱することができないことも風知草から学ぶべきであろうか▼風知草のこの特性を支えているものは、互いにからみ合って網状となり、大地にしかと縫いつけられている根である。一本一本が、あしよりもはるかにか弱い風知草が、団結という根によってしなやかにたくましく生きている姿は、教師を取り巻く今日的状況の中で示唆的である。
                                                            (1986年6月20日 一戸三郎)
風知草

2009/ 4/24





気軽にお出かけください
        親と子の教育相談室

 誰もが悩んで憂鬱な気持ちになることがあります。特に、子育て中の保護者の 方は子どもの学習や健康、不登校やいじめなど、周囲に相談相手がなく悩むこと があるのではないでしょうか。子育てを卒業した人が振り返ってみれば、なんで 悩んでいたのかと不思議に思うこともあります。ただ、悩みを抱えたままにして おくと心だけでなく身体にも悪影響が出てきます。第三者と話し合い自分を見つ め直し前向きな気持ちへと転換することが大切です。  教育相談室は、市民の皆さんを対象にして学校生活や友だち関係などで悩んで いるお子さんや保護者の方の相談に応じ、一緒に考えながら問題解決を目指すと ころです。相談者が自らの問題を解決できるよう助言・援助するのが役割です。 教職と子育ての経験豊富な相談員が応じます。電話だと気軽に話せる人もいます。 誰かに聞いてもらっただけで気持ちが楽になることもあります。電話で話し合い、 最後に、相談員が「お役に立たなくて申し訳ありません」と言うと、「いえいえ、 ありがとうございました」と、元気な声になる人もいます。じっくり面接しての 相談もお受けします。  2006年度の相談は、「いじめ」に関するものが多くありました。2007・ 2008年度は子育て(子どもの暴言、交友関係、性格が心配、携帯電話、下校 時の心配、バイト、金の持ち出し、親への反発など)と学校の対応(いじめへの 対応、担任の指導方法への疑問、成績のつけ方など)が過半数を占めています。 問題はすぐには解決できません。しかし、ゆっくり話し合えば答えが出てくるこ ともあります。一人で悩むより気軽に教育相談室に出かけてきませんか。 (相談日時等の詳細はこちらです)







2009/ 4/10





   

新任教師の若い力に期待
     教師こそ環境によって大きく育つ

 4月は新しい教師が学校にやってきます。子どもたちは、新しい先生・新しい 友だちと出会う期待と喜びに胸を膨らませます。子どもの期待に応え、若い教師 が力いっぱい活動できる環境になってほしいと思います。新任教師が育つ環境と は何でしょうか。まず、子どもと共感できるゆとり(遊び)の時間、力量を高め よい授業をするための授業研究の時間、保護者の理解と協力です。  子どもと楽しく過ごそうと思って着任した新任教師が現実のきびしさを実感す るのは教師の多忙な生活です。一人ひとりの子どもと向き合う時間が取れないこ とです。教師が育つためには、子どもと遊ぶ時間、教材研究の時間、仲間の教職 員や保護者と話し合う時間が必要です。政治家や行政の方々には、その条件整備 をお願いします。もっともな教師論よりは、欧米並みの一クラス当りの定数にな るよう教職員を大幅に増やしてください。合わせて、管理強化ではなく学校と保 護者の協力によって地域にあった活気溢れる学校が創造できるよう温かく見守り 支援してほしいと思います。  新任教師の方に申し上げます。子どもたちと一緒に歩いて伸びようとすれば必 ず教師になった喜びを感じるときがきます。忙しく疲れて思うようにならないと きは、近くの仲間の教職員と相談し笑顔を忘れないよう一呼吸してください。教 育会館にも多くの先輩がいて話を聴いてくれます。気軽にお出かけください。学 校では、子どもたちが期待してみなさんを待っています。  教師と子どもが楽しく学ぶ姿、校庭で元気に遊ぶ姿、保護者と協力する姿、教 職員の笑顔が見られる学校環境になってこそ、教師は大きく成長し学校が活性化 され子どもは輝きます。

2009/ 3/27





  

オンド・マルトノをご存知ですか

 2009年度教育会館ふれあいコンサートの演奏者について検討しているとき のことです。お世話になった音楽関係者からオンド・マルトノという楽器の演奏 者を推薦していただきました。初めて聞く楽器の名で、何人かに訊いても知らな いという返事です。それだけ一般には知られていない楽器かもしれません。  紹介された原田節さんのホームページには、「フランス人モリス・マルトノに よって完成された電波楽器。1928年パリのオペラ座で初めて公開演奏が行な われた。今日のさまざまの電子楽器とわずかに共有できるのは電気的発信及び増 幅のみであり、あらゆる音楽的表現は演奏者個人の精神と頭脳と肉体にゆだねら れ空気振動による音源は外形デザインと相まりフランス風のエレガンスの一つの 結晶である」と記されています。  10月25日の第29回教育会館ふれあいコンサートは、オンド・マルトノ演奏 会を開催します。演奏する原田節さんは、パリ国立高等音楽院オンド・マルトノ 科を首席で卒業し、小澤征爾ボストン響とのツアーやソロ活動などオンディスト として名声を得ています。さらに、アニメ音楽、映画音楽、CM音楽など多方面 で活動しています。世界的なオンド・マルトノ奏者、原田節さんの演奏を聴くの が楽しみです。
(原田節さんのホームページはこちらです) オンド・マルトノ
















2009/ 3/13





  教育会館避難訓練







 防災知識と体験こそいざというときの力になります。今年は、太平洋側を中心に 空気が乾燥しており、死者の出る火災が多発しています。横須賀市でも昨年は年間 3人だった死者が、今年はすでに4人になっています。2月18日午前10時より横須 賀消防署の指導により消火訓練・通報訓練・避難訓練を行ないました。参加者は職 員8名と指導の横須賀消防署職員3名です。
 「避難訓練と通報はよかったが、階段の扉が閉まっていて声が届かないときがある ので注意してほしい」「誘導は壁をたたいてみんなに知らせる。トイレなども忘れず に」「初期消火に失敗したら部屋のドアを閉める」「逃げ遅れが出た場合は臨機応変に 対応する」など、指導を受けました。
 消火器を使用したことがなく、取り扱いが難しいと思っている人もいるのではな いでしょうか。
 消火器の使用については、「火事だ!と叫んでから消火器を持って走る。火の3m くらい前に消火器を置いて安全栓を抜き、ホースを火に向けてレバーを強く握ると 消火剤がでる。消火剤を使い切るまで握る」「火に近づきすぎると、火が風にあおら れ向かってきて火傷する恐れがある」などの説明を受け実際に使用してみました。 しかし、初めてのときはうまくいきません。それでも体験することによってすぐに できるようになります。訓練に参加して体験することこそいざというときの力にな ります。
 地域の防災は自分の家からです。自宅でも、実際の場面ではあわててしまうので、 てんぷら油の火災のときは直接消火すると飛び散るため壁にあて鍋に泡が入るよう にして消します。そのあとコンロにふたをして消すなど、普段からイメージトレー ニングをしておくことが大切です。また、日頃から次の点に気をつけましょう! 防災上の注意








2009/ 2/27





  公益法人、新制度の問題点

 2008(平成20)年12月1日より、約100年ぶりに公益法人制度改革が行なわ れ新制度が施行されました。その目的は、「民による公益の増進に寄与するととも に従来の公益法人制度の問題点を解決すること」と記されています。現在、従来の 財団法人は特例民法法人となり2013(平成25)年11月末までに、移行申請して 認定され公益財団法人になるか、認可され一般財団法人になるか、解散するかの選 択をする必要があります。当教育会館は公益財団法人の認定を申請するため準備を 進めています。  ところが、認定条件が高く申請事務が複雑な手続きになっているため、申請を断 念する小規模の財団法人が続出しそうです。移行作業を代行するビジネスも出現し、 一式請け負うと何百万円ともいわれています。アメリカやイギリスでは、専門家 に頼まなくても申請できるそうです。頼むことがあっても小規模法人の場合は数万 円が相場のようです。私たちは新制度により会計ソフトや関係本の購入、税理士や 行政書士の依頼などが必要になり、その膨大な費用に頭を痛めています。誰のため の制度改革でしょうか。  小規模の財団法人でも立派な法人はたくさんあります。当教育会館は、会員の負 担金により維持費と運営費を支出しています。また、職員1名と非常勤役員、ボラ ンティアの協力により公益事業の教育文化活動を行い、市民の理解と参加を得てき ました。一方、「公益法人としては不適切な多額の利益を得ながら報告してないこ とがわかり文科省が調査に入った」「法人に天下り、何回もわたり法外な収入を得 ていた」などと報道されている公益法人もあります。  誠実に運営する小規模の民間公益法人でも簡便な手続きで新制度に移行できるよ うにと切に望むものです。

2009/ 2/13






教育会館、朗読基礎セミナー           的確な指導と熱心な参加者

 1月24日と31日の二日間、朗読基礎セミナーを開催しました。
 授業は一日2時間。まず、力をぬいて首や肩を回す簡単なストレッチです。次に、 吐いてからお腹をぺったんこにし、お腹の筋肉を緩めると自然に空気が入ってくる 腹式呼吸。日本語は母音が基本、「あ い う え お」の正しい口のあけ方を知 り、声だしの練習と続きます。
 教材は「モチモチの木」と「蜘蛛の糸」。まず講師の長谷川さんが通して読むの を聞きます。みんな聞き惚れて作品の世界に引き込まれていきます。次に参加者に よるワンフレーズごとの朗読です。一人ひとりの朗読に対して、良かった点は明る く励まし訂正する所は具体的に指導します。「とろーり、とろりと大釜の中を実際 にかき回しているテンポで」「ピーンと張った糸、切れる瞬間が見えますか」など、 動作を使って想像するのを助けます。指導の後は確実に上達し本人も納得顔です。
 「良い所をほめてくださる指導はとても良かったです。自信が持て意欲がわきま す。腹式呼吸がやっとわかりました。うれしいです」「発声の基礎を教えていただ き、古希を過ぎた今でも、まだ美しい声を作りだせると伺い少し光が見えてきまし た」「長谷川先生のアドバイスを思い出しながら、これからも練習していきたいと 思います」これはセミナー終了時アンケートに記していただいたものです。参加者 の学習意欲と向上心が伝わってきます。 朗読基礎講座(2009/ 1/24)

2009/ 2/ 6






  市民の利便をはかるため 県立大学駅に特急・快速の停車を

 現在の横須賀三浦教育会館は2001年12月に建設されました。当時は隣にパチ ンコ店があるだけで車や人も少なくさびしい限りでした。その後、大型店のホー ムズ、コジマ電気、神奈川県立健康福祉大学、ハローワーク横須賀、横須賀商工 会議所、高層マンションなどが次々と建設され、急激に人や車が増えました。教 育会館でも、市民による教育文化活動が年々活発になり、ホールや会議室を利用 する市民が増えています。
 しかし、来館のための手段として京浜急行を利用する人から交通が不便との声 が上がっています。それは、横須賀中央駅から先は、特急や快速が県立大学駅だ け止まらないことです。数年前、京浜急行に問い合わせたところ、駅のホームが 短いためとの回答でした。ホームが短くとも、一部車両の扉を開けずに停車して いる電鉄はたくさんあります。京急の普通は6両で特急や快速は7・8両です。市 民の利便をはかるため、何とか工夫して県立大学駅にも停車してほしいと思いま す。
 そこで、県立大学駅にも特急や快速が停車するための要請文を京浜急行電鉄に 提出しました。また、市民の代表である市長・市議会にも京浜急行電鉄に働きか けをお願いしました。この私たち市民の願いが実現するよう期待したいものです。
京浜急行県立大学駅












2009/ 1/23




親しまれる教育会館をめざして

あけまして おめでとうございます 本年もよろしくお願いいたします  昨年は、政治の混迷と世界経済の危機により社会不安が大きく増大しました。そ の結果、非正規労働者・外国人労働者などのリストラが連日報道され、特に弱い立 場の者に大きな影響を与えました。住居を出され食事もままならない人の様子がテ レビに映し出され、「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利 を有する」という憲法についても考えさせられました。  一方、自分の身を削っても雇用を守ろうとする中小企業の経営者、苦しくとも明 るく助け合う解雇された外国人労働者には敬意と感動をおぼえました。  教育会館は、市民のご理解と協力により地域の教育文化センターとして利用者が 増えています。事務所を設置する「教職員団体」「PTA協議会」「幼稚園協会」 「教育文化研究所」は、子どもの幸せと市民の教養向上を目指して活動し成果をあ げています。「自然教室」「工作教室」「科学教室」「コンサート」「美術展」 「朗読ライブ」「セミナー」「歌う会」「ヨガ教室」など、主催する公益事業もみ なさまに期待され好評を得ています。  本年も、より親しまれる教育会館を目指して前進したいと思います。みなさまの ご理解と協力をお願いいたします。

2009/ 1/ 9





ユニセフ募金箱を設置しました

アフリカの子どもたちの命を守る募金に理解とご協力を

*20,000円で、免疫力を高め、感染症を予防するビタミンAカプセル(1年分)を 4273人の子どもに投与できます。 *50,000円で、マラリヤ蚊から子どもを守る殺虫処理済の蚊帳85張りを届ける ことができます。地域保健員も5人養成できます。
ユニセフ募金箱
       

どこに生まれても 命の重さは同じ

 ユニセフからたびたび手紙が送られてきます。手紙を読むたびにアフリカで失わ れていく子どもの命の現実に胸を痛めてきました。 「世界のどこに生まれても、命の重さはみんな同じ、当然のことと思われるかもし れませんが、たとえばアフリカのシエラレオネやアンゴラでは、生まれてきた子ど もの4人に1人が5歳まで生きられません。みなさんの国、日本では250人に1人です から、その差は62倍にもなります。アフリカは、世界で一番子どもの命が危険にさ らされている大陸です」、追伸として「アフリカに生まれた、ただそれだけで死の 恐怖にさらされる子どもたち。しかし、子どもたちの故郷はここしかありません。  世界中どこに生まれても、すべての子どもたちが元気に育っていけるように、重 ねてご支援をお願い申し上げます」とあります。  今年9月に実施されたタンザニアの全国予防接種デーでは、はしかとポリオの予 防接種、ビタミンAと虫下しの投与、蚊帳の配布などが行なわれ、大きな成果をあ げはじめているそうです。そこで、子どもの幸せを願い活動する教育会館に、アフ リカの子どもの命を守るための募金箱を設置しました。みなさまの理解とご協力を お願いします。来年こそ世界平和と子どもに幸せを。  

2008/12/26








童謡・愛唱歌を歌って楽しく元気に

 童謡や愛唱歌は、聴く人歌う人の胸に幼いころの思い出を呼び起こし温かい思い に包んでくれます。和気あいあいとグループで歌うことにより楽しみは倍増し、日 常生活のストレスがとれ健康になるといわれています。 「童謡・愛唱歌を楽しむ会」は、昨年10月より開催し、会員は48名(毎回30 名ほどの方が参加)となり2年目に入りました。会員のみなさんは、童謡・愛唱歌 を楽しんでいます。「導入で簡単なリズム遊びや体操を入れてくれるので楽しい」 「歌にまつわる話をしてくれるので嬉しい」「なんだかこのごろ高い音まで声が出 るようになった」など、参加者に好評です。浦崎先生は、研究熱心でいつも参加者 が楽しく歌えるよう工夫しています。  3月14日(土)には、一周年記念「童謡・愛唱歌を楽しむ会」を計画しています。 二部は、ピアニスト田中梢さんのミニコンサートと伴奏により歌を楽しんでいただ きたいと思います。会員以外の方の参加も大歓迎です。なお、会員には年齢・性別 を問わずいつでも加入できます。  みんなで童謡・愛唱歌を歌って元気になりましょう。

2008/12/12





       子どもは自然の中で育つ
                     三浦半島の自然を楽しむ

自然観察会・大前先生
 教育会館では、長年にわたり春と秋に「親と子の自然観察会」を開催してきまし た。今年は天候不順のため秋に行なう予定を中止し、初めて初冬に行うことになり ました。  講師は植物研究家の大前悦宏先生です。先生の説明は、幼い子にも分かるように 丁寧で「なるほど」と思わずうなずいてしまい、子どもの目は輝きます。自然を愛 する豊かな心と優しさが伝わるからだと思います。先生は、「市民の方に、まず自 然を知っていただき保全的なことを訴えてほしい」「子どもには、自然そのものに さわる・においをかぐなど五感を通して親しんでもらう機会が必要、そのためには 草木などで楽しく遊ぶことが大切」「自然のサイクルは遅い、人も自然のサイクル に合わせて見る方が良い」と言っています。  三浦半島には、すばらしい自然がたくさん詰まっています。この自然に触れ、感 動を味わいつつのびのびと生活してほしいと思います。四季の様々な自然の変化に 触れ、感動体験の多い人ほど正義感が強く豊かな感性が育つと言われます。ご家族 で三浦半島の自然を楽しんでみませんか。

2008/11/30


       折原みとさん 1

 折原さんを知ったのは13年ほど前のことです。折原さんが毎日小学生新聞にエッ セイを掲載していたとき、夢を実現する方法、恋をする気持ちのこと、いじめ問題、 戦争と平和、命の大切なことなど、分かりやすく小学生にも理解できる文でメッセー ジを送っていました。それは、生きるうえで大切な内容であり年代を超えて共感を 与えるものでした。  数年して折原さんとお会いする機会ができ、マンガやエッセイ以外にも多方面で 活動していることを知りました。そのとき、児童書の「青いいのちの詩」「緑の森 の神話」「屋根裏のぼくのゆうれい」エッセイ「オリハラ国ものがたり」などを一 気に読みました。特に、ちょっとしたことで学校に行けなくなった東京育ちの小学 生ユウが、小笠原の大自然の中でいろいろなものと出会い、別れ、たくましく成長 していく物語「青いいのちの詩」に感動したのを思い出します。  卒業間近の6年生の教室に来て話をしていただき、児童に良き思い出をつくって くれたこともあります。そんな折原さんの作品の魅力は、新たな挑戦を続ける行動 的な生活と豊かな感性にあるのではないでしょうか。

2008/10/24


       折原みとさん 2

 マンガ家・恋愛小説家として10代の少女から絶大な人気を誇る折原みとさん。 年を重ねマンガに興味のない私にとっては折原さんの魅力について充分に語るこ とができないかもしれません。読んだのは数冊の児童書とエッセーだけです。そ れでも、心揺さぶられ印象に残っているのはなぜでしょうか。  折原さんは小学校3年生のころ、差別はいやだなと思ったり人間の本質ってな んだろうと考えたりして戦争ものを読んだそうです。エッセーでも戦争の悲惨な 現実に目を向け平和の尊さを述べています。また、「生きたい〜臓器移植をした 女の子の物語〜」「一緒だよ〜車いすの女の子の結婚・出産物語〜」など、障害 や難病の女の子をテーマにした真実の感動シリーズを作品にしています。そして、 「小説を書くとき、いやなことがあったら安らいでほしい、勇気や元気を感じて ほしい、現実の世界でがんばろうという気持ちになって生きていってほしいと思っ て書きます」と言っています。  折原みと原画展「明日はきっと君に輝く」をご覧いただき、折原さんの願いを 感じていただき少しでも元気になっていただければ幸いです。

2008/11/15



       折原みとさん 3

           

「明日はきっと君に輝く」

 今回の折原みと原画展を「明日はきっと君に輝く」というタイトルにしたのは、 青少年のみなさんが、どんなに厳しい状況でも明るく元気に希望を持って成長し てほしいという願いからです。  タイトルを何にするか迷っていたとき、作品一覧のタイトルを見ていると「明 日はきっと君に輝く」が目に飛び込んできました。これこそテーマにぴったりと 思い決めました。それは、青少年に少しでも元気になってほしいという企画の意 図と、折原さんの作品を読んで励まされた方がたくさんいるからです。  タイトルを決めてから小説「明日はきっと君に輝く」を読みました。主人公は 内藤雅19歳。2年前の事故で車椅子生活になり介助犬ミルキーと一緒に新しい人 生を歩き出します。受験、恋、将来の夢、車椅子への偏見とコンプレックス、へ こんだりつまずいたり、時には泣くこともあります。それでも、夢と希望を持っ てしっかりと前を向いて歩きます。その雅の言葉が印象的です。 「…決して、あたしはあきらめないから。どんなに絶望しても。立ち上がって歩 き出せば、きっと、その先には"希望"が待っているから…」

2008/11/21



       教育会館と安全

防火優良認定証
 教育会館は、日頃から活動される人が安心して気 持ちよく利用していただくための条件整備に努めて います。              なかでも、命を守るための安全を第一と考え、防  火施設の整備、保守及び管理面の充実を図ってい ます。  具体的には、 @「通例防火自主点検」の実施、 A契約業者による消防設備の点検(年2回実施) B教育会館防災訓練(自主訓練年2回、消防署によ る指導訓練1回)を実施しています。その結果、 2008年6月9日には横須賀市消防本部より「防火優 良認定書」を受けることができました。  心臓突然死の主な原因となる心室細動の正常化に最も効果的といわれているのが AED(自動体外式除細動器)です。操作は音声ガイドに従って電極パッドを傷病者 の胸にはりつけ電気ショックのボタンを押すだけです。2階ホワイエに設置してあり ますので、緊急のときにはどなたでも使用していただきたいと思います。  9月29日にAED講習会を開催し、意識の確認・胸骨圧迫と人工呼吸・AEDの操 作を実習し救急法を学びました。私たちの周りには様々な事故・急病が起こる可能性 があります。そのため、日常の知識・技術として救急法を身につけておくことは大人 にとって非常に大切なことだと痛感しました。

2008/10/10



       読み聞かせの楽しみ

   小学校5・6年生のときのことです。先生は一日の帰り支度が終わると、「さようなら」 をする前の30分ほどを本の読み聞かせの時間にしていました。私たちはこの時間が大 好きでした。    「ああ無常」「三銃士」「シャーロックホームズ」「怪盗ルパン」「母をたずねて三千里」 など、先生は登場人物になりきり悲しみや悔しさなど心をこめて読んでくださり、とき には涙することもありました。聞く私たちもハラハラドキドキ驚いたり感動したりし明 日はどうなるか続きを楽しみにしていました。    先生の読み聞かせは、さまざまな登場人物の気持ちに触れ人の痛みや思いを知る機会 にもなり、現在も私たちの生きる力になっています。    朝日新聞声欄(9月23日)、毎晩寝る前、3歳のお子さんに絵本を読んでいるお母さ んが、子どもの豊かな発想にはっとさせられ自由な心を抑えつけていることが多いと反 省している記事が掲載されていました。    読み聞かせは、子どもと保護者(教師)が一緒に共感しあえます。多くの保護者(教師)は、 日常の生活と仕事に追われています。その中で、少しでも子どもに読み聞かせの時間が できるのを願うばかりです。

2008/ 9/26





       三浦半島地域の考古学研究先駆者                  赤星直忠博士(1902年〜91年)

 10月18日(土)午後2時より、当会館にて「赤星直忠博士と三浦半島の考古学弥生時代の洞窟遺跡」のテーマで市民教養講座が開かれます。考古学で赤星博士と言う有名な方がいらっしゃることは耳にしていました。しかし、関心の薄いものにとっては赤星博士のすぐれた業績について知る由もありません。
 赤星博士は、戦前戦後を通じて学校や会社に勤めながら、中世武士階級のお墓「や ぐら」や三浦半島に分布している「海蝕洞穴遺跡」、古墳時代のお墓「横穴」などを研 究したそうです。また、横須賀考古学会を主宰し後進の指導育成にもつくされまし た。現在、赤星博士が三浦半島各地で調査した古代の土器や石器などの一部が横須 賀市長坂の赤星直忠博士文化資料館に展示されています。
 今回の講師である釼持輝久さん(赤星直忠博士文化資料館研究員)とは、1976・ 1977年度、同じ仕事をしていたことがあります。当時、釼持さんはまじめで誠実 な青年であり、考古学にとりくんでいたことは知っていました。しかし、考古学の 話を聞くことはありませんでした。
 考古学とは、昔の人が残した物や生活の跡から、その場所と時代の人々の生活、 文化、社会を明らかにする学問です。30年を過ぎた今、釼持さんの話を聞くのが 楽しみです。

2008/ 9/12



公益財団法人 横須賀三浦教育会館

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